◆2010年フィールド日誌


12月18日(晴れ) 久しぶりに横浜宅でくつろぐ。 気温が上がった午前10時から近くの公園を散策する。 南東向きの斜面にムラサキシジミを見る。岩の上の開翅と菊の花での吸蜜を繰り返す。その他の種は見かけず。〔横浜市〕

12月12日(晴れ) 仕事の都合で兵庫の自宅に帰っている。 この時期の恒例行事、「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」野外保全活動の一環、ヒメヒカゲ生息地整備のため午前9時からフィールドに出る。今日の主な活動は繁りすぎたヤマモモの枝払いと草地の整備である。急斜面の作業にしばらくすると汗が噴き出してくる。正午までみっちり3時間の作業、草地は見違えるように明るくなり、来年の発生域の拡大に心膨らむ。 作業終了後、急いで横浜に戻る。〔兵庫県東播磨〕

11月21日(晴れ) 今日もクロマダラソテツ発生調査を行う。 昨日のソテツに今日は別の個体を見る。羽化不全のオス。もちろん飛ぶことはできない。クロマダラソテツにとってこの11月末が発生の限界時期なのであろう。 マンション前のエントランスに植えられたソテツに新鮮なメスの成虫を見る。かろうじて飛べる程度の活動状況であった。〔兵庫県東播磨〕

11月20日(晴れ) 仕事で兵庫へ戻り、迎えた週末は絶好の天気。 午前10時から自宅近くのソテツを見て回る。 3週間前に比べ幼虫の数は減っている。朝晩の冷え込みに耐えられないのか。 10数か所のうち最後に訪ねたソテツの大木にクロマダラソテツシジミを見る。低温期型の新鮮なオス。飛ぶ元気はなく、何とか生きている状態。羽化不全は免れたようだが、羽化時に体力を消耗してしまったか?ここのソテツは一切手入れがされていないため、今年の食痕から発生のすざまじさが読み取れる。 たぶん7月頃は大発生していたはず。 ヤマトシジミはまだ元気に活動している。 カキの葉にとまるウラギンシジミを見る。〔兵庫県東播磨〕

11月13日(曇り時々晴れ) 友人の車に便乗し、早朝から南房総へ向かう。3週間前に同じく、狙いはルーミスシジミ。 現地着8時半、晴れの予報は外れ、空一面に雲が広がっている。 常陽樹林のなか、アラカシの葉を中心に丹念に見ていくと、ポツポツとルーミスがとまっている。辺りは暗く、シャッタースピードは稼げないが、被写体が逃げないのでじっくり撮影できる。 少ないながら今日もヒルが地面を徘徊している。 正午前になってようやく薄日が差し始めると、パラパラと樹冠を飛び始める。時に目線の位置まで舞い降り、翅を広げる。 日が陰ると活動を中止し、アラカシの葉に潜り込む。潜り込む葉について、一部が枯れて茶色になった葉を好むようだ。確かに翅裏の色と枯れた部分の色が同化し、見事な保護色効果を発揮している。 午後2時半、雲が厚くなり撤収する。〔千葉県〕

11月7日(曇りのち晴れ) 午前11時から近くの公園を散策する。 マテバシイの新葉にムラサキツバメの卵を見る。同じ枝で3週間前に見た卵は幼虫になっていた。 アザミの花株に多くのホシホウジャク(ヒメホシホウジャク?)が集まっている。気温が低いためか頻繁に花を移動しない。落ち着いてじっくり撮影する。2000分の1秒では羽ばたきを固定できない。4000分の1秒なら確実に固定できるが被写界深度は極めて浅く、光量不足で暗い写真になってしまう。 菊の花で吸蜜する低温期型ヤマトシジミ♀を見る。〔横浜市〕

11月3日(快晴) 友人の車で静岡県に向かう。狙いはサツマシジミ。 生息地着午前7時半、10時が過ぎ気温が上がってもお目当てはなかなか登場しない。10時半、ようやく1頭が飛来するがとまらない。あっという間に彼方に飛び去る。シャッターチャンスはなし。 渓谷にはムラサキシジミが多い。 渓流の陽だまりにアサギマダラが集まっている。渓流の岩にとまり吸水する個体を見る。 茶畑のチャの花で蜜を吸う個体もいる。 正午を過ぎ撮影地を移動する。丘陵の尾根筋で粘るがウラナミシジミやヤマトシジミばかり。午後2時、ようやくサツマが再登場!下から吹きあがってくるがとまることなく飛びってしまう。 午後3時失意のうちに撤収する。〔静岡県〕

10月31日(曇りのち雨) 加古川自宅周辺を散策する。 雲は厚く、今日の撮影は諦め、クロマダラソテツシジミの生息調査のため自宅近くのソテツを見て歩く。 訪ねたのは24箇所、結果は、成虫の確認個所はなし、幼虫の確認個所は4箇所、その他食痕の確認個所は8箇所であった。 ヒコバエの新芽が出ている箇所にはたいてい幼虫が見つかった。 また食痕から夏前から断続的に発生していたことは容易に想像できる。 気温が低く曇っていたためたまたま成虫が見つからなかっただけか。〔兵庫県播磨〕

10月23日(晴れ) 撮影目的で久しぶりにフィールドに出る。 友人に迎えに来てもらい、朝5時前、自宅を出発、一路千葉県房総半島へ向かう。 午前8時、原生林着。前日の雨に地表はしっかり濡れている。一歩渓谷に踏み込めばそこはヒルの世界!人の気配を察知するや地面から湧くように這い出て体を揺らす。 ズボンの下に婦人用パンティーストッキング着用、ヒル除け剤をしっかりかけたゴム長靴と完全防備ながら、これだけヒルが多いと撮影に集中できず、ついつい足元を見てしまう。 渓谷に陽が射しこみ徐々に気温が上がると、樹冠にルーミスが舞い始める。白く小さく、同地に混生するムラサキシジミとは容易に判別できる。 そのうち何度か地表近くまで降りてくる。一年ぶりのシャッターチャンスに心が躍るが、露出に細心の注意を払わないとすぐオーバーしてしまう。渓谷に陽が入らなくなるとルーミスの活動は停止、従って本日の撮影は終了。 撮影地を移動する。 房総半島の海岸線に植栽されたソテツを見て回る。古いソテツの葉には多くの食痕が残っている。これを見ると昨年のクロマダラソテツシジミ大発生は容易に想像がつく。新しい葉に食痕はなく、今年は発生していないもよう。 岩場の海岸にシルビアを探すが見つからない。それでも食草のミヤコグサは多い。いわゆる“海ビア”の生息環境と兵庫県東播磨の田んぼの畦の生息環境の違いに正直驚いてしまう。 海岸に生えるセイタカアワダチソウにウラナミシジミが多い。〔千葉県南部〕 

10月11日(曇り) 但馬の渓谷にヒサマツミドリ♀の産卵シーンを狙うが、晴れ間が続かず、お目当ては姿を見せず。おまけに雨も降り出し早々に撤収する。〔兵庫県但馬〕

10月10日(晴れ時々曇り) 加古川自宅に戻り、近所を散策する。 路肩の花壇に新鮮なヤマトシジミが多い。メスはすでに低温型、翅表のブルーの面積は大きい。個体も大型。 咲き始めたセイタカアワダチソウで蜜を吸うキタテハを見る。 ウラギンシジミは活発に飛び回る。 満開のソバ畑にキアゲハ、ナミアゲハ、ツマグロヒョウモン、キタテハを見る。 キセルアザミの花で吸蜜するのは夏眠明けのウラギンスジヒョウモン♀。個体自体は大きいが破損も激しい。〔兵庫県東播磨〕

10月3日(晴れ時々曇り) 先週と同じ行動パターン、5日間の出張から戻り、午後1時から近くの公園に向かう。 アザミの開花が始まる。大きな株にメスグロヒョウモンのメスが群れている。計5頭が集まっている。これだけ集まると壮観!吸蜜に忙しのか警戒心は乏しい。吸蜜中の個体にそっと触れても逃げない。なぜかこの株にオスはいない。撮影にため1時間この場で粘る。 ナガサキアゲハ、ツマグロヒョウモン、コミスジ、キチョウ、キタテハ、クロヒカゲ、ナミヒカげ、ウラナミシジミを見る。 ツクツクボウシの鳴き声を聞く。〔横浜市〕 

9月26日(晴れのち曇り) 1週間の出張から戻り、正午過ぎから近くの公園へ。 一ヶ月前、アカボシを撮影した同じポイントに今日もアカボシが舞っている。フワフワとした飛び方はマダラに似せているのであろうか。 ヒヨドリバナ、ウド、キバナコスモスの各花にメスグロヒョウモンを見る。 メスも1頭混じっている。 オスは破損無しから大きく破損しているものまでサマザマ。なかに変な感じのオスがウドの花に来ていた。何が変かと言えば、後翅表の一部分が白化していて、別種のような印象を受ける。 午後3時半、雲が厚くなり撤収する。〔横浜市〕

9月19日(晴れ) 仕事の都合で昨日から加古川自宅に戻る。 秋空の下、久しぶりに播磨各地のマイフィールドを回る。 朝7時半、田んぼの土手に朝露に濡れたシルビアシジミを見る。翅を閉じ水平な姿勢で夜を越したらしく、翅の上にはいくつも水滴が溜まっている。 更に探せば土手のいたるところでシルビアが静止している。なかにヤマトも混じっている。8時を過ぎるとポツポツ飛び始める。9時半まで、オスの開翅、求愛とそれに続く交尾拒否、別のペアの交尾など、いろいろなシーンを堪能する。 ソバの花にツマグロヒョウモン、ナミアゲハ、キアゲハ、アカタテハ、キタテハが集まっている。 撮影地を移動し西播磨に向かう。 いつも撮影ポイント「アゲハの谷」ではアゲハは1頭もいない。季節の移ろいが遅れているためか。 岡山県境の集落では稲刈りの真っ最中。 民家の庭先のムクゲの花にナガサキアゲハ♂を見る。 昼ごろからグングン気温が上昇、真夏に逆戻りの感あり、暑さにウンザリで撤収する。〔兵庫県播磨各地〕

9月11日(曇り) 11日から3日間、北海道での仕事。わずかの合間にフィールドへ、ということで11日の正午すぎ2時間、北海道大学構内を散策する。中庭の草地にモンキ、スジグロシロ、オモンシロが群れている。 ベニシジミ多い。 咲き始めたセイタカアワダチソウにスジグロシロが群れている。1頭ヒョウモンが吸蜜中、よくよく見ればウラギンスジヒョウモンのメス、兵庫県では播磨地区の一部を除きほぼ姿を消しているのに、こんなところで出遭えるとは嬉しい驚きである。 新鮮なルリシジミ♀を見る。 イタドリの花で吸蜜するのはアカタテハ。 ナミアゲハ、キアゲハを見る。 その他いろいろ飛んでいるがとまらないため同定できず。〔北海道〕

9月5日(晴れ) 朝7時、横浜自宅発で北富士に向かう。 8時半着、自衛隊演習場内の未舗装の道路わきでヒメシロチョウを見る。地表近くを低く飛び、慣れれば他のシロチョウとはすぐ見分けられる。 ハギの花で吸蜜する個体もいるが大半はとまることなく炎天下の草原を飛び続けている。地表の湿った土で吸水する個体を確認する。 大きめの薄汚れたシジミはボッロボロのゴマ、ワレモコウでの吸蜜シーンを写す。 カシワ林の疎林にヤマキチョウが多い。吸蜜花はタムラソウ、オス&メスとも行動は同じ。 キマダラモドキらしき蝶影を見るが確認できず。 撮影地を移動する。 海岸沿いの南向きの斜面のミカン畑に多くのアゲハが飛んでいる。 ヤブカラシに吸蜜にやってきたクロアゲハをよく見ると両方とも尾っぽが無い!無尾型か途中で無くしたのかはよく解らない。 ミカンの木に産卵するナガサキアゲハ♀を複数回見る。後翅の白紋は小さいものから大きく発達しているものまでさまざま。 求愛するオスもたびたび現れシャッターチャンスは多い。 モンキアゲハ♀に求愛するナガサキアゲハ♂を見る。 このミカン畑では、オナガアゲハ、カラスアゲハ、ナミアゲハ、ジャコウアゲハも飛び回っていた。 エノキの大木の周辺ではアカボシゴマダラの活動が活発。〔山梨県、静岡県、神奈川県各所〕 

8月29日(晴れ) 昨日の疲れが残り予定時間に起床出来ず。急遽、予定変更で本日は休息日に・・・、とは思ったが、悲しい性、そのうちにモゾモゾ、午前10時から近くの公園を散策する。 今日も暗い森の中では多くの黒系アゲハが飛んでいる。ナガサキ、クロ、モンキの各アゲハを見る。 ほどなく今日のお目当てのアカボシゴマダラ登場。エノキの幼木に産卵を繰り返すが、ずっと生み続けるわけではなく、10分もすると活動を休止する。 活動を再開し産卵を始める。 欠けメスながら翅の色はまだ鮮やか、飛翔を含め1時間追いかけまわして撮影する。 その後2度アカボシに遭遇するが早々に目的達成したため撮影に身が入らず。 ハギで吸蜜するダイミョウセセリを見る。同じハギの新芽に産卵するのはツバメシジミ。 森の中ではムラサキシジミが数を増している。 マンションの植栽のマテバシイの新芽に白いタマゴを見る。たぶんムラサキツバメであろう。 この暑さの中、散策するのは2時間が限度!正午に撤退する。〔横浜市〕 

8月28日(晴れのち曇りのち雷雨) 前日夜から夜行バスで尾瀬に向かう。前から一度行ってみたかった国立公園である。 午前4時ふもとの駐車場着、マイクロバスに乗り換え更に上を目指す。気温14度、下界の暑さが嘘のよう、Tシャツ1枚では寒くウインドブレーカーをはおらざるをえない。 朝食をしっかり取ったあと、6時から散策を開始する。 まずは大湿原へ。多くの野草が咲いている。イワショウブ、ゴマナ、アオヤギソウ、ハンゴンソウ、ミヤマアキノキリンソウ、オゼミズギク、ワレモコウ、タムラソウ、ヤマトリカブト、エゾリンドウ、サワギキョウといったところ。 残念がらチョウの姿は少ない。 駐車場で出遭ったのは、キベリタテハ、シータテハ。 オオウラギンスジヒョウモン、イチモンジセセリはアザミで吸蜜。 シシウドの花にキアゲハ幼虫が“鈴なり”、計約10頭。 森の中でクロヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲを見る。 登山を含め本日の歩数35000歩、ほとんど寝ていない身には正直こたえた。 午後1時本日の活動終了。帰りのバスを待つ午後2時半、突然の雷雨に見舞われる。 午後9時半帰宅。〔群馬県尾瀬〕

8月22日(晴れ) 照りつける太陽の下、正午からフィールドに出る。久しぶりに横浜の自宅近くの公園を散策する。 木陰に入ると風が流れ、思ったより涼しい。 薄暗い森の中ではクロ系のアゲハが多い。ナガサキ、クロ、カラス、モンキの各アゲハが元気よく飛んでいる。さすがに直射日光を避けているのか? ツリガネニンジンで吸蜜するダイミョウセセリを見る。関西産に比べやや小さく華奢な感じがする。 陽だまりでにメスグロヒョウモン♂を見る。メスも活動しているのを確認。 同じく森の中の陽だまりで活動しているのは、イチモンジチョウ、コミスジ、テングチョウ、ムラサキシジミ。 ムラサキシジミは数も多く、なかにはアラカシの新芽の汁を吸っている個体も見かける。飛翔シーンの撮影を試みる。 森の周辺を高速で飛び回っているのはアカボシゴマダラ。“樹液酒場”でもあれば、と思うがそうそう簡単には見つからない。 その他見かけたのは、アオスジアゲハ、ナミアゲハ、キチョウ、モンキチョウ、スジグロシロ、ヤマトシジミ、ツバメシジミ、ウラギンシジミ、ヒメウラナミジャノメ、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、イチモンジセセリ、ヒメキマラダセセリの25種。〔横浜市〕 

8月14日(曇り一時雨) 正午前から西に向かう。 岡山県境近くの暗い谷にかかる橋にチョウが吸水に集まっている。 まず目立つのはミヤマカラスの新鮮なオス。ピッカピカの超新鮮個体、翅表の金緑が輝いている。最初は落ち着きなく近付くと飛び立つばかりであったが、そのうちに警戒心がなくなっている。じっくり時間をかけて撮影する。 同じ橋に白いチョウが舞う。本日の狙いであったイシガケだ。期待に違わず現れてくれると嬉しくなってくる。しかも今日は4頭!ヒラヒラ舞っていたかと思うと、ストンと地面に落ち、ベタっと展翅した状態で翅を広げる。無理やり飛び立たせ飛翔シーンの撮影を試みるが光量不足で結局失敗。1時間の撮影中、4頭のうち3頭までもが車に轢かれてしまった。 法面のコンクリートにモンキアゲハが集まっている。 撮影地を変える。 ナラガシワを叩いてみるが何も飛び出さない。 ナラガシワの樹冠を飛ぶ大きなゴマダラチョウを見る。〔兵庫・西播磨〕

8月13日(曇り) またまた懲りもせず3日前のくぼ地に直行する。 今朝もゼフ♀が集まっているが、“悪夢は繰り返す”で樹冠に舞い上がるばかり。飛び立ったなかに1頭白いゼフが混じっていた。たぶんヒサマツであろう。 ようやく1頭近くの葉に短距離移動してくれる。よく見ればやはりアイノミドリ。時間をかけて慎重に撮影する。 ヒヨドリバナに多くのアサギマダラが集まっている。 撮影地を変える。 ビークマークうを付けたヒメキマダラヒカゲを見る。 高地の草原のジャノメチョウが多い。シシウドやイタドリ、ヒヨドリバナで吸蜜することも多い。 新鮮なギンイチモンジセセリを見かけるがとまらず結局シャッターチャンスは無し。 ヒヨドリバナで蜜を吸っていたのはホシチャバネセセリ。個人的にはこのポイントでの初目撃、嬉しい! アザミでボロのコキマダラセセリを見る。 ピークでテリを張っていたのはミヤマチャバネセセリ。関東地方で見かける本種は小さいが当地産は一回り大きい。 その他、アオバセセリを見る。 やや暗い谷筋のヒヨドリバナにアサギマダラが群れている。ざっと数えて20〜30頭。 ヒョウモンも多い。一番多いのはオオウラギンスジヒョウモン、特にメスが堂々たる迫力、前翅先端の白紋が良く目立つ。 今日一番のサプライズはスキバホウジャク(蛾)との出遭い。たぶん8〜9年ぶりくらいの再開である。本種の幼虫はウスイロヒョウモンモドキの幼虫と同じく、オミナエシの葉を食べて育つが、とにかくめったに目撃することがない。 木陰でサカハチ、ダイミョウセセリ、アサマイチモンジを見る。 アサマイチ撮影中に突然視界に褐色のゼフが飛び込んでくる。 イタドリの葉にとまるやいなや開翅、見事なAB型であるが、ミドリやアイノか翅表だけでは同定に自信がもてない。今日はいつもとは逆、「翅を閉じてくれ」と念じるが、願いもむなしくそのまま飛び去ってしまう。〔兵庫・但馬〕 

8月10日(晴れ時々曇り) 懲りもせず未明から但馬に向かう。高標高地の車道脇のくぼ地にゼフ♀が集まっている。 まず確認したのはエゾミドリのメス、その他褐色のメスはアイノミドリか?ジョウザンミドリか?そっと叩いてもすぐ樹冠に舞い上がってしまいシャッターチャンスはやってこない。 さらに叩くと白っぽいメスが飛び立つ。やや上方にとまるがその距離約10m、望遠レンズに替え撮影してみると尾状突起が長いヒサマツのメス。翅ウラだけしか判らないが相当スレていた。 林床に生えるササにゴイシシジミが大発生している。ひと叩きで20頭位が飛び立つ。たぶん食餌のアブラムシが大発生しているためであろう。 民家のウラで吸水していたのはカラスアゲハ2頭。 撮影地を変える。 クロシジミ生息地で卵から孵った初令幼虫と甲斐甲斐しく世話をするクロオオアリを見る。 草原に舞うのはツマグロキチョウ、交尾中のペアの飛翔を見る。 撮影の成果として、今日一番は何と言ってもジャノメチョウのメス。新鮮な個体が静かに翅を開いてくれた。息をのむような美しさであった。〔兵庫・但馬〕

8月8日(晴れ時々曇り) 今日も但馬の渓谷を回る。 渓谷の遊歩道にスミナガシを見る。どうやら今年はスミナガシの当たり年のようだ。お目当てのヒサマツはともかく、兵庫一の滝は素晴らしく、下界の暑さが嘘のように涼しい。 兵庫最深部の林道を延々とドライブ、最後に訪ねたのはウスイロヒョウモンモドキ生息地。 炎天下のススキ草原にボッロボロのホシチャバネセセリを見る。 ウスイロの初令幼虫の巣を探すがなかなか見つからない。一時間後ようやく発見する。〔兵庫・但馬〕

8月7日(晴れ時々曇り) 今日から盆休み。昨日のうちに兵庫に戻り、早朝から但馬に向かう。 途中、イノシシの子供(通称:ウリ坊)の死体が山道に転がっている。交通事故死か? 高標高地の木陰でスミナガシを見る。 ウラジロガシの生える渓谷各所を回るがお目当てのヒサマツ♀は姿を見せず。 途中、路上の湿ったところにモンキアゲハばかり4頭が集まっていた。 カシワ林にハヤシミドリ♀を見る。カシワの枝をたたいて飛び出してもすぐに葉の茂みに潜り込んでしまう。他のゼフは見かけず。〔兵庫・但馬〕

8月1日(曇り時々晴れ、一時雨) 朝5時から静岡県に向かう。 急峻な南向きの山の斜面は駿河湾からのたっぷり水分を含んだ霧に覆われている。植林されたヒノキの森の周囲にところどころアカガシ、ウラジロガシが見られる。 たたき棒を使い道沿いのアカガシをたたいて行く。 飛び出すのはキンモンガばかりだが、ついにキリシマミドリ♂が飛び出す。上方に逃げ、2度と姿を現さず、残念! 昨年、キリシマのテリ張りが見られたというポイント着午前8時半。 一向に霧は晴れず、何も飛び出さない。 ウラジロガシをたたいた時、キリシマ♀が飛び出すが、これも上方に飛び去る。 2時間待つが時々陽が差す程度で、一気に天気が回復しない。 さらにアカガシをたたくと、2度目のオスが飛び出す。この個体、一箇所に執着し、一旦飛び立ってもすぐに同じ葉に戻ってくる。被写体までの距離は約10m、200mm望遠レンズで撮影し、その場で拡大したところ、新鮮な個体であることが分かる。しかも尾状突起が極端に短く、いわゆる短尾型。鈴鹿では絶対にお目にかかれないタイプである。 何ぶん遠くであり、しっかりと確認したわけではないが、たぶん新芽の脇から染み出る汁を吸うために執着しているのであろう。同じ光景は数年前、鈴鹿でも確認している。 “証拠写真”ばかり、飽きてくる。 正午、転戦を決意、富士山裾野の大草原に向かう。 草原にホシチャバネセセリを見る。 カシワ林にキマダラモドキを見る。樹液を吸うために集まっている。ここのキマダラモドキは樹の幹にもとまるが、草むらにも頻繁に舞い降り、しかも草の中を飛びながら移動する。兵庫県ではあまり見ない行動である。 草原を車で移動中、ヒメシロチョウを見る。第2化の出始めらしい。さあこれから気合を入れて撮影しようと思った矢先、通りかかった車にみごとに轢かれ哀れ昇天!撮影機会を逸する。午後5時撤収。〔静岡県、山梨県〕

7月31日(曇り時々晴れ、一時雨) 週末の活動を1回飛ばし、“久しぶり”にフィールドに出る。 早朝4時、友人の車で長野県へ。 今日の狙いはミヤマシロチョウ。2週間前集団吸水が見られたという高標高地の保護区に向かう。高標高地はどんよりした曇り空、保護区にミヤマシロの姿なし。 待つこと2時間、ようやくキク科の黄色の花で蜜を吸うミヤマシロを発見。でも鱗粉がはげ落ちたスレスレのメス、がっかり!合計3頭出遭うがすべてスレ個体であった。フワーと滑空する飛び方は独特、遠方からでも簡単に同定できる。 ギンボシヒョウモンはどれもこれもボロ。 フタスジチョウ目撃、北海道産に比べ白線は細い。 ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモン、ウラゴマダラシジミを見る。 午前10時、高原の草地に移動する。 ジャノメチョウが湧くように発生している。 ニガナに似た黄色の花にアカセセリを見る。新鮮。 山頂でテリを張るのはキアゲハ。 草地にヒメヒカゲを見る。兵庫県産に比べ2カ月も発生が遅いと面喰ってしまう。個体も小さく、翅裏の目玉紋のバリエーションも少ない。ヒヨドリバナで吸蜜するメスを見る。本種の吸蜜目撃例は少ないので、ほんとうにストローを出しているか確認したところ、確かに吸っていた。 ギンボシヒョウモン、コキマダラセセリは新鮮。 夕方から仕事なので、今日は午前中で切り上げる。〔長野県〕

7月16日〜20日 北海道遠征

16日(晴れ時々曇り、夕方小雨) 8:55羽田発、10:40札幌着、神戸からの友人と合流し、大雪山に向かう。層雲峡着15:30.宿に入る前のわずかの時間を利用し林道に入る。雲厚く、時折小雨が降る中でもアザミ(ボクチ?)に多くのチョウが集まっている。多い方から、エゾスジグロシロ、ホソバヒョウモン、コヒオドシ、ミドリヒョウモン、ヒメキマダラヒカゲといったところ。 エゾシロチョウも混じっている。ホソバ、コヒオドシ、エゾシロなど日頃見慣れていないチョウばかり、ついつい撮影してしまう。1頭だけヒメウスバが混じっていると思ったが、良く良く見れば首周りが黄色のウスバシロであった。(*当地にはウスバシロは分布しないとの連絡をいただきました。ヒメウスバに訂正します)午後5時宿に入る。

17日(晴れ) 朝4時起床、5時半宿出発で、ロープウェー、リフトを乗り継ぎ大雪山黒岳、北海岳の登山に向かう。狙うはウスバキチョウ。宿で入手した情報では、すでに時期遅れ、有名なコマクサ平生息地での発生は終了。かろうじて見られるのは北海岳および白雲岳の山頂付近のみとのこと。今日は一日中歩き通す本格的な登山を覚悟する。リフト下の草地にベニヒカゲやホソバヒョウモンが舞う。 黒岳登山開始6時半、急斜面を登って行く。 途中、キク科の黄色い花で吸蜜するヒメウスバシロを見る。なかなか敏感であった。 黒岳山頂8時。 山頂からは大雪連峰の絶景が見渡せる。 残雪も随所に見られ、白と地表の灰色、緑、空の青と言葉では言い表せないすばらしいコントラストである。すでに森林限界を越えており、ハイマツと礫地、高山植物の花絨毯が広がっている。 北海岳に向かいなだらかな道を進む。 明るい斜面の草地に小さな茶色のチョウが群れ飛んでいる。よく見ればすべてアサヒヒョウモン。陽が出ているととまることなく飛び続けているが、ひとたび陽が陰ると一斉に草に潜り込む。 別の斜面でも30〜40頭が群れ飛ぶ過密ぶりであった。 ハイマツ周辺を飛ぶ青いシジミはすべてカラフトルリシジミ。アサヒヒョウモンに同じく見られるポイントは限られるが、どのポイントでも多くの個体が見られる。羽化直後でまだ翅が丸まったままのメスに交尾を迫るオスを見る。アッと言う間に交尾成立、撮影していた5分間にほぼ翅は伸びきった。オスは羽化してくるメスを必死で探しているようだ。 高度を上げるにつれダイセツタカネヒカゲが現れる。ほとんどの個体が鱗粉がはげ落ちているが、たまーに新鮮な個体が混じる。地面にとまるとすばらしい保護色効果を発揮し容易に見つけられないのは本州北アルプスのタカネヒカゲに同じ。当に高山蝶とは本種のことを指すのであろう。 山頂近く、風が吹き抜ける礫地にウスバキチョウを見る。残念ながら見かける個体はどれもこれも色あせ、ウスバシロと区別がつかない?ようなヤツばかり。しかしながらウスバシロに比べ飛翔スピードは圧倒的に速く、ウスバシロのような優雅さは微塵もない。頻繁に地面にとまるがいつも翅を開いている。図鑑の記述にあった通り、風が強いと自ら歩いて移動するのを目撃する。数頭の撮影後、ついにピカピカの真っ黄色のウスバキが飛来する。はやる心を押さえ慎重にカメラを構えるが、とまる角度が悪く、満足できる写真にはならず。残念! 以上大雪3種、カラフトルリの他に何と言っても数が多いのがコヒオドシ。訪花吸蜜、地面からの吸汁など様々なシーンをいたるところで見かける。この日の目撃総頭数は1000を越えているかもしれない。北海岳山頂でテリを張っていたのはキアゲハ。クロヒカゲも風に流されやってくる。 チョウに勝るとも劣らない被写体、それは数々の高山植物。シオガマ、チングルマ、キチョウ、ツツジ、コケモモ、サクラソウ、など頭に○○○○が付く当地ならでは植物ばかりである。ウスバキ幼虫の食草であるコマクサも良く見かける。一日中高山植物を撮影していても飽きないほど多くの花が咲いている。 午後1時半、同行の友人に重大トラブルが発生し、本日の撮影は中止となる。

18日(雨)午前中は前日の友人のトラブルの関連でフィールドに出ず。 午後、小雨の中、明るい林道に入る。 アザミ(ボクチ?)に多くのチョウが集まっている。ミドリ、メスグロ、ホソバの各ヒョウモン類が中心。アカツメグサで吸蜜していたのはエゾシロチョウ。笹の葉にとまる新鮮なベニヒカゲを見る。深いこげ茶色の地色が美しい。ヤナギが生える斜面にコムラサキが舞う。 アカツメグサで吸蜜していたのはオオモンシロチョウ。 ギンボシヒョウモン新鮮。 キリンソウ?で吸蜜する新鮮なコヒョウモンを見る。少々の雨でもこの通り多くのチョウが活動しているが、同時にアブやブヨの活動も盛んで、衣類の上からでも平気で攻撃を仕掛けてくる。午後4時、雨が強くなり撤収する。

19日(曇り時々雨、夕方晴れ)前夜、早朝とも宿周辺の天気予報は雨。かろうじて曇りの予想が出ている方面に車を走らせる。さすが広大な北海道、100km程度の移動などアッと言う間である。午前9時明るい谷に到着。ここでもアザミ(ボクチ?)にヒョウモン類やエゾシロ。コヒオドシが群れている。 河原の草地に踏みこむと小さなジャノメチョウが飛び出す。ようやく探し当てたシロオビヒメヒカゲ。もう少し前ならどこでも簡単に見つかるらしいが、今回は大苦戦!残念ながらボロ個体、気を取り直し集中して撮影する。ヒメヒカゲと活動の様子を比較したかったが、今にも雨が降り出しそうな天気では活動は不活発。 シータテハ、ベニヒカゲ、ボロのサカハチ(春型)、イチモンジチョウを見る。 更に数十キロ移動する。 晴れ間も見え始めた中、廃線跡の草地に数多くのチョウが見られる。テリを張る小さなタテハはアカマダラの夏型。サカハチも混飛しているため実にややこしい。シモツケソウの花に集まっているのはフタスジチョウ。本州産の同種に比べ白線が太く、別種のような印象を受ける。ここでもホソバヒョウモン、コヒョウモン、ミドリヒョウモン、メスグロヒョウモンが多い。 突然飛来したのはウラジャノメ。シモツケソウで吸蜜するウラゴマダラシジミを見る。 ナガボノシロワレモコウに集まっているのはゴマシジミ。吸蜜、産卵行動を繰り返す。岡山県産に比べ一回り小さく、前翅が細長いようだ。密度濃く発生していることに驚く。約1時間飛翔撮影に集中する。午後4時撤収。

20日(晴れ)今回の遠征の最終日。帰りの便の時間から逆算するとタイムリミットは11時半。オオイチモンジのメス狙いで満を持して、ここぞと思う林道に入る。宿で準備してもらった腐ったリンゴを焼酎に漬け込んだ特製トラップを数か所に仕掛けていく。 今日もコヒオドシホソバヒョウモンが多い。 時々頭上高く、樹冠をオオイチが滑空していく。30分後、トラップの効果は絶大、強烈な匂いに誘われ、無数のハエが集まり、やや遅れてチョウが集まってくる。クロヒカゲやヒメキマダラヒカゲ、シータテハ、ヒオドシを確認する。 ついに現れたオオイチのメス。白線太く、堂々とした巨体のメスに思わず息をのむ。 ハエやトラップに埋もれ死んだクロヒカゲなど背景はイマイチだが、初めてのオオイチ♀に心躍らせ集中して撮影する。時々思い出したように翅を開いてくれるが、シャッターを押すタイミングを合わせるのが難しい。夢中で吸汁するオオイチ♀がよほど邪魔だったのか、オオイチに戦いを挑むようにまとわりつくヒマキマダラヒカゲを見る。まとわりつくシーンを連射で撮影する。 ここでタイムアップ、すべての撮影を終了し空港へ向かう。 *この5日間多少のトラブルもあり、天気もイマイチであったが、予想以上の成果を上げることができた。ただ、カラフトタカネキマダラセセリ、ジョウザンシジミ、リンゴシジミ、新鮮なウスバキなど来年以降に残った課題もある。来年は是非6月後半に、との思いを胸に北海道を後にする。

7月10日(曇り時々晴れ) 友人の車で山梨・長野方面へ向かう。 まずは3週連続のクロミドリへ。クヌギの枝をたたくとついに今日はオスが降りてきてくれる。朝日を浴びてわずかに翅を開くが、残念!尾状突起は2本とも喪失、翅表もスレスレ、来年に持ち越しである。 他に降りてきてくれたのは、ウラミスジシジミとミヤマカラスシジミ。ミヤマカラスは初撮影なので気合が入る。 撮影地を変える。 次にやってきたのは高標高の高原地帯。 湿原の遊歩道にウラジャノメが多い。 マユミの花で吸蜜するのは新鮮なギンボシヒョウモン。 牧場わきのアザミに多くのチョウが集まっている。ギンボシヒョウモンが多く集中して撮影する。 クジャクチョウを見る。 更に場所を変える。 畑の土手のトネリコにウラキンシジミを見る。午後5時ころから飛び始め、午後6時を過ぎると活動のピークを迎える。2頭、3頭、4頭と樹冠を盛んに追尾する。 飛翔の撮影を試みるも如何せん、被写体までが遠く、満足できる成果は得られず。 就寝もードに入った新鮮なミドリヒョウモンを見る。〔山梨県、長野県〕

7月3、4日(曇りのち雨:3日、雨のち曇りのち晴れ:4日) ひとり、レール&レンタカーで先週と同じところを回る。午前9時半、先週と同じ樹の枝をたたくとやっぱりクロミドリ♀が降りてきてくれる。今日はクズの葉にとまり、即開翅でモデルになってくれるが、今日は時間が短く、わずか数分で高所に舞い上がる。 周辺のクヌギ林を訪ね、高木をたたくがほとんど何も飛び出さない。 何とか数か所、クロミドリらしきシルエットを見るが、同定はできない。 午後になると雨が強くなり、早々に撤収、陽が高いうちからビジネスホテルでくつろぐ。 4日未明、前日の調査からクロミドリの飛翔が見られる可能性がもっとも高いと思われる場所を予想し、小雨の中、午前3時半から現場で待機する。午前4時、空が白み始める。午前4時20分、突然真黒なゼフがクヌギの樹冠を飛び始める。時期や時間は全く違うが、個人的な過去の観察体験からすればヒロオビミドリのオスの行動にそっくり。占有行動する高さや飛翔能力もよく似ている。 事前練習の通り撮影するが、如何せん高く、速く、暗くで証拠写真程度を撮影するのみ。 午前4時40分終了、オスの活動時間はわずか20分。雨が上がった1時間後、同じポイントをたたき出すが、オスは下に降りてきてくれなかった。 オスの開翅シーンの撮影は相当に難しいと実感する。 午前8時まで、下草のオスの開翅シーンを求め、時間と競争するように各地を回るがオスには出遭わず。 午前9時、クロミドリ終了。その後、オオムラサキセンターゲージ内でオオムサラキの撮影に集中する。正午、ここも撤収し帰路へ。〔山梨県〕 

6月26日(雨) 朝からどんよりした曇り空。 朝5時半自宅発、友人の車で中央高速を西に向かう。 朝8時半、山梨県のとあるクヌギ林に到着。小雨の中、釣り竿を改造した自作の“たたき棒”でクヌギの高枝をたたく。即、黒っぽいゼフが飛び出す。再び高枝にとまったところを望遠で撮影、画像を拡大すれば、やはりお目当てのクロミドリシジミ、早速の登場である。更に慎重にたたき、下へ下へと導く。ようやく2mの高さの葉にとまる。次第に雨が強くなるなかでも、じわりと翅を開く。新鮮なメス。翅表は他のフォボニウスのメスと同様、代わり映えしないが、翅裏はやはりクロミドリの斑紋である。たたき出し&撮影を繰り返すこと数回、一時間後更に雨が強まり止む無く撤収する。雨宿り先は北杜市オオムラサキセンター。大きな飼育施設のなかでは、オオムラサキの羽化間近のさなぎを枝に取り付け、目の前での羽化シーンを見せていた。言わば“ショー”であるが、実際の羽化を目の当たりにすると、なかなかの感動モノである。天然・人工の違いを差し引いても、頭から滑り落ち来るシーンに感動する。午後3時まで5時間半、2個体の羽化に立ち会う。〔山梨県〕

6月19日(曇り時々雨) 前日夜から友人の車で山形県に向かう。狙いはただ一つ、チョウセンアカシジミ。 現地着午前3時、夜明けまで一時の仮眠タイム。 午前4時半、今回のご案内をお願いした地元の方と合流する。 さっそくデワノトネリコの葉で休むチョウアカに案内していただく。 本種の活きた姿を見るのは今日が初めて。 天気が悪く、まだ夜が明けきっていない状況の中であっても、以外に目立たないシックな姿に驚く。同じアカシジミでもムモンアカとの派手さとは大違いである。 この地域では本種の保全活動が浸透しているのをヒシヒシと感じる。ネットを出すなど絶対にできない!伺えば、時々卵泥棒が警察に検挙されているとのこと。たとえ撮影のみであっても地元の方々へ配慮した行動が必須であると感じた。 午前11時、薄日が差し始めるとV字に翅を開く個体が現れる。 この地域に産する個体の翅表の橙紋は小さく、メスアカミドリのメスのようである。 正午まで約7時間、場所を変えながら集中して数多く撮影する。〔山形県〕

6月13日(曇りのち晴れ、のち曇り) 今日も友人の車で出かける。 午前7時、小ピーク着。午前8時、天気予報通り晴れ間が広がり始めたとたん、オオミドリ♂がテリを張り始める。数日前から発生していたらしく、なかにはスレ個体も混じっている。最多で4〜5頭が追い駆け合う。久しぶりに見るフォボニウスの乱舞に心ときめく。オオミドリのテリ張り目撃は8年ぶりか。兵庫ではテリを張るのはもっと明るいピークのような気がするが、ここでは全体的に暗い。森の中のところどころに陽が差し込む環境となっている。時間の経過とともに陽射しの角度が変化し、それに合わせて、テリ場も移動していく。一つの葉に2個体が翅を触れんばかりに静止するのを見る。3台のカメラを駆使し集中して撮影する。午前9時半、テリ張り終了。 撮影地を移動する。次に訪ねたのは富士山の裾野に広がる大草原。 地を這うように飛ぶのはミヤマシジミ。背景の“抜け”を確保できず、ろくな写真にならない。 時期が外れているのかヒメシロチョウは姿を見せず。 更に昨日訪ねた高地の草地に向かう。 今日もアサマシジミを探すが容易に見つからない。ようやく新鮮なメスに出遭う。やはり大きい。ヒメに比べて歴然とした大きさの違いである。このメス、V字開翅を繰り返すが、翅が暗色のためピント合せが難しい。結局1時間追いかけまわし撮影する。同じ草地にボロのウスバシロが多い。〔神奈川県・山梨県〕

6月12日(晴れ) 友人の車で朝5時半フィールドへ出撃。 向かった先は神奈川・山梨県境付近の各ポイント。 神奈川県北西部、峠のウツギの花に来ていたのはダイミョウ、アオバの各セセリ、ジャコウ、オナガ、ミヤマカラスの各アゲハ。 高標高地の斜面の草地にアサマシジミ♂を見る。実際にフィールドでお目にかかるのは今日が初。思った以上に大きく、個人的な感じでは、ゴマと同じくらいか若干小さい程度。翅表のブルーの広がり方は他のどの種とも似ていない。同じ草地にヒメシジミ多い。どれも新鮮。チョウ屋の“色眼鏡”を外せば、アサマよりヒメの方が断然美しい。 ギンイチモンジを見る。 撮影地を変える。 少し標高があがるとまだクリの開花が始まっていない。昨年多数吸蜜していたクリ畑ではウラキンが姿を見せていない。 更に移動する。 渓谷沿いの遊歩道でミスジチョウを見る。道端のウツギで吸蜜していたのはクモガタヒョウモンのオス。 午後4時、両側が切り立った崖の渓谷にウラクロ♂の飛翔を見る。関西での観察例では活動時間になるとチョウ道を作り、次々渡って行くが、なぜかここではチョウ道を作って飛ぶ感じではなかった。〔神奈川県・山梨県〕

6月6日(晴れ時々曇り) 仕事の都合で兵庫に戻っている。 朝8時から通い慣れたフィールドを回る。 メスグロヒョウモン♂目撃。他にやや小さめのヒョウモンを目撃するが、ウラギンスジヒョウモンかどうか判らず。 日中から各地でウラゴの飛翔を見る。小ピークでテリを張るのはモンキ、クロ、キ、ナミの各アゲハ、それとスマグロヒョウモン♂。 各地でアサマイチモンジを見る。 現在、ヒメヒカゲ生息調査の真っ盛り、連日調査を行っているとのこと。特に今日は地元高校生の応援を得て大々的に調査しているとのことであった。 アカやミズイロオナガなどウラゴ以外のゼフは見かけず。〔兵庫県東播磨〕

5月29日(晴れ時々曇り) 金曜夜から夜行バスで北アルプスに向かう。 午前6時着。標高1500mの山の中では気温は5度しかない。ここぞと思う源流の沢を登り、気温の上昇をじっと待つ。 午前8時、南向きの沢ではようやく暖かくなる。 足もとから白いチョウが飛び出す。よく見れば狙い通りのクモマツマキのメス。まだ気温が低いためか活発に飛べず、沢に生える低木にとまる。飛び去られないよう慎重に近付く。広角から望遠、マクロと大急ぎで撮影する。 約10分後、次第に翅が開いていく。水平は翅が開いたと思った瞬間元気よく飛び立つ。今日のクモマツマキとの遭遇はこれ一回のみ。 同じ沢を飛ぶ白い小さなチョウはヤマトスジグロシロか。飛翔もよく似ていて、遠目には同定できない。越冬明けスジボソヤマキも現れる。 各地に生えるミヤマハタザオを見て回るが卵は見つけられず。 沢の下流の広場にコヒオドシ、シー、キベリの各タテハを見る。帰りのバスの時間に合せ、午後2時早めに撤収する。〔北アルプス某所〕   

5月22日(曇り時々晴れ) 先週に続き、友人の車で長野県に向かう。 今日は南アルプスではなく北アルプスへ。 現地着9時、天気予報通りとはあいならずの曇り空。 源流では今日も多くの雪解け水が流れている。 連日の睡眠不足と登山で朝からヘロヘロ、ウインドブレーカーを着込み河原で仮眠を取る。 2時間後気分がすっきりしたところで主役のクモマツマキ登場。ミヤマハタザオの花から花へ優雅に移動し吸蜜を繰り返す。 目の前2m、夢のような光景が広がる。 このオス、河原の縁の斜面を行ったり来たりで飛び去ることはない。一旦見失っても、しばらくすると必ず戻ってくる。 雲が厚くなるとハタザオの花にとまり動かなくなる。翅を閉じ静止状態に入ると前翅のオレンジ色は後翅に隠れ、周囲の葉に溶け込んでしまう。素晴らしい保護色である。 同一個体を延々2時間半追いかけまわし、300カット撮影する。〔北アルプス某所〕

5月16日(晴れ) 朝2時半自宅発、友人の車で長野県に向かう。 南アルプスの奥深く源流付近に着いたのは午前7時過ぎ。ウインドブレーカー2枚を重ね着してもまだ寒い。この寒さでは活動するチョウはいない。午前11時、スジグロシロが飛び出す。越冬明けのキベリタテハが続く。正午過ぎ、ようやくお目当てのクモマツマキが登場する。間近で見ると前翅先端のオレンジが目立ち、とても美しい。しかし20m離れるとオレンジは目立たず、クリーム色をしたツマキチョウといった感じか。 とまることなく直線的に飛び続ける。 食草・吸蜜源のミヤマハタザオは見つからず、このような状況では撮影は困難。 ようやくスミレで吸蜜しているオスを発見!吸蜜時間は短く、カメラをセットする時間もなく、飛び去られてしまう。あと10秒あれば何とかなったか!と思うと残念でならない。帰宅は午後9時半、本日の活動は連続19時間に及んだ。〔長野県〕

5月15日(晴れ) 天気は良いが朝はやや肌寒い。 友人の車で東京都、神奈川、山梨の県境付近を回る。 朝9時半、渓谷の奥の集落に到着。南向きの斜面の草地にウスバシロが舞う。何百年前から連綿と続く、日本の春の山村の原風景であろう。 オスはメスを求め低く飛び続けるが、一旦陰ると一斉に活動を休止する。羽化直後と思われる飛べないメスを発見。しかししっかり交尾嚢は付いていた。カメラ&レンズの性能確認の意味を含め、鱗粉1枚が写せるかどうか超接写を試みる。 満開のヒメウツギに多くのサカハチが集まる。これほど多くのサカハチを見たのは初めて。 植栽のツツジも満開。でも吸蜜にやってくるのはオナガアゲハばかり。 新鮮なコミスジを見る。 撮影地を変える。ここでもウスバシロは多い。 ミヤマカラス、クモガタヒョウモンは姿を見せず。 更に撮影地を移動する。低山のピークでテリを張るのはスミナガシ。最多で3頭が追い駆け合う。友人の協力を得て、テリ場に戻る瞬間の飛翔シーンを狙う。 50回シャッターを押して、まともに写っていたのは2カットのみ。別のピークではアオバセセリがテリを張っていた。一度もとまることなく、猛スピードで飛び回る。蝶道をつくるのではなく、一定の空間をアトランダムに飛び続ける。枝や葉を避けながら、追尾する飛翔能力は本当にすばらしい!まぐれで飛翔撮影に成功する。〔東京都、神奈川県〕

5月9日(晴れ) 長野県経由で横浜へ移動する。途中、ギフのイエローバンド型を撮影する。 初めて活きたイエローBを見るが、なるほどこれなら採集マニアが熱を上げるわけである。 しかしながらチョウより採集者の方が圧倒的に数が多いのはいかがなものか!? 午後2時撤収する。〔長野県〕

5月5日(晴れ) 今日は朝から但馬のマイフィールドを回る。ハイキングを兼ね、標高900mの山頂まで全工程を歩き通す。 低地では新鮮なサカハチが出迎えてくれる。しかし敏感でなかなか近寄れない。 トラフは新鮮ながら開翅せずすぐに飛び去る。 コツバメはスレばかり。 ミヤマセセリは少ない。 山頂まで時々ギフが視界を横切る。どの個体も色あせている。 ブナの芽吹きは真っ最中。低地のブナはすでに大きく葉を広げているが、山頂に近付くにつれ葉の広がりは小さく、山頂ではまだ芽吹き前となる。 今日はチョウより新芽、花、風景を中心に撮影する。 山頂では多くのギフが飛び交っている。個体すべてが色あせ、尾を失っているものも多い。 カメラ機材10kgを背負って山道2万5千歩はなかなか堪えた。〔兵庫県〕

5月4日(晴れ) 朝から晴れ。久しぶりに西播磨のマイフィールドを回る。この時期アゲハが集まる谷を訪ねるが、ただ1頭もいない。吸蜜源のアザミの開花が遅れているためか? ようやく路上で吸水中のミヤマカラス♂に出遭う。この個体、吸水に執着し、少々近寄ってもまったく逃げない。後翅裏面の白帯は細く、途中で切れているため、翅表の輝きは控えめである。 標高を上げた県境付近の集落では田植えの準備が始まっているが、ウスバシロの姿はない。ここでも季節の移ろいが遅れている。 結局低地で1頭見たのみ。 西播磨は午前で切り上げ、午後は自宅近所を回る。いつもこの時期クロ系アゲハが飛び交う神社裏のツツジの植栽に来ていたのはジャコウのみ。数百m離れた畑でジャコウがウジャウジャ飛び回っている。オスはボロが多いがメスは新鮮からボロまでいろいろ。この畑では数年おきに発生を繰り返していて、まったくいない年もある。幼虫の数が一定数を越えると食草の食い尽くしが起き、全滅してしまうようだ。 ナガサキアゲハの求愛飛翔、タンポポの花で吸蜜するアオスジアゲハ、新鮮なコミスジを見る。〔兵庫県〕

5月1日(晴れ) 3週連続で長野県に向かう。今回は兵庫への帰省途中ということもあり、レール&レンタカーを利用する。 朝9時、ヒメギフのポイント着。 しかし気温低く、ヒメギフはもとより活動するチョウはいない。気温の上昇を待つこと2時間、11時を過ぎると一斉にヒメギフが飛び出す。最初は陽だまりに集まり、そのうちに次々とテリを張り出す。一旦活動が始まるとなかなか止まらなくなり、止まっても地面ばかりとなる。どれも“絵”にならずチャンスはやってこない。1時間でシャッターを押したのはわずか数回、それが全部ダメ。 午後2時、ようやく羽化直後のメスに巡り合う。もちろん未交尾、残念ながらうち1頭は羽化不全個体であった。今回持参している撮影機材すべてを使い数百カット撮影する。オスさえ飛来すればすぐ交尾が成立しそうなのに実現せず。 場所を変え更に撮影を続ける。 曇るとオスは一斉に舞い上がり、頭上高く、ヒノキの葉の上で休む。目を凝らせばさらにもう1頭止まっていた。 午後3時タイムアップ、後ろ髪引かれる思いで撤収する。〔長野県〕

4月29日(曇りのち雨、午後から晴れ) 友人を訪ね朝から栃木県に向かう。関東平野は大きい!端から端まで3時間、当たりまえだが途中に全く山がない。 やっと山が迫ってきたと思ったらそこが目的地であった。 友人の車で各地を回る。 雑木林の芽吹きが始まり素晴らしい里山の光景が広がる。これほど大きな規模の里山を見たのは初めて!正直感動する。 斜面上部の古い民家の周りにツマキチョウが舞う。 ウスバシロはまだ時期が早いのか見かけず。黒系のアゲハも同様。 イチリンソウ、トウゴクミツバツツジ、ジロボウエンゴサク、ウラシマソウなど初めて見る花も多く、草相の違いを楽しむ。 河川敷にミヤマチャバネセセリやギンイチモンジセセリを見る。兵庫但馬でも両種を見ることができるが、生息環境があまりにも違う。 最後にホソオチョウの飛翔撮影を楽しむ。ホソオとは約10年ぶりの再開であった。 午後4時帰路に就く。〔栃木県〕  

4月25日(晴れ) 先週に続き、友人の車で長野県に向かう。 途中標高1000mの峠では陽射しはあるものの気温は3℃しかない。 8時半現地着、肌寒く、活動するチョウはいない。午前10時を過ぎるとようやく気温が上昇する。気温の上昇とともに、コツバメ、スギタニルリが活動を始める。両種ともカタクリの花での吸蜜を目撃する。 タンポポで吸蜜するのはスジボソヤマキの越冬明けのメス。翅裏はカビのような斑点を付けていた。 午前11時、場所を変える。 明るい谷筋で弱弱しく飛ぶヒメギフを見る。すぐに地表にとまる。約10年ぶりのヒメとの再会だが、やはりギフより一回り小さく、飛翔は弱いよう感じる。 渓流の護岸にとまる越冬明けのキベリタテハを見る。ほとんど破損していないようだ。 更に撮影地を移動する。 標高を上げた明るい南向きの針葉樹の森にヒメギフが数頭飛び回る。明らかに羽化直と思われる個体や羽化不全個体、力強く飛ぶ個体など様々。すべてオス。 時間をかけて100カット以上撮影する。吸蜜花は小さなスミレだが、スミレの同定に自信なし。〔長野県〕

4月18日(晴れ) 友人の車に便乗し、朝4時起床で長野県に向かう。 途中、満開の桃の花の向こうに見える南アルプスの白い雄姿にただただ感動する。 長野県に入ると今度は北アルプスが目に飛び込んでくる。 平地のサクラは今が満開!すばらしい光景が広がっている。 本日の狙いはヒメギフ、しかし少し標高を上げるとそこは一面の銀世界!一昨日、昨日に降った季節外れの雪がいっぱい残り、ヒメギフはその気配すらない。 気温は14度まで上がるが風は冷たく活動する虫自体少ない。 チョウではわずかにヒオドシ、アカタテハ、キタテハを見るのみ。 標高を下げ、観察地を変える。 ここでもカタクリは満開だが、ヒメギフの姿はない。スギタニルリを数頭みるのみ。 さらに移動するがここでも結果は同じ。 午後4時帰途につく。都内に近付くにつれ高速道路の渋滞が始まる。 伺えば、「これはいつものこと!」とのこと。知らなかった!!〔長野県〕

4月17日(雨のち晴れ) 朝起きると冷たい雨。 溜まった所用をこなし、急速に天気が回復した午後からフィールドに出る。 公園の生垣にまじるエノキの幼木にアカボシゴマダラの幼虫を見る。エノキの若い葉に見事に擬態している。小さな個体から終令まで幼虫のステージはさまざま。聞くところによれば春型のメスは真っ白、とのこと。 公園の中を歩く。 遊歩道にとまるミヤマセセリを見る。横浜の自宅からここまで歩いて20分、こんな近くで見られとは驚きである。 ツマキチョウ♂の飛翔を見る。 タンポポの花でしつこく吸蜜するのはスジグロシロのメス。 公園内に生えるウコギとハリギリの新葉をすこしだけ持ち帰る。〔横浜市〕

4月10日(晴れ) 週明けの仕事の都合で、週末2週連続で加古川へ帰る。 朝起きれば晴れ、ギフチョウの撮影には時期、天気、気温とも申し分なし!朝8時半からフィールドに出る。数か所の撮影候補地から一か所を選ぶ。狙いは飛翔とサクラでの吸蜜シーン。 キアゲハやナミアゲハはやってくるがギフの姿はなし。 樹冠高く飛ぶ黒系のアゲハを目撃する。頭上10m以上、肉眼では同定できないため、望遠レンズを使い飛翔を撮影したところ、後翅裏面の白線が鮮やかなミヤマカラスであった。こんな早い時期の目撃は初めてである。 ギフ狙いで10時半まで粘るが結局1頭も現れず止む無く、撮影地を変える。 ようやく占有行動中のオス出遭う。ツツジ(コバノミツバツツジ)、青空、飛翔の3点セットを狙ってシャッターを押し続け、スカ写真の山を築きながら、なんとか数カット成功する。 当ポイントで最多、キアゲハ2頭、ナミアゲハ2〜3頭、ギフ3頭が集まっていた。 午後1時半、ギフのみ姿を消す。 さらに撮影地を変える。 数か所を回ったのち、午後4時ヒメカンアオイ自生地の斜面を飛ぶギフチョウを見る。 コツバメ多い。 ミヤマセセリは破損個体が見られるようになる。 車の運転中にツマキチョウを目撃する。〔兵庫県東播磨〕

4月4日(快晴) 仕事の都合で加古川自宅に戻っている。朝は冷え込んだが、9時を過ぎると気温はグングン上昇。友人たちと誘い合せ、手分けしてギフチョウを探索する。 数年前、野外で羽化シーンを撮影したヒメカンアオイ自生地にギフの姿はなし。次も同じ。やや早いか? 小ピークでようやく新鮮なギフ♂を確認する。ナミアゲハやミヤマセセリ、ヒオドシと盛んに追いかけあう。コバノミツバツツジは咲き、のどかな東播磨の春の風景が広がる。 同じポイントで後翅を鳥についばまれたギフ♂を確認する。 コツバメ初見。 キアゲハは姿を見せず。 各地でテング、ルリシジミ、ルリタテハ、キタテハを見る。〔兵庫県東播磨〕

3月27日(晴れ) 気温は低いが晴れの天気予報を聞くと、心がときめき、思わずフィールドでてしまう。悲しい性である。 ギフチョウで有名な神奈川県内某所へ出かける。 初めてカントウカンアオイを見る。兵庫県東播磨に自生するヒメカンアオイとは葉の大きさも形も大きく違う。どちらかと言うとサンインカンアオイの小型版か。 ピークにギフチョウの姿はなく、撮影者ばかりである。ネットを持った愛好者がいないと何と心が安らぐことか。 正午ころからようやく気温が上昇し、ヒオドシ、ミヤマセセリが現れる。 ヒオドシはどの個体も翅の破損がはなはだしい。 ミヤマセセリの吸蜜源はキランソウ。 ギフを含め結局その他の種は現れず。〔神奈川県北西部〕

3月21日(晴れ時々曇り) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の年次総会に参加する。今年もギフチョウの保全活動やヒメヒカゲの生息調査の関する活発な議論がなされる。 会議終了後、昨日に続き近場を回る。 昨日に比べ気温が低いためか活動するチョウは少ない。 ミヤマセセリは2頭を確認するのみ。 ヒメアカタテハ初見。〔兵庫県東播磨〕

3月20日(晴れ) 朝起きれば視界は2kmもない。黄砂のなかフィールドに出る。 ヒサカキの花が満開、辺りに芳香が漂う。個人的にはこの花の芳香こそ強烈に春を感じる。 ルリシジミが多い。 モンシロチョウ、モンキチョウを見る。 雑木林の中ではテングチョウが多い。 この時期、小ピークでテリを張るのはお決まりのヒオドシチョウ。時間をかけて撮影する。 南向きの田んぼの土手の法面に黒いチョウが飛び回る。期待通りのミヤマセセリだ。10頭近くいるだろうか、とまることなく延々と飛び続ける。探雌飛翔か。 同じところで飛び出すキチョウのなかに1頭小さな個体が混じる。よくよく見ればこちらも期待通りのツマグロキチョウである。数年前にこの場所で本種を確認していることから考えれば、ここに定着している可能性が高い。 田んぼの土手にベニシジミを見る。新鮮。 各地で越冬明けのルリタテハ、キタテハ、アカタテハを見る。〔兵庫県東播磨〕

3月14日(晴れ) 昨日から一気に春めいてきた。もろもろの家事をこなし、10時から近くの自然公園を歩く。 陽だまりにキタテハ多い。各地で見かける。翅を大きく破損している個体から、まったく破損していない個体までさまざま。 狙い通りベニシジミ登場、紅色も鮮やかな大型のメス、残念ながら後翅はすでにスレていた。 野菜畑を飛ぶモンシロチョウ?を見る。この時期のモンシロは人の気配に敏感で近寄れない。とまるところも地面ばかりでなかなか絵にならない。 別のところで、ウメの花の蜜を吸うモンシロを見る。ウメ&モンシロの組み合わせは個人的に初確認。 湿った土の地面で吸水するルリタテハを見る。破損もスレもなくとてもきれいな個体であった。この場所に執着し離れず、手で翅に触れても動じない。時間をかけて撮影する。その他2か所でもルリタテハを見る。〔横浜市〕

2月20日(晴れ)、21日(曇り時々晴れ) 2日連続で近所の雑木林を散策する。 気温は10度を超えているが、それでも活動する虫は見かけない。 明るい雑木林の林床にウグイスカズラが花を付け始めている。 イボタも新葉がだいぶ広がってきた。 *今シーズンから撮影機材を一新、今日は野外での試し撮り。しかし機能がありすぎてもてあまし気味、3月前半までには使いこなせるようになりたいものだ。〔横浜市〕

1月30日(快晴) 早朝はやや曇っていたが、8時過ぎから青空が広がリ始める。 充分に気温が上がった正午前からフィールドに出る。 近場の大きな自然公園3か所の“はしご”をする。 南に開けた畑の斜面にキタテハを見る。まだこの時期は越冬中だが、無風快晴の暖かい日には活動するようだ。 ウメやモモはだいぶ花が開いてきた。イボタの芽吹きが始まる。〔横浜市〕 

1月16日(快晴) 今シーズン初めてまじめにフィールドを歩く。陽ざしは強いが気温は上がらず、日蔭の霜柱はいつまでも解けず白く輝いている。 近くの大きな公園、エノキの幼木の根元でアカボシゴマダラの幼虫を探してみれば、いとも簡単に見つかる。 褐色からやや緑色がかった個体まで、大きさも違い、バリエーションに富んでいる。 雑木林は程よく手入れされすがすがしい。〔横浜市〕 


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