◆2009年フィールド日誌


12月26日(晴れ) 午前は曇り、昼前から急速に回復する。 気温が上がった午後2時、代々木公園で新鮮なヤマトシジミ♂を見る。今日はカメラを持参せず画像なし。 日本チョウ類保全協会主催、新宿御苑インフォメーションセンターで開催中のチョウ写真展&講演会に出席する。 *明日の午後(14時〜16時)も行っていますので、ご都合のよい方はお越しください。〔東京都〕

12月13日(晴れ) 2週連続で兵庫に戻る。今日はヒメヒカゲ生息地の整備のための枝打ちの日。 ヒメヒカゲ生息地に植栽され、大きくなりすぎたヤマモモの枝を払い、ヒサカキやソヨゴなど常緑樹を切り倒す。ヒメヒカゲの生息に適した明るい草原を維持するためである。 地元の高校生のボランティアグループの応援もあり、地元新聞社の取材を受けながら、皆和気あいあいと作業が進む。 落とされた枝の量に比例して、流れ出る汗の量も半端ではない。作業始め時は防寒着に膨れ上がっていたのが、1枚脱ぎ2枚脱ぎで最後は半そでになった。 2時間の作業で生息地は見違えるように明るくなった。 先週に続き、採集者に告ぐ!我々は採集者を締め出すことが目的ではなく、かろうじて残った多様な種が残る生息環境の保全を行い、一年を通じて種々の活動を行っています。ウラで文句ばかり、批判ばかりではなく、我々の活動に参加しませんか!〔兵庫県播磨〕

12月6日(晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動の一環、この時期恒例の雑木林の枝払いに早朝から汗を流す。 今回はこれまでまったく手を付けなかったところ。ブッシュ化した斜面を前に思わずひるんでしまう自分が情けない。 しかし20人近く集まったパワーはすごい!1時間もすると暗かった雑木林は明るくなり、冬の柔らかな日差しが地面まで届くようになる。 何度も繰り返すが、ギフチョウ成虫の採集だけを目的に当地にやってくる採集者へ一言、多くの仲間がギフチョウ生息地の保全、里山の整備を行っています。当地のギフチョウ採集の是非について今一度自身で考えていただきたい!〔兵庫県播磨〕

12月5日(曇りのち晴れ) 週末の仕事の都合で兵庫県戻り。気温が上がりきった正午過ぎ、この時期通い慣れた畑に向かう。 南向きの畑の土手ではウラナミシジミが活発に飛んでいる。ただしどの個体も相当に破損している。 ヤマトシジミ♂は比較的新鮮。 モンシロもまだまだ元気。 冬アブラナで吸蜜するのはツマグロヒョウモン♂、複数の個体が集まっている。 モンキチョウ、ベニシジミ、ヒメアカタテハの活動は当分続きそう。〔兵庫県播磨〕

11月28日(晴れ) 丘陵地の自然公園を歩く。谷戸(やと)と呼ばれる当地独特の地形が広がっている。調べれば、約2万年前の最終氷河期頃に雨水や湧水によって、丘陵が侵食された地形とのこと。確かに関西では見かけない景色である。雑木林と谷の棚田、最上部の湿地が見事に調和し、なるほど生態系の縮図と言われているのが良く分かる。 クヌギ、コナラ、ヤマザクラは紅葉し、風が吹くたびに落ち葉が舞う。 冬に咲くアブラナの花にヒメアカカテハ、ツマグロヒョウモン、スジグロシロ、イチモンジセセリが吸蜜に来ていた。ヒメアカタテハの両後翅の大半を失っているがそれでも元気に飛び回っている。 森の中を歩くとムラサキシジミが頻繁に飛び出す。 明るい畑ではモンキチョウ、モンシロチョウ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミが多い。 この調子なら12月に入ってもまだチョウは見られそうだ。〔横浜市〕

11月21日(快晴) 快晴の空の下、東京都秋川丘陵を歩く。 コナラ、クヌギ、アラカシを主とした雑木林は、紅葉が始まったところ。 住宅地のそばに素晴らしい環境が残っている。シカに食害され、自然環境を破壊された兵庫県中央部に比べ、当地を歩くこの心地よさは何だ!落葉途中の明るさ、暖かさも格別である。 明るい陽だまりにムラサキシジミを見る。 南向きの畑の土手にアザミの残り花が咲いている。吸蜜に来ていたのはキチョウとアサギマダラ。 キタテハを各地で見る。 丘陵の尾根に整備された遊歩道の全長約10kmを4時間かけて踏破する。〔東京都〕 

11月15日(快晴) 友人からの誘いで早朝から千葉に向かう。 昨日の荒れ模様がうそのような好天。 午前8時現地着。生息地の谷はしっとり濡れてまだ日が差し込んでいない。午前8時半、高所の枝に日が当たり始めると、白い小さなチョウがチラチラ舞い始める。ムラサキシジミより明らかに小さく、白いため、一度見ればすぐルーミスと分かる。大きさは違うが、むしろウラギンシジミの方がまだ似ているような気がする。 10時を過ぎると谷全体が明るくなると、次々低木や地表に舞い降りてくる。 シャッターチャンス到来!2台のカメラをフルに使いじっくり時間をかけて撮影する。 背景が暗いなか、翅表のルーミスブルーが強烈な日差しを浴びて輝くとコントラストが強すぎて、マイナス2.0でもまだ露出オーバーとなる。 陽の当たるエリアの移動に合わせ撮影ポイントも移動していく。 ときにムラサキシジミ、ムラサキツバメ、ウラギンシジミが混じり谷は大賑わい。 興味深い行動もしばしば見せる。 昼食も取らずひたすら写し続ける。 午後2時、風が強くなったところでシャッターチャンスが減り、ようやく空腹と疲労に気がつく。 数百枚の写真の出来に期待しながら、満足感に浸りながら撤収する。〔千葉県〕

11月7日、8日(晴れ) 仕事の都合で週末は兵庫に帰る。7日夕刻、通い慣れた畑の一角に向かう。モンシロやツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、チャバネセセリ、ヤマトシジミがさまざまの花に集まっている。強烈な午後の陽ざしの中、逆光での撮影を試みる。暗い背景にならないと作品としてしまらない。 センダングサはすでに種を付けているため、安易にブッシュに踏みこめない。翌8日、早朝からフィールドに出る。朝露に濡れた畑の土手にシルビアを探すが見つからない。撮影地を変える。気温が上昇した10時、播磨のクロツ生息地に到着。新鮮からボロまでいろいろな鮮度の個体が飛んでいる。ツメレンゲの花期は終了している。強い陽ざしを浴びて、石や道路、下草で盛んに開翅する。斜め前方からの微妙な角度でみられるビロード色の輝きを探る。通りがかった地元の方との楽しい会話を挟み集中して撮影する。 さらに撮影地を変える。この時期加古川市内ではコスモス畑が多い。聞くところによれば休耕田の利用方法の一つのこと。コスモス畑の隣にマリゴールドの花畑が広がる。キク科の独特のむせかえるような芳香の中、予想通り、多くのチョウが群れている。無数のキタテハ、ヒメアカタテハに混じり、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、チャバネセセリが集まっている。まっ黄色の世界の中での撮影は案外難しい。〔兵庫県播磨〕

11月1日(曇りのち晴れ) 午前8時、朝露に濡れる公園を歩く。気温が低いため活動しているチョウはいない。 垣根の中から貧弱な枝を覗かしているエノキの幼木にアカボシゴマダラ幼虫を見つける。計4頭。 同じような環境をイメージして探せば、いつでもどこでも簡単に見つかる。緑一色からやや茶色がかったもの、体は緑色で触角は茶色とバリエーションに富む。 早々に切り上げ兵庫に向かう。〔横浜市〕

10月18日(晴れ) 先週に続き、同じ公園を散策する。 計2か所、エノキの幼木にアカボシゴマダラの幼虫を見る。 刺激を与えると上半身を持ち上げ、触角をハサミのような形に保持し、今にも挟むぞ!といったような威嚇の姿勢を取る。何かの昆虫に擬態しているのかもしれない。 本日新たにオオウラギンスジヒョウモン♀を確認する。この種は兵庫県では瀬戸内海側にはいない種!正直驚いた。 アザミの株に今日も虫が群れている。ホシホウジャクの飛翔を試みるが、ストロボの光量調整が難しく、結果はイマイチ。〔横浜市〕 

10月10日(曇りのち晴れ)、11日(快晴) 転勤後初めてフィールドに出る。自宅から歩いて行ける大きな公園内を2日連続でくまなく歩き回る。 予想外に自然が残っていて正直驚く。 公園内の陽だまりではメスグロヒョウモンが多い。兵庫県内播磨、但馬両地域ではこれほど数多く見られるところはないだろう。なぜかメスばかりでオスは1頭も見かけない。吸蜜花はアザミが中心。産卵行動には出遭わず。 貧弱なコスモスの植え込みにチョウが集まっている。ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ、ヒメアカタハといったところは兵庫と同じだが、珍しくオアスジアゲハが来ていた。 頭上高く、緩やかに飛ぶのは例のアカボシゴマダラ。一見、ナミアゲハのオスと同じ色合いだが、飛翔はずいぶんゆっくりしている。聞くところによれば、この辺りでは完全に定着しているとのこと、複雑な思いである。11日に2回遭遇、シャッターチャンスなし。 薄暗いシラカシの森でクロコノマを見る。北上&東進著しい本種であるが、初日から出遭うとは思わなかった。翅裏面の模様、個体の大きさとも、兵庫産に同じ。 同じ森の中でクロヒカゲ、ナミヒカゲ、ヒメジャノメを見る。これら3種とも兵庫県産に比べ一回り小さい。 ムラサキシジミ♂♀とも新鮮、開翅を見る。この公園はシラカシ、クヌギ、コナラを主体とした雑木林であるが、ムラサキはアラカシではなくシラカシで発生しているのだろうか?アベマキやアラカシのない雑木林には少々違和感を感じる。 明るい林縁に咲くシロヨメナで吸蜜するのはテング。 アザミの大群落に多くのチョウが集まっている。一番目を引くのはアサギマダラ。吸蜜に忙しく、強引に近寄っても逃げない。アラギマダラを撮影中のすぐ横をモンキアゲハが飛んでいく。この時期になるとさすがにボロ個体。数が一番多いのはイチモンジセセリ。チャバネセセリが混じっていないかと注意深く観察するが、ただ1頭もいなかった。この時期の兵庫播磨なら、イチモンジ、チャバネは同比率なのに・・・。 この公園、人の手で管理されているのはよく分かるが、それにも増して武蔵野の雑木林の面影を色濃く残しているように感じる。ひょっとしたら来年の初夏にはオオミドリやオオムラサキが姿を見せるかもしれない。 その他、この2日間で目撃したのは、クロアゲハ、モンシロ、モンキ、スジグロシロの各シロチョウ、ウラギン、ヤマト、ベニ、ツバメの各シジミ、コミスジ、キタテハ、すべて合わせると何と26種に上った。 飛翔のみの目撃だったため同定できなかったが猛スピードで力強く飛ぶちょっと大きめのシロチョウを見る。先日の台風と考え合わせ、ウスキシロチョウあたりの迷チョウの可能性を感じる。 ナミアゲハ、キアゲハに出遭わないの意外といえば意外であった〔横浜市〕

*9月末日をもって横浜へ転勤になります。「但馬の蝶・播磨の蝶」のタイトル通りの内容は一旦休眠に入ります。9年7ヶ月の長きに渡り、ご愛顧いただきありがとうございました。心からお礼申し上げます。尚、当サイトはしばらくこのまま継続するつもりですが、更新頻度はかなり少なくなるのと同時に内容的には転勤先の話題を扱うことになります。今後とも宜しくお願い致します。【サイト管理者】

9月26日(晴れ夕方から曇り) 朝から秋晴れ、青空が広がる。10時からフィールドに出る。まずは先週に続き郊外のソバ畑に向う。 今日も多くのチョウが群れている。 畑の中央にメスグロヒョウモン♀を発見!一気に近寄りたいところだが、畑を踏み荒らすわけにもいかず、畑の周囲に出てくれるまで待つ。 吸蜜中にツマグロヒョウモン♂、他の不明ヒョウモン♂がチョッカイをかけていく。 ようやく撮影可能な距離まで近寄ってくれた。 またもや畑の中央に煤けたヒョウモン発見!たぶんミドリヒョウモン♀との予測は見事大当たり。先日のオスに続き今日はメスを確認する。撮影中、近寄るオスヒョウモンをよく見ればミドリであった。 ソバ畑に似合うのはやはりツマグロヒョウモンのメス。普通種だが絵的にはすばらしい。 ソバ畑に来ていたのは、イチモンジセセリ、ヒメアカタテハ、モンシロチョウ、ナミアゲハ、キタテハ、キチョウ、モンキチョウなど多数。 撮影地を変える。先日に続き池の土手の草地へ。 キセルアザミやサワヒヨドリに来ていたのは、ミドリヒョウモン♂、ウラギンスジヒョウモン♀、♂。ウラギンスジ♀は新鮮だが、♂は右前縁を喪失した破損個体。飛翔スピードはやや遅いが活発に飛び回っていた。メスは羽化直後にあまり活動しないためか、この時期になっても新鮮な個体が多い。 更に移動する。 雑木林わきの畑のシオンの花株に多くのチョウが群れている。一番多いのがイチモンジセセリ。花から花へ移動シーンを狙うがスカ写真の山を築く。 ここにもメスグロヒョウモン♀がやってきた。 その他、キマダラセセリ、ヒメアカタテハ、アオスジアゲハ、モンシロが蜜を吸っていた。〔東播磨〕

9月22日(曇り) この時期の恒例行事、「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の活動の一環、トランセクト調査用機材および、保全看板の片付け、オミナエシ採種マーキングなど一連の作業のため、朝6時自宅発で但馬ハチ高原に向う。高原はすっかり秋の様子。広大なススキ草原にリンドウやオタカラコウ、ツリガネニンジン、ウメバチソウが咲いている。オミナエシやヨツバヒヨドリはすでに花期を終えている。 ウスイロ幼虫は3齢、まだ越冬体制には入っていない。 夏眠明けウラギンヒョウモン♀、オオウラギンスジヒョウモン?を見る。 ススキ草原をボロのナミジャノメ♀が流れていく。〔但馬〕

9月21日(晴れ) 早朝のみフィールドに出る。狙いは朝露&シルビア♂の開翅。いつものポイントでは期待通り、新鮮なオスが下草にとまっている。 次第に陽は高くなり、気温も上昇するが、この個体、なぜか開翅を始めない。待つこと数十分、ようやく後翅を摺りあわせはじめたと思えば、わずかにV字に開くのみ。そのあと前触れ無く飛び立ち、以降延々と探雌飛翔を続けた。 そば畑に多くのヒョウモンが吸蜜に集まっている。ほとんどがツマグロヒョウモンだが、わずかに1頭ミドリヒョウモンが混じっていた。個人的には加古川市内で初確認である。*帰宅後「兵庫県の蝶」で過去の記録を調べたところ、加古川市内では記録無しであった。 同じそば畑でキタテハ、ヒメアカタテハ、モンシロチョウ、イチモンジセセリの吸蜜を見る。〔東播磨〕

9月20日(晴れ) 午前中に所用をこなし、一段落した午後からフィールドに出る。 久しぶりに西播磨に向う。 千種川沿いは至る所で1ヶ月前の豪雨の爪あとが残っている。 久崎、円光寺、大日山、小日山といった集落の被害が特に酷いようである。一日でも早い回復を祈るのみ。 水害の影響かどうかは分らないが、ここ西播磨では今シーズンはクロ系のアゲハをまったく見かけない。 栗林でキマダラモドキ♀を見る。〔西播磨〕 

9月19日(晴れ) 午後からフィールドに出る。数年ぶりにジャコウアゲハが現れたという畑に向う。 情報どおり、低く飛び産卵を繰り返すメスに出遭う。畑の土手の法面、貧弱なウマノスズクサの株には赤い卵がいっぱい。 ときにヒャクニチソウやヒガンバナで蜜を吸う。 近寄る同種のオスの求愛を拒否、猛スピードで逃げる。この畑では数年おきにに大発生し、次の世代の幼虫段階で食料不足のため全滅、数年後のメスの飛来を待つといった生息状況である。 撮影地を変える。 池の土手ではサワヒヨドリの満開が近い。期待に違わず、ウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモンはやっとお目覚め、サワヒヨドリに集まり蜜を吸っている。 ウラギンスジヒョウモン♀はやや色あせているものの翅の破損は見られない。 メスグロヒョウモン♂はかなりの破損個体。 これから2〜3週間、吸蜜で栄養補給しながら産卵していくのであろう。〔東播磨〕

9月13日(晴れ) 朝8時、この時期の恒例行事、「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の里山・下草刈りに向う。 その前にちょっと道草、畑の土手でシルビアを探す。朝露に濡れた下草のいたるところにシルビアがとまっているがボロが多い。 朝日を浴びると次第に翅を開き始める。道路にとまったメスを撮影中に軽トラが接近、撮影を中断しやり過ごす。さて再開と先ほどメスを探せば、哀れ轢かれてしまっていた。 9時から正午まで草刈に汗を流す。 田んぼの土手の咲き始めたサワヒヨドリに多くのセセリが集まっている。オオチャバネ、コチャバネ、キマダラ、イチモンジか。 作業は正午で終了、午後から撮影に集中する。 公園の生垣のアベリアに多くのチョウが集まっている。 モンキアゲハ2頭、カラスアゲハ2頭、クロアゲハ3〜4頭、ナミアゲハ5〜6頭、ツマグロヒョウモン4〜5頭、イチモンジセセリ多数、オオスカシバなどである。 そのうちの1頭、カラスアゲハ♀にターゲットを絞って集中的に撮影する。人の気配にまったく動じないのは好都合だが、常に逆光、被写体は暗く、すぐ脇は車がバンバン通るあいにくのシチュエーション。 吸蜜花としてのアベリアはなかなか“絵”になる要素である。 撮影地を変える。 道端のキバナコスモスで蜜を吸うナガサキアゲハ♀を発見。後翅の白紋の発達もまずまずの美麗個体。飛ぶ姿は優雅そのもの。となりの畑のヒャクニチソウに移動し吸蜜を続ける。ナガサキ♀を撮影中、背後のみかんの木の周囲を別のナガサキ♀が旋廻している。こちらも新鮮そうだったが、かまわず元のメスの撮影を続ける。 キアゲハ、アオスジ含め、今日はなぜかアゲハばかりに出遭った。〔東播磨〕

9月6日(晴れ) 10時からフィールドに出る。今日は日頃めったに使わないカメラのみを携帯する。 キツネノマゴの花で吸蜜するのはキマダラセセリとオオチャバネセセリ。吸蜜中のオオチャバネセセリ♀へ求愛する♂が登場。後方から近寄り、細かく翅を振るわせる行動は他のセセリに同じ。メスはすばやく逃げ、静かにオスをやり過ごす。 池の土手はオミナエシが満開。この花で吸蜜するコチャバネセセリを見る。 ツリガネニンジンやワレモコウなど秋の花が咲く。 サワヒヨドリも咲き始めているが、ヒョウモン類はまだ眠りから覚めていないらしく、1頭も見かけない。 先週に続きヒャクニチソウの花畑に移動する。きょうはアゲハの数が少ない。わずかにキアゲハ、ナミアゲハが各1頭のみ。 今日のカメラは本当にダメカメラ!こんなに色が悪く、ピント合せが難しいとチョウの撮影には絶対に向かない。結構な値段ながら、まったく戦力にならない。下取り価格を確認すれば、購入時の5分の1以下、本当に腹が立つ!*従って本日のワンショットは先週の撮影分です。〔東播磨〕

8月30日(晴れ) 昼過ぎまで所用をこなし、一段落した午後2時からフィールドに出る。傾きかけた陽を横目に、郊外の花畑に急ぐ。 ヒャクニチソウが満開、予想通りと言うか、期待に違わず多くのチョウが群れている。 ナミアゲハ十数頭、キアゲハ5〜6頭、モンシロ、ツマグロヒョウモン、イチモンセセリは無数。ナミアゲハを撮影中、突然黒いアゲハが飛来する。大型かつ新鮮なナガサキのオス。 背景は明るいが被写体は真っ黒、露出補正に気を配りながら、集中して撮影する。 ヒメヒカゲ生息地を歩く。飛ぶチョウの姿は無くひっそりしている。遊歩道はクモの巣だらけ、と言うことはここ最近誰も歩いていないことになる。 湿地に貧弱なオミナエシを見る。〔東播磨〕 

8月23日(曇りのち晴れ:長野県) ちょっとした事情により、未明から長野県に向う。 午前9時着。でも雲厚く、気温は低く、あいにくの空模様。 草地を歩くがこんな天気では何も飛び出さない。 同じ草地で高名な某昆虫写真家とその方に付き添うテレビクルーにお会いする。くしくも目的は同じ、チャマダラセセリの夏型だ。 スジチャやアカセセリは姿を見せるがチャマは現れず。目的は現れずとも和気藹々とチョウ談義に花を咲かせ、楽しい時間を過ごす。 写真家氏と別れ撮影地を変える。高木の高枝をたたくと曇り空にゼフが飛び出す。依然として気温が低いため活動は鈍く、ヒラヒラと下に降りてくる。そっと近寄り周囲を慎重に探せば、ワラビの葉の上にムモンアカが鎮座していた。やや色あせているが破損箇所は見当たらない。必死になって撮影中、おもむろに翅を開いたかと思うと飛び立ち、頭上高く、樹冠に消えた。 更に撮影地を移動し、渓谷沿いの林道を歩く。 オオミスジの巨大なメスが食樹の樹冠を舞っている。 道端でチョロチョロ飛ぶのはミスジチョウ。関西産に比べ明かに一回りは小さい。 林道を奥深く進み標高を上げる。 明るい切通しにタテハがちらほら。エル、クジャク、シー、コムラサキなどである。どのタテハもなかなか敏感で容易に近寄らせてくれない。 コンクリート劣化箇所で汁を吸うキベリタテハを見る。 本日の第一目的はこのキベリ。今春から日本に滞在している外国の友人が帰国を前に本種を撮影したいという希望をかなえるため、今日の遠征となったわけである。何とか大願成就で正直ホッとする。でも今日出遭ったキベリはこの1頭のみ。 薄暗い林道脇のコケに産卵するミドリヒョウモンを見る。コケの下数十センチにはスミレの葉がある。産卵場所をどのように見つけ、選んでいるのかなど興味は尽きない。スジボソヤマキは飛ぶばかりでシャッターチャンスは一度も無し。 ボッロボロのフォボニウスメスを見るがあまりのボロで同定は不可能。 屋外の牛糞に多くのチョウが集まっている。辺りを漂う臭いには閉口するが、気にしていては“仕事”にならない。かまわず突入する。 カラスアゲハ、エル、シー、ルリの各タテハ、コムラにスジグロシロが舞い上がる。 午後から天気は急速に回復、強烈な夕日のなか、最後にもう一箇所草原を訪ねる。 諦めかけたその瞬間、ヒメジオンで吸蜜するチャマダラセセリを発見!色あせ、翅の破損も激しいが、とにかく夏型チャマに間違いない。照りつける夕日の中、追いかけ追いかけ見失わないよう必死で撮影する。 高速代1000円による人での多さ&事故渋滞2度も加わり、帰路7時間を要する。日付は変わり疲労困憊で帰宅する。〔長野県〕

8月22日(曇り時々晴れ) 午前中、溜まった所用をこなす。 午後、昨年に続き、「青少年のための科学の祭典2009・東はりま会場」に出店している、加古川の里山・ギフチョウ・ネットのお手伝いにはせ参じる。当日、ブースにやってきた幼児や小学生に実際にチョウにふれてもらい、一緒になってアルバム作る。チョウを前にして、目を輝かせる子供たちを見ると、40年前の自分を思い出す。楽しい夏休みの思い出になれば、と願うばかりである。〔東播磨〕

8月15日(曇りのち雨) 早朝から但馬に向う。 6月後半〜7月はじめのゼフシーズンの賑わいが嘘のようにひっそりしている。もちろん誰にも出会わない。 ササの葉にゴイシが多い。 リョウブの花で蜜を吸うのはアカタテハ、オオウラギンスジヒョウモン、ミドリヒョウモン?、アオバセセリ。 路上で吸水するイチモンジ♂を見る。新鮮ながらアレッと思うほど小さな個体。 高標高ではヒメキマダラヒカゲが新鮮。じっくり見ればなかなかどうして美しい。 サトキマダラヒカゲ、ヒメジャノメ、ナミジャノメ、クロヒカゲは元気に飛んでいる。ヤマキマダラヒカゲは見かけず。 咲き始めたヨツバヒヨドリにアサギマダラを見る。この花にはこのチョウがよく似合う。 何といっても一番数が多いのはルリシジミ。見かけたチョウ総数の50%以上は本種。 撮影地を変える。 高原のスキー場にツマグロキチョウを見る。背の低いカワラケツメイに交尾ペアを発見。しばらく見ていると、次々他のオスが飛来し、交尾中のメスにしがみ付き横から交尾を迫る。数分に一度のペースでこの光景が繰り返される。更によくよく見ると、このペアがとまるカワラケツメイの葉に本種の幼虫を発見!交尾ペア、飛来する他のオス、そしてこの幼虫の4ショットを狙うがスカばかり。そのうち雨が強くなり止む無く断念、撤収する。 ダイミョウセセリ多い。もちろんすべて後翅に白線がある関西型。 その他、ヒメアカタテハ、ウラギンシジミ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ、コミスジ 、スジグロシロ、サカハチを見る。〔但馬〕

8月12日(曇り時々晴れ) ハイキングを兼ねて、来シーズン以降の好撮影地を探して京都府境の南但馬・東床尾山〜西床尾山を縦走する。ここでも数日前の豪雨の爪あとが残り、車両通行止めのため長い歩きを強いられる。 湿度100%の暗い杉林の急斜面を登ること一時間、ようやく尾根にたどり着く。 明るい落葉樹林帯の林床面はほうきで掃いたようなきれいさ。実はこれがクセモノ、一部の植物を残し、ありとあらゆる植物が鹿に食べられてしまったあとなのである。鹿が嫌うためいたるところにはびこっているのは、イワヒメワラビ、マツカゼソウ、タケニグサ、ダンドボロギクなど。このうちイワヒメワラビの新葉が撒き散らす悪臭に辟易する。個人的にはタケニグサの花の悪臭も相当だが、こちらも負けず劣らず気分が滅入る。 今、播磨北部から但馬南部、丹波、播磨西部では鹿の数が急増している。冬季に雪が降らなくなったため、冬場に凍死、餓死しなくなったのがその主たる理由との事。頻繁にフィールドに出ていると10年前に比べ最近の激増ぶりを実感する。 兵庫県の自然環境保全に関わっている方たちの目下の最大の問題がこの鹿問題なのである。このままでは昆虫をはじめ動植物相が激変、森自体が死んでしまうのはあきらか。ここ半世紀の人間の“悪行の数々”に対して、ついに“山の神様”のしっぺ返しが始まったと言えなくもないが・・・。 渓流沿いの明るい広場で吸水するミヤマカラスを見る。超大型の新鮮なオス、後翅裏面の白線もくっきり。 クサギの花で吸蜜するのはモンキアゲハ、ヒメキマダラセセリ? 東床尾山山頂では多くのキアゲハ♂が集まり追尾飛翔を繰り返している。これにツマグロヒョウモンが加わり賑やか。 尾根道を歩行中、何度もヒオドシを見かける。避暑に集まっているのだろうか? 西床尾山からの下山道はいたるところで崩壊、道が無くなっていて、あやうく遭難しそうになる。〔但馬〕 

8月9日(雨) 未明に飛び起き、某県某所へゴマを見に行く。 自宅を出たときから降り続く雨。 現地到着後、わずか1時間だけ雨が止む。びしょ濡れになりながら草地を歩く。ようやく見つけたオス。カメラの濡れを気にしながら慎重に撮影する。悪天候下ではまったく飛ばない。チョウ採集者に人気が高い本種。真のチョウ愛好者なら、本種の行く末をもっともっと真剣に考えてほしい!まとまった頭数を安易に採集することの罪深さに気がついてほしいと願うばかりである。 同じ草地にセセリが多い。ホソバ、コチャバネ、イチモンジ、オオチャバネ、キマダラ、ミヤマチャバネの6種。 撮影対象としてようやく見つけ出した新鮮なミヤチャはカメラを構える前に逃げられる。 雨が強くなり止む無く撤収する。〔某県某所〕

8月2日(雨のち曇り、午後から晴れ) 午前中はヒメヒカゲ調査報告書作成に集中する。 晴れ間が広がった午後1時から自宅周辺を散策。 加古川河川敷に生えるアレチハナガサの大群落ににナミアゲハ、キアゲハが集まっている。 同じ場所をキアゲハ♀が低く飛ぶ。よく見れば、同じところに生えるセリ科植物(○○ボウフウ?)に産卵していた。 薄暗い神社の境内にクロ系のアゲハが集まっている。ナガサキ、クロ確認、あともう一種はカラスか? 公園のアラカシの垣根にムラサキシジミを見る。新鮮なメス。蒸し暑い中でも、陽だまりにとまると翅を開く。新芽にまとわり付いていたが、産卵は確認できず。 アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモン♀、ウラギンシジミを見る。〔東播磨〕 

8月1日(曇りのち雨、夕方曇り) この時期のライフワーク、兵庫オオヒカゲ探索のため岡山県境近くの高原に向う。 昨年滋賀県で確認した生息環境を思い出しながら、湿地周辺を中心に探し歩く。カサスゲも豊富、いつでも飛び出しそうな雰囲気があるが、やはりいない。 更に湿地を訪ね歩く。次々と好ポイントが見つかるがお目当ては姿を見せず。 おおきなクロっぽいチョウが飛び出すとドキッとするがジャノメチョウ&クロコノマであった。 ホソバセセリ、オオチャバネセセリ、チャバネセセリを見る。 車の運転中、アカタテハ、コムラサキ、ミヤマカラスアゲハ?を轢きそうになる。 各地でリョウブの花が満開。〔西播磨〕 

7月26日(曇り時々雨) ここのところうっとうしい梅雨空が続いている。今日も湿度高く、時おり雨が降る一日。 溜まりに溜まった所用の山、早朝から精力的に処理する。 家の中でも少し体を動かすと汗が吹き出る。 青空がのぞいた正午過ぎ、気分転換を兼ねて自宅周辺を散策する。 先週、ゴマダラが数多く舞っていた祠のエノキでは、今日はただの1頭もいない。 住宅地の中の公園にアオスジアゲハが多い。植栽のイブキを被い尽くすヤブカラシの花に3頭、4頭、集まってくる。小刻みに羽ばたかせながら、次から次へと花を移っていく。ときに2頭が出遭うと猛スピードで追い駆けあう。飛翔能力と言う点で当地ではNo1、本種の右に出るチョウはいない。 新葉が食害されていないか、各地のソテツを見てまわるがそれらしい痕跡や卵は見当たらない。〔東播磨〕 

7月17日〜7月19日:長野県遠征
7月17日(曇りのち一時晴れ、後雨) 未明に出発し、上高地着午前9時。 朝に降った雨は乾かず、湿度が高く、雲は厚い。 森の中の遊歩道では見かけるチョウの数は少ない。ヒメキマダラヒカゲ、コチャバネを見るのみ。 正午過ぎようやくオオイチに遭遇。人の気配に敏感でなかなか近寄らせてくれない。撮影に手間取っているうちに大粒の雨が落ちてくる。止む無く木陰に避難し、天気の回復を待つ。 願いが通じたのか、数十分後、見る見るうちに明るくなり、陽射しが出てくる。 陽射しとともにどこからともなく多くのオオイチが舞い降りてくる。 新鮮からボロまで鮮度はさまざま、すべてオス。 コンクリート劣化箇所や地面から吸水を始めるが落ち着かない。 ときおり水溜りへのダイビングを繰り返す。ダイビングにどんな意味があるのか皆目検討がつかない。 そのうち着ているシャツや靴などの衣類にまとわりはじめ、汗を吸い始める。余程美味なのかどれだけ近寄っても離れない。 再び雲が厚くなるまでの1時間半、撮影に集中する。 昨年の生き残りか、ボロのキベリを目撃する。 現地泊。

7月18日(雨) 本来なら北アルプスの尾根を目指すところだが、こうも天気が悪いと動くに動けない。雨が小降りになった午後、周辺を散策するが気温が低く、飛ぶチョウはいない。 現地泊。

7月19日(雨のち曇り、再び雨) 雨音で目を覚ます。これでは今日も尾根には登れない。失意のうちに上高地を撤収し帰路へ。 途中立ち寄った草原に、コキマダラ、ホシチャ、コヒョウモン♀、ヒメシジミを見る。森の中ではゴイシが多産していた。数が多いためかゼフのように卍や追尾飛翔を繰り返す。 シーのテリ張りを見る。 ウラギンヒョウモン、オオミスジ、不明ゼフの卍を見る。 高速道路走行中、何度も豪雨に見舞われる。交通渋滞と重なり、大幅な時間を費やし、ほうほうの体で帰宅する。

7月12日(晴れ時々曇り) 朝5時半起床、身支度もあわただしく6時にフィールドに出る。 夜露に濡れたススキ草原でホシチャバネを見る。気温が低いためか活動は鈍い。 ひとまず宿に帰り、準備を整えチョウ観察会会場に向う。初めてお会いする方も多く、和気藹々と話が弾む。我々メンバーによるスライド説明のあと、フィールドに向う。さっそく出迎えてくれたウスイロ交尾ペアにカメラの輪が出来る。はじめてウスイロヒョウモンモドキを見るという方も多い。「こんなに小さいのか!」との声が上がる。オミナエシの葉株に卵を探すが見つからない。 遊歩道沿いに2時間、チョウだけでなく植物も観察しながら散策する。途中、ミヤマハハソの小木にアオバセセリの幼虫を見る。我々に気付いた幼虫はその巨体に似合わず、一目散に自分の巣に戻る。あまりの行動の素早さに驚く。よく見れば5つ6つと巣がぶら下がっている。 初夏の高原を満喫し、午後2時下山、その後、無事解散となる。〔但馬〕

7月11日(晴れ時々曇り) 明日のハチ高原・夏のチョウ(ウスイロヒョウモンモドキ)観察会のため、前日から現地に入り、準備を行う。オスはスレ始め、メスの数は増している。7〜8年前の密漁者と対峙したころとは隔絶の感がある。 新鮮なコキマダラセセリ♂を見る。アザミで盛んに蜜を吸っていた。 ウラギンヒョウモンはオスばかり、メスは見かけない。 午後の空き時間を利用してヒサマツを見に行く。この時期になるとさすがに採集者はガタ減り、でもまだボロでも採っているヤカラがいる。 今日最高の出遭い、それはクマタカ!上空から急降下、わずか数十メートルの近距離まで近づいてくれた。迫り来るド迫力に茫然自失、その後深い感動に包まれる。 今夜は現地泊、地元ロッヂにて夜遅くまで楽しい宴会が続く。〔但馬〕

7月5日(晴れ時々曇り) 今日はゆっくりスタート。溜まった家事をこなし、10時自宅発で但馬に向う。 今日の狙いはヒサマツ一本。風弱く、陽射し強くで絶好の日。カメラをセットし主役の登場を待つ。午後1時、1頭め登場するがブナの高枝にとまり遠い、残念!。以降1時間、次々登場するがとまる位置は高く、すべて下で待機する採集者の餌食となる。 午後5時まで粘るが、採集者の視線を気にし&遠慮しつつ最短3mの距離での数カットが精一杯。 早くから陣取っていたという理由のみで採集者が優先して採集してよいのか?カメラマンの存在意義はどこにいあるのか?チョウ愛好家すべてが個々の採集行為自体をどう位置づけるのか、もう一度真面目に考える時期にきているような気がしてならない。〔但馬〕

7月4日(晴れ後曇り、午後豪雨) 今週も朝から但馬各地を回る。ハルニレの大木にカラスシジミを見る。訪ねた時間が遅く、下に降りてきてくれない。ようやくクリの花で蜜を吸っていた個体がモデルになってくれた。 小さな谷でジョウザン♂のテリ張りを見る。曇ると活動が低調になる。ウリハカエデの葉の上にとまるゼフを見る。同行の友人の高倍率レンズを通してみると、どうやらジョウザン♀のようだ。V字に翅を開いたと思うと、高所に飛び去る。 午前10時からウスイロヒョウモンモドキのトランセクト調査を行う。*来週日曜日の7月12日に観察会を行いますので、お越し下さい。前日から現地での宿泊も大歓迎です。 ウラギンヒョウモンは数を増している。 ボロのギンイチモンジを見る。 ウスイロ調査の終了は午後2時、調査が終わるや否や、一転空は真っ暗、数分後には集中豪雨となり、車の運転もままならず。 待つこと1時間、天気は回復せず止む無く撤収する。〔但馬〕

6月28日(午前:晴れ時々曇り、午後:快晴) 昨日の疲れが残るがこの時期そんなことは言っていられない。今朝も6時前に出発、一路但馬を目指す。今日は誰にも遭いたくない、ひとりでじっくり撮影したいとの思いから、Myポイントばかりを回る。 ミズナラの森はキクイムシの影響か、大木が無残に枯れている。林床に陽が当たるためか草相が大きく変わっている。 明るかったピークは樹が生い茂りすっかり暗くなっている。それでも樹冠をゼフが活発に飛び回っている。ネットを持参していないため確認のしようが無い。オオミドリかジョウザンミドリであろう。 ササの葉にとまるゴイシ♀を見る。執拗に追跡したところ、黄色く色づいた葉にとまったかと思うと、すぐに葉の裏に回りこんだ。よく見ればこの葉の裏にはアブラムシがびっしり!葉の色づきに反応しているというよりは、匂いか何かに反応しているような気がする。アブラムシを前にして、ストローを伸ばし吸汁を始める。 明るい陽だまりでテリを張るゼフを見る。竿でたたき出すこと30分、ようやく下に降りてくれる。ササにとまるとすぐさま開翅、ピカピカのジョウザンであった。 下山途中、目の前にゼフ♀を発見、慎重に近寄ったところV字に翅を開く。前翅に紅に紋、メスアカミドリ♀である。はやる気持ちを抑え、カメラの設定を整え、顔を上げたところ被写体はいなかった。残念無念!撮影地を変える。大きな深い渓谷だが、すでに早朝ゼフの活動は終了したもようで、疲れ果てた(?)ジョウザン♂を見るのみ。 本日のメイン作業、ウスイロヒョウモンモドキ今シーズン初めてのトランセクトに向う。陽射しは強烈、気温は30℃以上、ペットボトルを腰に下げ、長時間の調査を行う。 ウラギンヒョウモン♂は数多く、探雌飛翔に忙しい。 ススキ草原にはボロのギンイチモンジ多い。 ピークでテリを張るのは新鮮なキアゲハ♂。 ミズナラの幼木で発生しているムラサキシジミを見る。〔但馬〕 

6月27日(晴れ) 朝4時自宅発でゼフ撮影のため但馬に向う。 現地着6時半、すでに気温は20℃近く、しかも乾燥している。こんな状況では早朝撮影は厳しい。 8時、日当たりの良い道端でテリを張るのはオオミドリか?スレスレ&ボロ。 ブナの樹の下、地面にとまるのは大ボロのフジ♂。しばらく追い回すが、落ち着き無く飛び去る。 しばしの仮眠のあと、ヒサマツが現れたのは正午を回ってから。一年ぶりの再会に心躍るが、どうやら時期遅し、すでにスレている模様。午後1時過ぎから、開翅やルリシジミ相手の追尾を繰り返す。たま〜に他のヒサマツ♂が侵入すると追い駆けあう。 最短でも2mの距離、もう少し近づきたいところだが、足元は悪く、これ以上は無理であった。 午後2時で当地の撮影を終了し、某有名産地に向う。帰り道を急ぐ採集者に対向することが多い。ポイントではそれでもまだ採集者が闊歩している。具体的に述べることはしないが、極めて不快な発言&行動に怒る。カメラを手にした多くの者もまったく同感とのこと。 新鮮なミヤマカラスの敏捷な飛翔、スミナガシ欠け個体のテリ張りを見る。 クリの花で吸蜜するアサギマダラ♂を見る。〔但馬〕 

6月21日(晴れ時々曇り) 未明のネット天気予報で雨雲の動きを確認、但馬の好天を確信し、朝6時自宅発で但馬に向う。 生野峠を越えると予想通り晴れ間が広がっている。期待に胸を膨らませゼフポイントを回る。某有名ポイントでは採集者には出会わないが、ゼフもわずかしか見かけない。シャッターチャンスは無し。更に転戦するが、まったく成果無し。正午をまわると一気に雲が厚くなる。 今年に但馬ゼフは大外れの予感が漂っている。 新鮮なイチモンジチョウを撮影する。 その後、一気に南下。 夕刻、昨日に続きミドリシジミの撮影に没頭する。オスのウォーミングアップ開翅やそれに続くテリ張りも盛ん。飛び交う個体数の多さに感動する。昨日のような曇り日の卍は低く&長く続くが、今日のような好天では卍は一瞬、追尾の方が圧倒的に長い。ぬかるみで足を取られ泥まみれになりながら至福の時を過ごす。〔但馬、播磨〕

6月20日(晴れ後曇り、夕方小雨) 朝9時からヒメヒカゲ生息調査を行う。見かける個体数は激減している。まもなく成虫シーズンは終了。スゲやイヌノハナヒゲに産み付けられた卵を確認する。 ウラナミジャノメは破損個体が多い。 ミドリシジミは新鮮。日中はハンノキの葉の茂みに潜り込んでいる。 ウラギンスジヒョウモンは今日もとまらず飛び続けている。 調査は午前で終了し、他のチョウ撮影に切り替える。 ナラガシワの枝先でテリを張るヒロオビを見る。撮影のため隣の木によじ登ったところ、敏感に反応し飛び去られてしまう。 栗林の縁の薄暗い茂みにキマダラモドキを見る。この個体、人の気配に敏感で容易に撮影できない。 満開の栗の花で吸蜜していたのはモンキアゲハ。 再び撮影地を変える。湿地のハンノキ林にはミドリシジミが多い。たった今羽化したばかり、翅も柔らかなメスを見る。曇り空ながら、午後4時を過ぎると追尾&卍飛翔が始まる。卍飛翔にターゲットを絞り集中して撮影する。〔播磨各地〕 

6月14日(晴れ) 昨日に比べやや遅く今朝は5時起きで西播磨に向う。 現地着6時半、草木は朝露に濡れている。ナラガシワの高枝をたたいたところ、バケツをひっくり返したような強烈なシャワーに見舞われる。最近手入れがされていない斜面の下草は胸の高さまであり、上から下からビショ濡れになる。ヒロオビミドリ、ウラジロミドリ、ウスイロオナガ、ウラナミアカが高所にとまっているの尻目に意気消沈。 草地にオオチャバネセセリが多い。 ナラガシワの葉にとまり翅を広げるヒオドシを見る。 西播磨は1時間で切り上げ、播磨北部を西から東へ移動する。 大きな渓谷ではカラスアゲハ♀の飛翔を見る。 場所を換え、次の渓谷では路上にとまるミスジ♂を見る。これまで本種との相性は極めて悪く、シャッターチャンスは数度しかなかったが、今日はじっくり落ち着いて撮影できGOOD。 更に東に向う。ウラキン、オオミドリを狙うがかすりもせず。 正午も大きく回った頃、ようやくヒメヒカゲ生息調査に向う。 調査項目をこなしたあと、かつてのキマルリ生息地を訪ねるが姿無し、サクラの古木も半減し20年の歳月はいかんともし難い。 ミドリは出始め、時おり卍飛翔を見せる。西風強く、雷雲せまり、止む無く撤収する。〔播磨各地〕 

6月13日(曇りのち晴れ) 朝3時半起床で但馬に向う。 目的地着午前6時。 未明の降雨で木々は濡れ、湿度高く、雲厚く、気温低く、これでは飛ぶチョウはいない。午前7時を回るとようやくヒメキマダラヒカゲが飛び出す。 第一ターゲットの羽化直フジは見つけられず。 薄暗い林道にアサギマダラが集まる。オスもメスの地面にストローを伸ばし盛んに水分を取っている。ミネラル分を吸収しているのだろうか? 標高を下げ渓谷に向う。 ようやく薄日が差し始める。 樹冠を渡っていくウラクロ♂を見る。 本日第二ターゲット、メスアカミドリ♂がイタドリの葉にとまりテリを張る。 ヒメキマダラセセリが近づく、ちょっとだけ反応するが飛び立たない。イチモンジチョウやテングには反応して追尾する。 本種はこれまで撮影チャンスがほとんどなく、個人的にはひとつの課題になっていたのだが、幸運にも本日で解消した。 咲き始めたウツギで蜜を吸うカラスアゲハ♀を見る。 午前中で但馬をあとにし、ヒメヒカゲ生息調査に戻る。ヒメヒカゲは破損個体が多くなっている。ウラナミジャノメも多いが新鮮な個体はいない。 探雌飛翔中のウラギンスジヒョウモン多い。 ハンノキの樹冠を飛ぶのはミドリシジミではなくトラフ。 オオチャバネセセリ新鮮。〔但馬、播磨〕 

6月7日(晴れ) 前夜のW杯予選TV観戦のため今日は早朝ダッシュが出来ず。 それでも9時からヒメヒカゲ調査を行う。 マーキングや採集者監視は他のメンバーに任せ、播磨全域のヒメヒカゲ生息地を回る。調査結果の詳細をこの場で報告することはできないがあえて一例を示すと・・・すばらしい生息環境があってもなぜか生息していないポイントの多いことに驚く。 生息に関して言えば、ウラナミジャノメはしぶとく、ヒメヒカゲは弱い印象を強くする。 今日も、ウラギンスジヒョウモン、ウラナミジャノメに出遭う回数は多い。〔播磨各地〕 *昨日途中から6年間使い込んできた愛機が故障(本サイトで使用している写真の70%以上を撮影しているカメラです)。実は今回が2度目、修理費用を考えると廃棄を決断せざるを得ない。でもご安心あれ、即同じ機種をインターネットオークションで落札しました。今週末には間に合う予定です。

6月6日(曇りのち晴れ) 早朝6時半からヒメヒカゲ生息可能リストアップポイントを回る。 午前9時、本日のマーキング調査地に向う。多くのメンバーがそろい頼もしい限り。和気藹々と調査は進む。得られたデータは興味深いものばかり!フィールド調査の醍醐味を感じずにはいられない。本当にすばらしい。 *去る6月2日、またしても採集者が侵入した。平日にも関わらず3名のメンバーが調査中だったため、なんとか“鬼採り”は防げた模様。侵入者の名前も判明、現在、対応を思案中。 本日午後も調査は続くが、個人的な希望で、マーキング調査地を離れ、単独行動に移る。 生息可能リストアップポイントを体力の続く限り回るつもりで気合を入れる。 午後4時までに2万5000歩を歩く。 これだけフィールドに出ていると、ヒメヒカゲの減少原因が手に取るように解る。 一様ではなく箇所ごとに異なり、人的な開発、湿地の乾燥化、木本の侵入、植栽樹の成長による草地の減少や消滅、そして採集圧、など実にさまざまな原因で数を減らし、人知れず姿を消しているようだ。 ウラギンスジヒョウモン、ヒオドシ、ウラナミジャノメを見る。 ヒルトップでテリを張るのはツマグロヒョウモン♂。 尾根筋の登山道でモンキアゲハ、産卵行動中のクロアゲハ♀を見る。 スギの葉にとまるコミスジを見る。どうやらテリを張っていたようだ。 新鮮なテング、求愛飛翔中のナミアゲハのペアを見る。〔播磨各地〕  

5月31日(晴れ時々曇り) 未明の降雨の影響は少なく、朝9時からヒメヒカゲ生息調査を始める。 集まったメンバーはそれぞれの持ち場に散っていく。 各地で新鮮なヒオドシを見る。一斉に羽化した感じか。 ヒルトップはどこでもアゲハやツマグロヒョウモンのバトルの世界。 クロやモンキ、アオスジ、ナミ、キと各アゲハは入り乱れ追尾を繰り返している。 薄暗い墓地で羽化して間もないミズイロオナガを見る。初見。 尾根道のコナラの樹冠を渡っていくのはアカシジミ。 テングチョウが猛スピードで飛び去る。 テイカカズラの花で蜜を吸うナガサキアゲハを見る。 意外にも尾根道にウラナミジャノメが現れる。 ナミヒカゲは新鮮。 チャバネ、コチャバネのセセリを見る。〔播磨各地〕

5月30日(晴れ時々曇り) 早朝7時からヒメヒカゲ生息調査を行う。事前調査でリストアップした生息可能地を、1時間半で4箇所も回るがいずれも生息を確認できず。 メンバーが揃った9時半からヒメヒカゲ成虫のマーキング調査を開始する。マーキング調査は午前、午後各1回。 陽射しが強く、気温高く、予想以上に疲れる。 午後2時、作業終了。 ウラナミジャノメ、ウラギンスジヒョウモンいずれも初見。 *マーキング調査中、ハイキングを装った採集者が現れる。地権者命による採集禁止看板を無視し、調査メンバーの前を堂々と通過する。 かなり離れたところで停止、ここまで来ればもう安全!と判断したのかおもむろにリュックから白い捕虫網を取り出し、ヒメヒカゲの採集を始める。もちろん、即、お帰り頂く(=強制退場させる)。それにしても何たるずうずうしさ!何たる無神経さ!まだこんなヤカラがいるから採集禁止措置を取らざるを得ないのだ!パトロールをせざるを得ないのだ!顔や姿、車の写真をこの場で公開してもよいのだが、本来の趣旨ではないので止めておく。今度やったら絶対に許さない!! マーキング調査終了後も、更に生息可能地訪ね歩く。〔播磨各地〕

5月24日(晴れ時々曇り、午後一時雨、夕方から曇り) 朝からヒメヒカゲ生息調査に参加する。今日は神戸新聞の記者も同行し、我々の活動に対する取材を受ける。 午後を過ぎると天候が急変、豪雨に見舞われ、思わぬ形で本日の調査は終了。 昨日と同じくウラゴマダラの撮影に行くが、今日は気温が上がらず、小雨も降り続いているため、ウラゴの活動は低調。 それでも時々飛び出すオスは探雌飛翔を繰り返す。ときに鳥の白い糞あとに反応しする。メスかどうかを念入りに確認しているように見える。〔播磨各地〕 

5月23日(晴れ) 数日前から実施されているヒメヒカゲ生息調査に参加する。 昨年に比べ今年は大幅な戦力の増強があり、頼もしい限りである。 体力の続く限り生息地をまわるつもりだったが、歩数2万歩を超えると急激に疲れを感じ気持ちがなえる。 ヒメヒカゲ調査中に飛翔中のナガサキアゲハ♀、♂、産卵樹を探すカラスアゲハ♀を見る。 サトキマダラヒカゲは各地で数を増している。 ホシミスジ♀は大型で新鮮。 コミスジ♀を見る。 ヒメヒカゲ生息地に自生するイヌザンショウの周囲を緩やかに飛ぶのはナミアゲハ♀。 午後3時から友人の案内でウラゴの撮影に向う。案内いただいたのは麦畑に周囲に広がる雑木林。イボタの周囲を多くのウラゴが飛び回るすばらしい光景が目に入る。陽射しが強くなるとひとまず休息、低木に多くのウラゴがとまっている。しばらく待つと順々に開翅を始める。どの個体も新鮮。合計5個体の開翅シーンをじっくり時間をかけて撮影する。なかでもすばらしかったのは羽化直後の大型のメス。目の前で何度も開翅を繰り返す。十数分の撮影のあと、探雌飛翔中のオスに発見され、アッと言う間に追い立てられ飛び立つ。即、10数M先で交尾が成立した。〔播磨各地〕

5月16日(曇りのち雨) 今シーズンのウスイロヒョウモンモドキ保全活動準備のため、早朝から但馬に向う。 朝8時から作業開始。集まったメンバーで協力しながら、立看板、トランセクト調査用のポールを設置していく。これまでのいろいろな経験を活し、年々作業はスムーズになる。雨が降り出す直前の午後2時半作業終了。 その後、ロッジに入り、さまざまな問題を討議する。ロッジの主人自家製のドブロクと山で採った山菜のテンプラに舌鼓を打ちながらハチ高原の夜は更けていく。〔但馬〕

5月10日(晴れ) 朝7時自宅発で但馬に向う。 2時間で到着。 田植えの始まった棚田にウスバシロが舞う。今日の目的はズバリこれ!残雪の氷ノ山や棚田、作業中の人々、そしてウスバシロをうまく配置できる場所を探し陣取る。陽射しのなかでは実に優雅に舞うが、ひとたび陽がかげると一斉に舞い降り、葉にとまる。本日の吸蜜花はシロツメグサとアブラナ。2時間楽しくときを過ごす。 標高を上げ、ウスイロモドキ発生地を訪ねる。 陽射しは強いがようやくワラビが出始めたところ。やはり下界と比べ季節の進行が遅い。たまたま現地で出会ったウスイロモドキを守る会メンバーとウスイロ幼虫を探すが見つからない。オミナエシの株は多いのに食痕のある葉は少ない。 午後4時、播磨に戻り、ヒメヒカゲ蛹を探すが見つからない。〔但馬、東播磨〕 

5月6日(曇り時々雨、一時晴れ) ウスバシロ撮影のため北播磨に向う。気温は低く、日差しも弱いため撮影は無理か?と思ったところ車道わきのカラスノエンドウにとまるウスバシロを発見。新鮮なオス。時おり強くなる陽光に向って、大きく翅を広げる。日向ぼっこ十数分ののち、静かに飛び立ち、谷を吹き上げる風に乗り滑空していく。いつ見ても良いシーンだ! 休耕田で新鮮なツバメシジミ、ベニシジミを見る。 雲が厚くなったのを契機にウスバシロ撮影を切り上げ、西播磨の佐用町昆虫館に向う。存亡の危機にあった兵庫県立昆虫館を引き継ぐ形で地元自治体と昆虫愛好者が共同で、再び立ち上げた手作りの昆虫館である。展示は地元の昆虫を中心に内容も充実、館内は多くの親子でにぎわっていた。 ハチ高原のウスイロヒョウモンモドキ、加古川のギフや昨年から生息調査を始めたヒメヒカゲなども詳しく紹介していただき、心からお礼申し上げます。〔北播磨、西播磨〕

5月5日(晴れ後曇り) チョウ撮影とは別の目的で但馬に向う。 標高800mを超えると木々の芽吹きが始まったばかり。平地から2〜3週間季節のめぐりが遅い。 標高を下げると畑の土手にウスバシロが舞っている。出始めらしくまだ数は少ない。 田植えの準備が始まった田んぼの土手にベニシジミが多い。〔但馬〕

5月3日(晴れ後曇り) 早朝8時自宅発でシルビアの撮影に向う。活動前の開翅シーンを狙うが、翅を広げていたのはヤマト。やっと見つけたシルビアは撮影意欲も失せるボロオスであった。 9時からは「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の恒例行事、産卵調査に参加する。いつもの事ながら、ギフの卵は大きな株には少なく、貧弱な株に多い。母チョウが何らかな意図を持って、産卵時から子孫に試練を与えている印象を受ける。 すでに幼虫に達しているケースも多い。 エノキの中木を揺らせば、糸にぶら下がってテング幼虫が降りてくる。 産卵調査は午前で終了、個人行動に移り、アゲハポイントを訪ねる。 ナミ、アオスジ、モンキ、ナガサキ、カラスと種類はそこそこだが、数は少なくシャッターチャンスは無し。 ヒメウラナミジャノメ交尾を見る。 午後3時から再び集合し、今年度のヒメヒカゲ生息調査に関して話し合う。*ヒメヒカゲ採集目的での当地訪問はご遠慮ください。〔東播磨地方〕 

4月29日(晴れ) 二日酔いの頭でボーとしながら、10時を過ぎてようやく出動する。 雑木林の縁の公園、ツツジは咲いているのにナミアゲハ、キアゲハ、黒系アゲハは1頭も現れない。 気分転換のため一気に西播磨に向う。 “アゲハの谷”ではようやくアザミが咲き始め。しかし、ここでもアゲハは1頭もいない。 高原の集落でもウスバシロはまだ飛んでいない。 ネギボウズで蜜を吸っていたのはアカタテハ、ヒメアカタテハとモンシロ。 早々に引き払い東へ戻る。 ヒメヒカゲ生息地で幼虫を探す。 スゲの新葉を先から丸かじり中の幼虫発見。体長30mm、葉とまったく同じ色である。周囲の葉を取り払い、静かに撮影を始めるが、どうやら気付いたもよう。 食餌を中断し、そのままの態勢でわずかづつ後退していく。5分間の後退距離は約10mm。それにしても見事な保護色である。1時間、じっくり撮影する。〔西播磨、東播磨地方〕

4月26日(曇り時々晴れ、一時雨) 昨日から大荒れの天気が続く。今日も寒気が入り、強風が吹き荒れ、気温も上がらない。 加古川市主催「春のチョウ観察会」の案内役を仰せつかり、ハイキングを兼ねて一日野山を歩く。 参加者は一般公募の親子連れなど40人以上。おまけに地元テレビ局も来ている。 麦畑の小路にベニシジミ、モンシロ、ヒメウラナミジャノメを見る。この時期見向きもしないド普通種だが、子供たちにとってはどれも新鮮らしく、網を持って必死に追い駆ける。 カナヘビやシマヘビなど素手で掴み、冷ややかな感触を楽しむ元気な子も混じる。 目的地の丘の上、陽が差したと思えば、パラパラと雨が落ちてくるあいにくの天気、それでもナミアゲハ、キアゲハ、カラスアゲハが現れる。 最後に登場したのはお目当てのギフ。期待薄だっただけに大きな歓声が上がる。帰り道も楽しく、午後3時無事行動終了、解散する。 団体行動終了後、数人でシルビアを探すが見つからない。ミヤコグサの花は咲いているが、気温が低く、活動時間も過ぎているためか姿を現さない。〔東播磨地方〕 

4月19日(快晴) 今日も暑い日が続く。昨日のリベンジに燃え早朝からヒルトップに向う。 朝8時半、すでにギフ♂は飛び回っている。今日は撮影機材フル装備、撮影方法や使用カメラをいろいろ変えてみる。 結果、今日は70mmの中望遠を使って飛翔撮影に決定。背景の構図やコントラストに気を配り慎重に撮影ポイントを決定する。連続2時間、集中して撮影する。昨日出遭ったギフ♂はその半数以上は尾状突起を残していたように思うが、今日は無いヤツばかり。一日で結構状況が変わるようだ。 日当たりの良い広場はキアゲハ、ナミアゲハの世界。多くの個体が猛スピードで飛び回っている。 今日もコツバメ、トラフ、ミヤマセセリ、ヒメウラナミは多い。 このポイントでのギフ撮影は正午で終了し他のピークに向う。 ここもキアゲハ、ナミアゲハ、ギフがバトルを繰り返している。ときにヒオドシやミヤマセセリが加わるため、山頂は大混雑。ここのギフ♂はお疲れ気味の様子、10分飛び回れば葉にとまり2〜3分の休憩タイム。吸蜜は確認せず。 当地のギフはもう終盤。 各地でコミスジを見る。数日前から発生している模様。 サトキマダラヒカゲ、カラスアゲハ、ナガサキアゲハ初見。〔東播磨地方〕

4月18日(快晴) 先週に続き「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」成虫観察会に参加する。 まず、先週末に発生した山火事跡を確認。タバコの火の不始末か、放火か分からないが、猛威の爪あとはすざましい限りである。 ヒメカンアオイ自生地を回るがメスは姿を現さず。 最後に訪ねた小ピークではオスが集まっていた。占有行動中のオスばかり、同じ場所を行きつ戻りつ、2頭交えると盛んに追尾を繰り返す。残念ながらスレやカケなどボロオスばかり。 飛翔を狙うが今日はスカ写真の山。観察会終了後も当地に戻り飛翔撮影を続ける。 時間の経過とともに微妙にテリを張る位置を変えていく。 雑木林の中で越冬明けクロコノマ♀に出遭う。 コツバメ、トラフ多い。 ミヤマセセリはメスの数を増している。 ツマキ♀、ヤマト♂確認。 ヒメウラナミジャノメを各地で見る。 クロアゲハ初見。〔東播磨地方〕

4月12日(晴れ後時々曇り) 今シーズン初めて但馬に向う。 渓谷沿いのトチの大木の下にスギタニルリを見る。地面やゴチャゴチャした枯れ枝の上などにとまり写真を撮っても見栄えがしない。 コツバメ新鮮。 急斜面の登山道沿いにシャクナゲの花を見る。つぼみから満開まで樹によってさまざま。 登り始めて1時間、ようやくカタクリの群落にたどり着く。今が満開。荷物を降ろしひたすらギフの登場を待つ。 待ちくたびれ集中力も途切れた1時間後、突然現れる。カメラを構える間もなく、満開のカタクリにとまることもなく、あっという間に谷底に消える。2年連続で撮影チャンスはやって来ず。 木々の新芽が明るく輝き、シャクナゲやタムシバが咲き乱れる光景はすばらしいの一言。 撮影地を変える。 ときおり林道に現れるギフはすべて新鮮。まだ出始めなのか、テリを張るオスはいなかった。〔但馬地方〕

4月11日(快晴) 連日の快晴、気温もグングン上昇し初夏を思わせる一日。 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」恒例の成虫観察会に参加する。 ウツギの新葉でテリを張るコツバメを見る。毎年同じ場所に現れる。 トラフシジミ多い。雑木林の周辺やなかなど、至る所で見かける。 ツマキチョウ初見。 各地を回るがお目当てのギフはなかなか現れず。 ようやく1頭確認、明るい雑木林の斜面を低く緩やかに飛ぶ。もしや産卵では?じっくり見ればメス、やはり産卵行動のようだ。しばらくすると舞い降り、ヒメカンアオイの葉に掴まり産卵を始める。合計7卵産み落とす。引き続き追いかければ更にもう一度、7卵産卵する。しかしもう産卵とは!この1週間の晴天で一気にギフの盛期になったもよう。 観察会での確認は結局この1頭のみ。 観察会は午前中で終了、午後からヒルトップでテリを張る個体の飛翔を狙う。 選んだ丘の頂上では、多くのチョウが群れ飛んでいる。キアゲハ2〜3頭、ナミアゲハも同じ、ヒオドシ3頭、ミヤマセセリやルリシジミは多、ギフも1頭混じっていた。 ギフはナミアゲハに追いかけられることが多い。飛翔能力はアゲハ3種のなかではギフが一番劣っている。 1時間以上飛翔を狙うが、今日はスカ写真ばかりであった。 タラの芽、コシアブラの新葉をGET、大満足の行動終了。〔東播磨地方〕 

4月5日(曇りのち晴れ) ギフ初見を確信し、午前10時からフィールドに出る。 午前中は薄雲が切れず、気温もなかなか上昇しない。 ミヤマセセリの活動は活発。例年に比べ今年は個体数が多いように感じる。 ヒルトップでテリを張るキアゲハを見る。初見。 ナミアゲハ、ヒオドシ、ルリタテハ、ミヤマセセリなどと活発に追尾飛翔を繰り返す。 ミヤマセセリ♀初見。吸蜜源はコバノミツバツツジ。 正午過ぎから強い日差しとなり、気温も上がる。 見通しの良い斜面にようやくギフ♂を見る。慎重に近寄るが敏感に察知され飛び去られてしまう。 場所を移動する。 小さな明るい谷で2頭目を目撃。落葉の上のお決まりのシーンだが、HP更新用にとりあえず撮影する。 更に移動する。明るい雑木林の中の陽だまりにギフを見る。撮影中にもう1頭登場。どちらも新鮮。追尾飛翔を見せる。午後2時を過ぎる頃から、頻繁に樹冠に舞い上がるが数分間の日光浴のあと、再び林床に舞い降りてくる。ときにコバノミツバツツジで蜜を吸う。 フジイバラ(?)の大きな株の新葉にトラフを見る。初見。 コツバメは姿を見せず。 畑の土手に生えるカラスノエンドウに産卵するツバメシジミ♀を見る。茎の分岐に丁寧に1卵産みつけた。 本日の衝撃的な出合、同行の友人が石器の矢尻を発見!2cmほどの大きさ。サヌカイトという石で出来ていて、時代は縄文のころとのこと。譲っていただき感謝にたえない。〔東播磨地方〕  

3月28日(曇り時々晴れ) 時おり薄日が差すが気温は上がらず肌寒い日。 朝10時からギフチョウ生息地を回る。 気温が低いためか見かけるテングの数は少ない。 ヒルトップでテリを張るナミアゲハは数を増している。 ミヤマセセリも活発に飛び回っている。時おり地面にとまるが敏感で近寄れない。 ルリシジミは多い。明るい荒地で開翅するオスを見る。前翅表の縁の黒帯が異常に太い個体。これ本当にルリ?と注意深く翅裏を確認すれば、確かにルリのオスであった。 遊歩道でテリを張るルリタテハをみる。〔東播磨地方〕

3月21日(晴れ) 朝10時、好天に誘われ里山を歩き始める。 日当たり良い南向きの斜面、湧水箇所で吸水中のミヤマセセリを見る。新鮮なオス。いつもこのポイントでの目撃が一番早い。 ヒルトップで占有していたのはヒオドシ。頭の近くを飛ぶ際、バタバタと羽音が聞こえる。 ナミアゲハ登場、盛んにヒオドシと追い駆けあう。ときに咲き始めたコバノミツバツツジで蜜を吸う。更にもう1頭現れる。極小個体とまあまあの大きさの2頭のナミアゲハが活発に飛び交う。 ルリシジミ多い。どの個体も新鮮。 雑木林の中ではどこでもテングがいっぱい。 畑のあぜに新鮮なベニシジミを見る。この時期の個体は色鮮やかで美しい。 ルリタテハ、キチョウに何度も出遭う。 ギフ登場はもう少し先か? マスミレなどの春の花や雑木林の風景など精力的に撮影する。〔東播磨地方〕 

3月15日(快晴) 朝10時からフィールドに出る。 まずはヒメヒカゲ生息地の探索から始める。友人から教えてもらった山の中の生息地に向うが行き着けない。詳細な地図があっても、草木の侵入で道が消えかかっていると、困難極まりない。迷いに迷って1時間半、ようやくたどり着く。生息地は当に「猫の額」のような小さな斜面湿地・草原、ここから一番近い他の生息地まで直線で2km以上離れている。本当にほそぼそ、かろうじて累を繋いでいるのであろう。 次の生息地探しに移動する。 池の奥の緩やかな起伏の傾斜地を発見、ヤダケとノイバラ、サルトリイバラが密集するヤブに突入するが、お目当ての湿地・草原は現れず。脱出に手間取り、小川に転落、ひざまで水につかりようやく脱出する。わずか30分だが、疲労困憊。 次の場所へ移動する。 ここは大きな湿地・草原だが、数十年前に「人の手」が入っている雰囲気があり、生息の可能性は低いと判断する。 山間地の小路ではテングチョウが多い。 モンキチョウ初見、3箇所で確認する。かなり前から発生しているもよう。 モンシロ多い。各地で10頭以上出遭う。交尾ペア目撃。 ベニシジミは未確認。 〔東播磨地方〕

3月8日(晴れ時々曇り) 午前10時から正午まで「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」年次総会に出席する。地元に密着した活動は地域での評価も高く、新聞やテレビなどにもたびたび取り上げられる。今年も身が引き締まる思いである。 午後からギフチョウ生息地を回る。残念ながら今日は蛹は見つからず。 里山ではヒサカキの花が咲き始め、春の芳香が漂っている。 移動途中、ルリタテハを見る。〔東播磨地方〕

3月1日(晴れ) 日本チョウ類保全協会主催、兵庫県立人と自然の博物館共催、「関西・中国地区のチョウ類の保全を考える集い」に参加する。 午前10時三田に向う途中、神戸電鉄道場口駅近く、車窓越しにモンシロの飛翔を見る。初見。 〔神戸市北区〕

2月28日(晴れ時々曇り) 気温が上がるのを見計らってフィールドに出る。久しぶりに訪ねた花公園は今が梅の花の盛期。辺りに芳香が漂う。 乗り面のコンクリート壁にとまるキタテハを見る。今日の陽気に誘われ飛び出してきたもよう。 ホウレン草畑にアカタテハを見る。翅の破損がないメス個体。驚かさないようソッと近づくが意外に敏感。 アラカシの高木からムラサキシジミが舞い降りる。 撮影場所を変える。 いつもの畑でベニシジミを探すが見つからない。さすがにまだ早いか!〔東播磨地方〕

2月22日(晴れ後曇り、夕方から雨) 3週間ぶりのフィールドである。週末ごとに所用があり、なかなか出られなかったこともあるが、先日、友人がフィールドで狩猟ハンターに異常接近しあわや事故、とのアブナイ話を聞くにおよび今月は活動を控えめにしている事情がある。 春野菜の植え付けに忙しいらしく、畑には多くの人が出ている。 土手のスイバにベニシジミ終齢幼虫を見る。食餌中だったらしく噛み跡が新鮮。ただし、気温がそれほど上がっていないためか動きは鈍い。 場所を移動し、狩猟禁止エリア内でヒメヒカゲ生息地を探す。「有望」から「望み薄」まで数ヵ所確認する。 ただし「有望」地は網の目のような人の踏み跡小道だらけ。とても2年や3年でできたものではなく、永年にわたって激しい採集圧を受けてきた状況が手に取るように解る。車が横付けできるロケーションの生息地の特徴のようだ。〔東播磨地方〕

2月1日(曇り) 久しぶりにフィールドに出る。冬型の気圧配置で肌寒い。 中世、播磨、備前、美作3カ国を治めた守護赤松氏の居城、白旗城跡に登る。登山靴ではなくスニーカーを履き、軽い気持ちで登り始めたが、途中から延々と続くガラ場の急坂に疲労困憊。一時間もかかってようやく尾根にたどり着く。標高440mを一気に登るとさすがに汗が吹き出る。 急峻な峰に築かれた広大な城跡に圧倒される。二の丸跡はコナラ、ナラガシワ、アベマキの落葉絨毯で敷き詰められていた。 下山後、千種川に沿って北上する。気温は5℃。 お気に入りのナラガシワの雑木林でゼフ卵を探す。探し始めてすぐ、ナラガシワ休眠芽にウラジロミドリの卵が見つかる。 この調子なら、と期待を込めてヒロオビに切り替える。 探し始めて4本目、太枝の下部、幹の北側に見つける。やや薄汚れているが間違いなくヒロオビだ。 6本目まで粘ったが結局これ1卵のみ。 体が冷えてきたのを機に撤収する。〔西播磨地方〕

1月12日(晴れ) 冬型の気圧配置が続き、連日寒いが、晴の天気も続いている。 気温が上がりきった午後1時、近所を回る。 ベニシジミ、モンキチョウともさすがに今日は姿を見せない。感覚的には、10℃以下&風が強いと期待できない。 畑のブッロリーやキャベツにモンシロ幼虫が多い。気温が低いため食餌行動は見られず、日光浴ばかりである。若齢幼虫は見られず、終齢ばかりである。〔東播磨地方〕

1月4日(晴のち曇り) 所用のついでに、昨年末から通い続けている畑のポイントに向う。 竹林で風がさえぎられた南向きの斜面は陽光が降り注ぎ暖かい。体感気温として15℃以上に感じる。 期待通りベニシジミが飛び出す。この個体、人の気配に敏感でアッという間に舞い上がり、見失う。昨年末から生き延びている個体かどうか確認できず。 モンキチョウ♂が飛び出す。体を倒すお決まりの日向ぼっこポーズを繰り返す。非常に新鮮、ここ数日で羽化した個体か?吸蜜花はホトケノザ。〔東播磨地方〕

1月2日(晴れ時々曇り一時小雨) 午前9時から、加古川、高砂、姫路の市境の低山を縦走する。 やや気温は低いが空気は澄み、明石大橋をはじめとして、淡路島、家島群島、小豆島、遠くは四国まで見渡せる。 ヒメヒカゲ生息調査のために斜面の露岩地や草地を地図に落としていく。 残念ながら、乾燥した斜面が多く、ヒメヒカゲの生息に適した湿地や湧水地はほとんど見当たらない。 連続5時間山を歩くとさすがに疲れる。〔東播磨地方〕


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