◆2014年フィールド日誌


12月27日(晴れ) 今日から9日連続の年末年始休暇がスタート。朝から晴れ間が広がるが肌寒い。 気温が上がった昼前からフィールドに出る。 西風が当らない南東向きの斜面を中心に散策する。 昨年のこの時期に見られたベニシジミは今日は見つからず。 田の土手にテングチョウを見る。 南向きの石にとまり日光浴中のヒメアカタテハを見る。 イボタの森にウラゴマダラシジミの越冬卵を見る。〔東播磨〕

12月15日(晴れ) 冬型の気圧配置、晴れ間は広がるが西風が強い肌寒い一日。 先週に続き“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の保全活動、ヒメヒカゲ生息地の整備を行う。 具体的な作業としては、山火事延焼防止のために植えられたヤマモモの枝打ち、ヒサカキやイヌツゲ、ウバメガシなどの常緑樹の排除である。 今日の参加者は少なかったが、思った以上に作業ははかどった。 今年6月、この生息地で年配の採集者2名に出遭った。事情を説明し、採集の自粛をお願いしたところ快諾いただいたことを思い出す。 作業途中にテングチョウの活動を見る。〔東播磨〕

12月7日(晴れ時々曇り) 晴れている時間は長いが冬型の気圧配置の肌寒い一日。 この時期恒例の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動、ヒメカンアオイ自生地の里山整備を行う。 具体的には、暗くなった雑木林の中のソヨゴ、ヒサカキ、イヌツゲなどの常緑樹を間引き、枯れて倒れているアカマツの片付けを行う。 今日の参加者は10人を越えたため、見る見るうちに作業が進む。 ワイワイ・ガヤガヤと楽しい3時間の作業であった。〔東播磨〕

11月30日(晴れのち曇り) 晴れは午前中のみとの予報。今日は早目の午前10時半に出撃する。 南東向きの雑木林と畑の境目を歩く。 期待通りムラサキシジミの日向ぼっこに出遭う。最初は気が付かなかったが、畑の土手に生える柿の木の収穫されなかった熟柿にムラサキシジミに集まっている。一つの熟柿に最多で5頭、当に“食堂”状態。 柿の木全体では20頭くらいいるかもしれない。 ウラギンシジミ“同席”のときは、やはりウラギン君の方が強く、ムラサキ君を追っ払ってしまう。 撮影が一段落し場所を移動しようとしたところ、柿の木の下を飛ぶツマグロキチョウを目撃。 すぐさま撮影対象を切り替え、ツマグロキチョウを追う。 返り花か、畑の土手に咲くレンゲがいたくお気に入りのご様子、花から花へ移動しながら長時間株から離れない。改めて周囲を確認すれば、他に飛ぶキチョウは2頭ともツマグロキチョウであった。 ムラサキ、ツマグロキの2種のみの撮影で2時間半を費やす。〔東播磨〕

11月24日(曇り時々晴れ) 午後から近場を回る。 コセンダングサの花から花へ飛翔するモンシロチョウを撮影する。 たかがモンシロ、されどモンシロ、被写体は白く、適正露出はなかなか難しい。更に背景の明暗にも影響を受ける。 今日はヒャクニチソウには何も来ていなかった。 明るい田んぼにモンキチョウが多い。 咲き始めたビワの花に多くのツマグロヒョウモンが集まっている。 ベニシジミ、ヤマトシジミ、ムラサキシジミ、ウラナミシジミ、ヒメアカタテハ、キタテハ、チャバネセセリを見る。〔東播磨〕

11月23日(曇り時々小雨:但馬) 1年半ぶりのセカンドハウスのペンキ塗りに但馬・兎和野高原に向かう。 午前中、但馬の気候は安定せずドン曇り、しかも時々小雨も混じる。 高原の畑はどこも電気柵だらけ!シカやイノシシの被害の大きさが感じられる。気温はせいぜい10〜12℃といったところか。活動するチョウはいない。〔但馬〕

11月22日(晴れ) 正午前より自宅近くのポイントを回る。 ヒャクニチソウの群落には今日もキタテハで来ている。吸蜜の合間に翅を広げて日光浴する姿を見る。 チャバネセセリはスレスレながら元気に飛び回っている。 コセンダングサで吸蜜するのはモンシロチョウ、キタキチョウ、ウラナミシジミ、ムラサキシジミなど。 多くのキタキチョウに混じってツマグロキチョウを確認する。加古川市内での確認は数年ぶりか。残念ながらシャッターチャンスはなし。 ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミの活動盛ん。〔東播磨〕

11月16日(晴れ) 所用を大急ぎで午前中に終わらせ、午後からフィールドに出る。 雑木林の縁、南向きの畑に多くのチョウが集まっている。 時期遅れに植栽された満開のヒャクニチソウにキタテハ、ヒメアカタテハが吸蜜に夢中。花を移る瞬間を狙い、じっくり時間を掛けて撮影する。 そうこうしているうちに林から真っ白なチョウが舞い降りてくる。特徴ある飛び方からイシガケチョウとすぐ判り、即、撮影をこちらに切り替える。当地では年に数回しか目撃しない種。残念ながらシャッターチャンスはたった2回のみであった。 コセンダングサの大きな株に多くのチョウが群れている。ウラナミシジミ、キタテハ、ヤマトシジミ、テングチョウ、モンシロチョウ、ムラサキシジミ、ヒメアカタテハなどが盛んに吸蜜していた。 対象をモンシロチョウに絞り、期間を掛けて撮影する。〔東播磨〕

11月15日(晴れ時々曇り) 気温が上がリ始めた午前10時からフィールドに出る。 近郊の山々の紅葉は今が盛り。 穏やかな日差しの中、多くのチョウが活動している。 色付いたコナラの葉で開翅するのはムラサキシジミ。 遊歩道ではテングチョウが多い。 ルリタテハ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモンを見かける。 本日一番の出遭いはヒオドシチョウ。過去15年間の個人記録を確認したところ、晩秋に出遭ったのは今日が初めてであった。 ベニシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、チャバネセセリ、キタキチョウ、モンシロチョウを見る。〔東播磨〕

11月2日〜7日 仕事の関係で、行き帰りの機内泊を含め延べ6日、トルコに滞在する。 幸いにも期間中はすべて快晴。 気温は同時期の東京よりやや寒いと聞いていたが、同じかむしろ暖かいくらい。 観光地を訪ねる時間もなく、期間中はほぼ100%仕事。 車で移動中など約10種のチョウを確認するが、撮影できたのは、ヨーロッパアカタテハ(Vanessa atalanta)、チャイロウラジャノメ(Lasiommata megera)、ベニシジミ(Lycaena phiaeas)の3種のみ。 途中チラッと見かけた大型のシロチョウ、モンキチョウの仲間、グレーの大型タテハ(ヒカゲ?)、小型のオレンジ色のタテハは間近で見たかったところだが叶わず。 しかしながら当地の植生をじっくり観察でき、こちらの方は大満足。〔トルコ〕

10月25日、26日(25日:晴れ、26日:晴れのち雨、夕刻晴れ) 日本鱗翅学会の鹿児島大会に参加する。 25日午前10時、鹿児島市内の公園に多数のムラサキツバメが舞う。正直言ってこれほど多数のムラサキツバメに出遭うとは思わなかった。少ないながらムラサキシジミが混じっている。 26日の午前9時、アドバイスを受けたのち、狙って&探して、鹿児島大学構内でクロボシセセリを目撃する。イチモンジセセリと同じ大きさと聞いていたが、一回り大きいいように感じた。同じく大学構内ではヤクシマルリシジミ多い。その他、タテハモドキ、イシガケチョウ、サツマシジミなど目撃&撮影、さすが南国!日頃見られない種に心躍る。 学会の各講演の方も楽しく、興味深く、懇親会では用意された焼酎の量に圧倒されながら楽しく過ごさせていただきました。〔鹿児島〕

10月19日(快晴) “兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会”の作業の一日。 真っ青な秋の空の下、この秋2回目の草刈り。エンジン音も高らかに広大な草原のススキを刈り取って行く。場所によってススキの草丈が高く、茎は太く、刈り取るのに難渋する。 個人的には15分の作業と5分の休憩パターンを繰り返し、約3時間の作業、疲れました! さわやかな秋の風の中、アカタテハが飛び回る。尾根を吹く強い南風に向かってアサギマダラが必死で南へ飛んで行く。〔但馬〕

10月18日(快晴) 成虫シーズンも残りわずか、快晴の空の下、早朝から但馬へ向かう。 ここ数年通い慣れた渓谷、気温が上がるとボロのゼフメスが現れる。目的のヒサマツミドリ♀だ。どこからともなくふらふらと飛んで来て葉にとまり10秒、更にV字開翅すること5秒、そのあとふらふら飛び立ち、はるか彼方に飛び去る。これではカメラを準備できない。 大きくなった休眠芽に産みつけられたヒサマツミドリ卵を確認する。 キク科の花で吸蜜するテングチョウ多い。ときどきキタテハ、ミドリヒョウモン、ツマグロヒョウモンが混じっている。 高原のカシワ林のハヤシミドリは辛うじて生き残っている。〔但馬〕

10月12日(曇り時々晴れ) 朝起きればまあまあの好天、早々に準備し播磨北部に向かう。 渓谷ではまだミドリヒョウモンが見られる。テングチョウ、ウラギンシジミ多い。 砥峰高原では観光客が群れている。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」の馬が駆ける草原のオープニングシーン、映画「ノルウエイの森」などのロケ地として有名になったためか、駐車場には大型観光バスが何台も停まり、マイカーは駐車場からはみ出ている。この草原、かつてはヒメヒカゲやウスイロヒョウモンモドキが生息する自然豊かな草原だったが、観光目的ために徹底的なススキの野焼きを行ったため、豊かな草原環境は壊滅し、生き物が少ない単調な草原に変わってしまった。シカの食害による周辺の森の惨状と併せ、素人目には緑豊かな自然が広がっているように見えても、その内情は修復不可能なほど破壊された自然である。この高地草原を見るたびに暗澹たる気持ちになる。 ツメレンゲの開花が始まるが、クロツバメシジミはなかなか花にとまってくれない。 アカタテハ多い。 低地の草地ではまだわずかにメスグロヒョウモン♀が生き残っている。〔播磨各地〕

10月11日(晴れ時々曇り) 3連休の初日、天気の良いのはこの日だけと予想し、早朝から但馬へ向かう。 休眠芽だらけのウラジロガシの大木のそばでヒサマツ♀の登場を待つが姿を見せず。うーん結構自信があったのに・・・、気温20度とやや低かったためか、それとも時々雲に遮られたためか、それともやや風があったためか、やはり秋のヒサマツは一筋縄ではいかない。 午後1時、ヒサマツは諦め、カシワ林へ回る。 ハヤシミドリ♀はわずかしか生き残っていない。この時期なので当然と言えば当然だが。生き残っている個体も超ボロ。それでもV字開翅を見せてくれる。〔但馬〕

10月5日(曇り)台風接近、朝から雨かと思ったら、ときおり薄日も差す一日。 昼過ぎから、大急ぎでクロツバメシジミの撮影に向かう。まだツメレンゲの開花は始まっていない。 雨にぬれた下草で交尾中のペア発見、オスはスレ個体だがメスは新鮮。じっくり時間を掛けて撮影する。 アザミにミドリヒョウモンを見る。 雲が厚くなり30分で撤収。〔播磨〕

9月27日、28日(晴れ時々曇り) 二日間とも天気予報通りの快晴とはならず、時々山間部では雲が広がる。 連日、北播磨、西播磨、但馬の各地で秋のゼフ♀調査を行う。なかなか期待通りに行かない。そもそもほとんど目撃できない状態が続いている。 北播磨奥地の渓谷では、渓谷のアザミにミドリヒョウモンが多い。 樹冠でテリを張るウラギンシジミを各地で見る。 林道を走行中、フワフワ舞うのはアサギマダラ。 今年の秋はクロ系アゲハを見かけることが極めて少ない。例年ならヒガンバナで吸蜜する姿を各地で見るのだが、今年はまったく見かけない。わずかに見かけるのは市街地の郊外を飛ぶナガサキくらいなもの。 28日早朝、自宅近くのアベリアで吸蜜するイチモンジセセリ、夕刻には、シダレヤナギでテリを張るコムラサキを撮影する。〔播磨、但馬各地〕

9月21日(晴れ時々曇り) この時期の恒例行事、兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会の活動の一環、ハチ高原ウスイロ生息地の下草刈りを行う。 日頃使い慣れていないエンジン式草刈り機に四苦八苦。 25分作業、10分休憩を繰り返し、疲れが溜まらないように細心の注意を払う。 ススキ草原の下には、オミナエシの株が残っている。定期的な草刈りさえ実施できれば、良好な草地環境に戻るのだが、ススキ草原はあまりにも広く、前途は多難。 それでも、6人で3時間も作業をすればかなりの面積の草が刈れた。 我々とは別に、地元の大久保地区の皆さん総出で広範囲にオミナエシの株を植えていただた。有難い限り、感謝感謝! アザミの一種で蜜を吸うアカタテハを見る。 オオウラギンスジヒョウモン、ウラギンヒョウモンが飛ぶ。〔但馬・ハチ高原〕

9月20日(曇り) 溜まった所用を午前中にこなし、午後からフィールドに出る。 雲は厚く、光量は少なく、撮影のコンディションとしてはあまり良くない。 ヒヨドリバナ、サワヒヨドリに多くのヒョウモンが集まっている。大半はメスグロヒョウモンのボロオス、その中にポツポツとウラギンスジヒョウモンが混じっている。今日出遭ったウラギンスジのメスはどれもほとんど翅を破損していない。 じっくり時間を掛けて撮影する。 めずらしくミドリヒョウモン♀を目撃する。当地ではめったにお目にかかれない種。 未舗装の路上から水分を吸うメスグロヒョウモンン♀を見る。 ツバメシジミ♀、ヒカゲチョウを撮影する。〔東播磨〕

9月14日(晴れ) 朝7時半、池の土手ではシルビアシジミが多い。おとなしく下草に止まっているが、気温が高いためまったく開翅しない。 午前9時、この時期恒例、加古川の里山・ギフチョウ・ネットの活動の一つ、ヒメカンアオイ自生地の下草刈りを行う。昨年末、イヌツゲなどの常緑樹の一部を伐採したエリアでは、より多く地面に陽光が届くようになったため、下草が幾重にも繁茂している。同時にヒメカンアオイの株も大きくなっている。 立ち枯れた樹の始末を含め、ワイワイガヤガヤと作業が進む。 作業終了後、近場の各地を回る。 雑木林の奥ではメスグロヒョウモン♀がお目覚めの様子、2度3度と見かける。 ヒヨドリバナに夏眠明けのヒョウモンが集まっている。メスグロヒョウモン♂が圧倒的に多いが、ウラギンスジヒョウモン♂、メスグロヒョウモン♀も混じっている。 撮影地を移動。 昨日に同じく、ゴマダラチョウ、コムラサキのテリ張りを撮影する。〔東播磨〕

9月13日(晴れ) ゼフ♀の秋の生態調査のため北播磨へ向かう。絶好の天気ながら成虫の姿は確認できず。 渓谷にミドリヒョウモン♂の活動を見る。 黒系アゲハはカラス♀か? 午後4時帰宅後、自宅周辺を散策する。 エノキの周囲を飛ぶゴマダラチョウを見る。しばらく観察したところ、ゴマダラチョウ3頭、コムラサキ3頭がテリを張っているのを確認する。 土手の草(セイタカアワダチソウ?)にとまり、すでに睡眠モードに入っているキアゲハを見る。 イチモンジセセリ交尾ペアはどちらもスレていた。〔播磨各地〕 *サイト開設15年、今回でこのコーナーも1000回目の更新になりました。

9月7日(晴れ) 前線が南へ下がり、好天を確信し但馬へ向かう。 目的は夏から秋にかけてのゼフ♀の生態観察(*詳しくは別の機会に発表予定)。 高標高地ではオオウラギンスジヒョウモン♀が多い。“避暑”に集まっているのか?ミドリヒョウモン♂も混じっている。 ピークでテリを張っていたのはキアゲハ、ツマグロヒョウモン、ウラナミシジミの各オス。 大中小と揃えば、なかなか珍妙な追尾飛翔を見せてくれる。 北播磨に南下する。 クロアゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ?、モンキアゲハの飛翔を見る。 民家に庭先に咲くブッドレアにアゲハチョウが吸蜜に来ていた。〔但馬各地、北播磨〕

8月31日(晴れ時々曇り) 天気予報は外れ、朝から青空が広がる。所用をこなし大急ぎでフィールドにでる。 夏が戻ってきたようで暑い暑い。 畑の一角、植栽されたヒャクニチソウに多くのセセリが集まっている。ほとんどがイチモンジだがチャバネも混じっている。セセリの飛翔をピタッと捉えようと粘るが、これはこれでなかなか難しい。 アゲハやキアゲハは動きが遅く、被写体自体が大きいためセセリよりは随分易しい。 モンキアゲハ、クロアゲハ♀、アオスジアゲハの飛翔を見る。そう言えば今年はナガサキアゲハをあまり見かけない。 雑木林の縁、クサギの幼木を離れないコミスジを見る。たぶん新芽から樹液が出ていて、それを吸っていたのであろう。 池の土手に新鮮なシルビアシジミ♀を見る。盛んに産卵行動を見せていた。〔東播磨〕

8月30日(曇り時々晴れ、一時雨) 早朝から西播磨各地を回る。 各地でジャノメチョウを見る。すべてメス、新鮮からボロまでさまざま。 クヌギの樹液食堂に集まっていたのは、アカタテハ3頭、ルリタテハ1頭、サトキマダラヒカゲ2頭、ジャノメチョウ1頭。スズメバチが近付いて来ると、一斉に間欠開翅を始める。間欠開翅自体には警戒&威嚇の意味がありそうだ。 山村の民家の庭先のキバナコスモスで吸蜜していたのは大破モンキアゲハ。 クサギの残り花で吸蜜するカラスアゲハ、モンキアゲハを見る。残念ながらどれもこれもボロ個体。 道路ぎわのミヤマカラスアゲハもボロであった。 渓谷沿いの林道でオナガアゲハ夏型メスを見る。シャッターチャンスなし。〔西播磨各地〕

8月23日(曇り時々晴れ)、24日(曇り一時雨) この時期の恒例行事、兵庫県青少年科学の集い・東播磨会場へ「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」から出展、小中学生、高校生を対象にした科学の啓発活動の手伝いをする。小生が担当したのは、展示した標本からチョウとガを当てさせる企画。これがなかなか難しく、正解率80%オーバーの割合は参加者の15%以下。参加者からは「エッー、これがチョウ!」または「これがガ!」との声が響く。子供だけでなく引率している親の方が夢中になってる場合あり。 イカリモンガ、ギンイチモンジセセリ、トラガ、ヒカゲチョウ、サツマニシキ、キバネセセリ、ニシキオオツバメ、ミヤマセセリなどがランダムに並び、これを当てるのは、素人には相当に難しい。少しでもチョウやチョウの棲む環境、自然に興味を持ってもらえれば幸いである。〔加古川市〕

8月17日(雨のち曇り、一時晴れ、一時雨) ここのところずっと天侯が安定しない。晴れ間も出るが、時に豪雨がやって来る。今日も空は厚い雲が広がるが、委細かまわずフィールドに出る。 極めて湿度は高く、少し歩いただけで汗が噴き出る。 時期的なものかもしれないが、クロツバメシジミはメスばかり。産卵行動に忙しい。 新鮮なヒメウラナミジャノメを追いまわし撮影する。 カラムシが生える石垣にアカタテハ蛹の抜け殻を見つける。 渓谷沿いの林道で吸水するミヤマカラスアゲハ♂を見る。集団には程遠いが最多で4頭が集まっていた。 撮影中、突然豪雨となり、消化不良ながら撤収を余儀なくされる。〔播磨各地〕

8月13日(晴れのち曇り) 昨日とはうってかわって朝から晴れ間が広がる。 朝8時から林道を歩く。 咲き始めたヒヨドリ花に多くのチョウが集まる。一番多いのはミドリヒョウモン。その他、ウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、サカハチチョウ、スジボソヤマキ、カラスシジミ、ウラキンシジミなど。 ウラキンシジミ♀は一部翅の欠けはあるものの翅裏のクリーム色も鮮やかな個体。 リョウブの花に来ていたのはウラジャノメ、スジボソヤマキ。 スレスレのウスイロオナガシジミを見る。 エルタテハは新鮮。 草原に場所を変える。 田の畔の草地でテリを張るホシチャバネセセリを見る。スレ個体。 アカセセリもテリ張り盛ん。 民家の庭先のキクの花で吸蜜するスジボソヤマキを見る。ユリの花にやってきたのはミヤマカラスアゲハ♂。 カラスアゲハ♀の吸蜜を見る。〔長野県〕

8月12日(雨、一時豪雨、夕刻曇り→晴れ) 兵庫県外への今シーズン初遠征、朝2時起きで長野県へ向かう。 台風一過の好天を期待していたのにこれが大外れ!途中から車の運転も困難なくらいの豪雨となる。10時前には現地に着いているのにフィールドに出られない。 あれやこれやと時間をつぶし、雨が止んだ午後4時からフィールドに出る。 オニグルミの枝を叩くとオナガシジミが飛び出す。そうこうするうち樹冠に舞うようになる。数はそれほど多くない。 牧草地の下草にとまるスジグロチャバネセセリを見る。すでに“お休みモード”らしく微動だにしない。 道端の草地にシジミチョウを見る。ヤマトか?と良く見れば、翅裏の紅紋がスレて消失したヒメシジミであった。 午後5時宿に撤収する。〔長野県〕

8月11日(曇り時々晴れ、時々雨) 台風11号に夏季休暇の出鼻をくじかれ、休み3日目にして初めてフィールドに出る。 早朝から但馬へ。 高標高地は深い霧の中。 叩き出しで出てきたのはエゾミドリ♀、光量不足でうまく撮れない。雨が強くなり早々に標高を下げる。 林道の水たまりで吸水する新鮮なミヤマカラスアゲハ♂を見る。 別のところで吸水していたのはモンキアゲハ♂、こちらもピカピカ。 林道の獣糞に集まっていたのはオオセンチコガネ、シデムシの仲間、ルリシジミ、コムラサキなど。 この糞、相当大きかった。雨で形状が崩れていたがツキノワグマの仕業か? 森の縁にジャノメチョウ♀、ヒカゲチョウ♀、ヒメジャノメ♀、サトキマダラヒカゲ♀を見る。 ダイミョウセセリはスレ個体。 活発に飛ぶツマグロキチョウを見る。 高原のカシワ林にはハヤシミドリ♀しかいない。メスの開翅を撮影する。〔但馬各地〕

8月3日(雨) 台風の影響で朝から雨。 午前中、小降りになったタイミングを見計らってフィールドに出る。 クヌギの樹液染み出しにサトキマダラヒカゲを見る。スズメバチにも果敢に挑戦しもつれ合う。 小型のカトカラ(蛾)多い。飛び立った個体の後翅は薄むらさき色だったように感じたが、図鑑では該当種が見つからず。あれは本当にカトカラだったのかイマイチ自信なし。 明るい畑にヤマトシジミが群れている。小雨が降りしきる中でも、オスは簡単に翅を開く。じっくり見れば大変美しい。探雌飛翔中のオスはオス・メス関係なく翅を閉じてとまっている個体すべてに近寄り求愛動作を見せる。 たかがヤマトシジミだがなかなか楽しい生態を見せてくれる。〔東播磨〕

7月27日(曇り時々晴れ、朝一時雨) 今日は遅めの午前9時スタート、途中小雨の中、西播磨を回る。 各地でジャノメチョウを見る。オスはすべて破損しているが、メスは新鮮な個体も混じっている。 ホソバセセリ♀を見る。 薄暗いナラガシワの雑木林でキマダラモドキ♀を見る。 サトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ヒメジャノメも同じところで見られる。 ベニシタバ(蛾)を見る。 小ピークにあるクヌギの樹液染み出しに来ていたのはオオムラサキ♀。 このメス、オオムラサキらしからぬ小心モノ、アブやアリが近付くと威嚇していた。〔西播磨〕 

7月20日(曇り時々晴れ、午後一時雨) 今日も早朝から但馬へ向かう。 打って変わって高標高地は深いガスの中、これではどうにもならず、早々に高度を下げる。 高原のカシワをたたけば、ハヤシミドリ♀が飛び出す。たたけどたたけど出るのはハヤシ♀ばかり、お目当てのウラミスジは姿を見せず。どうでも良いこだわりだが、ウラミスジを撮影できれば、兵庫県で見られるゼフ20種の今シーズン、単年度制覇である。 カシワの新葉に何かがとまる。よく見ればキマダラルリツバメのメス、3mの距離から望遠レンズを使って詳しく観察すれば、産卵ではなく、新葉からにじみ出てくる汁を吸っている様子で盛んに口吻を伸ばしていた。近くに黒い大きななアリ(クロヤマアリ?)が近付くと警戒するが、小さなハリブトシリアゲアリが近付いても意にかえさない。 放置された高原のラベンダー畑に多くのチョウが集まっている。あまりに数が多くて“壮観”のひとこと。種を数えてみれば、ウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、ツマグロヒョウモン、アカタテハ、ヒメアカタテハ、モンキチョウ、コキマダラセセリ、イチモンジセセリの各種。最も数が多かったのがウラギンヒョウモン。 ウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンの新鮮なメス、コキマダラセセリの飛翔に的を絞って撮影する。 ホシチャバネセセリのスレ個体を見る。〔但馬〕 

7月19日(雲い時々晴れ、午後一時雨) 早朝から但馬へ向かう。 予想通りと言うか、天気予報に反して但馬は晴れ。 朝日を浴びて、アイノミドリ、ジョウザンミドリとも♂はテリを張っている。しかし、一週間前に比べると数は大幅に減っている。 ブナの樹冠にとまるミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンの各メスを見る。 ジョウザンミドリ♀は比較的新鮮、フジミドリ♀は超ボロ。 撮影地を移動する。 渓谷のオニグルミの高所にとまるオナガシジミを見る。被写体があの小ささで、しかも距離が8mも離れていれば、300o望遠レンズを使っても証拠写真程度の大きさしかでしか写らない。 高原にウスイロヒョウモンモドキを探すが姿を見せず、次第に天気が悪化したためチ見かけるチョウ自体が少なく止む追えないところか。今シーズンウスイロヒョウモンモドキを確認したのは、13日、中止になった観察会の雨の止みまのただ一度のみ。 ウツボグサで吸蜜するコキマダラセセリを見る。〔但馬〕

7月13日(雨) ハチ高原は未明から雨、時に豪雨の様相を見せる。 ウスイロヒョウモンモドキ観察会は中止、せっかくNHK総合TVで紹介されたのに残念! それでも集まっていただいた地域の方々に保全活動の現状をパワーポイントで見ていただく。小生はチョウの生態写真を担当。午前11時終了。 一瞬の雨の止み間にフィールドに出る。曇り空でもオカトラノオの花にはウラギンヒョウモンが集まっている。そぐそばの葉先に休むウスイロヒョウモンモドキ♂を友人が発見!今年も生き残ってくれてホッと一息・・・である。 再び降り出した雨にハチ高原を撤収する。〔但馬〕

7月12日(晴れ時々曇り) ゼフ観察・撮影のため早朝から但馬に向かう。 午前6時、高標高地ではすでにアイノミドリ、ジョウザンミドリともテリ張りが始まっている。混飛しているポイントもあるが、谷はアイノ、林道沿いはジョウザンと活動場所をやや別けているようだ。 林道を移動中、同行の友人の肩に飛翔中のジョウザンミドリ交尾ペアがとまる。そっとササの葉に移し、時間を掛けて撮影する。 マンサクをたたくとウラクロシジミが飛び出す。オス、メスとも同時に飛び出したところをみると交尾中だったかもしれない。メスは比較的新鮮だが、オスはスレ個体。 日向に追い出したところ、こちらの目論見通り両方ともV字に翅を開く。至近距離でのオスの開翅は初撮影。 撮影場所を移動する。 ウスイロオナガシジミ♀を見る。葉陰ながらV字開翅を見せてくれた。 ヒサマツミドリ♂はボッロボロの大破個体ばかり。それでもけなげにテリを張っていた。 フジミドリ♀も姿を見せるがこちらも大スレ個体。 ゼフ撮影中、ミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンが姿を見せる。 更に撮影場所を移動する。 高原のカシワバヤシにハヤシミドリを見る。雲が厚かったせいかオスの活動は低調。 キマダラルリツバメは4本の尾状突起はおろか後翅の半分が欠けている超大破個体、さすがにここまでボロだと撮影意欲は湧かない。 翌日曜日のウスイロヒョウモンモドキ観察会に備え、ハチ高原のロッジに前泊、初対面の若い研究者含め、宴会は大いに盛り上がる。〔但馬〕  

7月6日(曇りのち雨) 最後の気力を振り絞って朝3時半起きで但馬へ向かう。 高標高地の林道脇の樹を叩けばいろいろなゼフが飛び出す。 飛び出し朝日を浴びて開翅までの一連の動きを見ればジョウザンミドリのメスであった。 アイノミドリやジョウザンミドリのテリ張りはまだ見られる。 ゼフ観察は午前9時半で終了、その後ハチ高原へ移動しウスイロヒョウモンモドキを探すが、天気も悪く姿を見せず。〔但馬〕

7月5日(曇り) 朝から、来週日曜日の「ハチ高原夏のチョウ観察会(ウスイロヒョモンモドキ観察会)」で使用予定のパワーポイントを作成、一段落した9時からフィールドに出る。 ホソバセセリ♂は新鮮。 各地でジャノメチョウ♂を見る。メスは見かけず。 ナラガシワの大木の樹液染み出し箇所にオオムラサキ♂が集まる。最多で3頭。オオスズメバチが現れると“食堂”の位置取りはあわただしくなり、翅を開く回数が増す。 ミズイロオナガシジミ、アカシジミともボロ個体を見る。 咲き始めたネムの花にクロアゲハ♂の夏型を見る。〔西播磨〕

7月2日(曇り時々晴れ、午後にわか雨) 高標高地では常に雲が発生し、晴れ間が続かない。アイノ、ジョウザンとも一旦陽が陰ると活動が弱まる。 場所を変える。 高地の草原では多数ウラギンヒョウモン♂が群れ飛んでいる。アザミで吸蜜する個体、メスを探しで草地を低く飛ぶ個体とも多い。メスはわずかしか出ていない。 植栽されたミズナラの幼木にムラサキシジミが発生している。 出遭ったギンイチモンジセセリはスレ個体。 小ピークでテリを張るキアゲハを見る。〔但馬〕

7月1日(晴れ時々曇り) 早朝から但馬へ。 アイノ・ジョウザンとも活発に飛んでいる。時には地表の草に止まるアイノもいた。 先週から継続して訪ねている観察地を回る。 但馬泊〔但馬各地〕

6月30日(曇り時々晴れ) 早朝、ミドリシジミの観察。多くの開翅シーンに出遭う。オオチャバネセセリを見る。 その後出勤。〔東播磨〕

6月29日(曇り) ヒサマツミドリ活動ポイント新規探索のため、日本海に面した山に登る。 地図上の検討では結構自信があったのに、結局ヒサマツは確認できず。 登山の工程が長く、最後には歩くのもやっとの疲労困憊状態。 帰りに立ち寄った尾根筋で何とヒサマツ♂を見つける。しかし残念ながらボロボロ個体であった。〔但馬各地〕 

6月28日(曇り一時雨、午後時々晴れ) 早朝、郊外の湿地のハンノキ林でミドリシジミの活動を見る。 撮影地を移動する。 栗の花に多くの虫が集まっている。多数のガやハエの他、チョウではアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ウラキンシジミと言ったところ。 コナラの枝を叩くとミズイロオナガが飛び出す。 ミドリヒョウモン、オオチャバネセセリの吸蜜を見る。 小ピークでテリを張るオオムラサキを見る。ヤンマと双方敵意剥き出しで戦う。 さすがにオオムラサキもたじろいたのかテりを張るポイントを変更した。 ボロのキマダラモドキを見る。〔播磨各地〕

6月27日(晴れ時々曇り) 急遽、出勤。業務終了後、但馬へ車を走らせ。 ヒサマツ♂のテリ張りを見る。 ウラキンシジミ♀を見る。〔但馬〕

6月26日(晴れ時々曇り) 昨日のアイノ・ジョウザン活動ポイントに向かう。 今日は時間がぴったり、アイノ・ジョウザンとも活発に飛んでいる。 撮影中、足元の草にフジミドリ♀がとまっていた。 アイノ・ジョウザンは10時で切り上げる。 ハルニレが混じる森でカラスシジミを撮影する。 気温が上がって来ると一斉に活動を始める。 撮影地を移動する。 昨日、ヒサマツが見られたポイントでは、今日は何も居ない。 午後2時、南下し播磨に戻る。 午後5時、湿地のハンノキ林でミドリシジミの活動を見る。〔但馬各地、東播磨〕

6月25日(晴れ時々曇り) とりあえず本日から9連休、すべて撮影に充てるつもりだが、天候や仕事の都合により変更は覚悟のうえ。 早朝から但馬へ向かう。 標高1000m、林道脇のヤマブドウの葉にとまるメスアカミドリ♀を発見、開翅するまでここを動かない!と覚悟を決めひたすら開翅を待つ。待つこと30分、ようやくV字に翅を開く。残念ながら翅表の紅紋は小さかった。兵庫県内での本種雌の翅表撮影は初。 ササ原でゴイシシジミ♂を見る。新鮮。但馬の多くのエリアではシカにササが食べられ、幼虫がササの葉を食べる種のほとんどが壊滅的な打撃を受けている。ゴイシシジミを見るのも随分久しぶり。 林道脇の小さな谷にアイノミドリ、ジョウザンミドリの各♂を見る。オスの活動時間の終わりらしく、葉に止まり口吻を伸ばししきりに何かを吸っていた。 午後1時、ヒサマツミドリの飛翔を見る。被写体まで距離が遠く、400mm望遠レンズを使っても証拠写真程度しか写らない。 更に移動する。 ブナの林の縁にある明るい空間、今度は至近距離でヒサマツミドリ♂のテリ張りを見る。 残念ながら後翅の一部がわずかに欠けていた。最多で3頭が集まる。 極めて新鮮なアイノミドリ♀を見る。 但馬泊〔但馬各地〕

*6月25日から7月3日までの9日間、勤め先の永年勤続休暇を取得し、現在兵庫県内各地で撮影中。別途報告予定。体力の続く限り頑張ります!

6月22日(曇り時々雨) 早朝から雨、午前中に所用をこなし、雨が止んだ午後から西播磨へ向かう。 途中、またしても雨が落ちてくる。 ナラガシワを叩いてみると、ウラジロミドリ、ヒロオビミドリの各メス個体が落ちてきた。 ミズイロオナガ、ウスイロオナガいるようだが正確な同定ができなかった。 撮影地を移動する。 雑木林の縁のササに産卵するヒカゲチョウ♀を見る。〔西播磨〕

6月21日(曇り) 早朝からヒメヒカゲの調査。オスは急激に数を減らし、メスもスレ・カケ個体ばかり、発生の終盤を迎えている。 ウラナミジャノメも同様、どの個体もスレている。 両種に入れ替わるようにジャノメチョウ♂が姿を見せ始めた。ジャノメチョウが現れるとまもなく夏がやってくる。 背の高いササの茂みにウラギンスジヒョウモン♀を見る。新鮮でかつ不活発。時間をかけて撮影する。 調査終了後、加西市南網引地区の湿地保全イベントに参加する。地域の皆さんとともに雑木林や湿地を歩く。 6月1日に制定された加西市条例により、糠塚山を含む南網引地区では、ギフチョウ、ヒメヒカゲ、ウラギンスジヒョウモンを含むすべての動植物、昆虫は一切採集禁止とのこと。違反者は社会的な制裁の他、50万円以下の罰金が科せられますので注意ください。 イベント終了後、大急ぎで但馬に車を走らせる。高標高地のブナ林にフジミドリ♂の活動を見る。薄日が差すと、樹冠を飛び回る。 ヒメキマダラヒカゲを見る。数年前まであまりにもたくさんいて、誰も見向きもしなかったのに、シカの食害のためここ数年ほとんど見かけなくなっている種。 ルリタテハ、ヒオドシチョウを見る。〔東播磨、但馬〕

6月15日(晴れ)早朝から但馬に向かう。 雑木林の縁でテリを張るオオミドリシジミを見る。とまるところは地表近い下草から頭上2mの枝先までさまざま。但し必ず陽光が当っていることが条件のようだ。 卍飛翔の他、時に3頭の追尾飛翔を見せる。 ナシの樹液に多くのタテハが集まっている。ヒオドシチョウ、ルリタテハ、ヒメアカタテハ、コムラサキ、キマダラヒカゲなどが入れ替わり立ち替わりやって来る。 アザミで吸蜜するのはウラギンヒョウモン♂。 撮影地を移動する。 ナラガシワの大木の樹冠でヒロオビミドリシジミの卍飛翔を見る。 更に移動する。 渓谷の沢に吸水にやってきたメスアカミドリシジミ♂を見る。吸水が終わると一気に頭上高く舞い上がった。 同じ渓谷の沢でミスジチョウ、アサギマダラ、ウラクロシジミ♀、ヒメキマダラセセリ♂を見る。 正午過ぎ東播磨に戻る。 湿地のハンノキ林にミドリシジミが多い。但し活動時間外なので静止している個体が多い。しかしアオハダの花は好むらしく、昼間でも盛んに吸蜜していた。 各地でアカシジミを見る。〔但馬、東播磨〕

6月8日(晴れのち曇り、昼前から雨、のち豪雨・但馬  晴れ:播磨) 早朝から但馬へ向かう。ミズナラの叩き出しでミズイロオナガシジミが落ちてくる。 ナラガシワの叩き出しで落ちてきたのはウスイロオナガシジミ、気温の上昇とともに開翅を始める。ややスレ♀ながら、水平まで翅を広げてくれた。 渓谷に咲くウツギで吸蜜していたのはウラギンヒョウモン♂、テングチョウ、それとトラガ。トラガの登場とともに、チョウはそっちのけでトラガの撮影に集中する。花から花への移動は小型セセリ並み、無茶苦茶速い!すばらしい飛翔能力を堪能する。 地面近くを優雅に舞うミスジチョウを見る。めったにないシャッターチャンスに焦ってしまい、良い成果は挙げられず。 路上で吸水していたミヤマカラスアゲハ♂、残念ながら尾っぽが1本欠けていた。 木陰にとまるオナガアゲハ♀を見る。 イチモンジチョウ♂を見る。 テリを張るメスアカミドリシジミ♂を見る、まだ出始めらしく数は少ない。望遠レンズで撮影すれば、翅表にひとつの傷もない“完品”個体であった。 昼前からポツポツ雨だ降り出し、すぐ土砂降りになる。 但馬は撤収、東播磨に戻り、ヒメヒカゲ生息調査を行う。調査中、探雌飛翔中のウラギンスジヒョウモン♂を見る。〔但馬、東播磨〕

6月7日(曇り時々晴れ) 早朝からギフチョウ幼虫調査を行う。予想通り先週中に大多数が蛹化したようだが、まだところどころ幼虫が残っている。しかし食草はほとんど残っていない。このまま蛹になれるか、餓死するか微妙。 麦畑の土手にメスグロヒョウモン♀を見る。 以降、東播磨全域に広がるヒメヒカゲ生息地を見て回る。途中、某生息地で採集者に出遭ったが、生息地の環境維持のために枝打ちを行っていることなどを説明し、採集を控えてほしい旨伝えたところ、快諾を得て退去していただいた。 各地でヒオドシチョウ、ホシミスジ、ルリタテハを見る。 相変わらずテングチョウ多数。 日当りの良い荒れ地のイヌザンショウに産卵するナミアゲハ♀を見る。 イヌツゲの花で吸蜜するウラギンスジヒョウモン♂を見る。 トラフシジミはすでに夏型。 ウラナミアカシジミ、アカシジミを見る。〔東播磨〕

6月1日(晴れ) 朝から但馬を目指す。 ヒサマツミドリシジミの生態調査を行うがまったく成果なし。予想通り?。 ミズナラの樹冠を舞うミスジチョウを見る。当地では稀な種、出遭うのは一年に一度くらいか。当地の本種は人の気配に極めて敏感で容易に近寄らせてくれない。 高標高地の棚田に多くのウスバシロチョウが舞う。兵庫県最高峰「氷ノ山」と田植えが終わった棚田を背景に優雅に舞う姿をすばらしい。じっくり時間を掛けて撮影する。吸蜜源はハルジオン、シロツメグサ、タニウツギ。 ハルジオンで蜜を吸うヒョウモンチョウを発見、そっと近寄り確認すればクモガタヒョウモン♀、大急ぎでカメラをセットするが間に合わず、残念! ヒョウモンの姿を求めて田の畦を歩くが、出てくるヒョウモンはウラギン♂ばかり。 モンシロチョウ、モンキチョウの密度も濃く、棚田はチョウの楽園となっている。 ヒメアカタテハ初見。 ウスイロヒョウモンモドキ生息地を歩く。下草刈りの公的資金が途絶えたあと、メンバーによる草刈り、侵入してきた木本の刈り払いを行っている。ここ2年数を減らしているウスイロヒョウモンモドキ、今年の回復を祈るばかりである。 ギンイチモンジセセリの姿を見るが、見失ってしまう。 移動する。 先刻見逃したギンイチモンジセセリのリベンジのため、近隣にあるかつての発生地を訪ねる。数年来ない間に大きく変わってしまっていた。 探索すること30分、ようやく1頭見つけ、じっくり時間を掛けて撮影する。〔但馬〕

5月31日(晴れ) 早朝からギフチョウ幼虫調査を行う。いよいよ幼虫は終令となり、最後の食草争いの段階に入っている。食い尽くされたヒメカンアオイの株もあり、生き残ってる幼虫は2週間前の半分以下。はたして何頭さなぎまで達するのか興味は尽きない。 調査終了後西播磨に向かう。 満開のアザミで吸蜜するのはヒメキマダラセセリ。 同じく満開のウツギには多くのチョウが集まっている。何と言っても一番多いのがテングチョウ、先週くらいから一斉に羽化したもよう。その他、アカタテハ、アサマイチモンジ、コミスジ、キタテハ、カラスアゲハ、オナガアゲハなど。本日のお目当てクモガタヒョウモンを確認する。このクモガタ君、吸蜜時間は短く、ウツギの周囲を飛び回る時間が長い。探雌行動のようだ。 用水路に咲くクレソンの多数のモンシロチョウが群れている。 ウツギに花株でテリを張るメスグロヒョウモン♂を見る。 アカシジミ、ウラゴマダラシジミ、ゴマダラチョウを見る。 所用のため午前のうちに撤収する。〔東播磨、西播磨〕

5月25日(晴れ) 朝から東播磨を回る。 里山の明るい伐採地に羽化直後のウラギンスジヒョウモン♂を見る。久しぶりのシャッターチャンスに心ときめく。 アカシジミ新鮮、畑の土手の茂みにとまっていた。 加古川河岸段丘の林に舞うのはゴマダラチョウ。エノキの下には羽化直のテングチョウが群れていた。昨日今日、一斉に羽化したようだ。 運転中、車にはねられたアサマイチモンジを見る。 ヒルトップでは多くのチョウが集まっている。モンキアゲハ、カラスアゲハ、ナミアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ツマグロヒョウモンが追いつ追われつ賑わっている。 昨日に続き今日もウラゴマダラシジミ生息地へ向かう。今日からメスも出ている模様。2時間真剣に撮影する。〔東播磨〕

5月24日(晴れ) 朝一番でギフチョウ幼虫調査を行う。卵の時点からそれほど数を減らしていない。3令から5令までの幼虫令数か。ヒメカンアオイの葉の数もそれほど減っていない。終令となる週明け以降、一気に葉の数が減るものと思われる。 調査終了後、西播磨を回る。 咲き始めたアザミやタニウツギに黒系アゲハが吸蜜にやって来る。カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ、クロアゲハ、オナガアゲハ、モンキアゲハが主なところ。 そのうちオナガアゲハ♀を2回見る。めったに出遭わないメスなので撮影に力が入る。 ヒメキマダラセセリ♂♀、ダイミョウセセリもアザミにやって来ていた。 車の運転中にイチモンジチョウ、ゴマダラチョウを見る。 サカハチチョウは2週連続の出遭い。 クモガタヒョウモン♀を見る。兵庫県内で出遭ったのは何年振りだろうか?!それほど近年数を減らしている種。 それにしても西播磨の山村の荒廃は目を覆うばかり!人が減り、シカが猛威を振るう。西播磨の山を歩くたびに暗澹たる気持ちになる。 午後、東播磨に戻り、ウラゴマダラシジミの撮影に集中する。出始めらしくどの個体も新鮮。開翅する瞬間を息を停めて撮影する。 アカシジミ初見。〔播磨各地〕

5月18日(晴れ) 友人と合流し但馬へ向かう。 本日の目的はヒサマツミドリシジミの生態調査と来月に向けての事前確認。 生態調査に関しては、予想した通りまったく成果は上がらず。 小ピークの植栽されたツツジに多くのアゲハが集まっている。 モンキアゲハ2頭、カラスアゲハ2頭、ミヤマカラスアゲハ2頭、クロアゲハ、ナミアゲハ、アオスジアゲハが入れ替わり、吸蜜にやって来る。しかし、これほど数が多いと、すぐ追尾飛翔になり、吸蜜している時間は短い。 撮影地を変える。 他のピークではボッロボロのヒオドシチョウ、ミヤマセセリ、ツマグロヒョウモンの各♂がテリを張っていた。 但馬は午後2時まで。 午後4時からギフチョウ幼虫の生態調査を行う。 ほとんどが3令幼虫だが、2令幼虫も混じっていた。〔但馬、東播磨〕

5月17日(晴れ) 早朝から西播磨の渓谷に向かう。 午前8時でもミヤマカラスアゲハは活発に飛んでいる。 今日の目的は本種ではない。 林道を歩き、ようやくお目当てのサカハチチョウに遭遇。新鮮なオスだが、敏感であっという間に飛び去った。 渓谷沿いに生えるミツバウツギにミヤマカラスアゲハ♀の吸蜜を見る。 5mくらい近寄るとスッと舞い上がり、高所の葉の上にとまり、下方の様子を窺ってようだ。しばらくすると舞い降り、再び吸蜜を始める。 常に逆光となり、良い写真は撮れず。一度だけ川原に降り、吸水を確認する。 場所を移動する。 明るい所に生えるミツバウツギに新鮮なオナガアゲハ♂を見る。 咲き始めたタニウツギに多くのアゲハが集まっている。 ミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハ、オナガアゲハ、クロアゲハの4種のうち、常時何頭かが吸蜜。最多で5頭が集まる。 カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハともメスはタニウツギの枝の奥に潜り込むような形で吸蜜していることが多い。たぶん同種のオスの求愛を避けているのであろう。 アジサイのようなガクのある白い花にサカハチチョウのメスが集まっている。*調べたところ、白い花はスイカズラ科ヤブデマリと判明。 ミツバウツギの残り花で吸蜜するアオスジアゲハを見る。 所用のため午前中に撤収。〔西播磨〕 

5月11日(晴れ) この時期恒例の“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の幼虫調査日。 今シーズンは成虫の発生数が多かったためか、例年になく見つかる幼虫の数は多い。 見つかる幼虫のほとんどは2令だが、ときに3令も混じる。まだ孵化前の卵塊もひとつあり。 ギフチョウ幼虫調査時にルリタテハ、メスグロヒョウモンの各幼虫を確認する。 田んぼの土手にシルビアシジミ♀を見る。 ギフチョウ幼虫調査は午前で終了し、午後は北播磨、西播磨を回り、ウスバシロチョウの生息調査を行う。 かつての多産地はシカの食害のため環境は一変!しかしわずかながらウスバシロは生き残っていた。〔東播磨、北播磨、西播磨〕

5月10日(晴れ)午前中は仕事。 終了後大急ぎでフィールドに出る。 ウスバシロの生息調査のため北播磨に向かう。3箇所を調査、そのうち生息が確認できたのは1箇所のみ。 民家の植栽のツツジにミヤマカラスアゲハ♀2頭が吸蜜するのを見る。余程蜜が多いのか、2頭ともこの株に執着していた。 アザミの花で蜜を吸うコチャバネセセリを見る。〔北播磨〕

5月6日(晴れ) 連休最終日、クロ系アゲハを狙って早朝から中播磨へ向かう。 午前10時現地着、しかし気温が上がらず飛ぶチョウは見かけない。 撮影地を変更するかどうか迷っているうちにアゲハが活動を始める。 まずはクロアゲハ♀、♂に比べ後翅表面のグレーの斑点が印象的。 次々にやって来るのがミヤマカラスアゲハ♂。 吸蜜目的と探雌目的、あるいは両方と、さまざまな行動パターンを見せる。そのうちの吸蜜個体をじっくり時間を掛けて撮影する。 カラスアゲハ、ナガサキアゲハ、オナガアゲハ、ナミアゲハも混じり、ツツジの植栽は大賑わい。オナガアゲハは数年ぶりに見たような気がする。 撮影地を移動する。 民家のすぐそばの畑、ネギの花で吸蜜するのはアオスジアゲハ。とても新鮮個体なのでついつい撮影に熱が入る。 更に移動する。 高標高地の集落にウスバシロチョウを見る。目下、兵庫県ではシカの食害のため激減している本種、このような早い時期に出遭えて正直嬉しい。 帰路立ち寄った森林公園、ヤマツツジの周囲を飛ぶジャコウアゲハ♂を見る。〔中播磨各地〕

5月4日(晴れ) “兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会”この時期の活動、採集禁止の看板設置、トランセクトルートのポール設置、更に今年は、生息地に放置されている鉄筋の識別リボンの取り付けを行う。取り付け理由は、あと一ヶ月もすると草丈が伸び、どこに鉄筋があるか分からなくなり、生息地を歩くこと自体、非常に危険となる。各種の調査や草刈り時の危険防止のために今回取り付けた。 標高が1000m近くになると、まだ下界の3月末の状況、残雪もあり、ようやく木々の芽吹きが始まったところ。 快晴ながら風が強く、体感温度は10℃程度、体を動かしていないと寒いくらい。 朝9時にスタートし、昼食時間を挟み、午後4時半までびっしりの作業であった。 心地よい疲労感が残る一日。 しかし播但連絡道ではめったに起こらない渋滞に巻き込まれ、30分帰宅が遅れたが、長野県から中央道を通って横浜へ帰る際の渋滞に比べれば、ものの数ではない。〔但馬ハチ高原〕

5月3日(曇りのち晴れ) 今日から4連休。出張帰りの疲れが残り、今日は近場を回る。 雑木林の縁の畑、満開のキンポウゲに多くのヒメウラナミジャノメが吸蜜している。 郊外の小ピークに向かう。今日もヒルトップではキアゲハ、ナミアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハが代わる代わるやって来る。 咲き始めたモチツツジで吸蜜するのはミヤマセセリ♂。ときに粘着性のガクにくっつきバタバタと大慌てで脱出する。 明るい土手に咲くブタナの群落で吸蜜するのはナミアゲハ♂。じっくり時間を掛けて撮影する。と、その時、今日の目的種、ミヤマセセリ♀が飛来する。極めて新鮮、しかも前翅の色も鮮やかな個体であった。ブタナでの吸蜜を追い回す。 雑木林の縁、神社の敷地のミヤマキリシマに黒系アゲハが集まっている。 ナガサキアゲハ♂、♀、クロアゲハ♂、♀、ジャコウアゲハ♂、ナミアゲハ、キアゲハも混じり大賑わい。アゲハ達と2時間戯れたのち撤収する。〔東播磨〕

4月27日(晴れ) 久しぶりに早朝から但馬に向かう。 朝8時、渓谷のポイント着。 コツバメとスギタニルリシジミが路上にとまり吸水している。 モミジイチゴの花で吸蜜するのはスジグロシロチョウ。 越冬明けアカタテハ、ルリタテハ、キタテハを見る。 林道を3時間歩くが一頭もギフチョウには出遭わず。5年前だったら今日歩いたルートなら数十頭出遭うの確実だったのに!シカの食害の深刻さが分かる。 午前11時、元の渓谷に戻り、トチの新葉にまとわりつくスギタニルリを撮影する。 各所に立ち寄りながら午後5時帰宅。〔但馬各地〕

4月26日(晴れ) 二日酔いながら、晴れの休日なので、早朝からフィールドに出る。 雑木林の中の小路にコツバメ♀、トフラフシジミ春型を見る。 トラフ♀は♂に比べ翅表のブルーが明るいため、簡単に同定できる。 小ピークに多くのアゲハが集まっている。テリを張っていたのはキアゲハ、そこへ他のキアゲハ、ナミアゲハ3頭が代わる代わるやって来ては追い駆け合う。 何とボロギフ♂も登場し参加してきた。 更にクロアゲハ、カラスアゲハも登場。2種は本日初見。 ミヤマセセリ♂もテリを張る。30分、飛翔シーンの撮影に挑戦したが、数百カットの画像はすべてダメ、徒労に終わった。ミヤマセセリ♀の産卵を見る。産卵したのはコナラ幼木の新葉であった。 ヒメカンアオイ自生地ではギフチョウの産卵が続いている。友人によると♀の数はかなり減って来ており、産卵は終盤のもよう。 撮影地を移動する。 収穫忘れのキャベツ畑に黄色の花が咲き、多くのモンシロチョウとクマバチが群れている。このなかにツマキチョウも混じって飛んでいるが、飛び回るばかりで決して止まらない。 ツマグロヒョウモン♀初見。 コミスジ初見。 ジャコウアゲハ♀初見。〔東播磨、中播磨〕

4月20日(曇りのち小雨) 家でじっとしていても仕方がないので、曇り空の下ではチョウの活動は鈍いことを承知しつつ、それでもフィールドに出る。 雑木林との境、畑の縁にツマキチョウが休んでいる。1頭かと思えば4頭もいた。低い位置の草には少なく、目の高さくらいの枯れ枝を好むようだ。翅をしっかり閉じると、くすんだ色の葉に同化し、見事な保護色効果を発揮している。 雨が降り出し1時間で撤収する。〔東播磨〕

4月19日(晴れのち曇り) 先週に続き、朝から“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の成虫観察会に参加する。 今日もまたフレッシュな顔ぶれ、更に参加者の平均年齢もぐっと下がり、さながら小学校の自然観察の授業のようだ。 各地でギフチョウを見かける。ヒメカンアオイ自生地では産卵のピークを迎えている。目の前で産卵する母チョウを見て、子供達や親達の歓声が上がる。産みつけられたばかりの真珠のような卵を見て、更に感動した模様。忘れられない一日になることを願う。 小ピークでテリを張っていたのはギフチョウの他にナミアゲハとキアゲハ。 コチャバネセセリ、サトキマダラヒカゲ初見。 ミヤマセセリ、コツバメの活動を見る。 観察会は午前中で終了。 午後から再びギフチョウ産卵シーンの撮影に向かう。 ビデオカメラ併用で産卵を撮影する。 越冬明けのクロコノマチョウを見る。 *観察会の真っ最中、ギフチョウ採集者と出遭う。加古川市におけるギフチョウ保全の取り組みを説明し、理解と協力を求めたところ快く賛同していただいた。〔東播磨〕

4月12日(晴れのち曇り) 朝から春らしい一日。 この時期恒例の“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の成虫観察会に参加する。 明石から来られた親子4人、四国から来られたご夫婦、市内の高校生など多数の初参加組とともに小ピークに向かう。 期待通りギフチョウ♂がテリを張っていた。「これがギフチョウか!初めて見た!・・・」など歓声が上がる。 スミレでの吸蜜も確認。 同じ山頂ではキアゲハもテリを張っていた。 “加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の観察会は1時間で切り上げ、加西市南網引地区へ向かう。区長から依頼により地元の方々をギフチョウ生息地へ案内する。 こちらも活きたギフチョウを見るのは初めての方が多く、ギフチョウが間近かで舞うのを見るたび歓声が上がる。皆、カメラや携帯、スマホでビシバシ撮影されていた。 南網引は正午過ぎに切り上げ、他の発生地に向かう。 友人によれば、先週初めに多数のギフチョウが舞っていたポイントにはその後連日採集者が入ったらしく、今日は激減しているとのこと。 地元の小学生や地区の皆さんが、ギフチョウ保全のため生息地を整備をされていることは一目瞭然なのに、この時期の成虫シーズンだけやって来て、捕れるだけ成虫を捕りまくって、さっさと帰る・・・。こんなことが許されていいのか!このまま鬼採り状態が続くようであれば、来シーズンはこんな事態にならないよう、全力を挙げて阻止する。分別あるチョウ愛好者の、節度ある行動を願ってやまない。〔東播磨〕 

4月6日(晴れ時々曇り、一時雨) 寒気が入り、終日不安定な天気の一日。ところによっては豪雨&雹(ヒョウ)が降った模様。気温は低い。 小ピークでチョウ登場を待つ。 陽射しが十数分続くとナミアゲハが現れる。山頂付近をパトロールするが、飛び方は速く止まらない。 ミヤマセセリの活動が盛ん、咲き始めたコバノミツバツツジで吸蜜する。 ルリシジミを見る。 いつまで経ってもギフチョウは登場しない。この気温なら仕方なしと諦め、頂上を後にする。 下山途中、寒くて動けないギフチョウを見る。新鮮。 地面では写真写りが悪いので、ツツジの幼木に移動していただく。 陽が照り出し、体温が上昇したのか、翅を小刻みに震わせたかと思うと、一気に飛び立ち、頭上高く樹冠に消えた。〔東播磨〕

3月29日(晴れのち曇り、夜雨) 午後から、神戸市内で開催された、日本チョウ類保全協会主催の“関西・中国地区のチョウ類の保全を考える集い”に参加する。 基調講演の兵庫県職員による県内のシカの食害のひどさ、深刻さの報告があった。“シカを殺せ!”の一言で解決されるような単純な問題ではなく、ハンターの高齢化と減少、捕ったシカの肉の加工と流通、法規制、山間地集落住民の高齢化、過疎化、冬季積雪の減少などが複雑に関連し合い、このような深刻な問題になっていることが良く解った。  その他、内容の濃い講演が続き、個人的には非常に面白かった。 拙いながら、小生も東播磨のヒメヒカゲの保全について報告したが、どの程度参加者に伝わったか・・・お粗末さまでした。 その後会場を移し、楽しく懇親会が続いた。〔神戸市〕

3月23日(晴れ) 天気予報通り、気温はぐんぐん上昇、4月中頃のような春の一日。 昨日に続き、小ピークに登る。 午前10時半頃から一気にチョウの数が増える。 正午過ぎには、ヒオドシチョウ約10頭、アゲハチョウ(ナミアゲハ)3頭、ルリシジミ1頭、ミヤマセセリ1頭と山頂は大賑わい。 アゲハチョウとミヤマセセリは初見。 飛翔シーンの撮影に励む。 ヒオドシチョウの翅の破損状態について、ボロボロから比較的破損が少ない個体までさまざまであった。 アゲハチョウはどの個体も極めて新鮮。 山麓の雑木林ではテングチョウが多い。〔東播磨〕

3月22日(晴れ時々曇り) 寒気が残り、期待したほどの好天にはならず、やや肌寒い日。 昼前からフィールドに出る。 畑の土手に羽化直後のモンキチョウ♂を見る。翅はまだ固まっていなくて、風になびいていた。 各地でモンキチョウ、モンシロチョウを見る。 今日もベニシジミは姿を見せず。 撮影地を変える。 郊外の小ピークにヒオドシチョウを見る。合計4頭がテリを張り、時に追い駆け合っていた。 尾根筋でルリシジミ♂を見る。活動は盛ん。 越冬明けのルリタテハを見る。〔東播磨〕

3月16日(晴れ) やや風があるが天気予報通り暖かい一日。 この時期恒例の“加古川の里山・ギフチョウ・ネット”の総会に出席する。総会には加古川市の北隣の加西市から、南網引地区区長の参加があった。伺ったところによれば、今年から“あびき湿原保存会”が発足し、一切の動植物昆虫の持出禁止(=採集禁止、採取禁止)、持込禁止、湿原への立入禁止措置を取る。サギソウ、トキソウなどの植物は当然として、貴重な水生昆虫もその対象となり、ギフチョウも含む。また湿原周辺だけでなく、周辺各地でも同様の処置を取り、対象地区には糠塚山も含む、とのこと。 午後から近場のフィールドを回る。 風が当らない南向きの畑周辺は暖かい。満開の梅の花で吸蜜するのはアカタテハ。 越冬明けキタキチョウ、テングチョウ、アカタテハはオオイヌノフグリの花で蜜を吸う。 田んぼの上を挑戦的に飛ぶのはモンキチョウ♂。 菜の花で吸蜜するモンシロチョウを見る。初見。 テングチョウともつれ合うキタテハを見る。 地面にとまるルリタテハを見る。 ベニシジミは確認できず。〔東播磨〕

3月9日(晴れのち曇り) 陽射しに春の暖かさを感じるが、北東の風強く、肌寒い一日。 満開のウメにニホンミツバチが集まっている。なぜかセイヨウミツバチは一頭もいない。 同じ樹にテングチョウを探すが見つからず。 暖かい土手にベニシジミを期待したが姿を見せず。〔東播磨〕 

3月2日(曇り時々晴れ) 昨日の雨も朝にはあがり、昼前から時々青空がのぞく。 所用をこなしたのちフィールドに出る。 昨年秋から通っている暖かい土手を目指す。たまたま陽が差した瞬間、モンキチョウが飛び出す。オオイヌノフグリの花で吸蜜していたようだ。この時期ののチョウは人の気配に敏感で容易に近寄らせてくれない。このモンキチョウも例外ではなく、近付くとすぐに飛び立つ。根気良く追跡しているうちに分厚い雲の下に入る。そうなると、体感温度は一気に低下、同時にモンキチョウも活動を休止する。じっくり見れば後翅はすでに破損、数日前の気温が上昇した日に羽化した個体のようだ。 この調子ならベニシジミも出ているかもしれないと丹念に探すが、晴れ間は続かず、見つからず。〔東播磨〕

2月23日(晴れ) NPO法人「ひょうごエコ市民ネットワーク」主催の「山の動物と森のあり方を考えるX」シンポジウムに参加するため、昼前から但馬和田山に向かう。 我々の仲間から「兵庫の森から虫が消える」とのタイトルで講演を行う。主に、兵庫県内のチョウの分布・生態調査と絶滅危惧種の保全活動、森林植生とシカ被害についての報告であった。 自然環境を考えるとき、兵庫県での目下の最大の課題は、シカの食害である。南但馬の森林の生態系はほぼ壊滅、現在は猛烈な勢いで但馬北部に勢力を拡大している。シカ対策は一刻の猶予も許さない状況である。 農業関係者、自然愛好家などからも活発な意見が出された。 とにかく早くシカの数を減らさないと、未来に重大な禍根を残すと意見は一致した。〔但馬〕

2月15日(曇り時々晴れ、一時雨) 今日も冬空、関東地方は大雪。 当地は風は強いものの何となく春を感じさせる一日。 時間の合間に、郊外の畑を歩く。正月までベニシジミが生き残っていた土手斜面、スイバの株にベニシジミ幼虫を探す。葉を慎重に動かすと、幼虫は簡単に見つかった。本種の幼虫は冬でも盛んに摂食し、どんどん大きくなるようだ。見つかるフンの数も多い。 今日も柑橘系果樹にアゲハの蛹を探す。見つけたのはクロアゲハの抜け殻2つ。〔東播磨〕 

2月11日(曇り時々晴れ) 冬型の気圧配置が続き、北風強く寒い一日。 雑木林の縁の畑を回る。 ミカン、ナツミカン、キンカン、レモン、カラタチなど畑に植えられている柑橘系果樹を見て回るが、蛹は見つからず。 ウマノスズクサが生える畑の周囲にジャコウアゲハの蛹を探すが見つからず。 ユキヤナギのホシミスジ越冬幼虫を探すが見つからず。 活動に動きが少ないため、すぐ体が冷えてくる。 早々に撤収する。〔東播磨〕

2月1日(晴れ) 大急ぎで所用を片付け、西播磨へ向かう。 午前11時、気温はグングン上昇する。 ナラガシワの枝にウラジロミドリの越冬卵を探す。今日、訪ねたポイントは大木ばかりで手の届く範囲に枝が少ない。 探すこと30分、小枝の窪みにようやく2卵見つける。 残念ながらうち1卵の表面に傷が付き、中に幼虫はいないようだ。 ヒロオビミドリは幹、ウラジロミドリは小枝か休眠芽と産卵場所が異なるため同定はそれほど難しくない。 更に30分探すが見つからず。 早々に東播磨に戻る。 畑の土手に生えるスイバの株にベニシジミ幼虫を見る。 体長は5m程度、気温が高いためか活発に動いていた。〔西播磨、東播磨〕

1月25日(薄日晴れのち曇り) この時期にしては暖かくなるとの天気予報を信じて早朝から西播磨に向かう。 午前9時、千種川沿いの国道の温度計は3℃を示している。 9時半、マイポイント着。 新規購入した伸縮梯子を使いゼフ卵を探す。 ナラガシワの樹に探すこと2時間、ミズイロオナガシジミ、ウスイロオナガシジミ(4卵塊)、ウラジロミドリシジミ、ヒロオビミドリシジミ(2卵塊、3卵塊)を確認する。 被写体としてはスペイン・サグラダファミリアを連想させるミズイロオナガシジミ卵、こんな隙間によくぞ産みつけられたウスイロオナガシジミ卵に感心する。 正午前に撤収。〔西播磨〕

1月19日(晴れ時々曇り、一時雪) 朝は冷え込み、日中も気温が上がらず、時折小雪が舞う寒い一日。 買い物途中の午後、神社の境内のエノキにゴマダラチョウの幼虫を探す。神社の境内という所は落ち葉まで綺麗に片付けられていることに改めて気が付く。これでは越冬できない。敷地の一番端、周辺には仮設機材が放置され、唯一落ち葉がそのまま残っているエノキの根元を探す。期待に違わずすぐ見つかる。成虫シーズン中、街中で成虫の姿を見ることはほとんどないが、冬季に落ち葉さえ撤去されなければ相当数が見られるのかもしれない。〔東播磨〕

1月13日(曇り時々晴れ、のち時々雨、一時雪) 冬型の気圧配置が続き、時々雪が混じる寒い日。 オオムラサキ越冬幼虫を探しに西播磨に向かう。 昨年夏、オオムラサキが来ていた“クヌギ樹液食堂”のすぐそばのエノキを目指す。 根元の落ち葉をめくること30分、背面突起4対のオオムラサキ幼虫を発見する。大きさは20mm大か?雪が舞う中、時間をかけて撮影する。結局、この樹の根元にはオオムラサキ幼虫2頭、ゴマダラチョウ幼虫3頭を見つける。隣の樹でもオオムラサキ、ゴマダラチョウ両種の幼虫は簡単に見つかった。 わずか1期間ながら体をほとんど動かさないため、体の芯まで冷え、早々に撤収する。〔西播磨〕

1月12日(曇り時々晴れ) 時折薄日が差すが、肌寒い一日。 昨年暮れに見つけておいたウラゴマダラシジミ越冬卵の撮影に行く。薄暗い所に生えているイボタの幼木、地上1.5mの高さに産みつけられた7卵の卵塊である。あいにく陽光が弱いため、自然光撮影に充分な光量が確保できず、ピントの浅い写真しか撮れない。また出直しである。〔東播磨〕

1月3日(晴れ) 今日も暖かく穏やかな日。 フィールド出撃目的ではなく、買い物へ行くため市街地を歩いていたところ、植栽植え込みエリアの枯れ草に真っ黄色のチョウが視界に入る。良く見ればツマグロキチョウの大型個体であった。本種は環境省レッドデータ「絶滅危惧TB」にランクされ、近年全国的に減少が著しい種。東播地方において個人的には、郊外では数年に一回程度目撃するが、今日のような市街地で出遭ったのは初めてである。大急ぎで買い物を終了し1時間後に戻り時間をかけてじっくり撮影する(画像は後日公開予定)。 撮影地を変える。 久しぶりにウラゴマダラシジミ生息地を訪ねたころ、生息地の隣接地は綺麗さっぱり伐採されていた。開発なのか?何のための伐採なのか理由は分らない。 たぶんここにもイボタがあったはず、積み上げられた枝のなかを探す。見つけたイボタの枝にはしっかりウラゴマダラの越冬卵が付いていた。〔東播磨〕

1月2日(晴れ時々曇り) 運動不足解消のため自宅近郊の低山に登る。低いとはいえ30分も登っていると汗が噴き出てくる。しかし期待したテングチョウの活動は見られなかった。 ここのところ毎日訪ねているポイントへ移動する。 昨日に比べ気温が高いためか、土手には三つのも白いチョウが舞っている。当に早春のようだ。 両前翅先端が擦り切れたモンシロチョウもそのうちのひとつ。元気に活動している。 モンキチョウはオスもメスもこの時期の個体にしては新鮮。ここ数日姿を見せていた個体とは明らかに異なる。セイヨウタンポポでの吸蜜を撮影する。 ベニシジミは一昨日、昨日姿を見せていた個体に同じであった。〔東播磨〕

1月1日(曇り時々晴れ) 暖かいが南寄りの風が強く、曇りがちな一日。 年を越した生き残りを探しに今日も出かける。 短い時間しか陽が差さないなかいつもの土手を歩く。 期待に違わず今日も確認!ベニシジミ1頭、モンキチョウ1頭、キタキチョウ1頭。完璧に個体識別しているわけではないが、どうやらここのところ連日姿を見せている個体のようだ。この土手に執着しているらしく、一たび飛び離れてもすぐに戻ってくる。他の場所に比べて暖かいのであろう。雲が厚くなり30分で撤収する。〔東播磨〕


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