◆2024年フィールド日誌

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7月20日(雨のち曇り、時々晴れ) 遠征二日目。上高地ではオオイチモンジに出遭う可能性なしと判断し、谷ひとつ西側、岐阜県北部の山岳林道に入る。豪雨の影響で朝から行動にうつせず。ようやく林道を歩き始めたのは雨が小降りになった午前9時過ぎから。しかし、雲厚く、気温は20℃以下では活動するチョウはいない。午前11時半、薄日が差し、気温が上がると、ようやくチョウの活動が始まる。渓谷に掛かる橋の空間で卍巴飛翔を繰り返すジョウザンミドリシジミを見る。コムラサキ、コチャバネセリ、ヤマキマダラヒカゲが多いのは上高地に同じ。テリを張るヒメキマダラセセリ♂を見る。ヤナギの高所に飛来したオレンジ色の影、望遠レンズを通して確認すればジョウザンヒトリ(蛾)であった。咲き始めたヨツバヒヨドリで蜜を吸うコヒョウモンを見る。この個体、触角を1本欠損していた。ここでひそかに期待していたオオゴマシジミは姿を見せず。時期尚早か?今日もオオイチには出遭えず。ここでも気配を感じることはなかった。午後2時撤収。〔岐阜県飛騨〕

7月19日(曇り) 友人の希望に沿う形で、オオイチモンジ撮影のため12年振りに上高地へ向かう。現地着8時、あいにくのドン曇りの空の下、遊歩道を歩く。天気が悪い影響もあるだろうが、悲しくなるくらい見かけるチョウの数は少ない。コチャバネセセリ、ヤマキマダラヒカゲ以外はほとんど何もいない状態。気温の上昇とともにようやくコムラサキがポツポツ現れる。獣糞などに集まっていたとしてもその数はせいぜい10頭以下。コンクリート壁にとまるシータテハを見る。咲き始めたヨツバヒヨドリに来ていたのはスレスレのウラゴマダラシジミ♀。クガイソウで蜜を吸うツマジロウラジャノメ♀を見る。人の気配に敏感で、撮影のため少しでも近寄ると、すぐ移動してしまう。河原に続く砂地にとまるヒメシジミ♂を見る。ササの葉にとまるのはゴイシシジミを見る。クガイソウで蜜を吸う黒い影、近づき確認すれば、“オオイチ”ではなく、“ダタイチ”(イチモンジチョウ)であった。フタスジチョウを見るがとまらず、シャッターチャンスなし。クロヒカゲ多い。アザミで蜜を吸うウラギンヒョウモンを見る。結局お目当てのオオイチに出遭うことはなく、その気配さえまったく感じられず。午後4時撤収。〔長野県上高地〕

7月13日(晴れ時々曇り) 梅雨前線の位置から、県南部の播磨より県北部の但馬の方が天気が良いと判断!早朝から北に向かう。本日の目的は数年前から姿を見せていない各種の生息確認。最初はクロシジミ、かつての有名生息地を訪ねる。最後に撮影したのは2018年。丹念に探すが、残念ながら生息している雰囲気がまったく感じられない。見られなくなった原因は複数あると思われるが、とどめを刺したのは過度の採集であることに間違いない!スジボソヤマキチョウも姿を見せない。兵庫県内でのもっとも最近の撮影は2015年。姿を消した原因ははっきりしていて、シカの爆発的な増加による生息環境の破壊以外に考えられない。次はオナガシジミ。長野県などでは普通種だが、兵庫県内での撮影はもともと容易ではない。もっとも最近の撮影は2014年。見られなくなったのはマイポイントのみの可能性が高く、それほど心配することはないのかもしれない。最後に探したのはホシチャバネセセリ、2017年を最後に見ていない。以前は2箇所で観察・撮影していたが、いずれの生息地もピンポイントであり、2箇所ともいなくなった可能性が高い。生息環境に変化は感じられないため、減少の原因は不明。その他の目撃・確認したのは・・・。森の中で舞い降りてきたのはオオミドリシジミ♀。高原のカシワ林でハヤシミドリシジミを見る。オス、メスとも数はそれほど多くない感じ。カシワの高枝を叩き、落ちてきたのは、キマダラルリツバメ、ミズイロオナガシジミ、アカシジミ、ウラミスジシジミ。キマルリは産卵時期のメス。ウラミスジは落ちたススキの葉で翅を開いたが、カメラの準備に手間取り、あえなく飛び去られ、撮影は失敗!満開のノリウツギのヒョウモンが多い。蜜を吸っていたのはオオウラギンスジヒョウモン、ウラギンヒョウモン。2種ともオスはすべて破損個体だが、メスは新鮮。スキー場で活動するキチョウのなかにポツポツとツマグロキチョウが混じる。この時期、草原で普通に見られるコキマダラセセリ、なぜかほとんど見かけない。時期的な問題なのか、今年の発生個体数の問題なのかは不明。ジャノメチョウ、ホソバセセリ多い。午後2時撤収。〔但馬〕

7月6日(晴れ) 早朝から西播磨の最も西側を、岡山県に入ったり出たりしながら、南から北に向かう。2015年を最後に9年間姿を見せていないクロシジミを探すが見つからない。鶏舎を建てるべく重機を入れて造成に掛かったが、すぐ計画中止、しかしこのほんの少しの造成が致命傷になったらしく、これ以降姿を見せない。北に向かう。ナラガシワ系ゼフが多産する雑木林、ナラガシワの高枝を叩くが何も飛び出さない。時期的にオスはいないにしても、メスもいないとは!今年は近年稀に見ないほどの超不作年だったもよう。濡れた地面で吸水するコチャバネセセリ多い。さらに移動する。オオムラサキが来ていないかと“樹液食堂”を回るが、何もいない。いたのはスレたキマダラモドキのみ。高標高地のカシワ林にハヤシミドリシジミ多い。やっとまともな数のチョウを見て、ざわついていた心が落ち着く。ただ、樹冠を移動するばかりで撮影可能な下部まで降りて来ない。鮮度は確認できず。午後1時撤収。〔西播磨、岡山県東部〕

6月29日(雨のち曇り、午後から晴れ) ヒサマツミドリシジミ♀の撮影に誘われ、早朝4時自宅発で滋賀県に向かう。小生の出身地である滋賀へは久しぶりの“里帰り”、懐かしい山々を見ると感慨深い想いがこみ上げる。午前8時、ポイント着。折から降り続く小雨に、辺りはしっとり濡れ、湿度100%。9時を過ぎるころから雨は止み、気温の上昇が感じられるようになる。ウラジロノキの葉にとまるヒサマツミドリシジミを見る。葉の表面に付いた黒っぽい分泌物を盛んに舐めとっているようだ。ヒサマツだけでなく、ハエやハムシ、小さな蜂(?)、アリ、コメツキムシなども集まっている。この汁、余程おいしいのだろうか?残念ながらこのヒサマツ、狙っていたメスではなくオス。ウラギンシジミが次々飛来するが、一見、ゼフに見え、紛らわしい。銀白のシジミが飛来、これは間違えようのないウラクロシジミ♂。この時期の個体にしては比較的破損が少なく、じっくり時間をかけて撮影する。兵庫県では数が少ないミスジチョウやイチモンジチョウも姿を見せる。天気予報通り昼前から晴れるが飛来するチョウは少なく、わずかにヒサマツ♂が一度飛来したのみ。産み付けられた卵と近くで静止するモリアオガエルを見る。午後2時撤収。〔滋賀県〕

6月22日(晴れのち曇り、夕刻から雨) 午前のみ晴れ間が出ると判断し、早朝から但馬に向かう。大急ぎでゼフが見られるマイポイントを巡る。朝8時、高標高地の小さな谷にアイノミドリシジミの活動を見る。ただし、例年に比べ数は少ない。いつも混飛しているジョウザンミドリシジミは確認できず。フジミドリシジミも下草に降りていなかった。移動する。ハルニレの大木の高枝を叩くとカラスシジミが飛び出す。すでに気温が上がっているため、樹冠を高速で移動するばかりで、撮影可能な位置まで降りて来ない。撮影できずイライラしていたところ、ふと下草を見れば交尾するカラスシジミのペアが鎮座していた。時間をかけて撮影する。さらに移動する。高原のカシワ林ではハヤシミドリシジミが出始めたようだ。しかしまだ数は少ない。ウラミスジシジミ、ミズイロオナガシジミ、キマダラルリツバメは姿を見せず。午前10時半撤収。〔但馬〕

6月19日(晴れ) 早朝から歩いてヒサマツミドリシジミのテリ張りポイントを目指す。途中のゼフポイントではフジミドリシジミが多い。残念ながらどの個体も見るも無残な破損個体ばかり!ボロフジ撮影中にヒサマツ♂が降りてくる。地面に舞い降りたら即、吸水を始める。しかし吸水は長く続かず、数分後前触れもなく飛び立ち、頭上高く消える。更に、別のゼフが舞い降りる。皆の意見を確認すれば、“これはエゾミドリシジミだ!”と意見の一致をみる。地表での吸水シーンばかり撮影していたため、上方に配慮がなく、ふと見上げれば、ジョウザンミドリシジミのテリ張り、追尾飛翔、卍飛翔が始まっていた。しかし、例年より活動している個体が少なく、多くとも10頭くらいか?アイノミドリシジミも混じるようになるが、こちらも少なく、せいぜい1~2頭しか確認できない。ウラクロシジミ♂も登場するがこちらも大破個体であった。午前10時、ヒサマツのテリ場に向かって移動する。途中、尾根筋でテリを張っていたのはオオミドリシジミ。路上で吸水しているアイノミドリ♂を見る。一日の活動の最後に地表から吸水する行動のようだ。午前11時、ヒサマツのテリ場に到着。待つこと1時間、正午過ぎからヒサマツが姿を見せる。次第に数を増し、複数個所で追尾飛翔、卍飛翔を繰り広げる。目の前の葉先にとまっても、カメラのレンズを気にしている様子は伺えない。しかし友人のストロボには敏感に反応する個体がいる一方、まったく気にしていない個体がいて興味深い。一度だけ、ヒサマツのメスらしき個体が飛来するが、静止した時間が短く、しっかり確認できず。炎天下でかつ、集中しての撮影が続く。のどが乾いているのに、持参したお茶はすでに飲み干していることもあって、次第に疲れを感じるようになる。“熱中症”が頭をよぎる。午後2時半、同じ状況下にあった友人たちと意見が一致し、下山を決意する。下山途中に確認したのは、フジミドリ♀(午前中の♂に比べ、まだ新鮮)と、ミズイロオナガシジミ。沢筋でテリを張っていたのはメスアカミドリシジミか?遠方でのテリ張りだったため確認できず。路上の水たまりで吸水するミヤマカラスアゲハ夏型♂を見る。午後4時完全撤収。〔但馬〕

6月18日(雨のち晴れ) 遠方からの友人をピックアップし、雨の中、早朝から但馬に向かう。午前9時半、ナラガシワの高枝をたたくとウラジロミドリシジミが飛び出す。確認できたオスはどれもオオスレ個体。その他にもゼフがパラパラ飛び出すが、樹冠に舞い上がることが多く、同定できず。更に遠方からの友人と合流し、ヒサマツミドリシジミ♂のテリ張りポイントに向かう。午前11時ポイント着。時間的に活動にはまだ早く、姿を見せるのはムラサキシジミ、ルリシジミ、トラフシジミ(夏型)、テングチョウ辺りが精一杯。午後1時、最初のヒサマツが現れる。翅を閉じて葉先で静止することが多く、翅を開いたとしても45度V字がMAX。数回、他のオスが現れ、追尾飛翔を見せるが、大半の時間は1頭のみの活動となる。午後2時半、テリ場からいなくなったオスは結局戻らず。以降この場ではヒサマツは現れなかった。原因として考えられるのは、晴れてはいるものの気温は17℃~18℃くらいしかなく、活動が活性化しなかったのかも?別のテリ場へ移動する。ここでは1頭が活動中。ただし頭上高い位置なので、撮影には適さない。同じ場所ではスミナガシ2頭が盛んに追い駆け合っていた。アカシジミが飛ぶのを確認する。本種の他に、ミドリシジミ、ミズイロオナガシジミとも今年の兵庫県下東播磨、但馬全域で極めて数が少なく、ほとんど見かけることはない。ミドリシジミは例年の1/100以下の発生個体数ではないかと思われる。ウラナミアカシジミに至っては、今日現在で未確認。午後5時撤収。〔但馬〕

6月15日(晴れ) ゼフ撮影のため、早朝から但馬に向かう。午前8時前、ナラガシワの中木を叩くと、ウラジロミドリシジミが飛び出す。飛び出したオスはスレ、欠け個体ばかり。羽化後一週間以上、時間が経過している感じ。オスに比べメスは新鮮。翅裏も翅表も大きなスレは見られない。更に飛び出したこげ茶色のチョウ、じっくり見れば、ウラミスジシジミ、数年ぶりの確認となる。標高を上げ、ヒサマツミドリシジミのポイントに向かう。ポイント着は9時半、南風が強く、ヒサマツはおろか何も飛んでいない。吹く風は心地よく、太陽が出ていてもそれほどの暑さは感じないが、とにかく何も出て来ない。たま~に、通過するのはルリシジミとムラサキシジミくらい。待つこと5時間、午後2時半になってようやくヒサマツ♂が現れる。翅表にキズひとつない個体。数十カット撮影後、飛び去り、それっきり戻ってこない。またしても待機に戻る。次にやってきたのは1時間後の午後3時半、以降、ようやくこのテリ場で安定して活動が続く。ただし活動する個体は2頭のみ、一瞬3頭になったが、すぐ2頭に戻る。ときに卍飛翔を見せる。卍の径は小さく、回転は速い。本種の飛翔能力の高さをよく表している。追尾飛翔も見ごたえ充分!スピードと言い、枝葉の中をすり抜ける敏捷性と言い、ほろぼれするような飛翔能力である。午後5時までの1時間半、静止画600カット、動画10カット以上撮影する。撮影終了時には疲労困憊。雲が出てきたこともあり撤収。〔但馬〕

6月9日(雨時々曇り) 加西市の“あびき湿原保存会”のご招待により、自衛隊青野ヶ原演習場内の生物調査に参加する。今回は自衛隊のご好意による調査であり、日頃は一切一般人の立ち入りが許されなていない場所である。しかし、あいにくのドン曇り空で時々雨も降る始末、気温20℃と低く、調査日として恵まれた日とは言えない。一般的な景色としては、手つかずの湿地草原があちこちに残り、多様な生物が棲む環境としては申し分がないように思えたが、実際調査してみると姿を見せるチョウやトンボの種数、目撃数とも極めて少ない。唯一めぼしい成果としては、ウラギンスジヒョウモンの新鮮なオスが確認できたことくらいか。池の周辺の草地にはヒメヒカゲが多産しているのでは?!と淡い期待を抱いていたが、1頭も見かけることなく、見事に期待は裏切られた。とは言いつつ、好天でも同じ状況なのか?この時期に再度調査したいところである。〔東播磨〕

6月8日(晴れ時々曇り) 早朝から西播磨のゼフ発生確認に向かう。現地着午前8時。ナラガシワの高枝を叩けば、ウスイロオナガシジミ、ウラジロミドリシジミが飛び出す。ヒロオビミドリシジミはそれらしい姿を目撃するが、とまることがなく飛び去ったため確認できず。休耕田の草地にオオチャバネセセリを見る。黄色の小さなセセリを発見するが、期待したヘリグロチャバネセセリではなくヒメキマダラセセリであった。日蔭の湿った路上にルリシジミが集まる。アカシジミ、ウラナミアカシジミは姿を見せず。東播磨に向かって車を走らせながら、かつての撮影地を巡る。湿地のハンノキ林でミドリシジミを探すがまだ出て来ない。満開の栗の花で蜜を吸うアゲハチョウ、ベニシジミを見る。池の土手にシルビアシジミ♂を見るが、目下本種は端境期らしく、見かけたのはこの個体のみ。最後に訪ねたキマダラルリシジミ生息地、午後4時を過ぎてようやく姿を見せる。最多で3頭確認。尾状突起は4本揃っているものの、ピカピカ個体はいなくて、ややスレ個体ばかり。午後5時過ぎまで撮影に集中する。〔西播磨、東播磨〕

6月1日(晴れ) 早朝から近場を回る。まず訪ねたのは池の縁に生えるヤナギの並木。しかし期待したコムラサキは現れず。次に回ったのは、10年以上前に調査したヒメヒカゲの小規模生息地。それほど環境は変わっていないように感じるのだが、残念ながらどこもヒメヒカゲは確認できず。ヒメヒカゲ調査は終了。移動する。コナラの枝を叩けば、期待通りミズイロオナガシジミが飛び出す。移動する。ウラギンスジヒョウモン生息地を丹念に見て回るが、一度だけ飛翔個体を見るのみ。さらに移動する。畑の奥のクリの花は今が満開。メスグロヒョウモン♂が3~4頭と飛び回っている。撮影の準備を始めたところ、同種のメスが飛来。メスの飛来を見つけたオスがすぐに求愛飛翔に移行する。オスはメスの背後から盛んに求愛するが、メスは交尾済みらしく一向に応じない。この求愛飛翔の継続時間は何と33分!最後はメスもオスを疲れたのか、羽ばたきは緩やかになった。途中、他のオス2頭が加わり、計4頭がもつれるようにシーンも確認。またアサマイチモンジ&ホシミスジがこの騒動に近づいたところ、メスグロヒョウモン♂はアサマイチモンジにも、ホシミスジにも関心を寄せ、求愛するしぐさを見せた。さらに移動する。湿地ではまだミドリシジミは姿を見せない。午後3時半撤収。〔東播磨〕

(*今シーズンにおいても、ヒメヒカゲ採集目的で生息地でネットを振っている不心得者がいる。地権者の許可を得て調査や保全に取り込んでいる我々に対する敵対行為と言わざるを得ない。特に最近の採集者は年配ではなく、大学生が多いと聞いている。採集者自身の姿も撮影しているので、悪質な場合は公開することも考慮中)

5月21日~5月29日まで、チョウ撮影目的で台湾に遠征してきました。現地は梅雨の真っ最中で、連日曇り&雨ばかりでしたが、思いのほか多数の種を撮影することができました。詳細について、近々“海外遠征”と称する新コーナーを開設しますので、そこで写真を含め紹介したいと考えています。しばしお待ちください。

5月18日(晴れ) 早朝から西播磨最深部を目指す。お気に入りの廃屋ポイント着は午前8時過ぎ。二週間前、満開だったキリシマツツジは花を落としたが、花をつけている別の種類のツツジに次々と黒系アゲハがやってくる。やってくるクロアゲハ、カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハの鮮度は様々。超美麗のミヤマカラス♀がやってきたが、残念!両尾状突起の先端がわずかに欠損していた。同じ花株で蜜を吸っていたのは、ボッロボロのミヤマセセリ♀と新鮮なヒメキマダラセセリ♂。渓谷沿いの白い花で蜜を吸うウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)を見る。サカハチチョウの飛翔を見る。撮影地を移動する。民家の前、せせらぎの畔に咲くアザミで蜜を吸うオナガアゲハ♀を見る。オスに比べメスに出遭う機会は少ないので、じっくり時間をかけて撮影する。さらに移動する。明るい大きな渓流沿いに咲くタニウツギの花株に黒系アゲハが群れている。ここでもクロ、カラス、ミヤマカラスがそのメンバー。ここでも個体の鮮度は今一つ。タニウツギのの花で蜜を吸っていたセセリを注意深く見れば、ミヤマチャバネセセリであった。兵庫県内での本種の撮影は2016年以来の8年振り。さらに大きく移動し、東播磨に戻る。加古川河岸段丘に広がる森(ブッシュ)のイボタはどこも今が満開。イボタに新鮮なウラゴマダラシジミ♂を見る。天気が良すぎたためか活動する個体は少ない。イボタで蜜を吸っていたのはアオスジアゲハ、ヒメウラナミジャノメ、アゲハチョウ。アサマイチモンジの活動は盛ん。テリを張るコミスジ♂は強気でゼフ♂のように何にでも突き掛っていく。エノキの樹冠を舞うゴマダラチョウを見る。センダンは満開。〔西播磨、東播磨〕

5月11日(晴れ) 朝一番の新幹線で出張先の横浜から戻る。午前10時、本日実施のギフチョウ幼虫調査に合流する。先月末の産卵調査の“不調”を裏付けるように、見つかる幼虫の数は極めて少ない。近年まれに見る少なさだ。来春の成虫発生が危惧されるが、生息環境さえ維持していれば、数年で必ず元に戻ると信じたい。調査終了後、東播磨最深部に向かう。狙いはウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)だが、思っていたほど飛んでいない。例年であれば、そこかしこに舞っているのに、今日はポツンポツンとしか姿を見せない。かろうじて川沿いに生えるモミジイチゴの花に2~3頭が蜜を吸うのを目撃する。ウスバシロ撮影中に、アオバセセリ、トラフシジミ、サカハチチョウ、ヤマトスジグロシロチョウ、モンシロチョウ、ベニシジミが同じモミジイチゴの花で蜜を吸うのを確認する。午後2時撤収。〔東播磨〕

5月5日(晴れ) 前日撮影したミヤマカラスアゲハの数多くの写真、予想に反しロクなものがなく、ダメ写真ばかり!がっかり!!ツツジの開花時期から考えて、今日が今シーズン最後のチャンスとばかりに、早朝から同じポイントに向かう。午前8時、すでにミヤマカラスは吸蜜にやってきている。幸いにも今日はクロアゲハがいなくて、ミヤマカラスのみ。しかしメスは1頭のみ、他はすべてオス、しかも半数は翅が破損していた。カメラ2台を駆使して、90分間集中して撮影する。次第に飽きてきたのと風が強くなったのを契機にミヤマカラスの撮影を終了する。チョウ撮影とは別の用向きで但馬に向かう。山間部の水田は今が田植えの真っ盛り。車の運転中、たまにウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)が視界を横切って行く。クロアゲハやカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハも見かける。但馬の高原では低地より約半月ほど季節の巡りが遅いようだが、ウスバシロは飛んでいた。所用をこなしたのち、高原を散策しようとするが、あまりにも風が強いため断念、午後1時半撤収。〔西播磨、但馬〕

5月4日(晴れ) ウスバシロチョウ(ウスバアゲハ)の発生状況の確認のため東播磨北部から西播磨北部の各生息地を回る。合わせて、この時期恒例の撮影対象であるミヤマカラスアゲハを狙う。東播磨北部ではすでに田植えが始まっているが、ウスバシロはポツリポツリとしか飛んでいない。訪花シーンも見かけず。早々に峠を越えて西播磨北部に移動する。渓谷の奥、廃屋の庭のキリシマツツジが満開。ミヤマカラス♂、♀、クロアゲハ♂、♀が吸蜜にやってくる。クロアゲハ♂は同種♀を見つけると、すぐさま求愛活動に移行するが、ミヤマカラスアゲハ♂は同種♀を見つけても無関心!吸蜜を続ける。気温が高いためか、吸蜜の合間に林道に舞い降り、地表の水を吸う。サカチチョウ、アカタテハを見る。車道わきの水路で吸水していたのはカラスアゲハ♂。さらに峠を越え、西へ移動する。ここでもウスバシロはパラパラとしか飛んでいない。カラスアゲハやミヤマカラスアゲハが視界を横切って飛ぶがシャッターチャンスなし。ガマズミの花で蜜を吸うサカハチチョウを見る。標高の高いところではまだツマキチョウが活動している。咲き始めたアザミで蜜を吸うキアゲハを見る。午後2時半撤収。〔東播磨、西播磨〕

5月3日(晴れ) 今日もミヤマカラスアゲハ撮影のため転戦する。まずは先々週の土曜日に訪ねた兵庫県下NO1のキリシマツツジの群落がある神社へ。2週間前はつぼみばかりだったのに、すでに花は終わっていた。残念!大急ぎで昨日訪ねたポイントに向かう。午前10時半、民家の庭先のツツジポイント着。期待通り今日も黒系アゲハが群れ飛んでいる。カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハが多いが、なぜか今日は破損個体ばかり。オナガアゲハ♂は昨日確認した個体に同じ。クロアゲハ新鮮、このクロアゲハ、花株にやってきた他のアゲハを確認するや、背後から追いたて、花株から追っ払ってしまう。午後1時半まで撮影を続けるが、以降どの種もパタッと姿を見せなくなる。たぶん活動温度帯を超えて気温が上がったためだと思われる。サカチチョウを見る。日向でも活発に飛び回るクロコノマチョウを見る。午後2時撤収。〔丹波、東播磨〕

5月2日(晴れ) 久しぶりの晴天。早朝から四日前にミヤマカラスアゲハを撮影したポイントに向かう。現地着8時半。数日前ミヤマカラスアゲハ♀を撮影したヤマツツジはすべて花を落としている。植栽のツツジの花ももはや終盤。黒系アゲハが多い。クロアゲハとカラスアゲハが目立つが、ほとんどの個体が破損している。モンキアゲハはどの個体も新鮮。四日前に比べミヤマカラスは少ない。しかもオスの破損個体ばかり。吸蜜するアオスジアゲハを見る。薄暗い林の中を飛ぶのはアサギマダラ。正午過ぎに当地を撤収し20㎞移動する。渓谷の奥、民家の裏の斜面に咲くヤマツツジにミヤマカラスアゲハが群れている。カラスアゲハ、オナガアゲハ、クロアゲハも加わり、小さな花株は大混雑!しかし見上げる角度のカメラポジションではうまく撮影できない。コミスジ多い。午後3時撤収。〔西播磨、東播磨〕

4月30日(雨のち曇り、時々晴れ) 降雨の心配がなくなった午後1時から、一昨日に完了できなかった「ギフチョウ採集禁止」看板の回収作業を行う。気温25℃、湿度90%以上の野外では、少し歩くだけでも汗が噴き出る。看板は1枚の紛失や破損もなく、すべて無事回収となった。森の中でボッロボロのクロコノマチョウとオオトモエ(蛾)の飛翔を見る。さらに今日は珍しい動物に出遭う。まずはノウサギ、ここ10年見た記憶がない。次にホンドキツネ、こちらは年に一度くらい出遭っている気がする。東播磨の里山の自然の豊かさを実感する。午後3時撤収。〔東播磨〕

4月28日(晴れのち曇り) ミヤマカラスアゲハの撮影のため朝から西播磨北部に向かう。ポイントに到着すると、すでに植栽ツツジの生垣のあちこちで黒系アゲハが舞っている。早速撮影開始。翅が破損していないミヤマカラス♂をターゲットに精神を集中して撮影する。生垣の側面で吸蜜する際には、背景の“抜け”が確保できず、良い写真にはならない。背景が“抜けた”写真となる、生垣の頂点に来る瞬間を待つ。ヤマツツジで蜜を吸うミヤマカラス♀を発見!こちらも翅に破損はない。しかも動きが鈍く、♂のように常に翅をバタつかせることがない。ときに羽ばたきをやめ、花にぶら下がって蜜を吸う。ミヤマカラスに混じって、カラスアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、ジャコウアゲハも続々登場し、大賑わいとなる。ナガサキ♀は新鮮個体、しかし第2化以降のような後翅白紋が発達していない地味なメス。アゲハチョウ、キアゲハは明るい日向の花を好むようだ。モンキアゲハは吸蜜せず、探雌のためのパトロールに忙しい。広角レンズを用いて背景まで入れ込む撮影を試みるがうまくいかない。被写体の動きが速いため動画撮影もうまくいかない。雲が出だした午後1時半、当地での撮影を終了し、東播磨に戻る。やや気温が下がってきたため、連休中に行う予定の「ギフチョウ採集禁止」看板の回収に回る。時間的にすべてを回収できず、約3割分を残す。尾根の遊歩道では、クロアゲハ、アゲハチョウ、モンキアゲハが活動する。本日、東播磨~西播磨を車で移動中、黒系アゲハを飛ぶのを頻繁に見かける。ひょっとしたら、約10年振りの黒系アゲハ豊作年か?。各地でコミスジを見る。ヒメウラナミジャノメ、サトキマダラヒカゲ多い。低山とはいえ、アップダウンを繰り返したため疲労困憊!午後5時撤収。〔西播磨、東播磨〕

4月27日(曇り時々小雨、のち曇り、夕方から晴れ) 朝から、この時期恒例のギフチョウの産卵調査に参加する。昨晩からの降雨で山の中は歩きにくい。下草刈りや枝打ちなど保全作業を継続しているヒメカンアオイ自生地計6箇所を回る。各自生地では、参加者皆で、ヒメカンアオイをひと葉づつひっくり返し、卵が付いていないかを確認、付いていれば卵数をカウントすると言う地道な作業を繰り返す。自生地ごとにバラつきはあるが、全体的には数が少ない“不調”の年のようだ。ここ数年の内ではもっとも少ないような気がする。最大面積をほこるヒメカンアイオイ自生地では昨年の1/100以下しか卵が見つからない。たぶん明日孵化すると思われる卵塊や、すでに孵化し行儀よく並んでいる初齢幼虫も確認する。森の中で大きく翅を破損したクロコノマチョウを見る。厄介な生き物として、マムシに二度遭遇。さらにオオスズメバチの女王バチの巣作りの様子を目撃する。午後1時撤収。〔東播磨〕

4月20日(晴れのち曇り) 野生のヤマツツジおよび植栽のキリシマツツジの開花状況を確認するため、西播磨から丹波各地を回る。狙いは開花時期に合わせるように姿を見せるミヤマカラスアゲハ。毎年撮影しているお気に入りのポイントではやっと咲き始めたばかりで、黒系のアゲハは飛んでいない。わずかにアゲハチョウの活動を見るのみ。西播磨最深部ではどこもまだつぼみの状態、従って何も飛んでいない。わずかに白い花(種名不明)で蜜を吸うコツバメを見る。昨年に比べ4~5日ほど季節の進みが遅れているようだ。一気に丹波まで移動、キリシマツツジの大群落がある神社到着。残念ながらここもつぼみの状態。移動中、飛翔中のジャコウアゲハを三度目撃。たぶん近くにウマノスズクサが生えているのであろう。早々に東播磨へ戻る。ここではキリシマツツジはほぼ満開。クロアゲハ♂とアゲハチョウの吸蜜を見る。薄暗い森の中の小道へクロコノマチョウが飛び出す。落ち葉の上にとまれば、まず分からないほど、見事な保護色となる。サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ多い。午後3時撤収。〔西播磨、丹波、東播磨〕

4月14日(晴れ) 朝9時、ギフチョウ♂がテリを張るピークに到着。気温が高いため、今日はこの時間から複数のオスがバンバン飛んでいる。残念ながら翅を破損している個体ばかり。正午までに、最多で6頭を確認する。ギフチョウに加え、アゲハチョウ4頭、キアゲハ1頭が入り、目まぐるしく追尾飛翔を繰り広げる。たまたま、モチツツジのつぼみにとまったギフチョウ♂、飛び立とうとするが脚部がつぼみのネバネバの表皮につかまって、そのまま飛び立てなくなりその場で翅をバタバタさせる。これを目視確認した他のギフチョウ♂が次々飛来し、メスかどうかを確認していく。絶好のシャッターチャンス到来、20分間で合計1000カット撮影する。ギフチョウ、最多で4頭がファインダーに入る。モチツツジのつぼみにつかまった哀れなギフチョウ♂は、20分後死力を尽くして脱出に成功する。正午過ぎに麓に移動、産卵シーンとコバノミツバツツジでの吸蜜シーンの動画撮影を試みるがことごとく失敗!今日の運は午前中で使い果たした模様。午後3時撤収。〔東播磨〕

4月13日(晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」、今シーズン2回目の成虫観察会に参加する。一週間前にいなかったピーク、今日は2頭が飛んでいた。残念ながらすでに翅は破損していた。キアゲハやアゲハチョウも次々にやってくるが、今日は活発な追尾飛翔に至らない。散り始めたサクラで蜜を吸うの確認する。突然、ミヤマカラスアゲハ♂は現れ、サクラで蜜を吸う。動きが早くシャッターチャンスなし。すでに後翅を大きく破損していた。ルリシジミの交尾を見る。コナラの新芽からにじみ出ているらしい汁を吸うのはミヤマセセリ♀。撮影地を移動する。いつもギフチョウの産卵シーンが見られるポイントだが、今日は姿なし。イノシシの餌探しのため至る所を掘り返していることが影響しているのかもしれない。さらに移動する。開けた草地をギフチョウが横切っていく。スレ個体ばかりだが、なかに未交尾の超新鮮メスが混じっていた。さらに移動する。最後に訪ねたポイントにて、コバノミツバツツジで吸蜜するシーンを動画で狙うが、なかなかチャンスがやって来ない。数度のトライでやっと撮影成功。各地でルリタテハを見る。畑の土手にキタテハ多い。森の中で越冬明けクロコノマチョウを見る。午後2時半撤収。〔東播磨〕

4月7日(晴れのち曇り) 早朝から、昨日ギフチョウを撮影したピークに向かう。最初のギフチョウは9時12分に登場。以降、気温の上昇とともにギフチョウの数が増す。なぜか今日の撮影者は小生を含めてたったの3人だけ。逆にハイカーは多く、ひっきりなしにやってくる。ほとんどの皆さんがギフチョウをご存じなのに驚く。ギフチョウは最多で5頭が集まったところへ、更にアゲハチョウ3頭が加わり、目まぐるしく追い駆け合う。どの個体もコバノミツバツツジでの吸蜜はなし。3時間あまり撮影を続けるが、4月初旬と言えども日差しは強く、ばててしまった。午後12時45分、雲が出始めるとギフチョウは一斉に姿を消す。残っているのはアゲハチョウとヒオドシチョウ。ヒオドシチョウの今日の戦いの相手はチョウではなく、クマバチのオス。ミヤマセセリ、ルリシジミ多い。今日はキアゲハは姿を見せず。午後1時半撤収。〔東播磨〕

4月6日(晴れのち曇り) 所属する保全団体「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」のこの時期恒例のイベント、ギフチョウ観察会に参加する。やや気温が低いながらまずまずの天気。最初に訪ねたピークでは1時間以上粘るも結局ギフチョウは現れず。アゲハチョウやキアゲハも姿を見せないため早々に移動する。次に訪ねたピークでは2~3頭のギフチョウ♂が活動中。多くのカメラマンが集まり、皆和気あいあいと撮影する。昼近くになると、アゲハチョウやキアゲハ、ヒオドシチョウも登場し、大混雑、いろいろな組み合わせで追尾飛翔を繰り広げる。ギフチョウは最多で3頭確認。午後1時を過ぎるとギフチョウは一斉に姿を消す。麓のヒメカンアオイ自生地でギフチョウ♀の産卵シーンを見る。今日もミヤマセセリ多い。ルリタテハの大型個体を見る。移動する。畑の脇の草地でヤマトシジミ♀、ツバメシジミ♀を見る。午後2時撤収。〔東播磨〕

4月2日(晴れのち曇り) 午前9時から各地のギフチョウポイントを回る。最初に訪ねた小ピーク、気温が低いためかまったく何も飛んでいない。午前10時半まで粘るが状況は同じ。やむなく移動する。明るい緩やかな谷筋にコツバメを見る。狭い範囲に4~5頭がテリを張っていた。次第に薄雲が広がってくる。次に訪ねたピークではギフチョウ♂1頭が活動していたが、残念ながら尾状突起は2本ともなし。他にピークで活動していたのは、ヒオドシチョウ、ルリタテハ、アゲハチョウ、ルリシジミ、ミヤマセセリ。午後1時撤収。〔東播磨〕

3月31日(曇り時々晴れ、のち曇り) 遠方からの友人とともに早朝からギフチョウ生息地を回る。午前9時半、小ピークでテリを張るギフチョウ♂を見る。昨日羽化した個体か超新鮮。時々枝にとまって休息しながら、パトロール飛翔を繰り返す。40分後に姿を消し、以降いくら待っても戻って来ず。ギフチョウが姿を消した後、入れ替わるようにアゲハチョウが登場する。ルリシジミやヒオドシチョウもやってくるが、雲が出ている時間も長く、昨日ほど活発に活動しない。ミヤマセセリ多い。移動する。モミジイチゴの葉にとまるトラフシジミ♀を見る。しばらく粘っているとやがて期待通り翅を開き始める。翅表の深い藍色がたいへん美しい。午後1時撤収。〔東播磨〕

3月30日(晴れ) 朝9時からフィールドに出る。カタクリの花は今が盛期。残念ながらギフチョウは現れない。明るい森の中でテングチョウ、キタテハ、ルリシジミを見る。小ピークに移動する。山頂に陣取っているのはカメラマンばかり、ここでもギフチョウは姿を見せていない。越冬明けヒオドシチョウ♂の占有行動、同種他のオスとの追尾飛翔を見る。アゲハチョウ新鮮、山頂付近でオスがパトロール飛翔を見る。ミヤマセセリ多い。メスもすでに現れている。サクラやコバノミツバツツジでの吸蜜を見る。越冬明けルリタテハを見る。車の運転中、畑ではモンシロチョウが数多く舞う。午後1時撤収。〔東播磨〕

3月20日(曇りのち晴れ) 石垣島3日目&今回の遠征の最終日。朝から強風が吹き荒れ、しかも朝の気温は17~18℃しかない。これでは何も飛ばない。今回の遠征で初めて山頂(ピーク)を回るが、予想通り北よりの強風が吹いていた。南斜面で北風がさえぎられている箇所を選び撮影する。当地で普通に見られる種ばかりだが、どの種もじっくり観察するとなかなか趣深いものがある。クロセセリ、オキナワビロウドセセリ、ルリモンジャノメ、ヤエヤマイチモンジ、クロテンシロチョウ、ジャコウアゲハ、リュウキュウアサギマダラ、ヒメアサギマダラ、ナミエシロチョウ、タイワンクロボシシジミ、ヒメウラナミシジミ、イワサキタテハモドキがその対象となる。午後から、一昨日昨日と訪ねたセンダングサが生える道路わきを見て回る。一昨日に出遭ったウスコモンマダラ♂に再び出遭う。翅の破損個所から同一固定なのは明か。なぜか今日はヤエヤマカラスアゲハは少ない。逆に今日多いのは、スジグロカバマダラとナミエシロチョウ、ミカドアゲハ。午後3時、すべての撮影を終了し帰途に就く。〔石垣島〕

3月19日(雨のち曇り) 石垣島2日目。“終日曇り”との天気予報は外れ、午前中から本格的な雨となる。北よりの風が強く、気温は20℃に届かず、撮影には厳しい一日。8時からフィールドに出る。小雨の中、ヒメウラボシシジミの活動を見る。採集者がウロウロするなか、ヤブに分け入り、静かに撮影する。次第に雨が強まり、撮影は中断、結局雨が止んだのは正午を過ぎていた。雨上がりに、当たりの草葉を注意深く見ていくといろいろな種が静止している。ネッタイアカセセリ、ヒメウラナミシジミ、タイワンクロボシシジミ、ルリモンジャノメなど。これらをじっくり撮影する。その後気温が上がり、空が明るくなると一斉にチョウが飛び始める。今日もセンダングサにやってくるヤエヤマカラスアゲハを狙い、気持ちを集中して撮影する。風が強まり、今日は早めの午後3時撤収。〔石垣島〕

3月18日(晴れ時々曇り) 石垣島での撮影初日。朝8時からフィールドに出る。山裾の公共施設のランタナにヤエヤマカラスアゲハが多い。ときにミカドアゲハ、アオスジアゲハが混じる。一通り撮影した後、バンナ公園に移動する。ここのランタナも同じく、ヤエヤマカラスアゲハを集めている。オオゴマダラやリュウキュウアサギマダラも蜜を吸っている。ルリモンジャノメは多く、各所でオスがテリを張る。薄暗い森の中でせわしなく動くチョウを発見、慎重に近寄ればシロオビヒカゲであった。明るい日溜りに咲く白い花(種名不明)に多くのチョウが集まっている。そのなかで数が多いのがイシガケチョウ。1平方メートルに何頭いるか数えたら10頭を超えていた。コウトウシロシタセセリ、ヤエヤマイチモンジ、ナミエシロチョウ、クロツバメ(蛾)も混じり、“食堂”は大盛況!道路脇に咲くセンダングサにマダラやアゲハが多い。スジグロカバマダラ、アサギマダラが多く、ヒメアサギマダラ、ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラと続く。マルバネルリマダラも確認する。アゲハで圧倒的に数が多いのはヤエヤマカラスアゲハ、これにクロアゲハ、ジャコウアゲハが続く。シロオビアゲハはたまに見かける程度。ヤエヤマカラスは翅の破損が少ない個体を選んで撮影する。オスは結構数が多いが、メスは少ない。帰る間際にやっとピカピカのメスが登場、じっくり時間をかけて撮影する。ナナホシキンカメムシを各所で見る。センダンの高所の花に舞うのはベニモンアゲハ。午後4時撤収。〔石垣島〕

3月17日(晴れ時々曇り) 沖縄本島2日目。天気予報では終日曇り、ときに雨・・・だったが、大外れで朝9時から快晴となる。沖縄、八重山の天気予報は実によく外れる。“信じる者は救われない!”の典型例。昨日の公園に向かう。天気は良いが、蝶影は今日も薄い。待つこと30分、ついに破損がないオキナワカラスアゲハ♀が登場するが、陽の当たる場所に咲く花にはやって来ず、奥まった暗いところに咲く花にばかり執着する。こんなところで光量不足に苦しむとは思ってもみなかった。続いてオスも登場するが、こちらも暗いところに咲く花ばかりを移動する。11時半までの2時間半、ジャコウ♂を除けば、黒系アゲハは20~30分に一度くらいのペースでしかやって来ない。結局、破損の少ないオキナワカラスアゲハはオスもメスもたった一度しかやって来なかった。雲が出始め、更にアゲハの飛来も少なくなったため、那覇に向かって南下する。那覇市内に入り、いつもの公園に向かう。シャリンバイやトベラの花は満開なのに何も来ていない。マメ科のピンクの大きな花(種名分からず)にウスキシロチョウが群れ飛んでいる。ときにツマベニチョウもやってくる。公園内の路上や芝生の上にタテハモドキが多い。ツマムラサキマダラ、リュウキュウアサギマダラ、テングチョウを見る。センダンの開花が始まっている。本土の5月中頃の季節の感じか。午後2時半、撮影終了。夕刻の便で石垣島に向かう。〔沖縄本島〕

3月16日(くもり) 昨晩の便で沖縄県那覇入り、本日から5日間日程で沖縄本島、八重山遠征をスタートする。午前8時の開店と同時にレンタカーを借り、北へ向かう。今回の沖縄本島での撮影目的はオキナワカラスアゲハのメス、一昨年来たときはオスばかりだったので、今回は満を持してのメス狙い。公園の一角、前回来たときはツツジも満開、黒系アゲハもわんさか飛んでいたのに今回は大違い!ツツジもアゲハもパラパラ!しかも空は曇っている。丹念にツツジの花をチェックしていくと、どこからともなく黒系アゲハが姿を見せる。まず現れたのはナガサキアゲハ♀、以降、モンキアゲハ♂、ジャコウアゲハ♂、♀と続く。ようやくオキナワカラスアゲハ♀が登場するが、翅が破損した個体。オスも次々やってくるがどれもこれもボロばかり。比較的新鮮なのはジャコウアゲハのみ。午前10時半まで粘っても、一向に状況が好転しないため、やむなく場所を変える。約40km走り、以前から有望とにらんでいたツツジ公園に到着。折からツツジ祭りが開催中で、花も人も溢れんばかりだが、肝心の黒系アゲハが全く飛んでいない。わずかにシロオビアゲハの大破個体を見るのみ。早々に移動する。これまで何度も訪れている山頂に向かう。しかし風強く、何も飛んでいない。午後2時半、ようやくスミナガシがテリを張り始める。最多で4頭が追い駆け合う。目前を通過するモンキアゲハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、アオバセセリに反応して飛び立ち、追尾する。スミナガシ同士だと、追尾の他に直径約1mで二重螺旋状に空高く舞い上がることもある。リュウキュウヒメジャノメ多い。本日は1頭もマダラに出遭わず。午後4時撤収。〔沖縄本島〕

3月10日(晴れ時々曇り) 日差しは強いが北風が吹く肌寒い一日。最高気温は10℃。11時半からフィールドに出る。越冬明けのヒオドシチョウ、春一番のルリシジミを期待して小ピークに登るが、山頂には何もいない。雑木林の中の日溜りにはテングチョウも姿を見せていない。いつもなら咲き始めて、春の香りを漂わせるヒサカキも全く花を付けていない。例年より春の訪れは遅れ気味か?〔東播磨〕

3月3日(晴れ) 昨日より若干気温は高いがそれでも肌寒い一日。昨日完了しなかったギフチョウ採集禁止看板の残り分を設置する。今日の設置枚数は少ないが低山のアップダウンの繰り返しで脚が疲れる。すれ違うハイカーから、「ギフチョウに出遭える春の山歩きをいつも楽しみにしています」、と嬉しい言葉をかけていただく。作業終了後、いつもの畑に向かう。やや風は強いものの日差しは力強い。南向きの斜面にベニシジミ、モンキチョウの活動を見る。〔東播磨〕

3月2日(晴れのち曇り) 冬型の気圧配置の寒い一日。気温は午前10時で5℃、正午で8℃しか上がらない。今月末からのギフチョウシーズンに備え、小野市来住町・下来住町両自治会から依頼されているギフチョウ採集禁止看板を設置する。広範囲のギフチョウ生息地に数多く設置するため、いつもこの作業は疲労困憊!今日も3時間かかっても終了せず、残りは後日設置となった。気温は低いものの、里山の尾根歩きは実に爽快、すれ違うハイカーの皆さんもギフチョウのことは良くご存じで、“ギフチョウとの出遭いは春の山歩きの楽しみ”と言っていただく。低い気温のため、チョウは一種類も姿を見せず。〔東播磨〕

2月24日(曇りのち晴れ) 午前10時から晴れ間が広がるが、西風強く、全般的に肌寒い一日。11時過ぎからフィールドに出る。ウメの開花は早や終盤。何か吸蜜に来ていないかと丹念に探すが見つからず。竹藪に囲まれた日溜りにムラサキシジミを見るが、翅を広げてくれず、従ってシャッターチャンスなし。畑の土手の法面を飛ぶキタキチョウを見る。車で移動中、風に流されて飛ぶキタテハを見る。モンキチョウ、ベニシジミは姿を見せず。正午の気温は10℃。〔東播磨〕

2月18日(曇りのち雨、夕方から晴れ) 昨日より気温は高いが、またしても天気予報は外れ、11時過ぎから雨となる。太陽が顔を出さないと、気温が高くても活動するチョウはいない。わずかにキタテハの飛翔を見るのみ。二日連続で一度もシャッターを切ることなし。正午時点での気温は14℃、早々に撤収する。〔東播磨〕

2月17日(曇りのち晴れ) 晴れて暖かくなるとの天気予報は外れ、午前中はドン曇り、正午でも気温は10℃に届かない。これでは何も活動しない。ダメもとでいつものコースを回るが、一度もシャッターを切ることなし。車の運転中、一瞬出た晴れ間にモンキチョウ♂の飛翔を見る。〔東播磨〕

2月12日(晴れ時々曇り) 南西の風がやや強く、思ったほど気温が上がらない肌寒い一日。花をつけているウメの樹にテングチョウやアカタテハが来てはいないかと畑の縁を巡る。チョウよりも低温で活動するハナアブやミツバチを探すが、風が直接当たる樹にはまったく見られず、風が完全に遮られた場所に咲く花でポツポツと見るのみ。こんな状況ではテングチョウやアカタテハはやって来ない。モンキチョウ、ベニシジミも今日は姿を見せない。撤収した正午時点でも気温は9℃までしか達せず。〔東播磨〕

2月10日(曇りのち時々晴れ、一時雨、のち晴れ) 目まぐるしく変わる天気の一日。午前10時半からフィールドに出る。午前11時時点で気温は9℃、気温のわりに暖かく感じる。畑の法面の草地でキタテハを見る。撮影のため近寄ると敏感に反応して飛び立つ。モンキチョウ、ベニシジミは姿を見せず。モンシロチョウ幼虫はキャベツで活発に食餌する。正午撤収。〔東播磨〕

2月3日(晴れのち曇り) 北よりの風が吹くが、南斜面は意外に暖かい日。午前11時からフィールドに出る。気温は7℃、天気は良いがモンキチョウ、ベニシジミとも姿を見せない。スイバの根元にベニシジミ終齢幼虫を見る、体側と背に赤いラインのあるタイプ、スイバの葉の色合いに実によく似ている。収穫されずに残ったキャベツにモンシロチョウの幼虫を見る。静止しているのではなく、盛んに食餌のため活動していた。撮影地を変える。雑木林のなかのイボタにウラゴマダラシジミの卵を探すが見つからず。正午の気温は10℃、雲が出始め撤収。〔東播磨〕

1月28日(晴れのち曇り、のち雨) 午前10時半からフィールドに出る。思った以上に日差しは強く、春の気配を感じる一日。午前11時時点での気温は9℃。南向きの畑の土手にモンキチョウ♂を見る。1月末時点での目撃は初めてかもしれない。モンキチョウを確認でき驚いていたところへ、更に新鮮なベニシジミが姿を見せる。それも2頭。鮮度から想像すれば、ここ数日に羽化したもよう。今日の陽気に誘われたのか、越冬中のキタテハも飛び出す。畑の土手のスイバの根元にベニシジミ幼虫を見る。図鑑によればベニシジミの越冬は1~3齢の幼虫とあるが、今日確認したのはひょっとしたら4齢幼虫かも?池の土手のヤナギの根元でコムラサキ幼虫を探すが見つからず。ウメの開花始まる。〔東播磨〕

1月14日(晴れ) 朝は放射冷却現象で氷点下まで冷え込んだが、日中は日差しも強く、暖かい一日。午前10時からフィールドに出る。いつもの畑の土手でモンキチョウ♂を見る。翅の縁毛も綺麗に残る新鮮個体。どう見てもここ数日のうちに羽化した感じ。一旦飛び立つと飛翔時間も長く長距離を飛ぶ。セイヨウタンポポで蜜を吸うシーンを撮影する。畑の法面のスイバの株の根元にベニシジミ幼虫を見る。成虫は今日も姿を見せず。正午撤収。〔東播磨〕

1月13日(晴れのち曇り) 西寄りの風が強く、冬型の気圧配置だが、日溜りは結構暖かい日。展望台からの風景撮影のあと、河岸段丘に広がるイボタの茂みにウラゴマダラシジミの卵を探すが見つけられず。先シーズンは見かける成虫の数が少く、これが影響しているのかもしれない。湿地のハンノキ林でミドリシジミの卵を探す。こちらはいとも簡単に見つかる。しかし、産み付けられているのは、直射日光の当たらない位置ばかり、逆光下での撮影に苦労する。〔東播磨〕

1月6日(曇り時々晴れ) 終始曇りがちだが暖かい日。正午での気温は13℃。南向きの畑の土手では、陽が差すとモンキチョウが飛び出す。1月1日に確認、撮影した個体と同一個体のようだ。翅の破損は激しく、この生息地で生き残っているのはこれ1頭だけかもしれない。丹念にベニシジミを探すが見つからず。〔東播磨〕

1月1日(晴れ時々曇り) やや西風は強いが穏やかな日。正午前の時点で気温は10℃。11時過ぎからフィールドに出る。南向きの畑の法面で活動するモンキチョウ♂を見る。陽光が差すと飛び回るが、ひとたび陰ると活動を停止する。タンポポで蜜を吸うベニシジミを見る。12月29日に撮影した個体と同じか。モンキチョウとベニシジミのツーショットを撮影する。そのあと、モンキチョウの飛翔シーンを狙うが、なかなかうまくいかず。12時半撤収。〔東播磨〕


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