◆2003年フィールド日誌


12月30日(晴れ) この時期としては暖かく穏やかな日。 先週、キチョウ他を確認した雑木林の縁を今日も散策する。 ブロッコリーの葉を食べるモンシロ幼虫を見る。モンシロ幼虫といえば「青虫」の名の通り緑色が相場だが冬の終齢幼虫にはやや茶色っぽいヤツもいる。蛹を探すが見つからない。 今日もキチョウは元気に飛ぶ。少なくとも3頭はいるようだ。タンポポやナズナの花で盛んに蜜を吸っていた。 畑の土手を飛ぶキタテハを見る。陽の光を浴びて開翅していたが、ひとたび陽が陰るととたんに草むらに潜り込み、しばらくすると動かなくなる。越冬中の個体を見たことがないがたぶんこんな風に冬を越しているのだろう。 田んぼの上を風に流されながら弱弱しく飛ぶモンキチョウを見る。チガヤに止まったところ撮影する。あと二日で年がかわるというのにまだ生きていたとは驚きだ。 とにかくこの土手は南向きで温室のように暖かい。虫がたくさん集まってくるのもうなずける。〔加古川市〕  ウラゴマダラシジミが多産するイボタの森に卵を探すが見つからない。あまりにも食草が多いのも考えものである。〔加西市〕

12月23日(晴れ) 朝は放射冷却で気温が低かったが、昼前から気温が上がり穏やかな一日となる。 午後1時から南向きの雑木林の縁を歩く。 比較的新鮮なベニシジミ♀を見る。オニノゲシで吸蜜していたようだがすぐに地面で日向ぼっこを始めた。 別の場所で植栽のキクの花で吸蜜する同種を見るがこちらの個体は鱗粉が剥げ落ちていた。 ブロッコリーにモンシロチョウ幼虫が多い。地面にも幼虫の死亡個体が散らばる。朝晩の寒さにやられたようだ。蛹化を急がなければ冬は越せないと思われる。 キチョウが飛ぶのを見る。合計6頭確認。長時間飛ばずすぐ舞い降りてくる。 活発に飛び回るルリタテハを見る。 イボタの枝にウラゴマダラシジミの越冬卵を見る。6卵塊、5卵塊とすぐに見つかる。イボタの葉はまだ落ちていない。〔加古川市〕

12月21日(晴れ時々曇り) 昨日は朝起きるとあたり一面雪で真っ白、当地では一年に一度あるかないかの光景。打って変わって今日は朝から快晴、10時を過ぎると気温はグングン上がる。 市街地の畑でモンキチョウ♂が飛ぶのを見る。カメラを持って走るが逃げられる。 盛んに日向ぼっこを繰り返すベニシジミを見る。ノゲシの花で吸蜜を試みるが蜜がないのかすぐに離れる。 さすがに2種とも北方系の種であると改めて感じてしまう。 12月6日このコーナーに登場したウラギンシジミの現状確認に向う。 6日時点での確認頭数6はに対して今日は1頭減って5頭。うち4頭は6日と止まる位置が変っていないので明らかに越冬態勢を取っていると思われる。〔加古川市〕

12月7日(晴れ) 冬型の気圧配置、風が強い。 早朝から里山保全の地域の活動に参加、ギフチョウ生息地のヒメカンアオイ群落周囲の枝打ちを行なう。当地に産するギフチョウの生態は里山の人間の生活と深く関わっていて、今日のような枝打ちや夏場の下草刈りなど里山の整備・保全が必須になっている。〔加古川市〕

12月6日(雨のち曇り) 久しぶりにフィールドに出る。 気温は10℃を軽く超えているが湿度が高く飛ぶチョウの姿はない。 アラカシの葉の裏にウラギンシジミを見る。計6頭が半径50cmの中にかたまっていた。すでに冬眠の体勢に入っているのかもしれない。触角も前翅の中にしまわれていてほとんど見えない。 落葉が真っ盛りのコナラの森ではフユシャク♂(蛾)が盛んに飛び廻っている。 別の定点観察ポイントに移動。コセンダングサの種子にしがみ付くベニシジミの大破個体を見る。死亡しているかと思ったがかろうじて生きていた。 キチョウの飛翔を見る。本日唯一の活動目撃。 本日で今シーズンの成虫の観察は終了か?!〔加古川市〕

11月23日(晴れ) やや風は強いが晩秋らしい穏やかな日。 気温が充分上がった昼過ぎから近場を廻る。 鱗粉が剥げ落ち種の同定に迷うようなスレのウラナミシジミ♀を見る。陽の光を浴びて盛んに開翅する。 畑の土手にヤマトシジミ多い。オス2に対してメス1の割合か。求愛行動は少ない。この時期は♂も♀も盛んに開翅する。 早春の花、ホトケノザがなぜか満開、チャバネセセリが盛んに吸蜜する。 同じ土手にベニシジミを見る。この時期のベニシジミは翅表紅色の面積が広く、美しい。 車の運転中に幾度かツマグロヒョウモンが飛ぶのを見る。 野菜畑にモンシロが舞う。 アザミで吸蜜するチャバネセセリを見る。余程蜜が多いのか花を移る様子もなく、ひとつの花で延々と吸蜜を続ける。 明るい池の土手をモンキチョウ♂がすばやく飛び廻る。探雌行動だろうか? コセンダングサの葉陰に新鮮なキチョウを見る。越冬体勢に入るのはもうしばらく先か。 陽だまりで開翅するヒメアカタテハを見る。 見かけるチョウの数が減ってきた。成虫の活動が見られるのもあと2〜3週間か。〔加古川市〕

11月15日(晴れのち曇り、夕方から雨) 午後から急速に下り坂、という天気予報を信じて10時から2時間フィールドに出る。10時ではまだ気温が低く、夜露も乾ききっていない。露に濡れた下草で盛んに開翅するのはヤマトシジミ、ベニシジミ。10時30分を過ぎると活発に飛ぶチョウが多くなる。 アザミやセイタカアワダチソウで吸蜜するツマグロヒョウモン♂♀が多い。翅表の茶色が濃く、すばらしく新鮮なツマグロヒョウモン♀を見る。今シーズン、何百頭と見かけた同種の中でもっとも美しい個体。 セイタカアワダチソウでは他に、チャバネセセリ、キタテハ、ヒメアカタテハ、ウラナミシジミが吸蜜する。チャバネはキク、キタテハは地表に落ちた熟柿、ウラナミシジミはミヤコグサ、でも吸蜜していた。 竹やぶのヘリでヒメジャノメを見る。この時期の個体にしては翅はそれほど破損していない。キチョウも多い。畑の周囲を飛ぶモンシロ、モンキを見る。以上、畑の周囲のわずかなエリアに11種を確認する。このうちツマグロヒョウモン、チャバネセセリ、ヤマトシジミ、キチョウは数も多く、“チョウ密度”は高い。 ついにシルビアは姿を消す。 ここのところ毎週連続で目撃していたクロコノマは今日は見かけず。 日当たりの良いマテバシイの葉の上で開翅するウラギンシジミ♂♀を見る。 アラカシの垣根にムラサキシジミを見る。気温が高いため開翅せず。〔加古川市〕

11月8日(晴れ) 風も弱く11月とは思えないほど暑い。午後から近場を廻る。 池の土手のシルビア生息地ではミヤコゴサの花が多い。ボロのウラナミシジミが飛び廻り、ときどきミヤコグサで吸蜜するのを見る。シルビアは翅はかなり傷んでいるがそれでも元気に飛び廻る。今日はヤマトと混飛する。この時期、シルビアとヤマト、両種の♀は翅表の青い紋様の出方が異なるため開翅していても同定は容易。 モンキ、モンシロ、キチョウも多い。 畑の中の菊の植え込みに多くの虫が集まる。チャバネセセリは白系よりも赤系の花を好むようだ。チャバネの吸蜜している後方10cmにカマキリを見つける。首をかしげチャバネに興味のある仕草を見せていたが結局攻撃を仕掛けず。 畑の土手のヨモギに産卵するヒメアカタテハ♀を見る。 セイタカアワダチソウで吸蜜するのはツマグロヒョウモン♀、モンシロ。 このポイントで他に見かけたのはベニシジミ、キタテハ、ツマグロヒョウモン♂。 観察・撮影場所を移動。 ここでもシルビアは少ないながら飛び廻る。 アザミの花で吸蜜するツマグロヒョウモン♂を見る。ここで多いのは、一にヤマト、二にチャバネ、三にモンキ、といったところか。 新鮮なウラナミシジミ♂を見る。ときどきミヤコグサで吸蜜する。 竹やぶの中を飛ぶヒメジャノメを見る。 セイタカアワダチソウで吸蜜していたのはヒメアカカテハ2頭。吸蜜に飽きる?とあぜ道で翅を広げる。 先週に続きまったく同じ場所でクロコノマを見る。たぶん同一個体であろう。落ち葉の上に止まると容易に見つけられない。見失ったのち、この辺りかと近づき過ぎると、足元からパッと飛び立ち、パタパタと慌てて逃げるように飛ぶ姿はいささか滑稽である。〔加古川市〕

11月3日(雨時々曇り) 天気予報は外れで朝から雨模様、チョウ観察とは別の用向きでフィールドに出る。 雨はシトシト降ったり小止みになったり土砂降りになったりと安定した降り方ではないが気温は高く蒸し暑い。 小止みの間にツマグロヒョウモン♂♀とも活発に飛ぶのを見る。 ヤマトシジミは下草に止まり動かない。〔中町〕

11月2日(午前中は雨、昼過ぎから曇り、のち晴れ) 雨が上がったあとは気温がグングン上昇、蒸し暑いくらい。 午後2時からフィールドに出る。 咲き始めたサザンカの花弁の隙間から吸蜜を試みるキチョウを見る。やはり上手く吸えないようですぐに諦め飛び去る。 花公園の花壇にはチャバネセセリが多い。無心に吸蜜しているかと思いきや、他の個体が近づくと盛んに追尾飛翔を行なう。 黄色のマリーゴールドやピンクのコスモスにイチモンジセセリが多い。すべてスレ&ボロ個体。 白い小さな菊で吸蜜するヒメアカタテハを見る。 その他この花公園で見かけたのは、ツマグロヒョウモン♂、♀、モンキチョウ♀、キチョウ、ベニシジミ、ウラギンシジミ、モンシロチョウ。空地にカタバミが満開、ヤマトもそれこそ“くさる”ほど数多く飛び廻っている。〔加西市〕  丘の上の“アラカシ食堂”へ。5月の終わりから延々と見かけたナミヒカゲ、ヒメジャノメをついに見かけず。いたのはクロコノマ。もしかしたら2週間前に撮影した個体と同一かもしれない。撮影にはもってこいの好位置の地面に止まり、慎重に撮影準備をはじめたところ、遊歩道を近づく散歩するひとの足音に驚いて林の中に飛び去る。見失ってはならじと、クモの巣が顔に付くのもいとわず林の中を追跡する。薮蚊の攻撃に耐え、何箇所も刺すのを払わず、ひたすら撮影する。おかげで10分間で30箇所以上刺されてしまった。そんな苦労の甲斐あってかクロコノマが少しだけ翅を開くのを目撃、前翅表先端の白紋の撮影に成功する。〔加古川市〕

10月26日(曇り:但馬) 撮影とは別の用向きで早朝から但馬へ。時間の空いた午前中の1時間だけ撮影。標高450mの高原は昼近くでも14℃しか気温が上がらず。畑の土手にはベニシジミが多い。キク科の薄紫色の花で吸蜜していたのはキタテハ2頭。陽が陰ると吸蜜をやめる。気温が上がらないため活動できず花の上でじっとしていたのはオオウラギンスジヒョウモン♀。 その他キチョウ、モンシロチョウ、ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハを見る。〔村岡町〕

10月25日(快晴) 朝4時起床で仲間と連れ立って一路、四国高知県の室戸岬に向う。4年ぶりのかの地への遠征。今回は明石大橋→淡路→鳴門→徳島ルートで目的地を目指す。朝7時、徳島市内通過時では気温は10℃、肌寒い。8時・9時と陽が高くなるにつれ気温はグングン上昇する。途中、徳島と高知の県境付近で路肩空地で休憩中、樹上のカシ類の樹に数頭ムラサキシジミらしきものが舞う。ネットインして確認してみるとムラサキツバメ♀とムラサキシジミ。更に南下、海岸沿いの国道わきにはハイビスカスが咲き、アサギマダラを見かける回数が多くなる。目的地数km手前を走行中、フロントガラスの前を横切ったのはアオタテハモドキか?残念ながら確認出来ず!10時30分室戸岬着、測候所付近に車を停めここをベースに活動開始。車を降りたとたんヤクシマルリシジミが群れ飛ぶのが目に入る。盛んに占有行動を繰り返し、待機中はゼフのように葉の上で頭を下方に、翅を半開きにしていつでも飛び立てる姿勢を取っていた。卍はジョウザンミドリやヒサマツのように“上下の石臼卍”である。道端の花で吸蜜する個体も多い。 タブノキ(?)の樹冠をムラサキシジミ、ムラサキツバメが飛び廻る。観察を繰り返すうちに“シジミ”と“ツバメ”は大きさや動きの違いで容易に区別できるようになる。総じて言えば、“シジミ”は小さく、飛びが早く、“ツバメ”はチラチラ飛びが基本で、人の気配に敏感で、そして何より大きい。タブノキやスダジイを主にした常緑照葉樹林の森に分け入る。ところどころ切り開かれて畑になっている場所にムラツバが多い。果樹園のミカン類の低木には4〜5頭が止まっていた。葉の上の汁を吸っているらしく、人が近づいてもまったく無関心。これ幸い、とじっくり撮影するが、その際ムラツバと目が合ってしまった。それにしても褐色まだら模様の異様な目である。別の個体が開翅を始める。翅をこすりじりじりしながらパッと半開翅するのは♂、しかしながら一瞬で閉じてしまうことが多い。それに対して♀はベタッと広げる。約2時間ムラツバを撮影する。 薄暗い森の中をぴょんぴょん跳ねるように逃げるのはクロコノマチョウ、地表に止まってしまうとすばらしい保護色のため発見は困難。 荒地に咲くナワシログミの花で吸蜜するイシガケチョウ♀を見る。展翅そのままの姿勢でベタッと花に止まる姿はいささか異様である。その他イシガケは樹冠を舞う姿を多く見かける。 午後になるとサツマシジミの活動時間の到来。♂は樹冠のチョウ道に沿って飛び移っていく個体と高所で占有行動を取る個体の2パターンを確認。サツマは白っぽいので飛翔中でも種の同定は容易。飛び廻る姿、スピードは6月のウラクロ♂にそっくりである。 10月末の室戸と言えばご存知アサギマダラ!期待に違わずものすごい数が集まる。ヒヨドリバナの一種が特にお気に入りらしく、どこでも花にぶら下がる。また優雅にフワフワ飛ぶ個体や上昇気流に乗って高所を滑空する個体も多い。マーキングに来ている高校生を主とした団体も盛んに活動していた。受け答えもハキハキしていてすがすがしい。ウスイロモドキ採集自粛をお願いしても採集を強行する連中の尖った目とは大違いだ。飛翔中のアサギマダラを撮影、フィールドでは気が付かなかったが帰って写した画像を確認すると半数の個体にはマーキングされていた。 樹冠を舞う小さなマダラチョウかゴマダラチョウっぽい個体を目撃、同行の友人に聞くと、サツマニシキ(蛾)とのこと、友人にお願いして網で捕えてもらう。“これがサツマニシキか!”はじめて見て感動。持ち帰り展翅に決定。 その他室戸岬で見かけたのは、クロアゲハ、ナミアゲハ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、ナガサキアゲハ、ルリシジミ、ウラナミシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンシジミ、アカタテハ、ミドリヒョウモン、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモン、キチョウ、モンキチョウ、テング、チャバネセセリ、イチモンジセセリ。 現地で出会った地元チョウ愛好者から、今シーズンの迷チョウはカバマダラとヤエヤマムラサキとのこと。〔高知県室戸市〕

10月19日(晴れ) 福井の友人の来訪に合わせて8時過ぎからシルビアの観察に行く。露に濡れた下草で朝日を浴びながら翅を開くシルビア♀を見る。他に♂1頭を確認するが発生数は多くないようだ。幅4mの道路を挟んだ土手の斜面はヤマトが多い。ときには混飛することもあるが、両種は微妙に棲み分けている気がしてならない。 ウラナミシジミ、イチモンジセセリ、ベニシジミ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、ウラギンシジミを見る。 ボロのイチモンジセセリはテリを張っているようで、近くを飛ぶヤマトやウラナミにも盛んにスクランブルを繰り返す。 良く手入れされた雑木林の中にメスグロヒョウモン♀多い。合計5〜6頭見かける。陽だまりでの日光浴、コウヤボウキやキク科の白い花で吸蜜を確認する。地表ではなく1.5m高さの樹の幹に産卵する仕草を見せるが産卵はせず。 一旦帰宅、所用を済ませたのち午後2時から再び近場を廻る。狙いはクロコノマ。この種とは相性が悪いのか今まで出遭った回数は10回以下。薄暗い林や藪を集中的に廻るが出逢えず。最後にいつものアラカシの樹液染み出し箇所をチェックしたところ、お目当てのクロコノマが止まっていた。吸汁しているわけではなく単に静止しているようであった。例によって、蝶自体も止まっている場所も薄暗いところ、どのような構図でも背景に明るい陽光が入ってしまうため撮影はとても難しい。〔加古川市〕

10月18日(快晴)早朝7時半からシルビアシジミの開翅シーンを狙って生息地を廻る。先週ほとんどいなかったポイントでは、今週から新鮮な♂が現われている。9時までは自分からはけっして飛び立たない。地表や枯草に止まっている場合は翅を開かず、翅裏に日光を当てることが多いようだ。そんな個体を無理やり飛び立たせ緑色の葉に上に止まると例外なく翅を開く。個体ごとの大きさにもかなり差がある。小から大まで同種とは思えないほどだ。 早朝真っ先に活動を始めるのはモンキチョウ。 シルビア生息地ではツバメシジミ、ヤマトシジミも混生している。〔加古川市〕  午後から兵庫県立人と自然の博物館で開催された「レッドデータブックの現場から」のシンポジウムを聴講する。〔三田市〕

10月15日(晴れのち曇り、時々時雨) 有給休暇を取って、「ハチ高原自然保護意見交換会」出席のため関宮町に出向く。ウスイロヒョウモンモドキの棲む草原環境保全について、地域の土地所有者、スキー場関係者、観光協会、関係地元自治体(農林、観光)、兵庫県(農林、自然環境保護部局)、昆虫・植物愛好家、研究者、新聞社等約40名が集まり協議を行なう。ウスイロヒョウモンモドキを含む多様性に富む草原環境は地域の宝であり、このような多様な動植物が生息する環境を各自の持場立場で協力して守らなければならないという共通認識で一致する。また地域を中心とした保護対策のための組織を作り、具体的な活動を行なうことも決定する。 会議前の時間を利用して、ウスイロヒョウモンモドキのかつての生息地である杉が沢高原、葛畑スキー場を廻る。葛畑はともかく杉が沢高原は草刈もされず、乾燥化も著しく、笹が生い茂り、とてもウスイロが棲める環境ではなくなっている。 某所にてツマグロキチョウを見る。数は少なくようやく1頭を確認するのみ。時雨空の下、ススキの葉の上でじっとしていた。 モンシロチョウ、モンキチョウ、ウラギンシジミ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、キチョウを見る。〔関宮町〕

10月13日(雨のち曇り、夕方から時々晴れ) 午前中は大荒れの天気、午後から風もおさまり気温も徐々に上がる。 一ヶ月前賑わっていたアラカシの樹液染み出しポイントを久しぶりに訪ねる。吸汁していたのはボロのヒカゲチョウ2頭だけ、スズメバチもだだ1頭いるのみ。 アラカシの垣根にムラサキシジミを見る。気温が高いため開翅は見られず。 本日のその他目撃種、ヤマトシジミ、ベニシジミ、ツバメシジミ、ウラギンシジミ、キタテハ、ツマグロヒョウモン、キチョウ、モンキチョウ、イチモンジセセリ、チャバネセセリ。〔加古川市〕

10月12日(曇りのち雨、夕方から晴れ) 朝起きるとどんよりした曇り空が広がる。 シルビア撮影のため京都と福井の友人が来訪、朝8時にポイントに集合し、ミヤコグサの生える池の土手を3人でくまなく歩き回るがお目当てシルビアは見つからず。昨年はこの時期に多くの個体が発生していたのに今年はヒガンバナの開花に同じく遅れているのかもしれない。次のポイントへさらに数km移動、ここでも姿を見せず。さらに数km移動、田の土手に生えるミヤコグサを中心にたたき出していくが、ここでもシルビアは現われない。空模様もあやしくなり、あきらめかけた瞬間、1頭が飛び出した。羽化したばかりのような新鮮な♂であった。雲は厚く、小雨も降り出したためか活動は不活発、下草に止まったまま動かない。小雨の中、3人が同じ個体を代わる代わる撮影する。思い起こせば4ヶ月前、今日と同じメンバーで1頭のキマルリ♂を代わる代わる撮影していたことが昨日のことのように思い出される。 ラセイタソウの葉に多くのアカタテハ幼虫を見る。1本に数頭は必ずいたので群落全体では100頭以上はいるはずである。 ヨモギの葉を綴った巣の中にヒメアカタテハ幼虫を見る。若齢幼虫は真っ黒だが、終齢に近くなると色が薄くなるようだ。 田のあぜにツマグロヒョウモンの終齢幼虫を見る。 その他、イチモンンジセセリ、チャバネセセリ、ベニシジミ、ルリシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、ウラナミシジミ、ウラギンシジミ、ツマグロヒョウモン♂、キチョウ、モンキチョウ、モンシロチョウ、ナミアゲハ、キアゲハ、ヒメジャノメを見る。ウラナミシジミは今シーズン初見。〔加古川市〕

10月5日(曇り時々晴れ) 3週間ぶりに思う存分撮影した一日、もう少し気温が上がればさらに良かったのに、まあ仕方がない。 朝8時半からフィールドに出る。気温も低く、下草もまだ露に濡れているため飛ぶチョウの姿はない。9時をまわりようやく、ツバメシジミ、キチョウ、モンキチョウ、ツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、イチモンジセセリ、ベニシジミといったところが飛び始める。 ツバメシジミ♂♀とも新鮮、草の葉にとまる♂はときおり差し込む朝の陽の光に盛んに翅を広げる。 熟柿では今日も仲良くヒカゲチョウとヒメジャノメが並んで吸汁していた。〔加古川市〕  お気に入りの撮影ポイント、花公園に移動する。すでに10時を廻っているがドンヨリした曇り空で気温も上がらない。3坪ほどの外国産の赤紫のキク科の花(メキシコ原産ジニア)の植え込みに10頭以上のヒメアカタテハが群れていた。すべて新鮮で翅表の赤みが濃くすばらしい個体ばかり、がぜん撮影意欲が湧いてくる。数十カットを時間をかけて撮影する。そのうちにキタテハ秋型2頭も飛来、この場所のみ大賑わいとなる。 ネムノキによく似たマメ科の低木にキチョウと思われる幼虫が多い。大から小まで5〜6頭はいたようだ。ボロのイチモンジセセリ、チャバネセセリはいつもの通りすばらしいスピードで飛び廻っていた。〔加西市〕  中国自動車道をとばし一路西へ、岡山県境近くまで60kmを移動する。 稲刈りが終わったたんぼ、真っ最中のたんぼ、田のあぜには赤いヒガンバナ、クリやカキがたわわに実り、人家周辺ではキンモクセイの芳香が漂う、まさに“里山の秋真っ盛り”といったところ。 路上の水溜りにスジグロシロチョウ4頭の吸水を見る。中に1頭ウラギンシジミが混じっていた。 キチョウ多い。あまりに小さいのでツマグロキチョウかと思い確認したところ、残念キチョウであった。 色づき始めた柿の葉にとまるクモガタヒョウモン♀を見る。この種の写真は今までロクなものがなかったので、今回は慎重に撮影する。 雑木林の縁からボロのサトキマダラヒカゲらしき影が2頭飛び出した。念のためとまったところを確認、2頭ともキマダラモドキであった。当然2頭とも大破していた。思えば6月中頃には羽化したはずなので、もうかれこれ4ヶ月も生き延びていることになる。 林の縁に道端に咲くキク科の白い花で吸蜜するメスグロヒョウモン♀を見る。背後に奥行きがないロケーションなのでうまい具合にバックがボケてくれない。翅表の味わいのある黒色もうまく表現できず、黒色系のチョウの撮影は本当に難しい! ボロのクロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヒメウラナミジャノメ、オオチャバネセセリ、新鮮なコミスジを見る。 西播磨の最も西、岡山県境の集落へ移動する。ミゾソバの花で吸蜜するミドリヒョウモン♀黒化型を見る。そら!撮影だ!と足元もロクに確認せず休耕田に足を踏み入れたところ、ぬかるんでいて脛までブクブク沈んでいった。転倒しなかったのがせめてもの救いである。 ネムノキの葉に5〜6頭のキチョウが集まってとまっているのを発見、思ったとおり羽化直前の♀の蛹のまわりを♂が取り囲んでいるのであった。翅の色が蛹の殻から透けて見えていたので今日か明日には羽化するのであろう。羽化した瞬間、大混乱に陥ることは確実!長野県でオオミスジで同様のシーンを目撃したことはあるがキチョウでは初めてである。 クモガタヒョウモン♂を見る。この個体は人の気配に敏感で撮影させてくれなかった。〔上月町〕  クロツバメシジミ生息地へ移動する。ここ最近、採集者(?)に荒らされた跡がアリアリの雰囲気。今日見かけたのも1頭のみ。今年はツメレンゲの花穂が少ないようだ。〔某所〕 

9月27日(快晴) 今日は絶好の撮影日和なのに日中は所用があるので、やむなく朝7時過ぎからフィールドに出る。 7時半では下草はまだ露に濡れているが、日差しは強い。 ヒヨドリバナで吸蜜するメスグロヒョウモン♂を見る。翅はかなり傷んでいた。 チャバネセセリの求愛行動を見る。気温が低いためか飛翔スピードは遅く、活動は鈍い。 畑の土手の柿木の熟柿に数多くのムシが集まる。 チョウでは新鮮なルリタテハ♀、サトキマダラヒカゲ(?)、ボロのヒメジャノメ、ヒカゲチョウを見る。スズメバチも多く、カチカチとあごを鳴らす警戒音が出ないよう注意しながら撮影する。なんと言っても多いのはハエ、熟柿の表面にびっしりと張り付いている場合もあった。 新鮮なクロコノマチョウ♂を見る。強い逆光の日差しとこのチョウの翅裏の黒とのコントラストがあまりにもきついためか、何度やってもオートフォーカスが適正に作動しなかった。〔加古川市〕 日中多くのツマグロヒョウモン♂♀を見る。合計すれば20〜30頭は目撃したかもしれない。 ミドリヒョウモン♀を見る。 ウラギンシジミ多い。♂の追尾飛翔を見る。大きな二重螺旋を描くように高速で樹冠を飛び回っていた。 ようやくマンジュシャゲの開花が始まる。9月始めに気温が高かったためか開花は約1週間遅れたもよう。キンモクセイの芳香を嗅ぐ。〔中町〕

9月21日(曇り夕方から晴れ) 台風接近で終日風が強い。 昨日は中学校、今日は小学校の運動会。 今日は小学校の敷地内での撮影となる。 ランタナの花にいたのはツマグロヒョウモン♂、モンシロチョウ、イチモンジセセリ。この花株でヒメジャノメの求愛行動を見る。♀が近くを飛ぶと♂はすぐさま飛び立ち♀の後を追う。♀が止まれば♂も背後に止まる。求愛はシジミやセセリのように激しく、しつこいものではなく、♀にその気がないとあっさり引き下がる。ヒメジャノメは花に吸蜜にきているのではなく、熟した実の汁を吸いにきていたようだ。 地表近くを飛び回るヤマトシジミ♂を多く見かける。風が強くなると地表に止まる。 小さなミカンの樹の頂芽にアゲハの卵を見る。クリーム色から褐色までさまざまな色合いの卵は産みつけられた日の経過を示している。合計12卵。 午後から近場をひとまわり。ヒヨドリバナは満開だが強風と低温、曇り空のためか見かけるチョウの姿は少ない。 ヒヨドリバナで吸蜜していたのはツマグロヒョウモン♂、キマダラセセリ。 アキノタムラソウの花で吸蜜するメスグロヒョウモン♂を見る。 新鮮なコミスジ、畑の土手に止まるヒメアカタテハを見る。 運転中にビロードハマキ(蛾)の♀と思われる個体が車のフロントガラスに張り付いているのを発見、採集しようと車を停めたとたん飛び去った。〔加古川市〕

9月20日(曇りのち雨) 今日は子供の運動会、ポツポツと雨が落ちてくる中、学校の敷地内を散策する。ランタナやヒャクニチソウ、ムラサキサルビアの花が咲く中庭の花壇にイチモンジセセリ多い。雨が強くなってくるとさすがに吸蜜はやめ、葉の上で静止するようになる。 クスノキの幼木にアオスジアゲハの4齢幼虫を見る。葉の上に糸を吐いて作っている台座で静止していた。クスノキの中程度の高さの樹でも探すが見つからず。いたのはイラガの幼虫と黒いコバチ。 カタバミの生える芝地にヤマトシジミを見る。♂はすべてボロ個体、時期的なものか♀は見かけず。 昼前から雨が強くなり引き揚げる。〔加古川市〕 

9月15日(晴れ時々曇り) ウスイロヒョウモンモドキ生態調査のため、有志一同早朝から但馬へ。 一ヶ月前、初齢幼虫だったのが、今では4齢(一部3齢)になり越冬巣を作っているものも多い。しかしながらかなり数を減らしているようだ。確かに小さなサシガメやアリも多そうで自然状態での生存競争の厳しさを垣間見る思いだ。越冬巣は地表から10cmの高さに作られていることが多く、クモの糸のような白い糸でしっかり綴られている。生息地は現在下草刈りの真っ最中、作業員の皆さんに越冬巣の実物をみてもらい、10cm以上で刈ってほしいとお願いしたところ快諾を得る。心強い! ウラギンヒョウモン♀、オオウラギンスジヒョウモン♀を見る。ウラギン♀は多い。 草原のあちこちでキチョウ、ルリシジミを見る。 高原の草原をアサギマダラが空高く飛ぶのを見る。 ボロのセセリが飛んでいたが同定できず。 今日、初めてウメバチソウ、タチコゴメグサ、アキノウナギツカミ、センブリの花を見る。〔関宮町・美方町〕

9月14日(晴れ) 終日好天の予報。 久しぶりに登山、播磨奥地の標高1000Mに登る。 全山、杉・檜の植林された針葉樹に覆われ、予想通り蝶の姿は極めて少ない。林道でクロヒカゲ2頭、山頂でテリを張るキアゲハ1頭を見るのみ。 オオセンチコガネが活発に飛ぶのを見る。黄金緑色や赤銅金色をきらめかせ登山道に沿って飛ぶ。目撃頭数は10頭以上か、次回はネットを持って本格的に採集してみよう。 斜面がきつくホウホウの体で下山、駐車場にもどる。新鮮なカラスアゲハ♀が渓谷をフワフワ飛ぶのを見る。翅表の緑や青、紅色の斑点も鮮やか、すぐ目の前を飛んでいった。 標高を下げ、車道沿いの花畑にクロアゲハ♀を発見し、急停車する。クロアゲハの他にキタテハ、ツマグロヒョウモン♂♀が吸蜜に来ていた。クロアゲハは植栽の橙色コスモスよりもヤブカラシがお気に入りのようす。クロアゲハ♀は前翅は全体的に白く、後翅中央にうすく白紋が現われていてすばらしく美しかった。夢中になって撮影しているとクロアゲハ♂が現われお決まりの求愛行動へ、♀は拒否、♂は意外にもあっさりあきらめ飛び去った。 さらにもう1頭黒っぽいアゲハが現われる。よく見ればミヤマカラスの♀、それも新鮮!カメラを構えるのにもたついたため1カットしか撮影出来ず。 ホウジャク(蛾)を撮影中に足元にヤマカガシ(毒蛇)がいたらしく、花畑の奥に逃げ込んだ。これ以降、さすがに奥には踏み込めず。〔加美町〕  雑木林の縁にヒヨドリバナが多い。例年通りメスグロヒョウモン♂が群れ飛んでいた。 3週連続でアラカシの樹液食堂へ。今日もコムラサキ5頭、ルリタテハ2頭と多くのスズメバチが来ていた。スズメバチに対してコムラは行動が慎重で警戒しているのがよく分るが、ルリはずうずうしく、見ているほうがハラハラするほど近づきすぎることがある。当地のコムラは第1化よりこの時期の第2化のほうが個体数が多いようだ。〔加古川市〕

9月7日(晴れ) 真夏のような日。午後1時からフィールドに出るが、持参した氷入りウーロン茶は見る見るうちに融けていく。暑い暑い! まずは今シーズン、ゴマダラチョウを撮影したクヌギの樹液食堂へ。ルリタテハ2頭、ヤマキマダラヒカゲ(?)の吸汁を見る。ここでなんと言っても多かったのがシロテンハナムグリ、150頭まで数えたが薮蚊の攻撃を受けカウントを断念する。今日は薮蚊の攻撃に備え、モスキートネットをかぶり、長袖のヤッケ、軍手、と完全武装したにもかかわらず10箇所以上やられてしまった。厚手のズボンの上から、モスキートネットが肌に触れているその上から、厚手の靴下の上から、と少しのスキも見逃さない執念には感心する。〔加西市〕 昨日、ナミアゲハを撮影した民家の庭先の花畑に向う。今日はお隣さんの花畑で撮影させていただく。今日もいるいる!ナミアゲハ5〜6頭、キアゲハ2頭、ツマグロヒョウモン10頭以上、ヒメアカタテハ1頭、クロアゲハ1頭、イチモンジセセリ多数、オオスカシバ(蛾)1頭、といったところ。 時折吹くそよ風にゆれながら花から花へと訪花、吸蜜を繰り返していた。ナミアゲハ、キアゲハ、ツマグロヒョウモンの吸蜜花はコスモスの一種、クロアゲハはスベリヒユ、イチモンジセセリ、ヒメアカタテハはヒャクニチソウ、とお気に入りの花は決まっているようだ。 先週、コムラサキを撮影したアラカシの樹液食堂に向う。今日はここでも大盛況!コムラサキ4頭、ルリタテハ1頭、ゴマダラチョウ1頭、ナミヒカゲ、サトキマダラヒカゲ数頭、スズメバチは10頭以上、が来ていた。スズメバチに食堂を追い払われた(?)コムラサキがアラカシの葉で休んでいるのを見る。 ゴマダラチョウもなかなか吸汁するポジションが確保できないようだ。 アラカシの垣根では今日もムラサキシジミが飛び廻っていた。目撃頭数6頭、すべて♀か。アラカシの二次芽の柔らかい葉の裏に産卵するのを見る。 同じ場所でウラギンシジミ♀の新鮮は秋型個体を見る。 桜公園をフワフワ飛ぶナガサキアゲハ♀を見る。〔加古川市〕

9月6日(曇り時々晴れ、午後にわか雨のち晴れ) 里山の環境保全事業の一環として、早朝からギフチョウ生息地の下草刈りに参加する。3ヶ月前にギフ幼虫が喰い散らかしたヒメカンアオイの食痕を見る。“丸坊主”にされた株からは二次の葉が出ていた。雑木林の中の樹を間引きして明るくすると、ヒメカンアオイを含む林床の植物は勢力を増すようだが、同時にササも一気に成長するので今日のような下草刈りが必要になってくる。作業中は汗が滴り落ちるが、ひとたび手を休めると、林の中を吹き抜ける風が心地よい。午前中で作業終了。 ポツポツとメスグロヒョウモンが夏眠から目覚めてきたようだ。倒木の上で汁を吸う♂を見る。畑の縁に生えるヒヨドリバナにはまだ来ていない。 公園の垣根の植栽のアベリアの花で吸蜜していたのはナミアゲハ、イチモンジセセリ、ホウジャク(蛾)であった。 灌漑用の池の縁でイチモンジチョウ♀ボロを見る。 シルビアシジミ生息地の土手に移動、ミヤコグサも含めものの見事に草刈りがなされていた。それでもシルビアは活発に飛んでいた。ヒメウラナミジャノメの極小の個体をシルビア♂がしつこく追い廻すのを見るが、♀と間違えたのかもしれない。 地面にへばり付くように生えるミヤコグサの刈り残りに産卵するモンキチョウ♀を見る。最初は何か変な感じがしたが、よくよく見れば通常の白色型ではなく黄色型の♀であった。 農家の庭先の花畑にチョウが多い。狭い範囲に植えてあるヒャクニチソウで群れていた。種類と数はナミアゲハ♂3頭、キアゲハ♂1頭、ツマグロヒョウモン♂4頭、モンキチョウ♀1頭。ホームページ用ではなく、プリントアウト用として高画質・大容量の画像を時間をかけて撮影する。 ウラギンシジミ、キチョウ、コチャバネセセリを各地で見かける。〔加古川市〕 雑木林の中の花畑、コスモスの一種で吸蜜するメスグロヒョウモン♂を見る。〔小野市〕

8月31日(曇りのち晴れ) 夏休み最後の日、不本意ながら午前中は家族サービス、午後からフィールドに出る。 気温はグングン上昇、暑い!暑い! 近場の定点観察ポイントを廻る。 ヒメヒカゲ生息地は秋の気配が漂い始めていた。フィールドを彩るのは、ワレモコウ、オミナエシ、キキョウ、見かけるチョウはナミジャノメ♀ボロ、ヒメジャノメ、ナミヒカゲ、チャバネセセリ、コチャバネセセリ、キアゲハ、ナミアゲハなど。ナミアゲハは♀の黄色が濃い大型個体、遠目にはキアゲハと見まごうほどであった。 スイカズラの茂みを離れないアサマイチモンジ2頭を見る。案の定♀で産卵を繰り返していた。産卵はスイカズラの葉のウラに1卵づつ丁寧に行なう。1卵の産卵にかかる時間は1〜2秒か。カメラを構え、撮影スタンバイした時には産卵は終わってしまう。産卵する葉は新しい・古いはあまりこだわっていないようだ。 第2観察ポイントに移動する。エノコログサの葉に産卵するチャバネセセリ♀を見る。 キツネノマゴの花で吸蜜していたのはイチモンジセセリ。 ヒヨドリバナが咲き始めたがメスグロヒョウモン、ウラギンスジヒョウモンの姿なし。まだ夏眠中のようだ。 雑木林の縁に点々とあるクサギの花にアゲハ類が集まる。まず見つけたのは新鮮なクロアゲハ♂、撮影のため近づくと生意気にも飛び去った。その次現われたのはナガサキアゲハ♀、昨日の個体とは違って後翅の白紋もはっきりしていた。本腰を入れて撮影しようとしたところ先刻のクロアゲハがちょっかいをかけてナガサキを追い払ってしまった。イマイマシ〜!その後クロアゲハ♀ボロが現われ、お決まりの求愛・拒否行動が繰り返されることになった。 第3観察ポイントであるアゲハ観察の丘に向う。ここでは今日はアゲハは見かけず。早々に引き揚げる。下山途中に新鮮なコミスジを見る。 第4ポイントに移動、アラカシ数本からいずれも樹液が染み出し、それを目当てに多数のナミヒカゲ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲが集まっていた。3種合わせてその数は30頭くらいか。吸汁や追尾飛翔を繰り返していた。このアラカシの樹液染み出しのメカニズムは、まずシロスジカミキリの幼虫が穴をあけ、その後スズメバチが樹皮を噛み砕き広げていく。そのあとに多数のチョウが集まってくる、といったところか。今日は7頭のスズメバチが来ていて、カメラとハチの距離はわずか、撮影はヒヤヒヤものであった。 アラカシの葉で休むコムラサキ♀を見る。兵庫県下でコムラサキの撮影チャンスは2年ぶり、慎重にシャッターを切っていく。この種は長野県では7月末から8月始めにかけてムチャクチャ数が多く、他の種の撮影のじゃまになる事が多いが、地元ではめったに撮影出来ず、別種のような印象を抱いている。 アラカシの垣根にムラサキシジミを見る。一箇所に留まることなくチラチラと止まる場所を変えていく。飛翔撮影を試みるが、周囲は暗く高速シャッターを切れない。 その他にも複数の♀を目撃、この秋の開翅シーンの撮影は成功したのも同然か。〔加古川市〕

8月30日(晴れ時々曇り) 久しぶりに花公園に出かける。植栽の花で吸蜜するムシが多い。 ムラサキサルビアやヒョクニチソウの仲間に群がっていたのはイチモンジセセリ、中にはチャバネセセリも混じっていた。吸蜜中の大きなイチモンジセセリ♀に♂2頭が背後から迫るが、♀は翅を震わせて交尾拒否、♂はそれでもしばらく離れなかった。 コチャバネセセリ♀に求愛する慌てもののイチモンジセセリ♂を見る。間違いに気が付いたのかすぐに求愛をやめた。 アゲハ類も多い。ヒャクニチソウの仲間で吸蜜していたのはアオスジアゲハ、ノウゼンカズラの花にやってきたのはクロアゲハ、さらに大きなナガサキアゲハ♀が優雅に舞う。ナガサキ♀は後翅の白紋はほとんど消失、前翅付け根の赤紋は鮮やかであった。 ナミアゲハの求愛行動?を見る。♂が下方を、♀は斜め後ろ上方を20〜40cmの距離をおいてホバリングしていた。ストロボの光を嫌がったらしく、そのままの状態で徐徐に上昇、最後には点に見えるほど上空まで舞い上がった。 キアゲハの吸蜜個体も多い。新鮮な♀はとても美しい。 ヒメアカタテハの吸蜜を見る。 ツマグロヒョウモン♂多い。 ウラギンシジミを見る。 ウラナミシジミはまだ来ていないようだ。 蛾ではホウジャクやオオスカシバが盛んに吸蜜していた。〔加西市〕

8月23日(晴れ:長野県) 今年2回目の長野県遠征、3週間前とほぼ同じコースを廻る。 前回は時期が早く1頭しか見かけなかったオオゴマにまず挑戦。生息地に行き着く前に林道わきで吸蜜するスレ♀を見る。吸蜜花はヒヨドリバナ。吸蜜が一段落すると産卵行動に移った。本来であればカメバヒキオコシになるのであるが、ヨモギに似た植物の花穂と、もう一種類の植物の花穂に盛んに腹部先端を押し付け卵を産む仕草を見せていた。産卵があったかどうかは確認できず。このメスの他に数頭目撃する。 林道の切通しにキベリタテハを見る。この種の撮影が今回の遠征の第一目的。人の気配に敏感でなかなか近寄れない。5mがせいぜいである。ひとたび飛び立つとグライダーのように滑空しながら目の前を通過していく。翅の縁のクリーム色や内側のビロード色が陽の光を浴びて鮮やかに見える瞬間が幾度となくやってくる。まさに“信州のチョウ”である。ガケにいる個体はいずれもテリを張っているようだ。5〜6回見かけるがここでは撮影失敗。 いたるところでエルタテハを見る。3週間前も多かったが、今回さらに数を増しているようだ。林道沿いすべての切通しにいる、といっても過言ではないくらいだ。このエルといい、クジャクといい、ひとたび翅を閉じると翅裏の地味な黒褐色の保護色の威力か、見失ってしまうことが多い。また数が多い割りに撮影は難しく、間欠開翅のタニミングにシャッターを合わせられず、しばらく粘ったが辛抱できず結局撮影はヤメにした。 ヒメシジミはまだまだ多い。メスの比率が高いが新鮮なブルーも見かけ、ここではダラダラ羽化なのかもしれない。飛び立ったメスがアカネ(トンボ)に捕食されるのを目撃。 ヒヨドリバナで吸蜜するアサギマダラが多い。オスが大半か。 その他ヒヨドリバナに来ていたのは、オオチャバネセセリ(*関西産よりひとまわり大きい)、コチャバネセセリ、イチモンジセセリ、ミドリヒョウモン、ウラギンヒョウモン、クジャクチョウ、ヒメアカタテハであった。 3週間前あれほどいたゴイシシジミはグンと数を減らしている。 林道を歩いていて何といっても多いのがクロヒカゲ。キベリやツマジロウラの飛翔と間違えやすく、がっかりすることが多い。 クロヒカゲの次に多いのがヒメキマダラヒカゲ、こちらも撮影のじゃまになるばかり。 ヤマハンノキの下にミドリシジミ♂を見る。それもまだ新鮮、播磨地方から遅れること2ヶ月、びっくりだ。 コミスジ新鮮、オオミスジ、ミスジチョウはボロ。 その他この林道で見かけたのはカラスアゲハ、シータテハ、キアゲハ、サカハチであった。 人里の牛糞置き場で吸汁するアカタテハを見る。 車で移動中、フロントガラスの前を横切るキベリを目撃、すぐに車を降り姿を追ったが見失う。 キベリ探索中にエルタテハ、オナガアゲハを見る。 ムモンアカ生息地に移動、炎天下、ダイダイ色も鮮やかに卍飛翔を繰り返していた。大げさに聞こえるがあまりにも色が鮮やかなので遠目にはミドリヒョウモン♂と間違えてしまう。イタドリの花で吸蜜する2頭目撃。この種は白い花を好むようだ。吸蜜を観察・撮影中、すぐ横のクヌギの幹にメスが飛来し、産卵行動を始めた。腹を折り曲げ産む仕草を見せたが、数秒で飛び去ったためたぶん産卵しなかったものと思われる。 ムラサキシジミ♀を見る。 草原にスジグロチャバネセセリ♀の産卵行動を見る。翅はかなり傷んでいた。♂は確認出来ず。 ナミジャノメ多い。今日の頭の中は「キベリ・キベリ・・・」なので、ナミジャノメですら飛び出すと一瞬ドキッとしてしまう。 スジボソヤマキ多い、各地で見かける。アザミの花で吸蜜するきれいな個体を撮影中、キチョウがじゃまをして追い払ってしまった。いまいましい。 薄暗い湿地で活動するメスグロヒョウモン♀を見る。 さらに撮影場所を移動、ふたたび林道に入る。 コムラサキ♂を時々見かけるが3週間前に比べると見かける頭数は10分の1以下。 この林道でもエルが多い。 林道の行き着いた先、標高1650mの峠に咲くヒヨドリバナにはクジャク、エル、アサギマダラが吸蜜していた。エルの吸蜜目撃はこの1回のみ。 クジャクは多い。峠を吹き抜ける風に大きくゆれるヒヨドリバナで多くの個体が無心に吸蜜していた。 午後3時を回り陽も傾いてきたので林道を下る。途中林業作業車が止まり、その周りを滑空するキベリ発見!自動車をお気に入りの様子で、開け放ったドアから中に入ったり、屋根に止まったりで離れない。撮影がいやで飛び去ったかと思っても数分もすればまた舞い戻ってきた。人工物が入らないように飛翔撮影を試みるも失敗!でもコツは掴めたので次回チャンスに期待。さらに日が翳り、車にも陽が当らなくなると樹の枝の高いところに移動し、ベタッと張り付いたまま静止した。キベリの撮影は楽しく来シーズンも是非挑戦してみたい。 林道わきの地面に自分の小水を蒔いてトラップを仕掛けるがチョウは来てくれず。 林道を飛ぶ新鮮はカラスアゲハ♀、ミヤマカラスアゲハ♂を見る。 ヤマキチョウを探すが出遭えず。〔長野県〕 

8月16日(午前中晴れ:岡山県北部、午後曇り:兵庫県西播磨) 早朝から岡山県北部へ2年ぶりでゴマの撮影に行く。 午前9時半現地着、早々に翅を開く個体を撮影する。10時をまわると開翅シーンは見かけなくなり、開翅は朝特有の行動かもしなれい。見かける個体はオスよりメスが多いようだがNETを持参していないので正確には判らない。ダラダラ羽化ののウワサ通り、スレ・ボロから新鮮まで幅広く飛んでいる。吸蜜花はハギ。求愛行動を見る。残念ながらメスに“その気”がなく翅を振るわせ交尾拒否。ワレモコウの花穂に産卵するメスを見る。一連の産卵行動としてはまず花穂の頂点にとまり触角で花を触る。しばらくそのままの姿勢を保つがやがて花の下部に移動し、花の周りをぐるぐる廻りながら腹を折り曲げ産卵の体制に入っていく。産卵中も触角は必ず腹側に大きく折り曲げている。ひとつの花でいったい何卵産んでいるのだろうか?2度3度と産卵しているように見えるが実際には産んでいないことも多いようだ。実際産卵するときは産卵姿勢のまま数秒静止していた。飛翔撮影にも時間をかける。翅はしなやかでそれほどスピードは出せないようだ。ゴマの撮影2時間、撮影カット数150枚。 同じところで飛んでいるツマグロキチョウの存在に気付くがゴマ撮影に忙しく今回はパス。 ゴマ撮影中に見かけたのは、ルリシジミ、ベニシジミ、トラフシジミ、コミスジ、ホソバセセリ、ルリタテハ、カラスアゲハであった。〔岡山県北部〕  岡山は午前中で切り上げ兵庫にもどる。 6月はじめにはヒロオビ、ウラジロ、ウスイロオナガを多産するナラガシワの樹の樹液染み出しでキタテハ2頭に吸汁を見る。気がつけば周囲はカナムグラだらけ、キタテハが多いのもうなずける。 ナラガシワの樹の下の水溜りで吸水していたのは、カラスアゲハ、クロアゲハ、アオスジアゲハ、ルリシジミ、ウラギンシジミ(多数)。 栗林やナラガシワ林の中はサトキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ナミヒカゲ、ヒメジャノメといったジャノメ類の世界、特にサトキマが多い。時には3〜5頭もつれて飛んでいた。 車道わきの満開のクサギの花にモンキアゲハ、クロアゲハを見る。モンキが2頭いると思ったらオス・メス1頭づつ、メスは吸蜜に忙しく、オスは求愛に忙しい。メスはオスを無視するように吸蜜している、その背後でオスはホバリングしながら延々とラブコールをおくっていた。哀れでもあり滑稽でもあり人間世界を思い起こさせるシーンであった。〔上月町〕  7月から何度となくかよっていたクヌギ樹液染み出し箇所でついにオオムラサキを捉え、撮影に成功。この樹液食堂はすばらしく、オオムラの他にスミナガシ2、ルリタテハ1、クロヒカゲ1、サトキマ(?)1、カブトムシ♂1♀1、ミヤマクワガタ♂大型1、小型1、トモエガ1、カナブン・クワガタ他小甲虫多数が食事中であった。残念ながら食堂の位置が頭上2mと高く撮影にはあまり向いていない。〔上郡町〕  クロツバメシジミ生息地へ、ぽつぽつと飛んでいるがすべてスレ♂のようだ。食草のツメレンゲのこれから伸びる花穂がごっそり切り取られていた。卵か幼虫探しかと思われるが、ここまでやるか〜(怒)。 ムラサキシジミの矮小♀を見る。 林辺を飛ぶ小さな黄色いセセリ、ヘリグロチャバネかと思ったらヒメキマダラであった。〔某所〕  本日の走行距離400km、でもあまり疲れず。  

8月13日(晴れのち曇り) 明日から天気が悪そうなので仕方がない、あまり気乗りはしないが午後から近場を廻る。 まずは薮蚊の襲来を覚悟して竹林の中のクヌギ樹液食堂へ。本日の食堂の主たる客はシロテンハナムグリであった。いつのまにかカナブン、アオカナブン、ゴマダラチョウは姿を消しているのかもしれない。 卵を抱え腹パンパンのサトキマダラヒカゲが無心に吸汁していた。カメラのレンズが翅に触れてもまったく動じる様子はない。オスに比べ前翅が丸くまるでキマダラモドキのようであった。 ルリタテハ2頭が遠慮がちに吸汁する機会をうかがっていた。 樹の周りを飛ぶ多数のキマダラヒカゲを見る。ここのポイントは“ヤマ”も“サト”もいるので近くで見ないと同定できない。 甲虫ではキマワリ、コクワガタが吸汁していた。〔加西市〕  チョウ観察の丘に移動する。ピークではツマグロヒョウモン♂3頭がテリを張っていた。 林の縁をパトロールするモンキアゲハ♂、クロアゲハ♂を見る。ナミアゲハ♂も数頭いるようだ。ナミアゲハ♀2頭がもつれながら飛ぶのを見る。 丘の中腹の薄暗い斜面を低く飛ぶクロアゲハ♀を見る。下草から下草へと舐めるように飛んでいたと思えば、イヌザンショウに産卵した。 キアゲハやアオスジアゲハ、ナガサキアゲハを車で移動中に見かける。 さらに撮影場所を移す。雑木林の縁の薄暗い空間で休むモンキアゲハを見る。あまりにボロ個体なので撮影は見送る。 スレのチャバネセセリを見る。今シーズン初見。 竹やぶの中でヒメジャノメの撮影を行なうがあまりにも暗いため撮影した写真すべてブレていた。 シルビア生息地を廻る。気温が高いためか不活発。メスはミヤコグサで吸蜜、オスは下草でやすんでいることが多い。 畑の土手に生えるクサギの周りを飛ぶモンキアゲハを見る。急いで撮影に向う途中、マムシを踏みつけそうになる。クワバラ、クワバラ・・〔加古川市〕

8月11日(朝のうち雨:播磨、曇り時々晴れ夕方から雨:但馬) ウスイロヒョウモンモドキ生態調査に出向く。広い生息地に無数にあるオミナエシの株から幼虫を見つけるのは至難のわざ、まさに“大海の一粟”“九牛の一毛”の作業である。4人で探しようやく見つかる。葉の裏に多数の1齢(2齢?)幼虫が糞といっしょに張り付いていた。 草原をウラギンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモンが舞う。オオウラギンスジの♀は新鮮、リョウブの花で吸蜜することも多い。 ヒヨドリバナで吸蜜するアサギマダラ♂を見る。花穂にぶら下がったり、花から花へとフワフワと移動する姿は秋の高原を思わせる光景だ。 ヒヨドリバナで吸蜜するヒメアカタテハを見る。 コキマダラセセリのボロが多い。求愛行動を見るが交尾は成立せず。 ジャノメチョウ♂新鮮、播磨低地の一月半遅れで姿を見せている。 キアゲハ、カラスアゲハが活発に飛ぶ。シシウドの花に似合うのはキアゲハだが吸蜜には出遭わず。 ボロのムラサキシジミ♂を見る。ミズナラの小木で発生しているようだ。 車道にルリタテハ多い。数十メートルおきに地面に止まっていた。 イタドリの花で吸蜜するテングチョウを見る。 イタドリの周辺にはルリシジミが多い。これで発生しているもよう。〔兵庫県但馬地方〕 

8月10日(曇りのち晴れ:滋賀鈴鹿北部) 9日からの夏期休暇。昨日、台風の動きに合わせて滋賀鈴鹿山中の生まれ故郷に帰る。今日は台風一過、昼前から快晴となる。目指すはもちろんキリシマの撮影!と意気込み、道なき山中に生えるアカガシを丹念に訪ねて廻るがただの1頭も見かけず。こんなに不作の年は記憶にない!冬季の採卵が盛んになるにつれ盛夏に見かける成虫はガタ減り状態ではあるが、これほど少ない年は珍しい。 林道で吸水するミヤマカラスアゲハ、カラスアゲハが多い。集団吸水ではなくすべて単独であった。 薄暗い林道を飛ぶオナガアゲハ♀を見る。前翅表は黒褐色で、飛翔する姿はまるでジャコウ♀のようだ。 コチャバネセセリはどこでも吸水に忙しい。 その他林道で見かけたのは、ホソバセセリ、ルリタテハ、サカハチチョウ、ナミヒカゲ、クロヒカゲ、ナミジャノメ、モンキアゲハ、アオスジアゲハ、スジグロシロ、ルリシジミ(多数)であった。 舗装道路上で無心に吸水するモンキアゲハを発見!慎重に近づきながらシャッターを切っていくがどうも様子がおかしい!まったく動かない。よくよく見れば交通事故死(?)の新鮮な個体が路上に転がっているだけであった。 充分注意していたのにヒルにやられてしまった!それも3箇所!ヘソの周り2箇所に喰い痕があった。もうかれこれ8時間経つが依然として血が止まらない。おかげでTシャツは血に染まってしまった!詳しくは後日公開の「フィールドこぼれ話」にて〔滋賀県彦根市、多賀町〕 

8月3日(快晴) ついにやってきた本格的な夏、遠征の疲れというわけではないが何となくだるく、午後1時間だけフィールドに出る。 シルビアシジミ♂♀とも新鮮、第3化個体かと思われる。気温が高いためか日中でも休む♂がいた。アザミの花で吸蜜する♀、ミヤコグサの花で吸蜜する♂を見る。春一番に現われる個体に較べるとやや小さいようだ。 炎天下をナガサキアゲハ、ナミアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハが活発に飛ぶ。〔加古川市〕 

8月2日(曇りのち晴れ) 今シーズンはじめて長野県に遠征する。午前9時まで厚い雲に覆われ小雨もパラついていたが、その後急速に回復し強い日差しが照りつける一日となる。 早朝、下草が濡れていてもヒメシジミの活動は盛ん。新鮮からスレ・ボロまで幅広く見かける。しかも数が多い。 林道にゴイシシジミが多い。周囲を見渡せば案の定、ササの葉の裏にはアブラムシがびっしりと張り付いていた。ミズイロオナガシジミのように新鮮な個体は飛ぶとき水色がかって見える。また新鮮な♀の前翅表中央には白紋が表れている。 林道の切通しにクロヒカゲが多い。兵庫県で見られる個体に較べひとまわり小さいようだ。 クロヒカゲと飛び方が少し違うなと思ったらツマジロウラジャノメであった。クロヒカゲは敏捷に飛ぶのに対してツマジロウラはフワフワ飛ぶ感じか。 やっとのことで本日のお目当てのオオゴマ生息地にたどり着くがその姿はなし。約1時間ねばり、日差しが差し込み始めたその瞬間、さっと目の前を飛んでいった。翅表も裏もくっきり鮮やかな新鮮な大型個体(たぶん♂)であった。残念ながら本日の目撃はこの1回だけ。 オオゴマ生息地でテリを張るアイノミドリシジミを見る。ときには卍となる。 オオゴマを待つ間にミスジチョウ、ヒメキマダラヒカゲが飛ぶのを見る。 林道にはヒヨドリバナやクガイソウが咲き、多くの虫の吸蜜花となっている。 ヒヨドリバナで吸蜜する新鮮なクジャクチョウを見る。計4〜5頭確認する。翅を閉じていると翅裏の黒とヒヨドリバナの白のコントラストがきついため撮影は極めて難しい! コンクリート劣化箇所で吸汁するエルタテハを見る。今年は数が多い。こんなにたくさん見かけるのはここ4年で初めてだ。間欠開翅する瞬間を狙ってシャッターを切るのだがこれまた難しい!じっと構えスタンバイしていると翅は開かず、油断しているときに限って翅を開く。ここで無駄にバッテリーを5分使ってしまった。 イタドリの葉で休んでいたのはコヒョウモン。 ダイダイ色のシジミのように見えたのはコヒョウモンモドキであった。なぜかまったく止まらずひたすら地表近くを飛んでいた。近縁のウスイロヒョウモンモドキに較べふた周りは小さい。ひょっとしたら北海道のアカマダラより小さいのではないか。 林道の地面に止まるギンボシヒョウモンを見る。吸水しているわけでもなく、なぜ地面に止まっていたのか理由はわからない。 この林道では他にカラスアゲハ、ウラギンヒョウモン、ナミヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ、スジグロシロ、ヒメアカタテハ、ミドリヒョウモン、ダイミョウセセリ、アサギマダラ、ヒメキマダラセセリ、イチモンジセセリ、コチャバネセセリ、キバネセセリを見る。 人里付近に移動する。民家横の花畑にスジボソヤマキチョウが群れていた。紫色のキク科の花がお気に入りらしく10頭以上はいたかもしれない。同じ花にイチモンジセセリ、スジグロシロ、モンキチョウも来ていた。 民家横の植栽のスモモの樹のまわりを飛ぶオオミスジ♀を見る。 セイタカアワダチソウの花にはミツバチが多く、ワンワンと羽音が響くなか、ここでもスジボソヤマキが吸蜜に忙しい。 雑木林わきの草原にスジグロチャバネセセリが多い。テリを張ったりヒメジオンで吸蜜したりと休む間もなく活動していた。 ススキ草原にジャノメチョウを見る。これまた兵庫県産に較べるとひとまわり小さい。 ホシチャバネセセリのテリ張りを見る。このチョウはいつ見ても小さく本当にハエかアブのようだ。スクランブル発進したあとの2頭を目で追うのはとても難しい。初めて♀を見る。ヒメジオンの花で吸蜜していた♀は思った以上に大きくてコチャバネセセリくらいありそう、動きは緩慢で♂を見たあとではとても同じ種だとは思えない。 アカセセリ♂のテリ張りを見る。すばらしいスピードで飛び廻り飛翔能力の高さにあらためて驚いてしまう。 再び林道にもどる。いたるところでコムラサキが吸水・吸汁していた。関西ではけっしてお目にかかれない光景だ! ここでもエルタテハが多い。 森の中にもスジボソヤマキが多い。 路上で吸水するミヤマカラスアゲハを見る。撮影のため近づいたところ飛び立った。飛び立ったミヤマカラスに反応してスクランブルをかけたのはルリタテハ、追い掛け回し最後には追っ払った。 その他、ミスジチョウ、シータテハ、ヒオドシチョウ、コヒョウモンモドキ、キチョウ、サカハチチョウを見る。〔長野県〕

7月27日(但馬:曇り 播磨:晴れ) 曇りの予報ながら早朝から但馬に向う。 高標高地は気温20℃、分厚い曇り空で時々ガスがかかる。 コキマダラセセリ多い。♂はだいぶ傷んできているが♀は比較的新鮮。オカトラノオやヨツバヒヨドリ、ギボウシの花で吸蜜する。ギボウシでの吸蜜時には花額の中に潜り込むようにして吸っていた。オカトラノオで求愛行動目撃、♀は“その気”がないらしく、翅を小刻みに震わせて交尾を拒否する。♂は諦めきれないようすで数箇所移動しながら付きまとっていたがそのうちに諦め飛び去った。 新鮮なキマダラセセリを見る。播磨地方で見る個体よりひとまわり大きい。 ガスがかかる中、岩の上で翅を広げるヒオドシ♀を見る。翅の縁は数箇所破損していた。 稜線の草地に黒いシジミが止まったと思ったらトラフであった。 ウラギンヒョウモン多い。♂は例外なく破損している。中には明らかに翅の面積が2/3以下になっている個体もいる。咲き始めたヨツバヒヨドリで盛んに吸蜜していた。 本日のお目当てはホシチャバネセセリであったが、残念!見かけず。 高標高地ではこれからジャノメチョウが現われるもよう。今日見かけたのは新鮮な♂ばかりであった。 翅の裏の地色が薄いイチモンジセセリを見る。 ラベンダー畑で多くのアカタテハ、ウラギンヒョウモンが吸蜜するのを見る。〔関宮町〕  ゼフシーズンには多くの種、個体が集まる雑木林の奥のピークでは今日はチョウの姿がない。わずかにダイミョウセセリと活発に飛び廻るモンキアゲハを見るのみ。〔村岡町〕  但馬は正午過ぎに切り上げ、播磨に戻る。途中、ここのところのお気に入りのゴマダラポイントにたち寄る。今日もゴマダラ、サトキマ、ルリタテハが吸汁に来ていた。それにしてもここは薮蚊が多い。虫除けスプレーはまったく効果がない。こんなにあさましく人の血に飢えている薮蚊は他に知らない!〔加西市〕  

7月26日(曇り時々晴れ) 午後からフィールドに出る。本日の主目的はガキにせがまれてのクワガタ採り。 遊歩道が整備されている斜面にアベマキ食堂が20箇所以上あり。ミヤマクワガタ、ノコギリクワガタ、コクワガタ、スジクワガタを捕獲する。残念ながらオオムラをはじめとしてタテハの類はただの1頭も吸汁に来ていなかった。 雑木林の縁にウラギンシジミ、コミスジ、イチモンジチョウを見る。〔夢前町〕  先週、ゴマダラを撮影したクヌギ食堂に移動。今日の客はゴマダラ2頭、ルリタテハ1頭、サトキマダラヒカゲ3頭、オオスズメバチ2頭、ひとまわり小さいスズメバチ1頭、カナブン約30頭、アオカナブン約20頭、キマワリ、キスイ他甲虫類20〜30頭、といったところ。オオスズメバチの食事中に横から割り込んだカナブンは哀れ、かみ殺された。〔加西市〕 

7月21日(曇り時々晴れ、未明と宵の口は夕立) 朝9時から但馬南部の高標高地へ、かねてから一度行ってみたかったハヤシミドリ、ヒロオビミドリ、ウラジロミドリの混生地と言われている高原を訪ねる。針葉樹の樹海のなかに浮かぶ島のような小さな雑木林であった。林の主な構成はナラガシワとアベマキであり、それにカシワとコナラが混じっている。樹冠を飛ぶゼフ♀らしき影を見るが種は判らず。 林床の笹にゴイシシジミを見る。♀ばかりであった。 路上で吸水するクロアゲハを見る。 林の中の広場で吸水していたのはミスジチョウ♀、あわててカメラを取り出したのが悪かったのか、一目散に頭上高く飛び去った。 同じところで新鮮なコミスジ♂を見る。 明るい草原にジャノメチョウ多い。ススキの背が低く、葉の色が黄緑なのでジャノメチョウが点々といるのが遠くからでもよくわかる。 道路わきの路上で吸水するホソバセセリを見る。〔朝来町〕  アイノ、ヒサマツ生息地を目指すが徒歩でのアプローチは2時間以上と長い。湿度が高く今にも降り出しそうな天気では飛ぶチョウは少ない。わずかにミドリヒョウモン♂♀、テングチョウを見る。 路上で吸水していたのはカラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ。ミヤマカラスは大きくてとても新鮮。 空模様がさらにあやしくなったため途中で引き返す。〔生野町〕  今日こそは!とオオムラサキの撮影に行くが今日も姿なし、いる気配もなし、もうやめた! サカハチ夏型を見る。 車道わきで吸水するモンキアゲハが多い。〔上郡町〕

7月20日(曇り時々晴れ) 曇り空ながら湿度は高い。 午後から近場を廻る。 雑木林の縁をナミアゲハが活発に飛ぶ。新鮮で大きな♂が颯爽飛び廻っていた。 湿地に咲く紫色の花(名前判らず)で吸蜜するキアゲハ♀を見る。新鮮。長時間カメラを向けられるに嫌気がさしたのか、湿地に降りてセリに産卵を始めた。一番上の葉の表に丁寧に1卵ずつ産んでいく。 活発に飛ぶ黒いアゲハはナガサキアゲハ♂であった。 木陰に新鮮なサトキマダラヒカゲを見る。ヤナギの樹液染み出しで吸汁していたようだ。 ツバメシジミ♀を見る。♀が数頭集まっていたので近くに食草があるのかもしれない。 各地でウラギンシジミ♂を見る。 コミスジ、アサマイチモンジも多い。〔加古川市〕  花公園にはさぞやたくさんのチョウが群れていると思いきや、ツマグロヒョウモン♂以外はな〜んにもいなかった。入場料の500円はまったく無駄金となる。 エノキがたくさん生えるエリアのクヌギの樹液染み出し箇所にゴマダラチョウの撮影を狙って行ってみると、まさに狙い通り、40〜50頭のカナブン、2頭のオオスズメバチに混じって2頭のゴマダラが吸汁していた。じっくり観察してみるとゴマダラの吸汁の序列は低いようだ。オオスズメバチはもちろんのこと、カナブンにも随分遠慮しながら黄色い口吻を伸ばしていた。しかしながらゴマダラ2頭はお互いが気になるらしく、新鮮な方が盛んに古い方を追っ払っう仕草を見せ、ついに古い方は飛び去った。コントラストがきつく、全体的に暗いのであまり良い写真は撮れず。このポイントは薮蚊がやたら多く、虫除けスプレーの効果はイマイチ、顔面を中心に10数か所刺される。〔加西市〕

7月19日(曇り一時雨) ガキ共は今日から夏休み。 6月後半からこれまでウスイロモドキ対策に追われたきた関係か、どっと疲れが出たらしくあまりフィールドに出る気が起こらない。・・と言っていても仕方がないので、“ワンショット”更新撮影のため近場に行く。 土手の草原にイチモンジセセリ♀、キアゲハ、ナミアゲハ、ベニシジミ、モンキチョウ、キチョウを見る。同じところでジャノメチョウが多い。メスは大型でまだそれほど破損していない。 池の土手に生えるハンノキの幼木にミドリシジミを見る。オスもまだ見られるがメスが圧倒的に多い。 市街地では街路樹のクスノキにアオスジアゲハが多い。〔加古川市〕  夕刻、カブトムシ・クワガタムシ採りを兼ねて、西播磨のオオムラサキの撮影に行くが、雨上がりのためかオオムラは姿を見せず。 道路わきの溝にミヤマカラスアゲハ、モンキアゲハを見る。ミヤマカラスは尾が片方欠けていた。〔上郡町〕

7月13日(雨) 朝から雨の予報だが、ウスイロヒョウモンモドキ生息地で地元主催の村おこしフラワーフェスティバルが開催されると聞きつけ、地元有力者への陳情も兼ねて出かける。現地もやはり本格的な雨、高標高地特有のガスもかかる。気温は15〜16℃くらいだろうか。ずぶぬれになりながらオミナエシの生育、分布調査を行なう。人の気配に驚くと強い雨の中でもウラギンヒョウモン、コキマダラセセリは飛んで逃げる。〔関宮町〕

7月12日(曇り時々小雨) 朝から天気はすぐれないが、播磨奥地の一宮町の尾根筋でウスイロヒョウモンモドキの生息しそうな草原があるとの情報がもたらされたため確認のため出向く。現地は霧が深く、細かい雨が降っていた。問題の草原は、継続的に維持されてきた草原ではなく、育った針葉樹を伐採し、再び針葉樹の苗を植えたあと過渡的に現われた草原のようだ。これではウスイロモドキは棲めない。 林道でフワフワ飛ぶアサギマダラ、新鮮で大きなカラスアゲハ(?)を見る。〔一宮町〕 一宮町をあとにしたあと一路北上、大屋町、関宮町と険しい峠を二つ越えハチ高原に向う。 ここでもガスがかかり、細かい雨が降り続くが気温は案外高く、20℃近くまで上がっているようだ。びしょ濡れになりながらウスイロモドキや食草のオミナエシの調査を行なう。 こんな中でもウラギンヒョウモンは活発に飛び回っていた。アザミの花で吸蜜する個体も多い。 コキマダラセセリ多い。雨が降っているためか飛翔スピードは遅い。盛んにアザミの花で吸蜜していた。〔関宮町〕

7月11日(曇りのち雨) 仕事の関係で岡山県北部に出張する。 雨の中、昼休みにヒメシジミを撮影する。♂♀とも多いが♂はボロが大半。雨の中でも活動は盛んで、オカトラノオの花穂に群がっていた。雨の中♂が翅を開くのも見る。この種は岡山北部には多産するのにわずか数十キロ離れた兵庫県北部には見られない。 ウラギンヒョウモンの交尾を見る。〔岡山県苫田郡〕

7月6日(曇り) 天気予報はあまり芳しくないが、居てもたってもいられず早朝から但馬各地の草原を廻る。 どこでもウラギンヒョウモン多い。♂は探雌行動かアザミの花での吸蜜に忙しい。 1週間前に見かけたギンイチモンジセセリは姿を消す。 ハギの花穂に産卵するような仕草を見せるルリシジミを見る。 草原の中の遊歩道でヒオドシチョウを見る。 ツバメシジミの大型の♀と極小の♂を見る。個体の大きさは何の要因で決まるのか不思議だ。 クロシジミ♂を見る。気温が上がってくると盛んの占有行動を示し、他のオスと激しく戦う。 コナラの幼木にアカシジミ♀を見る。 アザミの花で吸蜜するコキマダラセセリ♂を見る。大型でとても新鮮、但馬のこの種はいつ見てもすばらしく、他のセセリとは“一味違う”とついつい思ってしまう。 同じ場所に咲くオカトラノオで吸蜜していたのはオオチャバネセセリ。 高原のカシワ林に咲くオカトラノオの花で吸蜜していたのはオオウラギンスジヒョウモン♀、翅表先端の白紋は鮮やかであった。 カシワの葉の上で翅を休めるアカタテハを見る。 カシワ林の中でムラサキシジミ♀、ミズイロオナガ♀、アカシジミ♀、ハヤシミドリ♀、キマダラルリツバメ♀を見る。キマルリ♀は新鮮で卵を抱えた腹もパンパン、30分間モデルに徹してくれたあと樹冠に飛び去った。 同種の♂はそれらしき影を見かけるが確認は出来ず。 ウラミスジは今日も見かけず。〔但馬各地〕

7月5日(雨のち曇り) 朝から雨もよう、但馬行きは中止、雨が上がった午後2時過ぎから近場を廻る。 しばらく行かぬ間にヒメヒカゲ生息地の草原は一斉にジャノメチョウの世界に変っていた。ざっと見ても200〜300頭はいる感じか。草原を歩くにつれて足元から湧き上がるように飛び立つ。飛び立ったとたん2頭3頭と追尾飛翔を行なう。卍になったり時には追尾の頭数は6頭にもなる。これだけ多いと壮観だ。メスが舞い上がるとオスは一斉に後を追う。交尾ペアを執拗に追い掛け回すオスをみる。草原に咲くラン科(?)の花で吸蜜する個体もいるが相対的に吸蜜行動には感心が薄いようだ。休むときには間欠開翅を行なうことが多い。 同じところのハンノキ林にミドリシジミ♀を見る。曇り空ながらしばらくすると開翅をはじめた。翅表は基本的にO型だったがかすかにAB型模様が現われていた。 ウラギンスジヒョウモン多い。♀を強制的に飛び立たせ飛翔撮影を行なう。 ヒメヒカゲ♀を1頭のみ確認。 ナミアゲハが活発に飛び回る。 ツバメシジミ♂の夏型(わい小個体)が多い。春一番に現われる個体はあんなにりっぱなのに夏に現われるのはなんでこう貧弱なのか?!〔加古川市〕

6月29日(曇りのち晴れ) 待ちに待った快晴を確信し早朝から但馬へ出向くも午前中はどんよりした曇り空。 正午過ぎまで但馬各地の草原を廻る。 各地でウラギンヒョウモン多い。そんな中、メスの大型個体を目撃、もしかしたら“オオ・・”か?との期待をこめて追うが、残念ハート模様はなかった。 数は多くないが各地でギンイチを見る。 お目当てのホシチャは確認できず。 午後2時からゼフ撮影に切り替える。小ピークにアカシジミ多い。 コナラ、ミズナラのたたき出しでメスアカミドリ♀、オオミドリ♂を確認する。 エゾミドリ♂の占有行動を見る。とても新鮮。 頭上をさっそうと滑空するのはオオムラサキ♂、テリトリーを張っているようだ。そのうちもう1頭現われ激しく追尾飛翔を繰り返す。速く、高いため撮影は出来ず。 アザミで吸蜜するキアゲハを見る。 高原のカシワ林にハヤシミドリを見る。出始めらしく新鮮、オス・メスともすでに現われている。 ウラミスジは確認出来ず。〔但馬各地〕 

6月27日(晴れのち雨) 久しぶりに西播磨へ。 キタテハの夏型を2頭見る。うち1頭の翅は大破していた。 ヒメジョオンにベニシジミ多い。 ナラガシワの枝を叩くと飛び出したのは、ムラサキシジミ、ウラギンシジミ、ヒロオビミドリ、ウラナミアカ、ウスイロオナガであった。ウラナミアカとウスイロオナガは数が多い。 ウラナミアカの交尾ペアを見る。オス・メスともボロ個体、この時期にこの破損個体で交尾とは思いもよらなかった。もしかしたらこの種は複数回の交尾をするのだろうか? 地上8mのナラガシワの葉の上で休むのはヒロオビ♂、試しに捕らえたところ翅はスレにスレていて金黄緑色の鱗粉は半分くらいしか残っていなかった。 枝を叩くと落ちてきたのはノコギリクワガタの大型個体、しかも2頭。 栗林の林床周辺ではクロヒカゲ、ナミヒカゲ、サトキマダラヒカゲが活発に活動する。その中にキマダラモドキもポツポツ混じっていた。 クリの花で吸蜜するミドリヒョウモン♂を見る。地上近くで交尾していたミドリヒョウモンのペアは私の接近に驚き繋がったまま猛スピードで飛び去った。 クリの葉の上で休むメスグロヒョウモン♀を見る。〔上月町〕  昨夏見つけておいたクヌギの樹液染み出し箇所にオオムラサキが来ていないかと訪ねるがまだ早いようだ。樹液もまださほど出ていないため集まっている虫の数も少ない。わずかにヨツボシキスイ、スジクワガタ、ムカデ、それに加え多数の陸棲巻貝(名前は知らない)が集まっていた。〔上郡町〕  昼過ぎからアッという間に雨が降り出す。大急ぎでミドリシジミの撮影に向う。当然のことながら雨の中を飛ぶ個体はいない。ハンノキの低木で翅を休めるメスをやっとのことで探し当てる。 雨が小降りになったところ、トラフ♂夏型が活発に占有行動を始める。すばらしいスピードで追いかけあったり、時には卍を繰り返す。特に卍はゼフのそれとは明らかに違う。2頭がシンクロしながら同じ軌道を螺旋を描くように飛ぶ。卍になる時間は長くても数秒間であった。 ジャノメチョウ♂初見、これが現れるともう夏が近い。 ヒメヒカゲはメスのボロばかりで見かける数もすくない。 ウラギンスジヒョウモン♂♀とも多い。〔加古川市〕  

6月26日(曇り、午前中はにわか雨、午後は時々晴れ) あさ7時からゼフフィールドへ。昨晩の豪雨の余韻で午前9時でもまったく乾いていない。しかも気温が上がらない。こんな状況ではチョウは飛ばない。例外はクロヒカゲのみ。 ブナ、ミズナラ、コナラのたたき出しで飛び出してきたのは、アイノ♀、ジョウザン♀、フジ♀であった。アイノ♀は計4頭確認。フジ♀は撮影成功。 9時過ぎ一瞬、陽が差すと一斉にアイノ♂が現れ、テリを張りはじめる。すぐに曇りに戻ったため、テリを張っていたのはわずか10分、モタモタしているうちにシャッターチャンスを逃した。 午前10時半、ジョウザンミドリ♂の卍飛翔を見る。卍を発見してから樹冠に消えるまで15分以上続いた。卍は石臼状の上下卍で、個体間の距離は20〜30cmといったところか。卍は地上10mから地表近くまで何度も上下方向に移動した。撮影後の画像を見て尾状突起が長いためジョウザンとしたが、他のフォボニウスの可能性も否定できない。特に卍飛翔の時間の長さ、上下方向への移動から考えるにエゾかもしれない。 下草の葉の上でテリを張る新鮮なジョウザンミドリを見る。気温も低く、湿度も高いため、そうは簡単に逃げないだろうと、タカを括って余裕も持ちすぎて撮影を始めたところ、もののみごと、アッというまに飛び去り二度と戻ってこなかった。 午後1時、テリを張るメスアカミドリ(?)をみるがスクランブル発進する相手がなく、翅も閉じたままの待機態勢であった。〔日高町〕  ヒサマツ撮影のためプライベートポイント探索に尾根筋を訪ねるがヒサマツの姿なし、帰路の疲労感は増すばかりであった。〔竹野町〕

6月25日(晴れ時々曇り) ウスイロヒョウモンモドキ保護対策打ち合わせのため但馬に向う。 役所の動きは鈍く、まさに“お役所仕事”、対応に落胆することが多い。 現状確認のため生息地を訪ねる。アザミで吸蜜するウラギンヒョウモン♂を見る。アザミ一株で最多4頭。 ムラサキシジミ♀を見る。 コナラの低木に産卵するアカシジミ♀を見る。産卵後、卵のカムフラージュのため産みつけた卵の近くの葉の付け根表面の綿状の毛を腹部をヘラのように使ってすくい取り、実に巧みに卵の表面にこすりつけていた。1卵当り、場所選定ののち産卵からカムフラージュ終了までに要する時間は5分以上。同時刻に多数のアカシジミが同じように産卵していたもよう。 高原の草原にギンイチモンジセセリを見る。新鮮からボロまで入り混じっている。新鮮な個体ほど一度飛び立つと止まらない。〔但馬各地〕*打ち合わせが長引いたため但馬泊になる。

6月23日(曇り) 今週は連続休暇を取り、時間の許す限り但馬での撮影に費やすつもりである。 前夜の天気予報を信じ、ゆっくり朝6時に起きたところ外は晴れ、すぐさま但馬に向う。 朝9時半ようやくゼフのテリ張りに出遭う。頭上高いため捕らえたところ新鮮はアイノミドリ♂であった。続き一日の活動時間末期のジョウザンミドリのテリ張りを見る。5cmでの近距離で半開翅を撮影する。幸運にもピカピカの完品であった。 林道に止まるテング、ヒオドシ、ミドリヒョウモン、ルリタテハを見る。 例によってフワフワ飛ぶアサギマダラ、猛スピードで飛ぶアカタテハ、ゼフに間違えそうな活発なルリシジミ、アサマイチモンジを見る。ルリシジミ♀が盛んにイタドリの未開花の花穂に産卵行動を繰り返していたが卵本体は確認できなかった。 林道沿いに咲く白いバラ科の花で吸蜜するダイミョウセセリを見る。この花が余程気に入ったのか指で触れても無警戒であった。 薄暗い林道箇所ではヒメキマダラヒカゲ、ナミヒカゲが多い。 ゼフ並に活発にテリを張るクロヒカゲを見る。 今日もヒサマツはチラホラとしか姿を現さない。採集者が少ないこんな日こそもっと出てきてほしいと願うがこればかりはどうしようもない。2時間粘るが風も強く気温も上がらず日も差さないためこれ以上待っても無理と判断し下山する。 帰り道、ミズナラ喰いのウスイロオナガを2回、ミズイロオナガを3回、アカシジミを2回目撃する。ウスイロの1頭は羽化不全、かわいそうにも飛べずに林道を跳ねていた。ミズイロはすべて新鮮。 よたよた飛ぶ羽化したばかりと思われるウラギンヒョウモン♀を見る。 キマルリ撮影ポイントでは今日も1頭だけテリを張っていた。大破個体、でもブルーは大きかった。とりあえず開翅シーンの撮影に成功する。〔日高町〕

6月22日(曇り) 前夜は但馬泊だったため、今朝は余裕をもって6時半から各地を廻る。 ハルニレの枝を叩くとカラスシジミの新鮮な♂が落ちてきた。数カット撮影後飛び去り再び樹冠にもどっていった。昨年に続きカラスは少ないようだ。 一昨年、ジョウザン、アイノと地表近くの低い位置でテリを張っていたポイントでは、今日はただの1頭もいない。そういえば昨年も1頭もいなかった。 別のポイントへ移動、ようやくジョウザンのテリ張りに出遭う。標高は700Mを越えるためすぐにガスがかかる。ガスがかかると一斉に活動を止める。活動するエリアが遠いため鮮度は判らず。 高原の畑の土手にエゾミドリ♀を見る。羽化したばかりなのか新鮮、不活発でヨタヨタとしか飛ばない。〔村岡町〕  高原の草原を飛ぶギンイチモンジセセリを見るがすぐに見失った。 ウラギンヒョウモン♂が草原低く、地表をなめるように飛ぶ。探雌行動かと思われる。〔関宮町〕  新鮮なウラギンスジヒョウモン♀がオカトラオで吸蜜するのを見る。〔加西市〕

6月21日(晴れのち曇り) 但馬にゼフシーズン到来、ということで前夜の飲み会の誘いも断わり体調を整える。朝3時起床、ここ数ヶ月人の入った形跡のない但馬奥地の沢に6時半到着。 濡れた葉の上に露にうたれたのか動かないウスイロオナガシジミを見る。尾状突起が根元からない個体であった。 ルリシジミ活発に活動する。 ミズイロオナガシジミを見る。 標高500Mの尾根筋の小ピークにオオミドリ♂の占有行動を見る。10頭以上が入り乱れるオオミのテリ張りに初めて出遭う。 卍は短く、追尾は横方向に長く、薄暗い針葉樹の下の空間を敏捷に飛翔する姿に驚く。2〜3M以内に進入した同種の♂、周囲に多いヒメキマダラヒカゲやガに反応して盛んにスクランブルをかける。前翅の先端はほとんどの個体がスリ切れていた。足場が悪い中、一時間半かけてじっくり観察する。 沢沿いのシロツメグサで吸蜜するサカハチを見る。なんと春型個体であった。 林道の水溜りでカラスアゲハ♂スレの吸水を見る。とても小さな個体、もしかしたらこれも春型かもしれない。 沢沿いにセセリ多い。オオチャバネセセリ、ヒメキマダラセセリ、ヘリグロチャバネセセリを見る。 大型のヒョウモンを目撃するが種の同定は出来ず。 ヒオドシ、テングの羽化後間もない個体が多い。テングは水溜りい群れている。ヒオドシは敏感で近寄れない。 ウツボグサで吸蜜するスジグロシロが多い。この時期の個体は大型。 羽化後まもないスジボソヤマキ♂を見る。撮影失敗。〔竹野町〕  正午すぎから三川山のヒサマツポイントへ。 樹冠を飛ぶフジ♂の素早い飛翔を見る。 午後1時過ぎ、時折薄日が差すなか、ヒサマツ♂がちらほら現れるが飛ぶ位置は高く、大半が20M以上。採集者は多くても、皆樹冠を見上げるばかり。 当地での聞き取りでは、早朝、ジョウザンミドリ、アイノミドリとも多かったもよう。特にアイノのテリ張りは圧巻、フジ♂はボロばかり、フジ♀、アイノ♀採集、とのことであった。 今日のこの調子では今年も“ヒサマツ大当たり年”とは程遠いもよう。 アカシジミ、ウラクロシジミを見る。 夕刻、キラダラルリツバメを見るが時間が遅く開翅シーンは見られず。〔日高町〕*本日は但馬泊とし、明日に備える。

6月15日(曇り) 昨日に続き今日もどんよりした曇り空、今日は西播磨に向う。 昨日の雨も乾ききっておらず湿度が高いなか、飛び回っているのはクロヒカゲとナミヒカゲ、特にクロヒカゲはテリを張っていた。 キマダラセセリ多い。 ナラガシワの枝を叩くとヒロオビミドリ♀、ウラジロミドリ♀、ウスイロオナガ、ミズイロオナガ、ウラナミアカが飛び出す。ひと叩きで2〜3頭が飛び出し、あるものはそのまま飛び去り、あるものは下に落ちてくる。 運良くヒロオビは畑の崖のフジの葉に止まりしばらくすると陽も差さないのに翅を広げた。翅の表も裏もとても新鮮。 ウラジロ♀はササ原に落ちたところを1カット撮影、その後飛び去った。 ウスイロオナガは撮影失敗。 羽化後それほど時間がたっていないと思われる新鮮でしかも超大型のヒオドシチョウを見る。 ヒロオビ、ウラジロとも♂は見かけず、活動する時間ではないので当然ではあるが。 ナラガシワ林に隣接する栗林にキマダラモドキを見る。新鮮。樹の幹に止まることが多い種であるが、今日の個体は地表や下草に止まってばかりであった。〔上月町〕  高原のササ原にゴイシシジミを見る。餌のアブラムシが密集する葉の裏に母蝶が止まっていた。同じ葉の表には別の♀が止まり不思議なシーンであったが、撮影は失敗。 ギンリョウソウ、フタリシズカの花を見る。〔岡山県東粟倉村〕  雲が厚くなり今にも泣き出しそうな空の下、キマダラルリツバメの撮影に向う。期せずして友人M氏、M氏の先輩S氏に現地で合流する。午後2時過ぎ、依然として雲は厚いが♂が占有行動を始める。尾状突起4本完備のとても新鮮な個体。下草に止まるや否や簡単に翅を開いてくれた。ネットを持たない我ら3人は撮影に集中する。モニターに映し出されるすばらしいルリ色に感激しながら息を詰めて慎重に枚数を重ねていく。かの地の♂の翅表のルリ色は但馬産のそれに比べるととても大きいようだ。近寄り過ぎて飛び立っても飛び去ることはなく、すぐそばに移動するだけでまた翅を広げる。近くにはこの1頭しかいないらしく他の♂の接近に反応してスクランブル発進することはない。晴れの日に比べて飛翔のスピードは遅いようだが、こんな曇りでもちゃんとテリを張るとは驚きだ。〔播磨地方某所〕*申し訳ありませんがこの撮影地への問い合わせには一切お答えできません。 キマルリ撮影は約1時間で切り上げ、撮影地を移動する。ヒメヒカゲ♂♀ともボロばかり。ウラナミジャノメはまれに新鮮な個体も混じるが大半はスレ・ボロ、ただし今が一番数が多いと思われる。 ウラギンスジヒョウモン多い。これが現れるとヒメヒカゲはもう終盤である。 ミドリシジミ♂が活発にテリを張る。陽が差さないためか翅は開かない。♀もすでに現れている。飛翔中の♀(B型?)のムラサキ色を確認する。本来ならじっくりと観察、撮影すべきところではあるが今日は疲労が激しいため、早々に切り上げる。〔加古川市〕

6月14日(曇りのち雨) この時期の雨はつらい、くやしい、残念! 今にも雨が落ちてきそう空の下、早朝から但馬に向って車を走らせる。朝9時からチラチラとアカシジミが飛ぶ、でも活発に飛び回るという感じではない。 草原のアザミの花に吸蜜に来たのは、ウラギンヒョウモン♂、カラスアゲハ♀、ぼろのキアゲハ♀であった。 ウツボグサの群落で吸蜜するスジグロシロチョウを見る。 林縁にコジャノメ、ヒメウラナミジャノメ、ヤマキマダラヒカゲ、クロヒカゲ、ダイミョウセセリを見る。いつもならこの時期に多いヒメキマダラヒカゲは今日は見かけず、まだ早いのであろうか? 視界をすばやく横切リ飛び去ったのは新鮮なアカタテハ。 薄暗い林道をフワフワ飛ぶアサギマダラを見る。 クロバナエンジュの花穂に産卵するルリシジミを見る。 11時過ぎようやくブナの樹冠にフジミドリが現れる。陽も差さず風もあり活発に活動する状況ではないためか、見かけたのは数頭のみ。下草に止まっていないか何度も丁寧に広範囲に探したが見つからなかった。同好者からの情報ではこの地のフジ♂は8日が出始めだったらしいが13日では大半がスレ・ボロとのことである。 ウラクロシジミ♂の飛翔を見る。この種の食樹であるマンサクが全国的に原因不明の立ち枯れをおこしていると耳にしているが、ここでは樹そのものが立ち枯れているものはない。しかしながら部分的に葉が枯れている樹は見られる。 その他、モンキチョウ、イチモンジチョウ、ゴマダラチョウ(?)、テングチョウを見る。〔城崎町〕

6月8日(晴れ) 一年で一番忙しい6月、一週間前と同じコースを廻る。 クロヒカゲ、ナミヒカゲは早朝から活発に活動する。 ナラガシワ林の近くの畑の土手にゼフ♂が朝日を浴びて翅を開いていたが、気が付くのが遅れ踏みつけそうになる。驚いたゼフは彼方に飛び去った。たぶんオオミドリかと思うが確認・撮影できず残念! ナラガシワの樹をたたくと飛び出すのはアカシジミ、ウラナミアカシジミ、ウスイロオナガシジミの3種。特にウラナミアカとウスイロオナガは多い。ナラガシワの高いところに白っぽいゼフ♂を見るがウラジロミドリかヒロオビミドリか判らず。過去の経験から想像するにたぶんヒロオビであろう。 例年ならこの時期に多いミズイロオナガには今日は出遭わなかった。 ウツギの花で吸蜜するメスグロヒョウモン♂を見る。 朝露に濡れる栗林の下草にキマダラセセリを見る。 ナラガシワの樹幹を舞うコムラサキを見る。 目の前を通り過ぎたタテハはキタテハか? テング多い。 キアゲハの第2化個体を見る。〔上月町〕  観察場所を移動する。ナラガシワ林の林辺にヒメキマダラセセリ多い。 樹の下の薄暗い空間にクロヒカゲ、ナミヒカゲ、コジャノメ、ヒメジャノメ、サトキマダラヒカゲを見る。 薄暗い栗林にオオチャバネセセリ♂の占有行動を見る。テリトリーに同種のオスが侵入するやいなや飛び立ち、はるか上空約50Mの高さまで螺旋状にもつれながら舞い上がる。解けると一気に落ちてくる。普通種ながらこういった生態を観察するととてもうれしい気持ちになる。 ムラサキシジミの小さな個体を見る。 メスグロヒョウモン♂を見るがここでの吸蜜花はアザミであった。 モンキアゲハの飛翔を見る。 畑にはモンシロ、モンキ、ヤマト多い。 クモの巣にかかり哀れ食い尽くされたゴマダラチョウ♀を見る。翅はスレていたが破損はなし、頭や触角まで残っていた。 各地でルリシジミ多い。〔南光町〕  東播磨に戻る。雑木林の中でベニシジミ、ダイミョウセセリ、コミスジを見る。先週あれほどたくさんいたウラゴマダラはもういない。 セイヨウカラシナの花で吸蜜するスジグロシロチョウ♀を見る。加古川市内でこの種を見るのはたぶん初めてではないだろうか。 ウラギンシジミ♂を2頭見る。林道を低くチラチラ飛び、下草にとまってはときどき翅を開く。 キチョウ、アサマイチモンジを見る。 市街地をナミアゲハが飛ぶ。〔加古川市〕  さらに観察場所を移動する。狙い通りウラキンシジミ♂を見る。ただし昨年と比べると数は少ないようだ。 オナガアゲハ♀のボロを見る。 ギフチョウ生息地の林床でギフ終齢幼虫を見る。落ち葉の上で頭部を振っていた。たぶん蛹化の準備行動かと思われる。ジャコウアゲハ♂らしき個体を見るが種の同定はできず。〔西脇市〕  本日の最終観察地に移動、草原にウラナミジャノメを見る。まだ新鮮。この生息地ではヒメウラナミジャノメと混生しているようだ。 ヒメヒカゲ♂これまた新鮮、ただし見かける数は少ない。 新鮮なホシミスジやアザミの花で吸蜜するイチモンジセセリ、クロアゲハを見る。〔加西市〕   

6月7日(曇りのち晴れ夕方雨) 天気予報はイマイチなれど、この時期になると西に行きたくなる。ベニモンカラスに逢うべく朝5時起床、一路西に向う。 出発したときはどんよりした曇り空が西に行くにつれだんだん晴れていく。 朝9時、林道わきでゼフ♂を見る。カメラを準備中に見失う。たぶんオオミドリであろう。 テングチョウ多い。車のフロントガラスにバンバンぶつかってくる。 ホシミスジ多い。♀の大型個体が樹幹や渓谷を優雅に滑空する。♂も多い。 ヒョウモンが飛ぶが遠方なので種の同定は出来ず。 さてお目当てのベニモンカラス、10時からカメラをスタンバイするが一向に現れず。12時半になって、ようやくアベマキの葉にとまる♂を発見。距離2m。残念ながらスレ個体、後翅裏の赤紋も色あせくすんだオレンジ色になっていた。それでも必死で撮影しているその目の前50cmに突然別の個体が飛来・静止した。すぐさま撮影対象を切り替え、カメラ操作も慎重に約10カット撮影する。目の前の個体が突然飛び立つと、2m前の静止中個体も飛び立ち2コ舞状態になるが、一瞬で解け、1頭は何処かへ飛び去った。残った1頭はしつこく葉に留まっていたが、そのうち点々と静止場所を変えていった。静止中は後翅をじりじりこすり合わせる動作や、陽の光に合わせて体を倒す動作を繰り返した。本日じっくり観察してみて感じたことは、この種の活動するエリアは三方を樹に囲まれた明るい空間で、風も弱く、やや日陰になるような状態を好むようである。〔中国地方某所〕 帰途、岡山県内を走行中、猛烈な雷雨に遭う。

6月1日(曇りのち晴れ) 台風一過、昨日フィールドへ出られなかったうっぷんを晴らすべく朝6時からフィールドへ。 小雨の中、ナラガシワ系ゼフが出ていないかと枝を叩くが何も飛び出さない。 ヒカゲチョウ新鮮。 ボロのコチャバネセセリを見る。〔上月町〕  強風にあおられ大きく動くナラガシワの葉にアカシジミを見る。アカシジミは今シーズン初見だがこの個体はすでにスレていた。 ヒカゲチョウ、クロヒカゲとも新鮮しかも数が多い。 胸部を赤い小さなダニに食いつかれているコジャノメを見る。 羽化したばかりと思われるテングチョウを見る。 薄暗い雑木林の林床にコジャノメを見る。 サトかヤマか判らないがキマダラヒカゲが樹液染み出しの周囲を飛び廻る。 活発に飛ぶヒメキマダラセセリ♂を見る。 イチモンジセセリ初見。〔南光町〕  めぼしいものがいない西播磨の撮影は早々に切り上げ東播磨に戻る。先週に続きウラキンを探すが今日も見つからず。 クロアゲハ♂、モンキアゲハの飛翔を見る。〔西脇市〕  ウラゴマダラシジミ♂はスレ個体ばかりだが、♀はいくぶんマシか。日中から飛ぶ個体、イボタの花で吸蜜する個体を確認する。イボタの開花はほぼ終了。 ここでも新鮮なテングが多い。 第2化ルリシジミ♂の開翅を撮影する。 アサマイチモンジ、コミスジ多い。〔加西市〕  さらに観察場所を移動する。ようやく雲が切れ日差しが強くなってもウラゴマダラは活発に飛ぶ。時にはルリシジミともつれて飛び廻る。♀の半開翅を撮影する。斜め上から翅表のブルーが鮮やかに見えた。 メスグロヒョウモン♂初見。 砂防ダムの周囲に生える高い樹のまわりを飛ぶイシガケチョウを見る。近づくコミスジに反応しスクランブルをかけるところをみるとテリを張っていたようだ。 アサマイチモンジ、ダイミョウセセリ、モンキアゲハを見る。 ヒメヒカゲ生息地に移動する。ヒメヒカゲ数を増している。強風の草原を飛ぶ個体は少ないが、ブッシュの中では活発に活動していた。♀はポツポツ程度で♂に比べるとまだ少ない。 ウラナミジャノメ初見、すべて新鮮。5〜6頭見かける。 ナミアゲハ第2化♂の飛翔を見る。 チャバネセセリ初見。〔加古川市〕

5月25日(曇り) 朝から厚い雲の下、東寄りの風が強い。 ウラゴマダラの撮影のため昨日と同じポイントに行く。昨日あれだけ飛び廻っていたのに、時間が違うのか、気温が低いためか、今日はまったく飛んでいない。それならば下草に止まっているのかと思いきや、これまたただの1頭もいない。イボタの樹にもまったくいない。下草深く潜り込んでいるのか、高い樹の上にいるのかどちらかなのだろう。意外だった。薄暗いところに生えるイボタの下枝に羽化したばかりの個体を見る。羽化して数分しか経っていないようで、自分が出てきた蛹の殻に掴まりながら翅を伸ばしている最中であった。しばらく観察していると、初めは透明の体液をたらし、数分後には黄銅色の体液を数滴放出した。30分後再び見に戻ったところ、葉の上に移動し、しっかりと止まっていた。 出遭い頭にエノキの下枝に止まるゴマダラチョウの新鮮な♂を見るが、カメラを出す間もなく樹冠に飛び去った。〔加西市〕  ウラキンシジミはまだ現れていないもよう〔西脇市〕  昨日に続きヒメヒカゲの撮影に赴く。昨日は2頭だけだったのに今日は一気に数を増している。10頭以上はいるようだ。オス本来の褐色の美しい翅裏の個体が多い。メスも1頭確認。今日は風が強く撮影には向いていない。飛翔撮影のため40〜50回シャッターを押したがもあまりにもスカばかりで嫌気がさしヤメた。他のヒメヒカゲ生息地を廻るがここ以外はまだ出ていない。そう言えば毎年このポイントだけ飛びぬけて早く現れるのであった。〔加古川市〕

5月24日(薄曇り時々晴れ) 播磨地方中央部高標高地の渓谷でミヤマセセリ♀を見る。低地に比べ約1ヶ月遅れ。 渓谷沿いを黒いアゲハが飛ぶが種名を確認できたのはカラスアゲハ♂、クロアゲハ♂。ウツギの花が満開なのに今日は吸蜜シーンには出遭わず。 棚田の最上部にウスバシロが舞う。はばたきは緩く吹き上がってくる風に滑空することが多い。時期的なものか、地形によるものか、天候によるものか判らないが、ここのウスバシロは本当に緩やかに飛ぶ。〔大河内町〕  丘の上のイボタの林にウラゴマダラシジミ多い。出始めらしくすべて♂、すべて新鮮。この種は夕刻から飛び廻るものと思っていたが、うす曇りという今日の天気のためか、昼過ぎから活発に飛んでいた。蝶道をなぞる飛び方であった。オスどうしが出合ってもけっして卍にはならない。飛び方は速くジグザグなので飛翔撮影は無理である。薮蚊の猛攻に耐えながらやっと見つけた新鮮な静止個体♂を数カット撮影する。明日もう一度出直すつもりで今日は早々に引き揚げる。 イボタの花の上をイチモンジチョウ、アオスジアゲハが飛ぶ。 ゴマダラチョウ初見、エノキの樹冠を活発に飛び廻っていた。この時期、コナラやクヌギ、アベマキの樹液はまだ出ていないが何を吸って栄養を補給しているのだろうか?〔加西市〕  ヒメヒカゲ初見、昨年に比べると約1週間遅い。まだ出始めらしく、今日確認したのはたったの2頭のみ、当然のことながら♂。残念ながら今日の個体はいずれも翅裏の地色が薄く、あまり写真映りがよくないようだ。 公園に新鮮なコミスジ♂を見る。 ヒメヒカゲ生息地でクモキリソウ?を見る。〔加古川市〕  各地でハコネウツギの花を見る。

5月18日(晴れ) 地元自治体主催のチョウ観察会に半分講師の立場で参加、郊外の里山を2時間半かけて歩く。 本日の確認種はナミアゲハ、キアゲハ、アオスジアゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲハ、キチョウ、ベニシジミ、ツバメシジミ、ヤマトシジミ、コツバメ(*まだいた!)、ルリシジミ、コミスジ、アサマイチモンジ(たぶん)、ツマグロヒョウモン、ヒメウラナミジャノメ、コチャバネセセリ、幼虫ではアカタテハ、ヒメアカタテハであった。〔加古川市〕

5月17日(晴れ) 朝9時から近場を廻る。 ハンノキの葉をギョウザ状に綴った巣の中にミドリシジミの終齢幼虫を見る。空の巣はたくさんあったのでもう蛹化したのかもしれない。 ヒメヒカゲはまだ現れていない。ヒメウラナミジャノメ多いが破損個体ばかりとなっている。 カナメモチの花で吸蜜するツマグロヒョウモン♂を見る。湿地ではコモウセンゴケのつぼみ、イシモチソウの花を見る。スイカズラ満開。 アゲハ観察の丘に移動する。頂上ではナミアゲハ5〜6頭、クロアゲハ2頭、モンキアゲハ1頭が代わる代わる現れる。同種でも異種でも出合うと瞬間的に追尾飛翔を繰り返す。 モンキアゲハやクロアゲハの飛翔は速くカメラを構える間すら与えてくれない。 ツマグロヒョウモン♂2頭は下草にとまり明らかにテリトリーを張っていた。ツマグロヒョウモンはホバリングでテリを張るクマバチにも反応して飛び立つ。 コチャバネセセリの吸汁行動を見る。ササの葉についた鳥のフンの上に止まったかと思うと自らの腹部を折り曲げあたかも産卵するような姿勢で腹部の先端から体液(水分?おしっこ??)を出し、同時に口吻(ストロー)を伸ばし自分が出した水分を吸い取っていく。これを数分、約10回繰り返した。これら一連の行動から想像するに、固まった鳥のフンの栄養分を吸い取るために、体内に貯めている水分を出し、フンを溶かしているのではないと思われる。  さらに撮影場所を移動する。農業用ため池の土手のミヤコグサにモンキチョウ多い。吸蜜、産卵と忙しそうだ。 今日はシルビアは見かけず。 薄暗い林の中の小道に新鮮なクロアゲハ♀を見る。♂は雑木林の縁の水場で吸水していた。 林の奥の砂防ダムに生えるセイヨウカラシナ(クレソン)の白い花で吸蜜していたのはかろうじてテングと判る超ボロと新鮮なダイミョウセセリであった。 シラン(紫蘭)、シライトソウ、ホナガタツナミソウ?、イボタの花を見る。〔加古川市〕

5月10日(晴れ夕方から曇り) 2日前の天気予報では土・日とも好天だったはずなのに、今朝の最新予報では好天は今日の午前中のみとのこと、急いで家を出る。先週に続きウスバシロ、ジャコウの撮影に向う。 10時前20℃近くになり、ようやくウスバシロが飛び始める。でも思ったほど数は多くない。山裾の水田や休耕田を緩やかに飛び廻る。中には“ウスバクロ”と呼びたくなるような黒化型個体も混じる。タンポポやムラサキサギゴケの花で吸蜜するが吸蜜時間は短い。 同じところでツマキチョウ、ベニシジミを見る。ツマキはまだ数が多い。ベニは新鮮な♂であった。〔千種町〕  ウスバシロ撮影に2時間ほど費やしたあとジャコウの撮影に切り替える。東向きの日当たりの良い斜面に今日もジャコウが多い。常に4、5頭飛んでいる。♂はほとんどがボロだが♀は新鮮。♀は食草のウマノスズクサの周りを緩やかに飛ぶ。♀の飛翔撮影を時間をかけて試みるもストロボの発光を嫌うようで連写が思うようにいかなかった。 ウマノスズクサには卵が多い。フワフワ飛ぶ♀に♂がまとわりつき、♀に“その気”がないと♀は素早く逃げる。この生息地での吸蜜花はレンゲ、アザミ、ネギであった。ジャコウが飛んでいた斜面にウスバシロ、ナミアゲハ、カラスアゲハ、モンシロ、モンキ、ツマキ、ツバメシジミ、ベニシジミを見る。 谷川沿いの道にカラスアゲハ♂の飛翔を見る。〔佐用町〕  クロヒカゲ初見、ナラガシワの樹液染み出し箇所に2頭、樹の汁を吸っていた。 ヒマキマダラセセリ初見、羽化したばかりかいつもの素早さはなく、よろよろ飛んでいた。 サトキマダラヒカゲ、ヒメウラナミジャノメ多い。 ミカン類の樹の上を飛ぶナミアゲハ♀を見る。 ここでもジャコウアゲハ♀を見る。〔南光町〕  新たにシルビアシジミの好発生地を発見した。時期的に第1化の終盤であるためかボロが多い。同じところでモンキ、ベニ多い。 ウラゴマダラシジミの終齢幼虫を見る。常にアリがまとわりついていた。幼虫を見つけたのは数ヶ月前に4卵確認した枝、結局終齢まで生き延びたのは4分の一ということかもしれない。 コミスジ♂、♀ともに見る。♀は大型でミスジチョウの♂並の大きさだった。 コチャバネセセリを見る。 モチツツジの花で吸蜜するカラスアゲハ♀を見る。残念ながら羽化不全個体であった。 庭先の植栽の花にモンキアゲハの吸蜜を見る。〔加古川市〕  高速道路を走行中、ホウノキの開花を見る。〔山崎町〕  各地でハリエンジュの花を見る。〔播磨地方各地〕   

5月5日(晴れ) 今日も良い天気、早朝より西播磨各地を廻る。 渓谷沿いの湿地にミヤマカラスアゲハ♂の吸水を見る。遠目には黒っぽかったが、近寄ってみると裏の白線も鮮やか、新鮮な♂であった。まだ出始めらしく本日目撃はこの1頭のみ。 ミツバウツギの花で吸蜜するサカハチを見る。 ボロのコツバメを見る。 アサギマダラ初見、渓谷沿いの道を飛んでいた。 ウスバシロ初見、出始めらしく1頭のみ目撃。 多いのはツマキチョウ、止まることなく飛び廻っていた。〔波賀町〕  ウスバシロ撮影目的で場所を移動する。ここでは4,5頭が飛んでいた。来週にはこの10倍以上の数が飛び廻っていることであろう。数が少ないと当然、シャッターチャンスもわずかしかない。 ツマキ♀の飛翔を根気よく撮影する。〔千種町〕  国道沿いの集落の土手にジャコウアゲハ多い、すべて♂。 食草のウマノスズクサがあるらしく、♂は探雌飛翔を繰り返していた。 カラスアゲハ(?)が飛ぶのを見る。ジャコウアゲハとの混生地では擬態しているためか黒っぽくなり、一般的にはきたなくなると言われているが・・〔佐用町〕  山水の染み出しにコチャバネセセリの吸水を見る。地面近くを素早く飛ぶ姿はハエのようだ。サトキマダラヒカゲ(?)初見。〔上月町〕  コジャノメ初見。ヒメウラナミジャノメ多い。〔上郡町〕  クロツバメシジミを見る。ボロの♂もいたのでかなり前から出現していたもよう。交尾ペアを見る。他の♂がしつこいくらい何度もちょっかいをかけていく。これにウンザリしたのか、繋がったまま茂みに身を隠すように飛んで位置を変えた。飛び廻る数頭はすべて♂らしく、地表を根気よく雌を探しているようだ。〔某所〕

5月4日(晴れ) 蝶の撮影とは別の目的で早朝から但馬へ、とは言うものの時間の合間を見計らってやっぱり撮影する。 ミズナラの雑木林の中にポッカリ空いた陽だまりにスミレの群落発見、もしやギフがいるのでは?と思って近づいたところ案の定吸蜜していた。尾状突起はかろうじて2本とも残っていたが♂とも♀ともよく判らないくらいスレていた。山の頂上でもギフがテリを張っていた。 同じ頂上でカラスアゲハ(?)が速く、高く飛びまわっていた。 高原の畑ではモンシロ、スジグロシロ、モンキ、ツマキが我が世の春を謳歌するよう群れていた。 ウスバシロはまだ姿を見せず。 越冬明けのキタテハ、ツマグロキチョウの飛翔を見る。 駐車場わきの植栽のサツキのつぼみに止まるコツバメを見る。撮影中に何度か飛び立ったがこのサツキのつぼみに余程ご執心なのか、必ず戻ってきた。 その他、ツバメシジミ、ルリシジミ、ミヤマセセリを見る。 今日新たに確認した花は、イチリンソウ、ムラサキケマン、フデリンドウ、アオキ、オオヘラバコ、ハルジオン、タチイヌノフグリ、キランソウである。〔村岡町〕

5月3日(晴れ) 夜露が乾かないうちにと朝8時すぎからシルビア♂の開翅撮影に行く。 ♂を探すのに一苦労、やっと見つけた♂は結局、半開翅しかしてくれず。9時を過ぎると気温が上昇し、♂はひとたび飛び立つともう止まらない。♀は吸蜜にご執心でミヤコグサの花から離れなかった。 モンキチョウ多い。ミヤコグサに産卵する新鮮な♀を見る。 シルビア生息地から道を挟んだ麦畑の土手にはヤマトシジミが多い。土手にはミヤコグサもあるが案の定、カタバミが多かった。♂の前翅先端の形はシルビアに比べるとヤマトはやや丸みをおびている感じか。羽化したばかりのヤマト♀を見る。翅がようやく伸びきったところで陽の光を浴びるように全面開翅する。数分後わずかに飛び立ったところ、すぐに♂がまとわりつきアッという間に交尾が成立した。羽化後1時間は経過していないはずである。〔加古川市〕  一旦帰宅、家事をこなした後、午後から再びフィールドへ、車の運転中にアオスジアゲハを見かける。都合4回。ナガサキアゲハ初見。〔高砂市〕  ジャコウアゲハ初見。〔加古川市〕  コミスジ初見、ヒメウラナミジャノメ多い、ヤマツツジで吸蜜するナミアゲハを見る。林道を飛ぶキアゲハ♀を見る。クロアゲハ活発に飛び廻る。〔西脇市〕  運転中チラッと見たのはオナガアゲハか?〔八千代町〕  青空と棚田をバックにレンゲ畑のモンシロやツバメシジミの撮影を試みるも失敗!田のあぜに咲くムラサキサギゴケを見る。〔加美町〕  コチャバネセセリ初見。ルリタテハを見る。〔小野市〕  

5月1日(晴れ) 今日から5月、本当は出勤日だが休暇を取って早朝から但馬へ、朝4時起床7時半現地着。 快晴だが気温が低いため飛ぶ蝶はいない。こんな時こそ集中して山野草を撮影する。イワカガミ、エンレイソウ、ショウジョウバカマ、テンナンショウ、イカリソウ、ヤマルリソウ、スミレ各種、イワナシ他の花を見る。中部地方で立ち枯れが激しいマンサクもここでは元気に葉を広げている。ブナは新葉が伸び切り山一面に黄緑色のカバーをかけているようだ。 気温が上がってきた10時ごろからやっとギフが飛び始める。見かける数は4日前に比べるとかなり減っている。 スギタニルリもスレ・ボロばかりでしかも数も少ない。♀の半開翅を見る。 コツバメもボロが多く数も少なくなってきた。 4日前の27日にギフがテリを張っていたポイントに移動する。ここでも急激に数を減らしている。飛んでいる個体もよくこれで飛べるものだ、と感心するぐらいの大破個体ばかりとなっている。ここまでボロだと飛翔撮影にも意欲が湧いてこない。 この時期にしては新鮮なミヤマセセリを見る。 越冬明けヒオドシの羽ばたき音を聞く。 同好者からの聞き取りではサカハチが現れているとのことであった。〔日高町〕  新鮮なギフを求めて高標高地に移動する。標高800m地点、スミレで吸蜜するギフを見るが残念ながらボロであった。久しぶりに登山となり、残雪を踏みしめながら一気に400m高度を上げる。1000mを越えるとブナは芽吹いたばかり、ザゼンソウは葉は広がっているものの花穂はまだ出ていない。 越冬明けのスジボソヤマキチョウ♀を見る。 クロモジ、ミヤマカタバミ、キケマンの花を見る。〔八鹿町〕

4月29日(晴れのち曇り) 午前中は晴れ、午後2時過ぎから曇り、朝からずっと南風が強い。 10時前からいつもの花公園へ、この時期吸蜜に適した花が少ないためか蝶影は薄い。 ウドに似た植栽の花にトラフシジミの吸蜜を見る。余程この花の蜜が美味しいのか離れない。吸蜜時に触角を下げていることに気が付いた。 クロアゲハ、アオスジアゲハ初見、どちらもカメラを構える間もなくアッという間に飛び去った。 ヤマトシジミ初見、この時期この種の翅裏の黒班点は色が薄い。 ツマキ、モンシロ、モンキを見る。〔加西市〕  シルビアシジミ初見、個体数が多いためかなり前から現れていたのかもしれない。ジシバリやミヤコグサの花で吸蜜する。おりからの強風に流されていく個体を見かける。風が強いため撮影には適さず。同じ場所に発生しているツバメシジミ、ベニシジミとももつれる。 モンキチョウの求愛行動を見る。ジシバリの花で吸蜜する♀を見る。 雑木林の縁辺にヒメウラナミジャノメを見る。先週に比べると数を増しているようだ。新鮮な個体は翅表も裏も美しくとても写真写りが良い。 雑木林の中をバタバタ飛び上がったのはクロコノマチョウであった。見るも無惨なボロだが、すばらしい保護色で飛び立たなければ絶対に見つけられない。 フワフワ飛ぶナミアゲハ♀を目撃、シャッターチャンスを狙っているうちに野生の山椒に産卵した。 荒地にツバメシジミ多い。このポイントでの食草はカラスノエンドウのようだ。 アゲハ観察の丘に移動、南側斜面は強風がまともに吹きつけているため蝶の姿はない。一度だけ風に流されていくナミアゲハを目撃。 風がやや弱い北側斜面では今日もナミアゲハがテリを張っていた。カメラを構えている横をクロアゲハ、カラスアゲハ(初見)が猛スピードで飛んでいったが、いくら待っても戻ってこなかった。 マルバアオダモの花を見る。〔加古川市〕 

4月27日(快晴) ここのところのうっぷんを晴らすかのようなすばらしい天気、HP仲間の奈良のM氏を誘って早朝から但馬へ  渓谷に入るや否や車の運転席からスギタニルリの路上吸水を発見する。車を降りたとたんギフが目の前を飛んでいく。 コツバメ多い。陽の光の当る角度に合わせて体を傾けるいつものポーズを見る。他のコツバメやスギタニルリが近くを飛ぶと盛んにスクランブルをかける。 スギタニルリの吸水個体は多いが大半がスレている。止まっているときは翅を広げることはないと思っていたが同行のM氏は半開翅を撮影した。集団吸水には出遭わず。 ルリシジミも飛ぶが翅表のブルー、翅裏のグレーともスギタニの方が格段に色濃く飛翔中であっても同定は容易。 林道を進むとポツポツとギフが飛んでいく。気温が高いためか飛翔は速く、とても撮影できる状況ではない。 ツマキ♂♀とも林道を飛ぶ。 アカタテハの産卵を見る。カラムシの新葉に腹を押し付けて一卵づつ丁寧に産んでいく。母蝶は意外にも新鮮。産み落とされた卵は母蝶の体に似合わず小さく、薄緑色であった。 ヒオドシ、テングの越冬明け個体を見る。 ヤマルリソウ、ニリンソウ、イカリソウ、ショウジョウバカマ、イワナシの花を見る。 ブナの葉はすでに大きく広がっていた。 ここではギフの撮影が難しいため場所を移動する。 はじめてミヤマセセリの閉翅個体を見る。 ここでもコツバメ多い。ミツバツツジの新葉や枝でモゾモゾ動く♀を見かけたが産卵行動か不明。 ここではギフが多い。残念ながらすべてスレかボロ個体であった。♂は例によって林道を行きつ戻りつ占有行動に忙しい。他の♂と出遭うと追いかけあう。ときには5頭がもつれるのを見る。撮影場所を固定し、目の前を通り過ぎる個体を集中的に撮影する。 通リ過ぎるギフはストロボの光が嫌いなのかそのうちに私のそばを通るときだけ生意気にも飛翔高度を上げるようになってきた。逆に、カメラのレンズに興味を持って、なかには脚で触れていく個体もいた。このポイントのギフは止まることは少なく、たとえ止まっても笹の葉に数秒止まるのみ。吸蜜シーンには出遭わず。高密度のギフを堪能する。〔日高町〕

4月26日(曇りのち晴れ、夕方から曇り) 溜まった仕事をこなすためやむなく今日は朝から出勤、でも天気の回復を見計らって早々に退散!午後2時過ぎからフィールドへ。海岸部はきれいに晴れているのに数km内陸部は今にも雨が降りそうな厚い雲が垂れ込めている不思議な天気。 ツバメシジミ♂♀とも多い。いつもこの場所には多数の個体が群れている。カラスノエンドウで発生しているようだ。 アゲハ観察の丘では今日はただの1頭も飛んでいない。周囲を歩いてみると地表のあちこちにナミアゲハが止まっている。ひとたび飛び立つと二度と同じ場所には舞い降りてこない。丘の頂上の道の上でナミアゲハの死亡個体を見る。 ヒメアカタテハ初見、とても新鮮、飛翔スピードも速く晩秋の個体とは大違い。 その他、キチョウ、モンシロを見る。〔加古川市〕

4月19日(曇りのち雨) 水・木・金とこの3日間好天気だったのに週末は雨・・・、仕方がない。 雨が降り始める前のわずかな時間にフィールドに出る。日当たりの良い土手にベニシジミ多い。 レンゲで吸蜜するツバメシジミ♀を見る。ツバメは今シーズン初見だが、この個体は羽化してかなりの日数が経ているのはあきらかで大きくスレていた。 ヒメウラナミジャノメ初見、新鮮なオス。 雑木林の中にはミヤマセセリ多い。前翅表の紋が赤い美しいメスを見る。オスはスレかボロが多くなってきた。 アゲハ観察の丘には今日もナミアゲハ4、5頭が飛びまわっていた。曇り空のためか今日の飛翔スピードはこれまでに比べると速いような気がする。 キアゲハ初見、丘の上の小道に止まりテリを張っていた。 一ヶ月前からここでテリを張るヒオドシはだんだん翅の破損が大きくなってきたようだ。まったく同じ個体かどうかいまいち自信がないが・・。〔加古川市〕 ヒメカンアオイの新葉の裏にギフの卵を見る。こまめに探したわけではないが、計5箇所、2卵・5卵・7卵・7卵・9卵の卵塊であった。今日は成虫は見かけず、この天気ならしかたがないところか。〔播磨地方某所〕

4月13日(晴れ) 天気予報の通り朝9時ころまでは霧、その後はぐんぐん気温が上がりきれいに晴れあがる。 コツバメの占有行動を見る。一週間前に比べて見かける個体数は格段に多い。止まる姿勢は陽の光が最も効率よく当る角度になっている。けっして翅は開かない。他の♂が縄張りに侵入するとスクランブル発進し、横方向ではなく上方向に追い出す。追っ払った後は大体元の位置に戻る。ときにはベニシジミとももつれる。 ミヤマセセリも数を増している。雑木林の中を飛び廻る姿はさながら大きな蝿のようだ。止まっても地面ばかりなので“絵”にならない!生意気にも近づくと敏感に反応し今日はシャッターチャンスはめぐってこなかった。 トラフシジミ初見、羽化直後らしくとても新鮮、まったく飛ばず、撮影はすこし拍子抜けだ。 各地でルリシジミ多い。 テングチョウも多い。 ツマキチョウ♀の飛翔を撮影する。 モンキチョウ初見、キチョウやベニシジミとともに畑の土手に多い。 いつものアゲハ観察の丘ではナミアゲハ5〜6頭、ヒオドシ2頭、ミヤマセセリ数頭、ルリシジミ多数が飛び廻っていた。ナミアゲハ、ヒオドシは明らかに占有行動中、いたるところで卍飛翔、追尾飛翔を繰り返す。 イカリソウ、チゴユリ、シュンランの花を見る。コバノミツバツツジの花を各地で見る。〔加古川市〕  今日の主目的は言わずと知れたギフの撮影。朝9時、羽化したばかりでまさにこれから翅を伸ばし始める個体を目撃、残念ながら人工飼育の蛹を昨年6月屋外に移した個体とのこと。確かに飼育紋が出ていたが翅を伸ばす場所を探しまわり、ようやく見つけた枝で時々羽ばたきながら翅脈に体液を送り込んで翅を伸ばしていく姿は感動的であった。 その後数ヶ所生息地を廻る。見かける個体数はそれぞれ2〜3頭でそんなに多くないが、訪ねたほとんどの場所で成虫を確認できた。すべて新鮮、♀は確認できず。丘の上で占有行動の♂を見る。地表にとまり上空を通過する他の♂やナミアゲハに盛んにスクランブルをかける。2〜3頭がいるようであった。同じ占有行動でもナミアゲハはパトロール型、ここのギフは待ち伏せ型であった。但馬のギフはパトロール型なのにこの違いはどこに原因があるのだろうか?興味は尽きない。残念ながらここのギフも飼育紋様が出ている感じであったが、飼育とは思えないほど敏捷で活発な動きをしていた。コバノミツバツツジは咲いているものの吸蜜は確認できず。〔播磨地方某所〕  *2月15日に野外で発見したギフ蛹は4月9日無事羽化したとのことである。

4月6日(快晴) 昨日の寒さがうそのように朝から快晴で暖かい、でもやや風が強いが。 ルリシジミ多い、法面の湧き水で吸水する個体を見る。鶏糞でも吸汁していた。 テング多い。 ツマキチョウ初見、運転中に2回目撃。 アゲハ観察の丘で今日もナミアゲハの占有行動を見る。時には4頭がもつれていた。おなじところでミヤマセセリ、ルリシジミが飛び廻る。 越冬明けのルリタテハを見る。間欠開翅のあと全面開翅となる。今日見た個体はあまり破損していなかった。 キタテハも各地で目撃。 コツバメ初見、飛翔中に翅表の藍色がきらめく、とても印象的。ワンカット撮影後飛び立ち見失った。〔加古川市・加西市・小野市〕  今日の目的は言わずと知れたギフの撮影、足を棒にして各地のポイントを廻ること4時間、まだ早いのか午前中はまったく見かけず。さすがに疲れた午後2時前、最後のポイントで1♂目撃、本日の羽化個体らしくすばらしく新鮮!気温が低いためか活動は低調、飛び廻ることは少なく日光浴ばかり。一度だけスミレで吸蜜するのを目撃。100カット以上撮影する。〔某所〕

4月5日(雨のち曇り、夕方から晴れ) 別の用向きで早朝から但馬へ、今シーズンはじめての北上である。美方郡村岡町兎和野高原(標高400m)での午前11時の気温は3℃、寒かった!残雪も多い〔村岡町〕

3月30日(晴れ) 時々薄い雲がかかるがまずまずの天気、気温が上がってきた昼前から出かける。 ルリシジミ♂、ベニシジミ♂を見る。〔加西市〕 畑にモンシロが飛び廻るのを運転しながら確認する。雑木林の中の小道にテング多い。数M間隔で路上に止まっている。テングの卍は一瞬で終わる。同じところであまり翅が破損していないキタテハ2頭目撃。 別のポイントに移動、ナミアゲハ初見、いつもの丘の上を止まることなく活発に飛び廻る。計4頭が飛び廻っているようだ。 ミヤマセセリ初見、こちらは1頭のみ、しかも一瞬で見失う。 切通しのコンクリートの壁に越冬明けのルリタテハを見る。〔加古川市〕 さらにポイントを移動、ここでもテング多い。 雑木林の中の墓地でルリタテハを見る。〔小野市〕  ギフ生息地4箇所を廻るがいずれもまだ早い。次の週末には現れそうな気もするのだが・・・。カタクリ、ショウジョウバカマ、スミレの一種の花を見る。コバノミツバツツジつぼみふくらむ。〔播磨各地〕

3月23日(晴れのち薄曇り) 一昨日に同じく穏やかな早春の日、昼前からフィールドへ出る。 ルリシジミ初見。地表近くを飛ぶがなかなか止まらない。 雑木林の中でテングチョウ多い。テリを張っているのか、他の個体が近づくとスクランブルをかける。 イカリモンガ初見、シックな色合いがすばらしい。〔加西市〕  観察場所を移動。ここでもルリシジミを見る。動物の糞で吸汁していたがハエに追っ払われた。 テング多い。 小ピークでテリを張る(?)ヒオドシチョウ2頭を見る。近寄ると最初のうちは敏感に反応していたが、そのうち面倒になったのかカメラを近づけても逃げなくなった。無理やり飛び立たせ飛翔撮影の練習をする。 ナミアゲハ、コツバメ、ミヤマセセリを期待したがこれらはカラ振り。 オオバヤシャブシの開花始まる。〔加古川市〕 

3月21日(快晴) 朝は冷え込んだが陽が高くなるにつれて気温はグングン上がる。 案の定、河川敷の土手にベニシジミを見つける。今年の羽化個体確認の第一号。求愛行動を目撃、♂が♀を激しく追い掛け回し、地表に降りたところを後方から迫る。広範囲を探したが本日羽化していたのは♂・♀各1のみ。 家庭菜園にモンシロを見る。2箇所、計3頭目撃。この時期のモンシロは人の気配にとても敏感。タンポポで吸蜜するのを見る。 イボタの新葉にウラゴマダラシジミ初齢幼虫の食痕を見る。〔加古川市〕 花公園でキタテハを見る。計3頭。♂らしくテリトリーを張っていた。 越冬明けのテング多い。4箇所で10頭近く確認した。〔加西市〕 いよいよシーズンが始まる。

3月16日(曇りのち雨) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の野外活動に初めて参加する。食草であるヒメカンアオイの自生地を廻り、現状を確認していく。ヒメカンアオイの株は大きいが、残っている昨年の葉には幼虫の食痕がほとんど見られないため成虫は発生していない可能性が高いと思われる箇所があった。雨が降り始めたため午前中で活動を切り上げる。木の芽の芳香が漂い始める。ウグイスの鳴き声を聞く。〔加古川市〕

3月9日(曇り時々晴れ一時雪) 雪が舞う真冬のような寒い日  イボタに産み付けられていたウラゴマダラ3卵のうち1卵はてっぺんに穴が開き孵化していた。幼虫は見つからない。この時期、幼虫は芽吹いたばかりの新芽を食い破り中に潜り込んでいるのかもしれない。 土手のヨモギにヒメアカタテハ幼虫を見る。昨年12月からあまり成長していない。いまでもようやく1cmくらいの大きさ。春先に成虫を見ることは稀なので、この種にとっての冬は個体数の消耗を強いられる過酷な季節なのであろう。〔加古川市〕  イボタの低木だらけの丘にウラゴマダラの卵を見る。ここでも孵化した後で、やはりここでも幼虫は見つからない。〔加西市〕

3月2日(曇りのち晴れ) 昨日の強い雨は未明のうちにあがり、昼前から春らしい穏やかな晴れ日になる。 陽気に誘われたのか越冬中のキタテハが活発に飛び廻るのを見る。 ベニシジミ幼虫は終齢になっていた。 もしやモンシロ、モンキ、ルリシジミが出ていないかと市内各地を廻るがさすがにまだ早いようだ。 オオイヌノフグリ、ハコベは満開、タネツケバナ、ヒメオドリコソウ、カタバミの花を見る。〔加古川市〕  午後から花公園へ。ウメやナノハナにミツバチ多い。ニホンミツバチ、セイヨウミツバチとも来ていた。ほぼ同じ比率か若干ニホンが多いか。ニューカメラでミツバチ飛翔撮影を試みるもカス写真の山を築くのみ!機能もまだ掴めていないし、それより何よりカメラが手に馴染んでいない。使いこんでいかなければ上達は望めないと認識しつつもいいかげんイヤになってくる。 ここでもキタテハの活動盛ん。3頭がもつれて飛んでいた。〔加西市〕

2月23日(曇り時々雨) 天気は悪いが久しぶりに西播磨へ、ずっーと小雨が降り続く。 ナラガシワの樹を次々と廻るがお目当てのヒロオビミドリ、ウスイロオナガの卵は見つからず。その中で約100卵の塊りを見つけるがゼフ卵ではなさそうだ。 台地の上のオオムラサキ生息地で越冬幼虫を探すがこれまた見つからず。 今日は新たに導入したデジカメの「筆おろし」、天気が悪いせいもあるが、500万画素もあるのにろくな写真が撮れない!マクロ撮影時の被写界深度のこの浅さは何だ!ショック・・・〔上月町〕

2月15日(晴れのち曇り) 午前中は快晴で風も弱く暖かい。 近所の友人T1氏、T2氏のお誘いを受けギフの越冬蛹探しに同行させていただく。個人ではこれまで何度も挑戦してダメだった蛹探しだが、案内いただいたポイントでT1氏は苦もなく発見。生息地の林床の石を注意深くひっくり返していくと、地面とのわずかな隙間で蛹化しているのが見つかった。他に何者か食い荒らされた蛹殻も確認。ギフの食草であるヒメカンアオイの新芽はまだ出ていないが三角の花は咲いている。 観察継続中のウラゴマダラ卵、ヒメアカタテハ幼虫、モンシロ蛹を見る。 エノキの林でゴマダラの越冬幼虫を探すが樹の本数が多すぎるためか確認できず。同じ場所ではイボタの樹も多いがウラゴマダラの卵(幼虫?)見つからず。〔播磨各地〕

2月8日(晴れのち曇りのち雨) ヒメアカタテハ幼虫の確認に行く。巣を出て活動している個体はいない。いくつか巣を解いてみると中で丸まっていた。死亡している個体も確認、死亡原因は数日前の寒波の影響かもしれない。 イボタの新芽がわずかながら顔を出しているがウラゴマダラシジミはまだ孵化していない。 ギフ生息地保全のため雑木林の下刈がすすむ。〔加古川市〕

1月25日(晴れ時々曇り) 午後から近場を廻る。 ブロッコリーの葉を食べるモンシロ終齢幼虫を見る(気温7℃)。 土手のヨモギにヒメアカタテハの幼虫の巣を見るが中で活動しているかどうか外からは確認できない。試しに巣を破ってみるとフンの中に丸まった幼虫がいた。 雑木林の縁の薄暗い場所に生えるイボタにウラゴマダラシジミの越冬卵を見る。枝先端から15cmのところに3卵連続で産みつけられていた。特徴ある形状なので他の種と間違うことはないが、卵自体が小さいので探すのは結構難しい。 ヒメヒカゲ他ジャノメの類の越冬幼虫を探すが見つからない。〔加古川市〕

1月19日(曇りのち晴れ) 天気予報は外れ、雨も降らず暖かい一日  街角の植栽のキンカンにアゲハの蛹を見る。クロアゲハかナガサキアゲハか、キンカンを好むナガサキのような気もするが。 河川敷の南西向き土手のスイバにベニシジミの幼虫を見る。スイバの葉に似せた赤の縁取りとセンターラインのタイプではなく、緑の単色タイプであった。〔加古川市〕

1月18日(雨のち晴れ、のち曇り) 雨があがってから気温が上昇、穏やかな晴れ間が広がる。 湿地のハンノキの林にミドリシジミ越冬卵多い。伐採されていた数本のハンノキのうち、現場に捨てられた太枝に卵を探してみると、約15箇所、計50卵見つかる。 ここのところ毎週観察しているヒメアカタテハ幼虫、数日前の寒波の影響か、数を減らしているようだ。陽が差しているにもかかわらず今日は巣の中でじっとしている。 ナナホシテントウの活動を見る。ただし地面を歩きまわるのみで飛翔はせず。 オオイヌノフグリの花を各地で見かける。〔加古川市〕

1月12日(晴れ) この時期にしては気温も高く、快晴の穏やかな日  この陽気に誘われて越冬中の個体が日向ぼっこしていないかと探すが何も見かけず。ロウバイの花を見る。〔加西市〕 モンシロ観察に切り替える。見かける幼虫の数は少なく、若齢幼虫の死亡個体が多い。若齢では降霜に耐えられないのかもしれない?、食餌あと休息中(脱糞中)の幼虫と蛹化準備のため固定用に糸を吐く終齢幼虫を見る。やっと蛹1確認、キャベツのしなびた葉の裏にいた。 畑の土手のヨモギにいるヒメアカタテハ幼虫は約10mmくらいの大きさになっている。 オオイヌノフグリの花を見る。〔加古川市〕  2時間、ギフ蛹を探すが見つからず〔某所〕

1月2日(晴れ時々曇り) 西播磨へゼフ卵探しに出かける。 現地滞在1時間あまりでウラジロミドリの越冬卵を10卵確認、そのうち2卵は何者かに食べられていた。春先の孵化後の再調査のため卵の付いている枝のマーキングを行なう。 ナラガシワ系の他のゼフ(ウスイロオナガ&ヒロオビ)の越冬卵は見つからず。日を改めて再挑戦予定 〔上月町〕

1月1日(晴れ時々曇り、一時雨) 元旦からやっぱりフィールドへ!いつもの畑にモンシロ幼虫観察に行く。あれほど数多くいた終齢幼虫はほどんど姿を消す。代わりに蛹が見つかると思いきや、ただの1頭も見つからない。どこへ行ったのだろう?orどこで蛹化したのだろう? 畑の土手のヨモギにヒメアカタテハ幼虫の巣が多い。〔加古川市〕


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