◆2012年フィールド日誌


12月10日、11日(晴れ) 3年3カ月に及んだ横浜での単身赴任生活が終了。 兵庫県の自宅に戻る。 

11月25日(晴れ) やや肌寒いが快晴の青空。 市街地の郊外、畑の周辺を歩く。 この時期何種見られるかカウントする。 圧倒的に数が多いのはヤマトシジミとキチョウ、セイタカアワダチソウの周囲に群れている。 モンシロチョウ、モンキチョウ、ベニシジミも元気に飛び回っている。 陽だまりで日光浴するのはウラナミシジミとムラサキシジミ。 畑に植えられているキクの花にはイチモンジセセリ、キタテハ、ツマグロヒョウモンが吸蜜に来ていた。 コスモスの残り花で蜜を吸うヒメアカタテハを見る。 ヤマトシジミに混じってシルビアシジミも生き残っていた。 最後に出遭ったチャバネセセリを含め合計13種であった。〔兵庫県東播磨〕

11月18日(曇り時々晴れ) 快晴の予報を信じて友人の車で千葉房総半島へ向かう。 しかし途中から空には厚く雲が広がる。現地でも状況は同じ。10分と晴れ間が続かない。 陽射しが出ると樹冠を白いシルエットのルーミスが舞う。 でも晴れ間が続かないため下には降りて来てくれない。遠くで翅を広げているのを300o望遠で狙う。 たまたま下に来たムラサキシジミを撮影する。 状況は好転せず正午過ぎに撤収する。〔千葉県〕

11月3日(晴れ) 自宅近くの里山・畑を散策する。 セイタカアワダチソウは開花終盤を迎えている。 チャバネセセリ、ツマグロヒョウモン、ウラナミシジミ、テングチョウの吸蜜を見る。 畑ではアカタテハが翅を広げている。 コセンダングサで吸蜜するのはキチョウ、モンシロチョウ。 畑の土手にシルビアシジミとヤマトシジミが混飛している。小さく、やや青色が濃いのがシルビア、慣れれば飛翔中でも同定は容易。 ウラギンシジミ、モンキチョウ、ベニシジミ多い。〔兵庫県東播磨〕

10月27日(晴れ) 秋晴れのすがすがしい一日。 早朝から但馬、その後播磨各地を回る。 但馬各地は午前9時過ぎまで深い霧に覆われている。気温が上がった10時ころからチョウの活動が始まる。 ミドリヒョウモンはボロながらまだ生き残っている。 樹冠にウラギンシジミが多い。 高所を滑空する黒いタテハはルリか? ツメレンゲの花はもう最終段階。クロツバメは新鮮からボロまでさまざま。 石にとまり日光浴をすることが多いが、たまにツメレンゲで吸蜜する。産卵も確認する。ツメレンゲに来ていたのはキタテハ、アカタテハ。〔兵庫県但馬・播磨各地〕 

10月21日(快晴) 朝から雲ひとつない秋空が広がる。 気温が上がり始めた9時半から自然公園内を散策する。 アザミの花にチャバネセセリが多い。兵庫県ではイチモンジの方が多いが、横浜ではイチモンジはあまり見かけない。 朝露に濡れた満開のソバ畑でチョウを探すが見当たらない。わずかに翅を休めるツマグロヒョウモン♂を見るのみ。 それに引きかえ、セイタカアワダチソウやコセンダングサには多くのチョウが吸蜜に集まっている。モンシロ、モンキ、キチョウ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ムラサキシジミ、チャバネセセリ、キタテハ、ヒメアカタテハ、メスグロヒョウモン♀など。なかでも数が多いのがテングチョウ。飛翔を時間をかけて撮影する。 珍しいところではアオスジアゲハもせわしく翅を震わせ吸蜜していた。 森の中に新鮮なクロコノマを見る。 ウラギンシジミ、ナミアゲハ、アカタテハを見る。 “駄チョウ”ばかりだが、300oのみを使い、飛翔シーンを中心に撮影した一日であった。〔横浜市〕  

10月14日(曇り) 先週に続きヒサマツ産卵シーンを狙うが、晴れていたのは朝だけ、11時を回ると曇空へ!これでは無理と言うものである。 おまけに気温も低く、成虫の活動は望めない。晴れ間に一度だけヒサマツらしきチョウが飛ぶが同定できず。2週連続の敗退!正午過ぎに撤収し、大急ぎで横浜へ移動する。 *帰る途中、円山川でコウノトリを見る。多くのサギやカワウに混じって、川の浅瀬で小魚を取っていた。〔但馬〕

10月8日(曇り) 昨日とは別の目的で但馬へ。 渓谷に生えるウラジロガシへのヒサマツミドリの産卵を見に来たが、このようなドン曇りでは絶対に無理。 それでも休眠芽に産み付けられたヒサマツ卵を発見する。 天気の回復は望めないため2時間で撤収する。〔但馬〕

10月7日(曇りのち雨) 「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の活動、ウスイロヒョウモンモドキ生息地の草刈りを行う。 兵庫県の事業としてウスイロ保全とは別の目的で10年続いていた草刈りが終了して2年、ウスイロヒョウモンモドキ幼虫の食草であるオミナエシが減るのに伴い、ここ2年でウスイロヒョウモンモドキも激減してしまっている。 激減している原因は他にあるかもしれないが、一番可能性が高いのが草地環境の悪化であろう。 かつてのコア発生地を中心にエンジン式の草刈り機で刈ることに。 慣れない作業に悪戦苦闘!3時間でギブアップ!エンジンの振動をまともに受け、左手の握力は著しく低下し、500oペットボトルすら持ち上げることができなくなる。 それでも多数の人出をかけたため予想以上の範囲の草を刈ることができた。 昼前から雨が降り出し、しばらくして撤収する。〔但馬〕

9月30日(晴れのち曇り) 台風接近前に近くの公園を散策する。 テリを張るメスグロヒョウモン♂を見る。この個体、トンボやチョウなど接近するものすべてを追い駆け回していた。 クロアゲハ♀、モンキアゲハとも緩やかに飛ぶ。 ウラギンシジミは活発に樹冠を飛び回る。 アカボシゴマダラを見る。 交尾中のウラナミシジミの周囲を同種のオスが3頭群がって飛んでいた。〔横浜市〕

9月29日(晴れ) 早朝から友人と共に山梨県内各地を回る。 渓谷の沢で吸水するファボニウス♀を見る。超ボロ個体で同定に自信が持てず。エゾミドリか? 崖を優雅に舞うのはツマジロウラジャノメ。しばらく待つと舞い降り、キク科の花で蜜を吸い始めた。 河川沿いの草地にミヤマセセリを見る。♂♀とも新鮮な個体が多い。新鮮なメスに求愛するオスを見る。しばらくすると交尾成立。吸蜜源はイタドリの花。 河川沿いの堤防にクロツバメシジミを見る。ツメレンゲの開花までにはもうしばらくかかりそう。〔山梨県〕

9月23日(雨のち曇り、のち晴れ) 出張が続き、このところ疲労困憊!雨を理由に自宅でくつろぐ。 午後2時、天気の回復とともに加古川河川敷を歩く。 ヤブカラシで吸蜜するのはキアゲハ。 ナミアゲハ♀は優雅に飛ぶ。 橋げたの下を滑空するゴマダラチョウ♀を見る。 川沿いに生えるヤナギの周囲を飛ぶのはコムラサキ。 カナムグラの大群落にキタテハを見る。すべて夏型。 例年ならこの時期から数を増すヒメジャノメは今日は姿を見せず。〔兵庫県東播磨〕

9月17日(曇りのち晴れ) 9月、10月と多忙なため休日であってもフィールドに出られない日が続いている。 今日も仕事で北海道、わずかの時間を作り北大構内を歩く。 この時期にしては超高温、30度を越えている。秋の気配は感じられるがとにかく暑い。 草地のアカツメグサにモンシロ、オオモンシロ、モンキが群れている。なかでもオオモンシロは一回り大きく、近寄れば同定は容易。 その他のチョウは姿を見せず。 約一時間で撤収する。〔北海道〕

9月9日(曇り時々晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動のひとつ、この時期恒例のヒメカンアオイ自生地の下草刈りを行う。 ワイワイガヤガヤと作業を始めるが、30分も動くと汗が滴り落ちる。 ここ数年激減している成虫の数、どこの発生地もヒメカンアオイの株は大きく、ほとんど食された形跡がない。 夏眠明けのメスグロヒョウモン♀を見る。 下草刈りは午前で終了、しかしあまりにも暑く午後の撮影は中止する。〔兵庫県東播磨〕

9月8日(曇り時々雨) 午前中は神戸の仕事場で会議。 午後、大急ぎで京都に向かう。友人の案内でクロセセリの撮影へ。 薄暗い駐車場の脇に咲くフソウで蜜を吸うクロセセリを見る。新鮮。 広角接写のため近付くと敏感に反応しすぐに飛び立ち逃げる。 葉にとまっているときは結構近くまで寄ることができる。別の個体は地面で吸水中。 近くに生えるミョウガの葉に幼虫を見る。 撮影は一時間で終了、空模様は思わしくなく撤収する。〔京都市〕

9月2日(晴れ時々曇り一時雨) 2週間前に同じく但馬各地を回る。 高標高地ではゼフ♀がほとんど見られなくなっている。それらしい影をわずかに2度見るのみ。 早々に場所を変える。 木陰のコガネグモの巣にかかりバタつく大きなチョウ!何かと思い確認すれば、ボッロボロのオオムラサキ♂であった。 数分バタついていたが蜘蛛が近寄る風もなく、何とか脱出、その後地表の岩にとまり休息、しばらくするとヨタヨタ飛び去った。自然状態で本種オスが9月まで生き延びているとは!驚きである。 ハヤシミドリ♀は少ないながらまだ見られる。 高原にオオウラギンスジ、ミドリ、ウラギンの各ヒョウモンを見る。ウラギンヒョウモンの吸蜜源は咲き始めたオタカラコウ。 萩の花で吸蜜するモンキチョウの飛翔を狙い撮影する。〔兵庫県但馬各地〕

8月26日(晴れ) スーパーあずさ1号で長野県に向かう。 9時半友人と合流し高標高地へ。 キク科メタカラコウ族フキの一種(マルバダケブキ?)に多くのチョウが集まっている。クジャクチョウ、ウラギンヒョウモン、ミドリヒョウモン、ナミジャノメ、イチモンジセセリ、オオチャバネセセリ、ヒメアカタテハといったところか。クジャクを集中的に撮影する。 撮影地を変える。 更に高地のダケカンバの独立樹が“樹液食堂”になっている。キベリタテハ4〜5頭、エルタテハ、クジャク、ヒオドシ、ルリタテハ、アカタテハが順々に吸汁、あぶれた個体は近くで“テーブル”が空くのを待つ。 食堂は何かの虫が開けた穴、試しに染み出した汁の匂いを嗅いでみると、強烈な発酵臭であった。充分に汁を吸ったエルタテハは酔ったためかすぐ飛ぶことができない。 多くのタテハ類をじっくり時間をかけて撮影する。 更に移動する。 谷筋のフキの花にクジャクチョウが群れている。その他ボロのヒョウモン類、スジボソヤマキ♀を撮影する。〔長野県〕 

8月19日(晴れ) 運動不足の解消を兼ねて近所の山に登る。 標高はたったの300m、しかし炎天下での山登りをなめてはいけなかった。結果は悲参そのもの!挙句の果てに熱中症の一歩手前に・・・。 尾根筋ではツマグロヒョウモン♂、キアゲハ♂がテリを張っていた。 夏眠しないで飛び回るメスグロヒョウモン♀を見る。〔兵庫県東播磨〕

8月18日(晴れのち曇り、午後夕立) 今日は西播磨を巡る。 県西部の渓谷にミヤマカラスアゲハ♂の吸水を見る。最多で8頭、ポンピングを繰り返す。 コムラサキはスレ。 ヒメキマダラセセリ♂は新鮮。 撮影地を移動する。 ナラガシワ林到着、早速樹を叩いてみるが何も飛び出さない。樹の根元の暗い草地にサトキマダラヒカゲ、ナミヒカゲが多い。 更に移動する。 この時期ならいつでも見られるイシガケは唯の1頭もいない。クサギの花は咲いているのに蜜を吸うクロ系アゲハは皆無である。 車の運転中、オオムラサキ♀の飛翔を見る〔兵庫県西播磨各地〕

8月15日(曇り時々晴れ) 未明から一カ月ぶりに但馬に向かう。 高標高地で枝を叩くとクリソゼフらしきメスは飛び出すが、樹冠へ舞い上がることが多い。 ブナの枝で休む新鮮なオオウラギンスジヒョウモン♀を見る。 撮影地を移動する。 高原のカシワ林にハヤシミドリ♀を見る。陽が高いうちは決して活動しない。叩きだし飛び出しても、すぐに葉の奥の茂みに潜り込むか、葉の裏にとまる。 ウラミスジ含め他のチョウはまったく姿を見せず。 更に移動する。 ウスイロヒョウモンモドキ生息地で飛んでいるのはオオウラギンスジ、ウラギン、ミドリの各ヒョウモン。 コキマダラセセリ♀は種の同定も困難な超ボロ個体。 ススキ草原ではナミジャノメが多い。 ルリタテハ新鮮。 植栽のキク科の花株に先述の3ヒョウモンが群れていた。 咲き始めたツリガネニンジンの花にやってきたのはミヤマチャバネセセリ、残念ながら撮影は失敗。〔兵庫県但馬各地〕

8月11日、12日(晴れ) 今日から夏休み。この時期恒例、兵庫県主催「青少年 科学の祭典」はりま会場に出展しているギフチョウ・ネットの活動の手伝いをする。 具体的には、メンバーがこれまで機会を見つけて採集してきたチョウを乾燥・分解、翅だけにしたものをアルバムに張りつけるというもの。保全の観点から見れば、やや道が外れている気がしないでもないが、チョウ以上に絶滅危惧の昆虫少年を考えると、死んでいるとはいえ生(なま)のチョウを扱い、関心を持たせることの重要性が上回っていると信じたい。 日頃からピンセットなど持ち慣れていない子供たちは悪戦苦闘していたが、実際にできた作品を前にすると満面の笑みを浮かべるばかりである。当然のことながら扱うのは普通種ばかり。ダントツの一番人気はアオスジアゲハ、二番キアゲハ、三番モンキチョウといったところであった。〔兵庫県東播磨〕

8月5日(曇り)  先週に続き、キリシマを求めて鈴鹿山脈へ。 午前7時現地着。 下界は晴れているのに高標高地は分厚い雲の下。太平洋からやってくる湿った大気が山に当って次々と雲になっている様子が良く分る。 気温は低くせいぜい23℃くらいか。 午前8時を過ぎるとそれでもオスが飛び始める。しかしまったくとまらない。1時間待っても、2時間待っても、3時間待っても、4時間待っても、ただの1頭もとまらない。典型的な探雌飛翔である。 やることがないので飛翔撮影を試みるも先週に続き、スカ写真の山を築く。 12時半、ようやく目の前2mにとまる。しかし…残念!スレ&欠け&羽化不全の三重奏個体。現実は“こんなもん”だろう。 一瞬、遠くでテリを張るが鮮明な写真は撮れず。 メスを3頭確認するが、1頭はオスに連れて行かれ、残り2頭は撮影に手間取っているうちに飛び去られてしまう。 午後2時撤収。〔三重県某所〕

7月29日(曇り一時雨) 遠出するつもりはなかったのに、前日友人から届いたキリシマミドリの素晴らしい写真に触発されて心変わり、朝一番の電車で鈴鹿に向かう。 午前8時、最寄りの駅でレンタカーに乗り換えアカガシの森へ。 現地着9時半、どんよりした曇り空。 しかしポツポツとキリシマ♂が飛び交っている。さっそくカメラをセットするが一向に下に降りて来ない。 メスを探し、時には枝に潜り込み、時には樹冠をなめるように飛ぶ。卍は長く続かず一瞬で解ける。 飛翔を狙うもスカ写真の山、飛翔シーン撮影の難しさでは本種が最難関か。 時折降る小雨にカメラの濡れを気にしながら午後2時まで粘るがさしたる成果は得られず。〔三重県某所〕 

7月22日(雨のち曇り) 朝6時起床、宿を7時に出て、昨日のポイントに向かう。 現地に着いたとたん雨が降り出す。時に雨脚が強まる中、2時間傘をさし天気の回復をじっと待つ。 9時半ようやく雨が上がる。 雨が上がるとほぼ同時にオオイチモンジのオスが飛び出す。新鮮からスレ&カケ個体まで鮮度はさまざま。 オオイチモンジの他に、コムラサキ、ヤマキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、アカタテハ、シータテハ、コチャバネセセリが集まってくる。数が多いのはコムラサキ。 ヒメシジミ♂新鮮。 正午前、やっとオオイチモンジ♀が飛び出す。オスより一回り大きく、白く、羽ばたき少なく優雅に滑空する。堂々たる迫力である。コムラサキに追いかけられ必死に逃げる姿を目撃する。ドロノキの枝の先端に腹を曲げているのは産卵行動か?3度4度とやってくるシャッターチャンスに精神を集中して撮影する。 午後3時雲が厚くなり姿を見せなくなる。 撤収を始めると雨が降り出す。〔長野県上高地〕 

7月21日(雨一時曇り) 前日夜から友人と上高地へ向かう。沢渡駐車場着午前2時、外は雨。 一眠り後の朝5時、雨は止まず。 仕方なく足湯につかり天気の回復を待つ。やや小降りになった7時、意を決して上に向かう。 ドロノキの生えるオオイチモンジ生息地到着。雨が止んだとたん、樹冠を舞うオオイチモンジを発見。しばらくすると何度か下に降りてきてくれる。 しかしながらまたもや雨に。小雨の中、カメラの濡れを気にしながら撮影を続ける。メスは現れず。 雨が強くなった午後3時撤収、宿に入る。〔長野県上高地〕

7月16日(晴れ) 但馬遠征の最終日。午後5時半、フィールドに出る。 ノリウツギやヤマブキショウマの白い花で吸蜜するカラスシジミを見る。 カラスシジミ撮影中にウスイロオナガシジミが姿を見せる。 午前7時半撤収、民宿に戻り遅い朝食を取る。これにて3日間の但馬遠征を終了し、友人たちを姫路駅まで送る。 一旦帰宅、仮眠を取った後、午後3時から近場のハンノキ林でミドリシジミを撮影する。〔兵庫県但馬、東播磨〕

7月15日(晴れ) 朝5時半起床、近くの小渓谷に向かう。 6時半、アイノミドリが飛び始める。残念ながらスレ・破損個体ばかり。計5〜6頭が飛び回っていた。 アイノミドリ撮影中にウラキンシジミ&カラスシジミが登場する。 午前8時宿に戻り朝食。 10時、この時期恒例のウスイロヒョウモンモドキ観察会に参加する。1時間の挨拶&ビデオ説明の後フィールドに出る。 オカトラノオで吸蜜する5〜6頭を確認するが、なぜか今年は圧倒的に数が少ない。例年の何十分の一しか見られない。風が強いため、草に潜り込んでいる可能性もあるが、それにしても少ない。やや心配である。 ミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンは例年通りの数を見る。 アザミで吸蜜するコキマダラセセリは新鮮。 ホシチャバネセセリは出始めらしく数は少ない。 午後3時、昨日に続きカシワ林に向かう。昨日に続き、今日もハヤシミドリ、キマダラルリツバメの活動を楽しむ。午後6時半撤収。〔兵庫県但馬〕 

7月14日(曇りのち晴れ) 今日から三連休、東京方面からの友人達を姫路駅に迎え、但馬各地を回る。 フジミドリ♀、ヒサマツミドリ♂とも大破個体ばかり。 ウラクロも相当スレている様子。 クロシジミは数が少ない。 高原のカシワ林にハヤシミドリを見る。オスはスレ個体が多いようだ。メスは新鮮。夕方5時を回ると飛び始めるが、風が強く撮影には向かない。 キマダラルリツバメ♂も大破しているが、けなげにテリを張っている。メスには出遭わず。 ウラミスジは姿を見せず。 6時半現地を撤収、夜は高原のロッジで大宴会。〔兵庫県但馬〕

7月8日(晴れ) 早朝から北上し、阿蘇カルデラ内の大規模草地を訪ねる。 オオウラギンヒョウモンは今が盛期のもよう。オスは各地で見かける。場所によって吸蜜源はオカトラノオだったり、場所によってはアザミだったりする。オスの多さに比べ、メスはほとんど出遭わない。聞くところによれば、メスのみを狙い全国各地から採集者が集まってくるとのこと。途中確かに、目つきが悪く、愛想が悪く、いかにも鬼採りしていそうな2人組に出遭う。彼らが乗っていた車が私の出身県ナンバーだったこともあり、更に暗澹たる思いになる。 5時間探して出遭ったメスはたったの3頭、まともなシャッターチャンスはたった1回のみ。 午後3時撤収。〔熊本県〕

7月7日(雨のち曇り、夕方晴れ) 前日深夜の夜行バスで九州・熊本を目指す。 朝8時、バスを降り、前日から来ていた友人の車に拾ってもらい更に県南部に南下する。 現地着10時半、原生林に隣接する渓谷に小雨が降り続く。湿度は100%近い?しかし気温は低く、25度くらいに感じる。 午後1時、目的のゴイシツバメシジミが現れる。事前に聞いていた通り、飛翔中の姿はゴイシシジミに似ている。 原生林の大木の位置高く、食草であるシシンランの周囲をチラチラ舞い、なかなか下には降りて来ない・・・とばかり勝手に想像していたが、現実は違っていた。“拍子抜け”するくらいに人の気配を気にしていない。 初めのうちは辺りは暗く、光量不足の中で、急速に天気が回復した午後3時以降は明るい中でバシバシ撮影する。 午後4時、撮影地を移動する。 ニレの樹液食堂にオオムラサキ、クロコノマチョウ、ルリタテハが集まっている。スズメバチとオオムラサキの食事場所をめぐる争いは見ていて面白い。 午後5時過ぎ宿に戻る。 *ゴイシツバメシジミ生息地では地元の方がパトロールされていた。チョウ密漁、シシンラン盗掘と後を絶たないらしい。一部の採集至上主義チョウ愛好者の無法ぶり、モラルの低さを改めて実感する。〔熊本県〕 

7月1日(雨のち曇り、夕方晴れ) この時期、週末の雨はうらめしい! 午後2時、まだ小雨が残るなか、西の空が明るい気配で急速に天気が回復する予感。 大急ぎで撮影の準備をしてフィールドに出る。 晴れ間がのぞくなか、郊外の小ピークでは、予想通りオオムラサキ♂がテリを張っている。 スクランブル発進を繰り返し、撮影している横1mの至近距離を通過する。バタバタと羽ばたき音が間近に聞こえる。 時に、カメラのレンズに興味を示すのか、攻撃対象として認識するのか分からないがカメラめがけて飛びかかってくる。なかなかの迫力である。 追尾する対象として同種のオスの他に、アカタテハやヒメアカタテハなどの場合もあるが、圧倒的に回数が多いのがツバメである。 スピードも劣っていない。このような追尾を繰り返していれば、翅が損傷するのもうなずける。 ツバメを追った帰りに、藪の中も器用にすり抜けて元の位置に戻ってくる。 たっぷり2時間堪能する。 キマダラモドキはボロが混じる。雨上がり陽を浴びて開翅する。〔兵庫県某所〕

6月25日(快晴) クマゲラ幼鳥を助けたご利益か、最終日にやってきた好天。朝5時、登山を開始、6時には現地でスタンバイOK。 午前7時、ダイセツタカネヒカゲが飛び始める。静止すると岩や礫地に溶け込んでしまい、見つけ出すのは結構難しい。時間が経つにつれ数が増し、そこかしこで追尾・求愛・交尾行動を繰り広げる。オスは地面でテリを張っているらしく、近くを飛ぶオスに反応しスクランブル発進を繰り返す。ときに4〜5頭がもつれあう。 午前8時、ウスバキチョウが飛び始める。最初は風に流されアッという間に遠ざかることが多い。 仲間が羽化直個体を発見!本当に真っ黄色!翅も固まっておらず必死にしがみついている。皆で交代しながらじっくり撮影する。以降、次々羽化直個体が見つかり、そのたびに歓声が湧く。思えばここ数日間、ずっと雨だったはず、今日の好天に一気に羽化してきたものと思われる。 しかし、羽化直ばかりではなく、スレや破損個体も混じって飛んでいる。 コマクサへの産卵行動を繰り返すメスを確認。 真っ青な空、白い残雪、澄んだ空気、その中を飛ぶウスバキチョウ、当に至福との時である。 大雪3種目、数は少ないながら、アサヒヒョウモンが活発に飛ぶ。産卵シーンの撮影に成功する。 午前11時半、満足感に浸りながら下山する。 ホシガラス、ギンザンマシコを間近に見る。 宿への帰り道、苦戦していたカラフトタカネキマダラセセリを確認、撮影する。 午後2時すべての撮影を終了し、帰路につく。〔北海道〕

6月24日(曇りのち晴れ) 午前は曇り、午後から回復傾向との天気予報。 富良野方面に向かう。 林道に陽が差し込むと、ヒメウスバシロが現れ優雅に舞う。 アザミで吸蜜するのはエゾスジグロシロチョウ。 白い花にサカハチチョウが多い。 柳の樹液染み出し箇所に多くのミヤマクワガタが集まる。 目的のオオイチモンジは姿を見せない。 撮影地を移動する。 旭川市内を走行中、ちょっとした茂みにエゾシロチョウを発見する。周囲を確認すれば、近傍の草地を含め、多くのエゾシロチョウが舞っている。交尾を拒否するメスの上に乗り、長時間かつ執拗に交尾を迫るオス。なるほどメスの前翅の鱗粉が落ちるわけである。アカツメグサで吸蜜することも多い。 草地ではモンシロ、オオモンシロ、エゾシロが入り乱れている。 撮影地を移動する。 明るい草地にカバイロシジミ♂を見る。新鮮。静かに開翅する時間も長く、じっくり時間をかけて撮影する。同じ草地にヒメシジミが多い。 移動する。 夕暮れの渓谷にホソバヒョウモンが現れる。 シロオビヒメヒカゲを見る。 午後6時宿戻り。〔北海道〕

6月23日(雨時々曇り) 天気予報では北海道全域で雨&曇り。未発生(フライング)を覚悟して、雨の中をオホーツク方面に向かう。 現地着9時半、案の定未確認、早々に撤収する。 戻る途中にサプライズ発生。 車で走行中、前方の路上に黒い鳥が2頭もつれているのを発見!うち1頭は頭が赤い。噂に聞くクマゲラ、それも幼鳥だ。もう1頭はカラス。なんとカラスがクマゲラ幼鳥をつつき回し、攻撃しているのである。急ブレーキは危険と判断し、もつれる2頭の鳥の上を通過、即停止。 カラスは飛び去り、クマゲラ幼鳥のみ茫然と車道にたたずんでいる。 数十メートル離れた樹にクマゲラ親鳥が心配そうに盛んに鳴いている。たぶん巣立ちの瞬間を襲われたのだろう。どんどんやってくる車に減速・一旦停止を指示、幼鳥を踏まないように誘導する。けがをしている可能性もあるため、とりあえず捕獲しようと試みる。近寄ったところ羽ばたき始め、長い滑走時間の後、よたよたと飛び立ち、森の向こうに消える。*一連の状況は宿のホームページで公開中→http://d.hatena.ne.jp/daisetsuzan/20120623/1340456829。 移動する。 林道の崖にジョウザンシジミを見る。スレ個体が多い。一瞬差し込んだ陽射しに素早く反応し、翅を開く。 更に移動する。 伐採地にエゾヒメシロチョウを見る。昨年確認したチャマダラセセリ、アカマダラを探すが姿を見せず。 更に移動する。 林道にシロオビヒメヒカゲが多い。ヤマキマダラヒカゲ新鮮。 昨年確認したカラフトタカネキマダラセセリは未確認。 更に移動する。 伐採地に新鮮なフタスジチョウを見る。 午後5時半、宿に戻る。〔北海道〕

6月22日(曇り:北海道) 前夜、札幌入り。今日から4日間、仲間とともに北海道各地を廻る。 午前8時レンタカー屋に集合。 行先を協議、もっとも晴れ間が期待できる帯広方面に向かう。 現地着11時。 林道では多くのサトキマダラヒカゲが舞っている。こんなに多数の個体を見たのは初めて、車で轢いた個体も100頭くらいいたかもしれない。 タンポポで吸蜜するミヤマカラスアゲハ♀を見る。 クロヒカゲ♀前翅表面には白紋が発達している。 キク科の植栽の花にシロオビヒメヒカゲを見る。 ヒメウスバシロチョウは破損している。 ツバメシジミ♀は典型的な低温型、翅表のブルーが大きく美しい。 移動する。 スモモの樹の周辺は人の踏み跡だらけ、昨年多産していたリンゴシジミがいない。ようやく1頭発見。刻々と暗くなる中、撮影を続ける。 午後6時、宿入り。〔北海道〕 

6月17日(曇りのち晴れ) 梅雨前線が太平洋側に南下する最新の天気図を確認し、朝6時発で但馬に向かう。 下界は薄曇りだが、標高400m以上は今日もガスのなか。 ブナの枝をたたくとフジ♂が飛び出すが、下には降りて来ず、上へ彼方へとヨタヨタ飛び去る。 間近で見なくとも破損&スレているのが良く分る。 午前11時、急速に天気が回復すると 一斉にフジが飛び始める。 なかにフジより一回り大きなゼフが混じる。確認のため撮影してみると、ピカピカのヒサマツ♂であった。 ブナの樹冠を飛ぶ、フジ♂、ウラクロ♂♀、アカシジミ、ヒサマツ♂の飛翔シーンばかりを狙い撮影する。 集中力が低下した午後2時半、場所を委譲し撮影対象を変える。 キマダラルリツバメは出始めらしくまだ数は少ない。日没まで粘る。〔兵庫県各地〕

6月10日(曇り時々晴れ) 北海道から友人が来訪、朝6時スタートで県内各地を回る。 午前7時半、西播磨のナラガシワ林到着。先に来ていた同好者と共にヒロオビミドリ♂♀、ウラジロミドリ♂の開翅を撮影する。羽化後それほど時間が経っていないのは明らか、極めて新鮮。 ナラガシワ系ゼフの3種目、ウスイロオナガも撮影する。採集者がいないと気分よく、心穏やかに撮影できて爽快&たいへん宜しい! 午前9時移動する。 寒気が入るらしく日本海側の天気予報は思わしくないが、構わず一気に北に向かう。 午前11時半、ゼフポイント着。 辺りは一面のガス、車から降りて散策するとずぶ濡れになる。 内心、これではフジは無理と思いながらブナの枝をたたく。何気なく見た道路にキラリと光るものを発見!近寄りじっくり見れば、フジ♂が車に轢かれたらしくペシャンコに。轢いたのは当然、私なのであろう。雲が切れ薄日が差すとフジが飛び出す。フライングかと思いきや、もう出ていた。結局、轢死個体以外の撮影チャンスは無し。 午後2時撤収。〔兵庫県西播磨、但馬〕

6月2日(曇り時々薄日) ここのところ週末は兵庫にいることが多い。 早朝からヒメヒカゲ調査を行う。今年は季節の巡りが遅いためか発生も遅れているようだ。 ウラナミジャノメ新鮮。 ホシミスジ♀を見る。当地の本種のメスはとにかく巨大!信州のミスジチョウ♀よりはるかに大きい。十数年前初めて見たとき、その大きさに驚いた。 各地で新鮮なナミヒカゲを見る。 午後2時からウラゴ生息地へ。1週間前は新鮮なオスばかりだったが、今日はメス=新鮮、オス=スレ&欠け、となる。 ウラナミジャノメのメスと同様に本種メスも大きい。なかにはモンシロチョウよりちょっとだけ小さいような巨大なメスもいる。 今日はなぜか疲れ気味、早目の午後5時撤収。〔兵庫県東播磨〕

5月27日(晴れ) 近場を回る。 午前、今年も始まったヒメヒカゲの生息調査に参加する。他の種に同じく、発生が遅れているようだ。 アサマイチモンジは新鮮。 ウラギンスジヒョウモンはまだ姿を見せない。 ヒメヒカゲ調査を終了し、昼前移動する。イボタの茂みの奥深くにウラゴマダラシジミがとまっている。カンカン照りの日光を避けているのだろうか?それでもポツポツと飛び出してくる。直射日光の当たらない茂みで静かに開翅するオスを目撃。 午後3時を過ぎると活発に飛び出す。明らかに雌を探している飛び方である。葉に落ちている鳥のフンの白に反応し、オスが次々やってくる。 午後5時半まで堪能する。 アカシジミ初見。〔兵庫県東播磨〕

5月26日(晴れ) 兵庫県の西隣、岡山県内を回る。 民家の横の花壇に多くのチョウが集まる。オナガアゲハ、クロアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハの黒系アゲハが群れ飛んでいる。ざっと見た感じで12〜15頭くらいか。 その中に新鮮なクモガタヒョウモン♂が混じる。兵庫県内ではここ数年見かけていない。 ダイミョウセセリはすでに破損していた。 エノキの樹冠を滑空するのはゴマダラチョウ。あの品のないアカボシに比べるとすがすがしいく見えるのは人間の勝手な思いか。 クロヒカゲ初見。〔岡山県各所〕 

5月20日(曇り) 昨日と方向は逆で、今日は朝から北へ向かう。午前8時、兵庫県北部但馬ハチ高原到着。 高原の棚田では田植えが始まっている。ウスバシロの発生は遅れているようだ。見かけたのはたった1頭のみ。 今日の目的はウスイロヒョウモンモドキ調査の準備作業。 標高1000m付近では雪が融けたばかり、日蔭にはまだ残っている。ここ10年ではもっとも季節の巡りが遅い気がする。 仲間と手分けしてトランセクト調査用のポールを設置していく。 今日中に横浜に戻らねばならず、作業は午前のみとし現場を後にする。〔兵庫県但馬〕

5月19日(晴れのち曇り) 一週間前に同じく、朝5時半自宅発で四国に向かう。 今日の目的もミカドアゲハ。 9時現地着。天気は良いが飛んでいるのはアオスジばかり。ミカドは時々見かける程度、訪花吸蜜はなし、従ってシャッターチャンスは皆無。 代わりにトベラで吸蜜していたのはクロやカラスのアゲハだった。 波打ち際にアオスジアゲハが吸水に集まっている。塩分濃い海水を本当に吸っているのか興味深いところ。 正午前、ようやくミカドが集まるポイントを発見!次から次へとやってくるのを、300o望遠プラス連写でバシバシ撮影する。時にアオスジアゲハと追い駆け合う。アオスジより白っぽく、遠目にも同定は容易。センダンの花で盛んに吸蜜する。 雲が厚くなった午後3時撤収。〔徳島県某所〕

5月13日(高曇り) 朝6時自宅発、明石海峡大橋を渡り、淡路島を縦断、鳴門海峡を越え、四国を南下する。 午前9時半、目的地着。 気温は15℃前後か?高曇りで風強く、肌寒い。 車を降りた途端、本日のお目当てミカドアゲハが視界を横切る。大慌てでカメラを準備するが、あっという間に飛び去られてしまう。 今日は楽勝と思いきや、あとが続かない。 次々現れるのはアオスジアゲハばかりである。 30分後ようやくトベラで吸蜜中のミカドを発見、しかし樹が高く、300mmで狙うも被写体の動きが速いため、オートでもマニュアルでもフォーカスが難しい。 気温は一向に上がらず、ミカドを見かけるのも30分に1回程度。午後1時、益々雲は厚くなり、もはやこれまでと帰り支度を始めたところ、地面にとまるミカドを発見、吸水していたわけではなく、風強く、気温が低いため、地表にとまり活動を中止していたものか?ここぞとばかりに短時間で数十カット撮影する。 午後2時撤収。〔徳島県某所〕

5月12日(晴れ)午前は仕事。帰宅後、急いで近場を回る。 植栽のミヤマキリシマの花期は終了し、今はヒラドツツジが盛期。 クロアゲハ、モンキアゲハ、ジャコウアゲハがポツポツとやってくる。 吸蜜or探雌、どちらの飛翔か区別は容易。 ネギボウズで吸蜜中のナミアゲハ♀に♂がしつこくアタックする。前を飛び、横を飛び、後ろを飛んで盛んに求愛するが実らず。 ジャコウアゲハ♀の産卵飛翔を見る。このメス、後翅の半分以上を無くし、前翅だけで飛んでいるように見える。 ミカンの新芽に産卵するナガサキアゲハ♀を見る。産卵の後、柿の葉にとまり休息中のところ、運悪く♂に発見され、ナミアゲハに同じく、執拗に交尾を迫られる。結局交尾は成立せず。 ネギの花に来ていたのは、コミスジ、アオスジアゲハ、ツマグロヒョウモンなどであった。〔兵庫県東播磨〕

5月6日(晴れのち曇り、一時雷雨、のち晴れ) 午後の新幹線が取れず、朝早い新幹線で横浜に戻る。午前中に所用をこなし、午後から自宅近くの公園を回る。 一気に季節が進んでいるのを感じる。 ハルジオンで吸蜜するミヤマセセリ♀を見る。 サトキマダラヒカゲ、トラフシジミ、コミスジ、コチャバネセセリを見る。 エノキの幼木が丸坊主になっているのをじっくり見れば、アカボシゴマダラの蛹1頭、終令幼虫1頭が付いていた。 明るい草地のアオスジアゲハを見る。吸蜜源はハルジオン。 ミツバウツギが咲き始める。〔横浜市〕

5月5日(晴れ) 朝7時自宅発で西播磨に向かう。 兵庫県No1の清流、千種川はいたるところで河川改修工事中。この10年で二度も大洪水が発生し、死者も出ればいたしかたないことであるが、河川の生態系はさぞ大打撃を受けていることだろう。 ここ西播磨でも春の訪れが遅れている。 黒系アゲハはあまり見かけない。 ウスバシロチョウも姿を見せない。 岡山県境に近い山里では目立って放棄田が増えている。たぶんどこも高齢者ばかり、集落維持の限界にきているのだろう。逆に増えていると思われるのは鹿、道端の草の先端がことごとくなくなっている場所がある。 撮影地を移動する。 県中央部の小高い丘の上でアゲハを待つ。 満開のヤマツツジにミヤマカラスアゲハ♀の吸蜜を見る。 新鮮ですばらしく美しい。 30分に1回の頻度で吸蜜にやってくる。 そばにあるツツジの植栽を含め、カラスアゲハ♂、クロアゲハ♂、ミヤマカラスアゲハ♂、キアゲハ♂が入れ替わり立ち替わりやってくるため撮影に大忙し。 ミヤマカラス♂は時に吸蜜もするが、花の周囲を飛ぶ様子は明らかにメスを探している飛び方である。 午後3時まで粘る。 午後4時、自宅近くの畑でアオスジアゲハを見る。 ネギの花での吸蜜に忙しい。この花にはコミスジ、ツマグロヒョウモン♂も来ていた。午後5時本日の活動終了。〔兵庫県西播磨、北播磨、東播磨〕

5月3日(曇り) 朝から曇り、こんな日は溜まりに溜まった雑務をこなすのに最適。 一段落した午後、自宅近くを回る。 神社のツツジの植栽にナミアゲハ、ジャコウアゲハが吸蜜に矢って来ていた。 サトキマダラヒカゲ新鮮。 コミスジは数多く発生している。〔兵庫県東播磨〕

4月30日(曇り) 朝から雲厚く、こんな日の撮影は難しい。 昼食後トレーニングを兼ねて、加古川市最高峰に山に登る。 この山、平地から一気に標高300mまで切り立ち、頂上までわずか30分であるが、休みなしで登れば汗が噴き出る。 尾根のあちこちでツマグロヒョウモン♂がテリを張る。 山麓の草地にヒメウラナミジャノメが多い。 街中のクスノキにアオスジアゲハを見る。〔兵庫県東播磨〕

4月29日(晴れ) 昨晩遅く兵庫に戻り、今日は朝から県北部の但馬に向かう。 天気良く、気温高く、絶好のコンディション。 山に入ればそこかしこに残雪あり。ここ20年で一番残っている感じ。 渓谷の沢にコツバメ、スギタニルリシジミが多い。 地面を這うように飛ぶスギタニ♂の飛翔を時間をかけて撮影する。 いつもならこの時期必ず見かけるギフチョウが現れない。こんなことも初めてである。 昼前に但馬を撤収、一気に南下し、午後2時には播磨に戻る。 空は薄雲が広がり始める。 ギフ♀の産卵シーンを期待し各地を回る。 結局産卵には出遭わず。コバノミツバツツジの残り花で吸蜜するギフ♀を見る。〔兵庫県但馬、東播磨〕

4月21日(曇り時々晴れ) 空には一面の雲、太陽はわずかしか顔を出さない。 正午過ぎから横浜宅近郊の自然公園を散策する。 オオアラセイトウにスジグロシロチョウが集まっている。吸蜜中のメスに交尾を迫るオスが多い。メスは翅を開き、腹を揚げ拒否のポーズ。結局交尾は成立せず。 森の中でミヤマセセリを見る。 ツマキチョウを見る。今シーズンの初見。 一瞬、視界を黒いアゲハが横切る。たぶんカラスアゲハであろう。 セリの葉を探し、低く飛ぶのはキアゲハのメス。産卵行動中。 芽吹いたエノキの幼木にアカボシゴマダラの幼虫が多い。〔横浜市〕

4月15日(晴れ時々曇り) 昨日に続きギフチョウを撮影する。 昨日に比べ曇りの時間帯が長いため、活動時間が細切れでしかも短い。 気温が高くても陽射しがないと活動しないのが良く分る。 交尾済のメスを確認する。 ここでの吸蜜源はコバノミツバツツジ。 吸蜜時間は短く、すぐパトロール飛翔に戻る。 昨日今日と採集者に出遭わず、気分よく撮影できた。〔兵庫県東播磨〕

4月14日(曇りのち晴れ) 仕事の都合で今週も兵庫で週末を過ごす。 午前、曇り空の下、ギフチョウを求めてヒメカンアオイ自生地を回るが出遭わず。 気温低く、雲厚ければ飛ばないのは当然か。 午後1時、急速に天気は回復し、あっと言う間に晴れ間が広がる。と同時に気温も上昇する。 ふたたび各地を回る。 さっそく登場、春はやはりこのチョウだ! ヒルトップでは盛んにテリを張っている。他のオスはもとより、ナミアゲハ、ミヤマセセリ、ヒオドシと追うかけあう。 ここぞとばかりじっくり時間をかけて撮影する。いつもなら活動するのはせいぜい午後3時までだが、今日は飛び始めが遅かったため、午後4時を回ってもまだ飛んでいた。〔兵庫県東播磨〕

4月8日(晴れ) 朝から晴れ間が広がるが、気温はそれほど上がらない。 朝9時から私自身が小ピークで”テリ”を張る。 9時半、ミヤマセセリ登場、すでに破損していた。 続いてナミアゲハが現れ、テリを張り始める。時間を置いて、2頭目ナミアゲハ、ヒオドシ、ルリシジミが登場し追い駆け合う。 結局ギフは姿を見せず。 正午で撤収。 羽化直ギフを求め、ヒメカンアオイ自生地を回るがギフには出遭わず。 コバノミツバツツジの開花もこれからといったところ。〔兵庫県東播磨〕

4月1日(晴れ) 弱い冬型の気圧配置、陽射しは強いがやや肌寒い。 9時半から午後2時まで近くの自然公園を歩く。 草地でモンシロチョウを見る。気温が低いためか近寄っても敏感に反応しない。フキノトウでの吸蜜と日光浴を繰り返す。 ルリタテハは活発に飛ぶ。 谷戸の奥の陽だまりでチラチラ舞う白いチョウはスジグロシロチョウ♀。翅裏のクリーム色も新鮮。追いかけまわし、時間をかけて撮影する。 同じく陽だまりで越冬明けのテングチョウ、キタテハを見る。 アラカシの樹冠を飛ぶ黒っぽいシジミを見る。ムラサキシジミか? 公園内に植えられているカタクリ、キクザキイチゲは今が花の盛期。〔横浜市〕

3月30日(晴れ) 仕事で出張・移動中、山陽新幹線新神戸駅東行きホーム窓の外でトラフシジミ、テングチョウを見る。〔神戸市〕

3月20日(晴れ) 仕事の都合で先週末から兵庫で過ごす。 やや冷え込んだが今朝は快晴、青空が広がる。 朝7時から近郊の山に登る。無風のなか、製鉄所の煙突からは白い蒸気がまっすぐに立ち上る。その向こうには瀬戸内海が白く輝く。 ヒサカキの開花が始まり、芳香が漂う。個人的にはこの香りこそ春の訪れをもっとも強く感じる瞬間である。 早々に山を降り、フィールドを歩く。 真っ先に回ったのが、いつも一番早くチョウが現れる南向き斜面の畑の土手。 期待通り、モンキチョウ♀が弱弱しく飛び立つ。羽化直後か?今シーズン初、はやり春だ。 それでも気温は10℃に達しているかどうか・・・。 その後数箇所回るが何も姿を見せず。〔兵庫県東播磨〕

3月11日(曇りのち晴れ) 急速に回復した天気に誘われ冬季限定行事の名所巡りに向かう。 目的地は前から気になっていた江ノ島。 さすがにチョウは見かけなかったが、有名観光地に大納得の午後!〔神奈川県藤沢市〕

2月25日(雨のち曇り) 雨が上がった午後、近くの公園を散策する。 ウメの開花が始まっているがチョウの姿はない。 エノキの幼木の根元にアカボシゴマダラの越冬幼虫を見る。〔横浜市〕

2月18日・19日(晴れ) この時期恒例の日本チョウ類保全協会主催「第8回 チョウ類の保全を考える集い」に参加する。 オガサワラシジミ、ヒメチャマダラセセリ、ヒョウモンモドキをはじめとして多くの種の危機的な状況の報告を聞く。 また、保全協会出版予定のチョウ類同定図鑑の編集が最終段階に来ていることが報告された。*4月中ごろ発売予定、約2000円、私も10カットの写真を提供しています。〔神奈川県小田原市・神奈川県立生命の星・地球博物館〕

2月12日(快晴) 昨日は八王子の高尾山、今日は富士山でも見に行こう!とやってきたのは山梨県河口湖。 ケーブルカーで高度を稼ぎ、天上山の展望台へ。 間近に真っ白な富士山がそびえる。快晴ながら風は冷たい。 さらに良いロケーション地を求め、三ツ峠を目指す。尾根道には残雪が残り、しっかり凍っている。 軽アイゼンを装着し先を急ぐが、行けども行けども到着しない。 やむなく引き返す。 あとで調べれば3時間半もかかるとのこと、どうりで辿り着けないわけである。 本日の歩数2万8千歩也。〔山梨県〕

1月8日(曇りのち晴れ) 仕事の都合で兵庫の自宅で過ごす。 運動不足解消(=ダイエット)を兼ねて、加古川市の最高峰304mの“高御位山”をマイナールートから登る。山頂からは瀬戸内海が一望、東に明石海峡大橋、淡路島、西に家島群島、小豆島が良く見える。 この山の高砂市側南斜面は一昨年の山火事でまだ無残な姿をさらしている。ここにはヒメヒカゲの生息地もあったが、さすがに昨シーズンは姿を見せなかったようである。 たった2時間ながら汗だくでハイキングは終了。〔兵庫県東播磨〕 


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