◆2008年フィールド日誌


12月29日(快晴) 風弱く、朝から穏やかな冬空が広がる。 朝9時から郊外の低山縦走路を歩く。日陰ではまだ霜がとけず、雑木林の中はひんやりしている。空気が澄んでいるのが良く分かり、すがすがしい気分になる。 標高は200mに満たないが、4つ、5つと峰を越えていくうちにだんだん汗ばんでくる。途中、ヒメヒカゲの生息に適していそうな草地を探していく。 11時出発点に戻る。 20日、23日とベニシジミを確認したポイントに向う。予想通り今日も確認する。しかも2頭。この2頭をよくよく見れば、20日のメス、23日のオスと同じ個体のようだ。今日は吸蜜は確認できず日光浴ばかりであった。 その他の種は姿を見せず。〔東播磨地方〕

12月23日(晴れ) それほど寒くないが、やや冬型の気圧配置で西風が強い。 3日前の陽だまりポイントに向う。 今日はヤマトは姿を見せず。 ベニシジミは居た。3日前と違って今日はオス個体。後翅に少し欠けた箇所があるが、色鮮やかな新鮮個体。ウシハコベの花で吸蜜を繰り返す。 畑ではねを休めるウラナミシジミ♀を見る。極めて新鮮、と同時に極めて敏感。一旦飛び立つと高く舞い上がりすぐ見失ってしまう。 例年ならこの時期でも活動しているモンキは姿を見せない。〔東播磨地方〕

12月20日(快晴) 朝から青空が広がる。気温が上がるのを待って、午前11時からフィールドに出る。 雑木林の南側の縁の畑を歩く。 風も無く陽だまりは春のよう。 ヤマトシジミはスレ個体ながら元気に活動している。日光浴やカタバミの花での吸蜜を繰り返す。 ベニシジミ新鮮。あと少しで年も変わろうと言うのにこの鮮度は驚きだ。ウシハコベやカタバミでの吸蜜を確認する。 越冬中のキチョウもこの陽気に誘われて次々に飛び出す。 ホトケノザでの吸蜜を確認する。 明るい田んぼを飛んでいくのはウラナミシジミ。 ブンタンのナミアゲハ幼虫は姿を消していた。〔東播磨地方〕 

12月13日(快晴) 2週連続で「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の行事に参加する。 今日はヒメヒカゲ生息地の整備、具体的には大きくなりすぎたヤマモモの枝打ちとヒサカキやイヌツゲの排除、コシダの刈払いである。今日は加古川南高校と東播工業高校から高校生ボランティア十数名の応援を得たため、参加者の平均年齢が大きく下がった。作業前から若い力がみなぎっている。南向きの斜面は暖かく、作業を始めると汗が噴出す。 暗かった草原が見る見るうちに明るく整備されていく。途中、神戸新聞の取材を受けながら、わいわいガヤガヤと楽しく作業が進む。暖かさに誘われキチョウが飛び出す。 *当地でヒメヒカゲを採集を目論む者へひとこと。「我々はあなたたちに気持ちよく採集していただくために、ヒメヒカゲの生息環境の整備を行っているわけではない!」 午後から日本鱗翅学会近畿支部例会に参加する。懇親会1次、2次とこなし、帰宅すれば日付が変わっていた。〔東播磨地方、三田市〕 

12月7日(快晴) 朝から快晴だが昨日に続き寒い。 この時期恒例の「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動の一環、生息地の枝払いに参加する。霜や氷が張る中、じっとしていると足元から寒さがやってくるが、ひとたびノコギリを持ち、ソヨゴやイヌツゲ、ヒサカキなどの常緑樹を切り倒していくと、体が温まってくる。20人が一斉に作業すると、ジャングルのようだった未整備の雑木林が、みるみるうちに明るく、きれいになっていく。 落葉の絨毯の中、和気藹々と作業が進む。 この寒さの中では活動するチョウはいない。 明るい土手道のヨモギにヒメアカタテハの幼虫を見る。〔東播磨地方〕

12月6日(晴れ) 冬型の気圧配置が強まり、朝から真冬のように寒い一日。 先週のブンタンのナミアゲハ幼虫を確認に行く。先週は4齢だったのが、緑に脱皮し齢をひとつ重ねていた。寒さに耐え、微動だにしない。他に4齢が1頭、3齢が1頭見つかった。明日朝、放射冷却で温度が氷点下になれば、今日限りの命かもしれない。 南向きの畑を歩くが何も姿を見せず。 ヒメヒカゲ生息地調査のため湿地を探す。紅葉真っ盛りのなか、雑木林を歩くと気分爽快になる。〔東播磨地方〕

11月30日(快晴) 西寄りの風は強いが快晴の一日。 10時からフィールドに出る。風の弱い南向きの斜面のふもとを歩く。 キタテハは落葉にとまり、日光浴に余念が無い。 100mに満たない頂上を持つ丘の構成樹は、ウバメガシ、ヤマモモ、コナラ、クヌギといったところ。 畑のすみに植えてあるブンタン(ザボン)の若葉にナミアゲハの弱齢幼虫を見る。計4頭、3〜4齢か。生態図鑑他すべての文献に幼虫越冬の記載は無いが、いつまで生き延びることができるか継続観察することにしよう。 野菜畑にモンシロ、ヒメアカ、ヤマト、ウラナミシジミを見る。ウラナミシジミに1頭新鮮なオスが混じっていた。 田んぼにあぜで飛ぶのは、キチョウ、ベニシジミ、ツマグロヒョウモン。 雑木林の縁の椿でムラサキシジミ♀の開翅を見る。 その他、モンキチョウも確認。明日から12月だが、これだけいればもう少し楽しめそうである。〔東播磨地方〕

11月22日(快晴) 朝から快晴の一日。 郊外の小ピークに登る。ヤマラッキョウの花で蜜を吸うウラナミシジミを見る。この花の蜜が余程おいしいのかどれだけ近寄ってもまったく意に介さない。山の全域でウラナミシジミを見るが新鮮な個体はいない。 明るい露岩地に咲くノジギクを見る。 ネズミモチの葉で翅を広げていたのはウラギンシジミ♀。 マリーゴールドの残り花に来ていたのはツマグロヒョウモン♀。 モンキ、モンシロ、ヤマト、キタテハ、キチョウを見る。〔東播磨地方〕

11月15日(晴れ時々曇り) 所用のため神戸市内中心部に出向く。帰り道、ソテツで有名な相楽園を訪ねる。 例のヤツ、2ヶ月前とは比較にならないほど数は少ないがそれでも10頭以上は飛び回っている。展示してある小菊で盛んに蜜を吸っていた。黄、赤、ピンクなど花の色にはとくにこだわっている様子はないが、大輪の花には決してやってこない。さすがに羽化直ピカピカ個体はいない。メスは翅表のブルーの面積が大きい低温期型と通常型の両方がいた。 吸蜜の他に日光浴や求愛シーンを見る。 クロソ撮影中に高所を飛ぶアオスジアゲハを見る。 早々に切り上げ、自宅近くを回る。ヒャクニチソウで吸蜜中のチャバネセセリのクローズアップを狙う。ド普通種だが、目的を持って、時間をかけて、納得するまで真剣に撮影する。 キタテハ、ツマグロヒョウモン、モンシロ、ヤマト、キチョウ、ウラナミシジミを見る。〔神戸市、東播磨地方〕

11月2日(曇り時々晴れ) 兵庫ウスイロヒョウモンモドキ守る会の活動の一環、オミナエシの種採りとフィールド内試験畑整備&種まきを行う。 今年は花の時期に花穂ごとにマークしたため、この時期、草自体が枯れていても容易に見つかる。回収した種はおそらく万単位の数になったと思われる。 ハチ高原は紅葉の真っ盛り、やや気温は低いがすがすがしい。 キチョウ、ウラナミシジミを見る。〔但馬地方〕

11月1日(快晴) 早朝から真っ青な秋空が広がる。 気温が上がった10時からフィールドに出る。 セイタカアワダチソウに多くのチョウを見る。キタテハ、ツマグロヒョウモン、テングなどはお決まりのところだが、ムラサキシジミまで来ていた。 植栽の菊に多くのハチやアブ、ハエに混じって、キタテハ、モンシロを見る。 コセンダングサには多くのキチョウが集まっている。 チャバネ、イチモンジのセセリも元気に飛び回る。〔東播磨地方〕

10月26日(雨) 天気予報に反して朝から小雨が降り続く。 傘を差し差し、自宅近くのソテツを見て歩く。降雨&低温では飛ぶチョウはいない。 2週間前タマゴがベタベタだったソテツの新葉は無残な姿をさらしていた。大半の個体はすでに蛹化したもよう。それでも終令幼虫がまだ残る。葉は相当に硬くなっているが、しっかり葉にしがみついていた。 別の場所のソテツも同時期に新葉が伸びていたが、こちらはまったく無傷。 神戸市内と違って、生息密度の薄さが伺える。〔東播磨地方〕

10月19日(快晴) 今日も快晴の一日。 ヒメヒカゲ生息地保全活動の一環、山火事延焼防止のため生息地に植栽されているヤマモモの枝打ちに関して、地元の区長さんと現地を確認する。 ヒメヒカゲの置かれている現状や好ましい生息地の姿、依然として止まない採集圧等を説明したところ、保全活動への全面的な支援の快諾をいただく。当地の地元は我々のこのような活動に対して、協力的な方ばかりなので本当に助かる。*12月に枝打ちします。興味のある方の参加をお待ちしています。参加希望の方はご一報ください。 打合せ終了後、友人と撮影に向う。 ツメレンゲの花穂は伸び、下から咲き始めている。クロツ成虫の姿はポツポツといったところか。ボロから新鮮までさまざま。 ツメレンゲの株の周辺をじっくり探せば、卵、幼虫、蛹とすべてのステージが見つかる。羽化直後の成虫が翅を伸ばしているところ、蛹化場所を求めて盛んに移動する終令幼虫、前蛹、蛹化直後の緑色の蛹、羽化間近の茶色の蛹、成虫の求愛行動、たった今産み付けられたばかりの卵など、実にさまざまなシーンに出遭い正直感動した。 更に撮影地を変える。 木陰の水溜りにキチョウの集団吸水を見る。 熟柿にとまり汁を吸うのはテングチョウ。 植栽のフジバカマで蜜を吸うのはツマグロヒョウモン、アカタテハ、キタテハ。 ルリタテハ、ナガサキアゲハを見る。〔播磨地方各地〕

10月18日(快晴) ここのところ快晴の日が続いている。 10時から郊外の里山を歩く。多くの休耕田でコスモスが栽培され、各地で“コスモス祭り”が行われている。コスモス畑では花の数が多すぎて吸蜜に来ているチョウを探せない。 咲き始めたセイタカアワダチソウでテングを見る。近くでテリ張り中のベニシジミに追尾され、結局追い払われた。 イヌタデの花で蜜を吸うウラナミシジミ♀を見る。新鮮。普通種ながら、なかなか美しい。じっくり時間をかけて撮影する。 小ピークでテリを張るのはツマグロヒョウモン♂。ときどき接近するナミアゲハを追いかけていた。ウラナミシジミやウラギンシジミは小さすぎるためか、追尾しない。 市街地を優雅に飛ぶナガサキアゲハを見る。〔東播磨地方〕 

10月13日(快晴) 雲ひとつ無い絶好の行楽日和。朝9時から自宅周囲のソテツを見て歩く。 新たな生息ポイントは確認できない。 うち一箇所、成虫の個体数が増しているところがあった。 所用のため一旦帰宅、午後1時から郊外の小ピークに向う。南向き斜面には暖かい光が降り注いでいる。標高100mのピークではキアゲハ♂がテリを張っている。ツマグロヒョウモン♂、ナミアゲハ♂も同じ行動。3種合計5〜6頭か。同種、異種関係なく追尾飛翔を繰り返す。 ウラナミシジミの数が多い。ハギでの吸蜜、日光浴のための開翅を見る。他にクロアゲハ、テング、ルリシジミ、イチモンジセセリも現れ、山頂は大賑わいであった。〔東播磨地方〕

10月12日(晴れ時々曇り) ウスイロヒョウモンモドキ生息地の植物調査のため但馬に向う。9時半現地着。気温は12〜13℃くらいか、肌寒い。 植物調査は不得手なため、他の方にお願いし、セセリ幼虫調査に参加する。まずホシチャ幼虫を手分けして探すが、これがまたたいへん難しい。成虫ですらめったに出遭わないのに、幼虫となれば更に難しいのは当り前か。他のメンバーがようやく探し出し、実際に現物を見てようやくイメージが掴める。図鑑での写真や記述を頼りにひとりで探しても絶対に見つからないことを確信する。1時間、目を皿のように探して、ようやく2令幼虫を探し出す。 3令幼虫を撮影中にもぞもぞ動き出し、食草オオアブラススキの巣から出て食餌を始める。三脚を使い、補助照明を使い、精神を集中して10mmチョットの被写体に挑む。 次のターゲットはギンイチモンジ、こちらも実物を見たのち、探すことが出来た。 高原は紅葉の一歩手前、爽やかな風にススキが揺れる。 キク科の花で蜜を吸うウラギンヒョウモン♂、♀、ウラナミシジミ♀を見る。〔但馬地方〕 

10月11日(晴れ) 出張の疲れでいつもより遅いスタート。11時からフィールドに出る。 ここのところの日課、自宅近くのソテツ20箇所を見て回る。 新たに幼虫を確認したところ1箇所、卵も1箇所、成虫も1箇所である。 当地では、神戸や大阪のような爆発的な広がりではなく、じわじわと広がっている様子。 たぶんソテツの分布密度が薄いためであろう。 電柱にとまる新鮮なアカタテハを見る。 ゴーヤの株にウラナミシジミが集まる。 中学校の校舎の前にソテツの根元でヤマトの交尾ペアを見る。 モンシロ♀は盛んに産卵していた。 一旦帰宅、所用をこなしたあと再びフィールドに出る。 セイアカアワダチソウは咲き始めたが、風が強いため、訪花しているチョウは少ない。 新鮮な秋型キタテハを見る。〔東播磨地方〕

10月4日(快晴) こんなに天気が良いのに午前出勤の日、残念。 大急ぎで帰り、午後2時からフィールドに出る。 各地を回るが、なぜか今年はウラギンスジヒョウモンを見かけない。 ハギで蜜を吸うウラナミシジミ♀を見る。 畑の一角、ヒャクニチソウの花株にチョウが集まっている。イチモンジやチャバネのセセリの数が多い。 モンシロ、ヒメアカタテハ、ツマグロヒョウモンも来ていた。 ヒメホウジャク(蛾)も数が多く、時間をかけて撮影する。 自宅近くのソテツ2箇所でクロマダラの幼虫発見。結構硬い葉でも食している。〔東播磨地方〕

9月28日(曇り) 終日分厚い雲が広がる。9月にしては涼しい、と言うか肌寒い一日。 こんな天気ではチョウは飛ばない。 自宅近くのソテツを巡るが、23日に同じく、成虫、幼虫、幼虫食痕とも見当たらない。 翅に鳥に啄ばまれた痕跡が残るヒメジャノメを見る。 アベリアの花の周囲を飛ぶのはナミアゲハとイチモンジセセリ。〔東播磨地方〕 

9月23日(晴れ) 午前9時自宅発で西に向う。10時、お気に入りの谷に到着するが、アザミの開花が遅れているようでチョウの姿は少ない。 高原の集落へ移動する。今が稲刈りの真っ盛り。それにしても農作業している皆さんの年齢の高さはどうだ!たぶん皆さん70歳前後だろう。道で会う皆さん一人ひとり丁寧に挨拶をすると、かならず暖かい言葉が返ってくる。しょっちゅうこの集落を訪ねているため、顔を覚えられている可能性も有りか。この集落の民家の石垣にアオダイショウの抜け殻を見る。その長さ180cm以上、当に主(ヌシ)の存在感が漂う。 畑に生えるミゾソバで吸蜜するスジボソヤマキ♂を見る。追いかけ回したところ、いろいろな花での吸蜜を確認する。 別のミゾソバ群落では、ナミアゲハ、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンが吸蜜に来ていた。メスグロ♀の飛翔の望遠撮影を試みるが失敗! モミジの葉にとまるのはコミスジ。 イチモンジチョウ、ダイミョウセセリを見る。 西播磨は午後1時で切り上げ、東に戻る。 加古川市内で定点観察しているソテツ10箇所を回る。成虫、幼虫、幼虫食痕、今日はいずれも確認できず。〔西播磨地方、東播磨地方〕

9月20日(晴れ) 台風一過、朝から真夏の日差しが戻ってきた。 郊外のソバ畑に今日も多くのチョウが集まっている。ツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハ、モンシロ、チャバネ、コチャバネ、イチモンジ、など。吸蜜中のツマグロヒョウモン♀にしつこくオスが交尾を迫るが成立せず。 撮影地を移動する。 池の土手のオミナエシは今が満開。吸蜜にやってきていたのはツマグロ♂。 ヨツバヒヨドリで吸蜜するメスグロヒョウモン♂を見る。今日はメスは見かけず。 ウラギンスジはまだ姿を見せず。 先週に続き、自宅近くのソテツを見て回る。6箇所目までは変化なし。7箇所目でついにクロソ発見!メス、オス各1頭。 しばらくするとこのソテツに執着せず、さっさと飛び去ってしまう。成虫確認は1箇所だけだが、卵はもっと幅広く産み付けられている可能性あり。 ニラの花で蜜を吸うミドリヒョウモン♂を見る。加古川市内での本種は今回が初確認!〔東播磨地方〕

9月15日(曇りのち雨) 朝から雲が厚く、天気予報によれば午後から雨とのこと。 自宅周辺にどれだけのソテツがあるか調べるため、10時から半径2km以内を歩き回る。 見つけたソテツの数、21箇所。 学校、お寺、公共施設、店舗や企業の玄関などに植えられている。なぜか神社にはない。 いずれの箇所もクロソ成虫、幼虫の食痕ともなし。今後も継続調査予定。〔東播磨地方〕

9月14日(晴れ時々曇り) 8月31日にやり残したウスイロモドキ保全活動関連作業のため、朝6時前自宅発でハチ高原に向う。 朝露の草原に分け入り、トランセクトポールや採集禁止看板の片付け、オミナエシ花穂のマーク、エリアを決めての植物相の調査を行う。 2週間前のオミナエシの葉裏の巣は無くなり、落葉を綴った越冬用の巣に移っている。そっと開けてみると、7〜8頭の4令幼虫が中に潜んでいた。中には脱皮殻もあるため、越冬巣の中で3令から4令になったようだ。 草原では、オオウラギンスジ、ミドリ、ウラギンの各ヒョウモンが飛び回っている。ミドリヒョウモン♂の吸蜜花はオタカラコウ。 ナミジャノメ♀はまだ生き残っている。ススキ草原の上をフワフワ飛び逃げる。 午後3時、作業完了とともに撤収する。〔但馬地方〕

9月13日(雨のち晴れ) 未明から降り出した雨は朝9時まで続く。 雨上がりの田んぼのあぜにシルビア♂を見る。湿度は高いが気温が上がらず、雲厚い状況では翅を開かない。 そば畑でツマグロヒョウモン、ヒメアカタテハの吸蜜を見る。 撮影地を変える。 民家の石垣にクロツバメを見る。新鮮からスレまでさまざま。一昨年、この家の住人の方に事情を説明し、石垣の掃除の際にはツメレンゲは引き抜かないようお願い済み。今日も挨拶したところ、いつもクロツは気にかけているとのこと、ありがたい限りである。 ヒャクニチソウで蜜を吸うのはカラスアゲハのメス。 咲き始めたヒガンバナにはクロアゲハ♀が訪れていた。 更に移動し、神戸市内に向う。目的は噂のクロソ。 発生地周辺のアベリア垣根の花にオスもメスも多数集まっている。車がひっきりなしに通るため、撮影は危なくてしょうがない。 ソテツ公園に一歩足を踏み入れれば、そこはクロソワールドであった。おびただしい個体が群れ飛んでいる。テリ張り、静止、求愛、交尾、産卵、飛翔、と全ステージ同時に見られる。聞くところに寄れば、すざまじい勢いで東に西に生息地を拡大しているらしい。何を隠そう神戸市内にある仕事場の前のソテツにも幼虫ウジャウジャである。これほど数が多いとこの先、ここのソテツは無残に食い荒らされることは確実。個人的な感想を言えば「下品なジジミ」である。2時間集中して撮影するとさすがに疲れる。公園内の植栽のキキョウでも吸蜜するのを見る。〔播磨地方・神戸市〕

9月7日(晴れのち曇り、一時雷雨、のち晴れ) 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動の一環、ギフチョウ生息地のうち、ヒメカンアオイ自生地の草刈を行う。今日は地元の高校生&先生の参加もあり、気合が入る。 草刈と言っても主な作業は、ヒメカンアオイに覆いかぶさるように生えている笹の葉の刈り払いだ。メンバーの使う草刈機のエンジン音が雑木林に響く。わずかな時間の作業でも汗が滝のように流れる。午前の2時間半で、手分けして6箇所を刈り払う。 何度も言うが、我々のこのような地道な作業で何とか、当地のヒメカンアオイ自生地を維持している。春だけやって来て網を振るい、採れなければ採れないで文句を言い、保護・保全活動にはあからさまな敵意を示す、わずかではあるが、こんな輩が依然として存在していることを知ってもらいたい。こんな輩にこそ、一度この時期に当地に来て草を刈ってほしいものだ。 作業前の朝8時半、シルビア♂の開翅、吸蜜を見る。新鮮な個体ばかり。 夏眠明けのメスグロヒョウモンの交尾を見る。交尾は発生初期の6月ばかりだと思っていた。このペアは人の気配に敏感でなかなか接近できない。逃げるときの飛翔はメスが担当する。2時間以上交尾を続けていた。 他の場所でもメスグロ♀を見る。 ウラギンスジヒョウモンはまだ目覚めていない。〔東播磨地方〕

8月31日(曇り時々晴れ) 「兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会」の恒例行事、若令幼虫調査のため、朝5時起床で但馬に向う。8時現地着、直前まで降雨があったようで、葉っぱには大きな雨粒が残っている。上下カッパと長靴の完全防備で草原に分け入る。 トランセクトルート幅2mの内にあるオミナエシの株数のカウント&幼虫巣の確認、晩秋に種を取るためのオミナエシの花穂へのマーキングといった作業を進めていく。 湿度は高いが気温はそれほど上がっていないため、予想したほどの“難行苦行”ではない。それでも発汗量がすざまじく、衣類全部ずっくり濡れる。たぶん1リットル以上は汗になったはず。 草原の上下、一面が濡れている状況では巣はなかなか見つからない。 朝8時から午後1時まで、メンバー皆ワイワイガヤガヤ楽しく作業する。 ヨツバヒヨドリで吸蜜するウラギンヒョウモン♀を見る。比較的新鮮な個体が多い。 草原を緩やかに舞うのはアサギマダラ。 見かけるセセリはイチモンジのみ。 ミズナラの低木を低く飛ぶ黒いシジミはムラサキか? 調査終了後、単独行動に切り替え、高原のカシワ林に向う。 カシワの樹をたたいてみるが期待に反して何も飛び出さない。根気良くたたいていくと、向こうの低木でチラチラ舞っているゼフ♀発見、近寄りよく見ればやはりハヤシ♀である。葉に落ちた鳥糞を無心に吸っていた。 更にたたくと別の個体が飛び出し枝の裏に潜り込む。良く見れば腹を曲げて産卵する仕草を見せるが実際に産卵したかどうかは確認できず。 低木の葉の表にとまり翅を開くハヤシ♀を撮影する。〔但馬地方〕  

8月24日(晴れ) 昨日今日と二日連続で「青少年のための科学の祭典2008」に“店”を出す。小学生やその親御さんを中心に多数の来場があり、てんてこ舞いの二日間であった。絶滅が危惧される昆虫少年を育成するのが主目的。何とか一人でも興味を持ち続けてほしいと願うばかりである。 でもフィールドに出る以上に疲れました。〔東播磨地方〕

8月16日(晴れ後曇り) 気温が高いため活動している種が少ないことは覚悟の上、撮影トレーニングのため花公園に向う。 イチモンジセセリが数を増している。 植栽のセイヨウフウチョウソウ(クレオメ)の花畑にモンシロが群れている。 探雌飛翔、求愛、交尾拒否、産卵、といろいろなシーンが見られる。 トウワタの花に脚が絡みつき、逃げられないモンシロを見る。クモに捕らわれたのかとよくよく見れば、花のトラップにはまり込んだ模様。トラップがどんな構造をしているのか良く判らないが・・・。 望遠レンズを使って飛翔撮影の練習をする。マニュアルでピントを合わせるほうが簡単だが、動きの遅いモンシロでさえ、ピンボケの山になる。 引き続き、ナミアゲハ、オオスカシバ、アオスジアゲハで練習する。〔東播磨地方〕 

8月11日、12日(晴れ:長野県) 避暑を兼ねて、未明より長野県に向う。 9時現地着。2年前と同じコースを回る。 渓谷に入ると早速コムラサキが滑空しながら出迎えてくれる。 咲き始めたヨツバヒヨドリにキバネ、ミドリヒョウモンが集まっている。 時おりコヒョウモン、クジャク、シー、ボロのヒメシジミも姿を見せる。 林道の崖の切通しにエル、キベリを見る。 明るい草地で吸蜜するのはスジボソヤマキ。 目的のオオゴマはただの1頭も姿を見せない。生息環境はそれほど変わっていないように見えるし、例年ならやや遅めのこの時期にいないとは予想もしなかった。 渓谷を下り、撮影地を変える。 草原にスジグロチャバネのテリ張りを見る。 ムモンアカの発生木の樹冠には期待通り鮮やかな橙色が舞っている。ヒノキの高所で交尾するペアを見る。この場所を離れようとした瞬間、目の前のウドの花にとまるムモンアカを発見!やや暗いながら慎重に時間をかけて撮影する。ストロボ併用時、シャッターが下りる前に先に届くストロボ光に反応し、一瞬翅をV字に開く。20cmまで近づくとさすがに嫌気が差したのか、樹冠に舞い上がった。同じポイントでオナガシジミ、何かのゼフ♂を見る。 撮影地を移動する。 斜面の草地にホシチャバネ、アカセセリを見る。 ここでのお目当て、チャマ夏型は姿を見せず。 ススキ草原にナミジャノメが多い。 ススキに潜むヤマキチョウを見る。これがなかなか敏感で撮影に苦労する。午後4時を過ぎるとオヤスミモードとなり、ススキの葉の裏にとまり本日の活動を停止する。 本日は現地泊、睡眠不足と本日の活動の疲れから早々に床につく。 12日、朝5時発で上高地に向う。 沢渡駐車場6時着。今シーズンから観光バスも直の乗り入れが出来なくなり、渋滞が解消されたとのこと。 7時、かっぱ橋着、早々に高度を上げお花畑に向う。 陽が差し初めると、ベニヒカゲ、クモマベニ、ナミヒョウモンが姿を現す。30分も経つとその数を増し、あちこちで舞い始める。背景の北アルプスの山々と見事に調和し、夢のような光景が広がる。当に至福の時間!である。広角、望遠とレンズを駆使し、カメラ3台フル回転で撮影に集中する。 さらに陽が高くなると、タカネキマダラセセリ、アカセセリが姿を見せる。残念ながら両種ともボロであった。 正午に下山、次のお目当て、オオイチに向うがこちらは不発、さすがに時期が遅いようだ。 遊歩道わきの崖にツマジロウラジャノメを見る。フワーと実に優雅に舞っている。スレ個体ばかりだが、3〜4頭が飛び回る。ときおり黄色の花で蜜を吸う。 やや日陰に咲くヒヨドリバナの花株に多くのチョウが群れている。ヒメキマダラヒカゲ、ミドリヒョウモンが多いが、その他コヒョウモン、キバネが混じっている。その数20頭以上か。 関西はこの時期暑いばかりで、活動するチョウは少ないが、ここ長野県のチョウの多さはどうだ!本当にスゴイ。ガソリンは高いがやはり来てみる価値がある。 午後5時、後ろ髪を引かれる思いで上高地を後にする。〔長野県〕 

8月10日(晴れ) 猛暑日。 気温が上り切る前にクヌギの樹液食堂を巡る。集まっていたのは、ルリタテハ、サトキマダラヒカゲ、ゴマダラチョウ。 あまりに暗すぎるのと、やぶ蚊のあまりの多さに閉口し、集中して撮影できない。 10分足らずのうちに、まともに1枚も写せず、10数ヵ所血を吸われてしまう。 畑の縁のみかんの植栽で産卵行動を見せるナミアゲハを見る。緩やかに吹く風に乗り、優雅に飛ぶ姿を時間をかけて撮影する。 カタバミの群落に羽化したばかりのヤマトシジミ♂見る。撮影中にボロ♂がやってきて盛んに求愛行動を繰り返す。どうみてもオスなのになぜだろう。 他に畑で活動していたのは、キアゲハ、ツマグロヒョウモン、アオスジアゲハ。 あまりの暑さのためかチョウ影は薄い。10時に撤収する。〔東播磨地方〕

8月3日(晴れ) 猛暑の一日。 懲りもせず、クロヒカゲモドキ、オオヒカゲを求めて西に向う。 28年前の正確な発生ポイントの情報を得て、現地に向うが、まったく環境が変わってしまっていて、ススキすら生えていない。これではダメである。 気を取り直し、自分の感性を信じて、各地を回るが、飛び出すのはナミジャノメばかり。 対象をオオヒカゲに切り替え、標高を上げる。 食草はいっぱい生えているのに、いそうな雰囲気がまったく無い。 兵庫県下ではオオヒカゲはもういないかもしれない。 高原のカシワ林でオオウラギンスジヒョウモン♂の探雌飛翔を見る。 ホソバセセリ、キマダラセセリを見る。 それにしても西播磨の山地には鹿が多い。林床がすっきりしているのは鹿が下草を食べつくしているためだろう。 森林復活目的で植栽されたコナラやブナの幼木も無残な姿をさらしている。 本日の鹿の目撃回数は7回、目撃頭数は10頭以上。声を聞く回数、多。〔西播磨地方〕 

7月27日(晴れ時々曇り:鈴鹿) この時期になるとどうしても見たくなるキリシマの飛翔!ということで友人たちと誘い合わせ早朝より鈴鹿に向う。 午前9時半現地着。 巷の噂どおり、今年のキリシマはまったくの不作。ときどき樹冠を渡る銀緑白色を見るのみ。路上に占拠する採集者の数の多さと好対照である。 場所を変えるが、ここでも状況は同じ、10分くらいの間隔で現れてくれるのだが、まったくテリを張らず探雌飛翔を繰り返すのみ、こうなると撮影は不可能、また来年!である。 やや薄暗い空間でテリを張るヘリグロチャバネセセリのボロオスを見る。 アカガシの葉の奥に潜むウラクロのボロメスをみる。 帰り道、道脇の湿地に立ち寄れば、期待通り(=予想通り)オオヒカゲが飛び出す。兵庫県産本種の撮影に苦心惨憺している身にはやや複雑な心境である。 ボロメスながら初撮影の緊張感の下、1時間、約50カット撮影する。〔三重・滋賀 鈴鹿地方〕 

7月21日(曇りのち晴れ) 朝7時自宅発で西に向う。 兵庫一の清流、千種川を下流から上流に向って、ポイントを巡りながら北上する。 お目当てはクロヒカゲモドキとオオヒカゲ。両種とも西播磨では最近記録が無い。 毎年毎年この時期、両種を探しまわっているが、いまだ一度も出遭わない。 まずはクロヒカゲモドキの探索。 各地でキマダラモドキを見る。超ボロから新鮮まで鮮度はさまざま。 クロヒカゲ♀は前翅が丸く、一瞬モドキかと思うが、残念!目玉二つであった。 クロコノマがバタバタと飛び出すが見失う。 ジャノメチョウ♀の間欠開翅を見る。 今シーズン2度目のオオヒカゲ探索も不発。長靴&長袖スタイルで湿地を歩くと、高湿度と高温度で頭はクラクラ、早々に撤収する。 両種の自力探索はもはや限界かもしれない。 *申し訳ありませんが、西播磨における最近の両種の情報をお持ちの方がおられましたら是非ご教示をお願い致したく。もちろんお礼を差し上げます。 新鮮なツバメシジミ♂、ササの葉にとまるゴイシシジミ♀を見る。 ナラガシワの林の空間にオオムラサキが滑空するのを見る。〔西播磨地方〕  

7月20日(晴れ) 今日から始まる「加古川周辺のチョウについて知ろう」ギャラー展示のため、朝9時から会場に詰める。*会場へのアクセスがやや不便ですが、お時間が許せば是非お越し下さい。 午後1時、会場を離れ近場を散策する。 草原のジャノメチョウの盛期は過ぎ、1メスを見るのみ。 ジグモに捕らえられたコチャバネセセリを見る。 キアゲハ、ナミアゲハ、アオスジアゲゲハ、ナガサキアゲハは猛暑の中でも飛んでいる。 クヌギの大木の樹液に来ていたのはキタテハ、多数のカナブン、スズメバチ、それとミヤマカミキリ、カブトムシ♀が各1であった。〔東播磨地方〕

7月19日(晴れ時々曇り) 睡眠不足ながら、悲しい性か、自然に早起きしてしまい、早々に但馬に向って車を走らせる。 ゼフの残り確認のために高標高地に向う。数は少ないながら予想通り、アイノ&ジョウザン?オスがテリを張っている。距離1.5mにとまるアイノ♂に目標を定め、じっくり時間をかけて撮影する。 ヒサマツ♀は姿を見せず。 咲き始めたヒヨドリバナにミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、サカハチが集まる。どれも新鮮。 撮影地を変える。 スキー場の草地にツマグロキチョウ(夏型)が多い。今が盛期のようだ。カワラケツメイに産卵するメスを見る。 更に撮影地を変える。 高原のカシワ林はハヤシ♀ばかり。たたき出すと飛び出すが、すぐ葉の奥に潜り込んでしまう。 やっとのことで、今日のお目当てのウラミスジが飛び出す。カシワのウラミスジは久しぶりの出遭だ。追いかけ回し、とまれば強引に飛び立たせ、執拗に撮影を継続する。約1時間、数百カット撮影する。翅裏はアカシジミにそっくり、でも翅表はキマルリ色、意表を付く表裏のカラーリングでなかなかよろしい!途中、一度だけ開翅するが、ポジションが悪く撮影は失敗(かな)。 更に移動する。 この時期の恒例行事、ウスイロヒョウモンモドキのトランセクト調査を行う。 ウラギンヒョウモン♂はスレが多くなり、代わって同種の新鮮なメス、オオウラギンスジヒョウモンが多くなっている。コキマダラ♂も数を増している。調査途中、交尾中のホシチャバネセセリのペアを見る。〔但馬地方〕

7月13日(晴れ時々曇り、夕方雷雨) 今日も朝から但馬に向う。ゼフを期待し大きな渓谷を訪ねるが、唯の1頭もいない。早々に場所を変える。 渓谷のオニグルミの樹をたたいてみるがオナガシジミは飛び出さない。 午前10時、ウスイロヒョウモンモドキのトランセクト調査を行う。 コキマダラセセリ♂は新鮮、この種も今年は発生が遅れているもよう。 草原にはウラギンヒョウモン♂が多い。 テリを張るホシチャバネセリ♂を見る。極めて新鮮。このポイントはもうダメかと半分諦めていたところ、何とか生き残ったようだ。近くを飛ぶハエやアブに反応しスクランブルをかける。一旦飛び立つと目で追うことが出来ない。 更に撮影地を移動する。先週に続きヒサマツを狙う。あわよくば、メス!を狙ったが、やっぱり現れず。 先週のテリ場に今日もオスが陣取っている。尾状突起は1本しかなく、かなりスレている。正面・上から見下ろす角度になると、それでもまだ金緑色に輝く。天気が悪いためか、今日は他のオスが侵入してこない。 雷が鳴り出し早々に撤収する。〔但馬地方〕 

7月12日(曇り時々晴れ) 二日酔い今日は遅めのスタート。 10時自宅発で西播磨の渓谷に向う。 現地着11時半、すぐ歩き始める。思ったほどチョウを見かけない。と言うかまったく何もいない。わずかにボロのミヤマカラスを見るのみ。ようやくたどり着いた陽だまりにチョウが集まっていた。新鮮なミヤマカラス♂、オオウラギンスジヒョウモン♂、テング2頭、ウラギンシジミ、でもたったこれだけ。 来た道を引き返し、ようやくお目当てのミスジチョウに出遭う。ミスジとは相性が悪いらしく、兵庫県内ではこれまでまともに撮影したことがない。かなりのボロ個体なのにムチャクチャ敏感で近寄れない。このポイントで粘る覚悟を決める。よくよく観察すればテリを張っているらしく、他の個体が近づくと飛び立ち追尾する。計3頭が入れ替わり立ち代りやってくる。30分、約100カット撮影する。 次の目的地へ移動する。 高原集落の休耕田の湿地にオオヒカゲを探す。兵庫県内で本種は約20年記録が無い。最後に確認された当地をこれまで何度も訪ね、探すが今日も姿を現さない。 畑のあぜに咲くアザミにオオウラギンスジヒョウモン♂が多い。〔西播磨地方〕 

7月6日(曇り時々晴れ) 朝5時起床、宿近傍のゼフテリ張りポイントに向う。ジョウザンらしきゼフが数頭、樹冠高く飛ぶが下に降りてこない。降雨になり早々に撤収する。 10時観察会開始。約60人集まり昨年以上に盛況となる。ハチ高原を彩る花やチョウ、ウスイロヒョウモンモドキの生態など、メンバーがスライド紹介する。その後、ウスイロヒョウモンモドキ生息地を目指して皆で登山を始める。遠方からのチョウ愛好者をはじめ、地元の住民・小学生、大学の先生、行政関係者など、いろいろな人が幅広く集まる。爽やかな風が吹き抜ける高原で、チョウや花を見ながら、皆でワイワイとお弁当を食べる楽しさはまた格別である。観察会は今年で4年目、地域の恒例行事になりつつあると伺い、活動継続への決意を新たにする。午後2時下山、そして今年も無事終了。 昨日に続き友人たちと誘い合わせ、今日はヒサマツの撮影に向う。午後3時半ポイント着。すでに数人の採集者とカメラマンが陣取っているところに割り込ませていただく。かたじけない!早速ヒサマツ♂が飛来する。腰の高さで約2m先に金緑色の翅表が輝く。突然のシャッターチャンス到来にカメラばかりでなく心の準備も整わない。気ばかり焦り、露出補正を誤り、撮影失敗。やや高くやや遠い位置ながら、テリ場にはいつもヒサマツがとまっている。次々に現れる他のオスにスクランブルをかけ、追尾、卍を繰り返す。最多で4頭が追い駆けあう。被写体まで約3m、もう少し寄りたいが足場が悪く叶わない。午後5時半、陽が大きく傾くとテリ場に位置が移動する。日当たりの良いブナの高所を好むようになる。最後まで残ったカメラマンは4人。そしてラストチャンスは突然やってきた。地上30cm、距離1mの絶好のポジションにとまり、例の金緑色の翅表を見せる。と、同時に一斉にシャッター音が響く。その間わずか2〜3分、カメラ3台を駆使し、計30カットを撮影する。念願であった個体正面、かつ見下ろす角度45度のベストポジションでの撮影成功である。大きな達成感&満足感に包まれながら山を降りる。〔但馬地方〕

7月5日(晴れ時々曇り) 翌6日のハチ高原・夏のチョウ観察会の準備とウスイロヒョウモンモドキのマーキング調査のため早朝から但馬に向う。午前9時現地着。集合した兵庫ウスイロヒョウモンモドキを守る会のメンバーと打ち合わせた後、早速マーキングを開始する。例年に比べやはり1週間以上発生が遅れている。標高1000mとはいえ、木陰などまったくない炎天下の草原、滝のように流れる汗にまみれながら、今では持つことのなくなった捕虫網を振り続ける。午前の一時間半の間でなんとか25個体にマークする。1時間の昼休憩を挟み、更にもう1時間マークを続ける。全部で2リットルの飲み物を用意していったが、それでも足らず、アブナイところであった。 調査中に見かけたのは、ミヤマチャバネ、ギンイチモンジの各セセリ。例年ならこの時期に多いコキマは唯の1頭も姿を見せず。 アザミで吸蜜するのはウラギンヒョウモンのオス。ときにメスを探して草原を低く飛び続ける。 ミズナラの幼木の新芽に産卵するムラサキシジミを見る。 午後3時の調査終了後、友人たちと誘い合わせて高原のカシワ林に向う。 到着後、早速葉の茂みにハヤシミドリを見つける。午後4時を過ぎるとあちこちで卍飛翔が始める。飛翔撮影用に自ら考案したストロボ調光板をセットし、ひたすら卍を追いかける。午後5時、テリ張り&追尾飛翔がピークを迎える。夕日が当る葉先にとまるやいなや、すぐ翅を開く。スカイブルーの翅表が夕日に輝き、見る角度によっては強烈な光を反射する。あまりの美しさにあちこちから感嘆の声が上がる。 ハヤシばかりでなく、ときにキマルリが視界を横切るが、すぐ見失ってしまう。暗くなり始めた午後6時半までハヤシを堪能する。 宿に戻ったのは8時、以降日付が変わるまで大量のビールを消費しながら、楽しいチョウ談義が続く〔但馬地方〕

7月2日(晴れ後曇り、夕方一時雨) 休暇を取って早朝から但馬に向う。 まずは今週末のハチ高原・夏のチョウの観察会の事前現場確認をかねて、トランセクト調査および、ウスイロヒョウモンモドキの発生状況確認のため草原を歩く。 時間は早いが風があるためか、露は降りていない。ウラギンヒョウモン♂が活発に飛び回り、ときにアザミで蜜を吸う。 ギンイチのボロメスが飛び出す。 お目当てのウスイロの登場は例年に無く遅れているもよう。トランセクト終了後、目ぼしい草地を歩き回ってようやく1頭確認する。 ハチ高原は9時で切り上げ、ゼフの撮影に向う。 メスアカポイントではゼフの姿なし。わずかに獣糞の汁を吸うルリシジミ&コチャバネセセリの集団と夏型のサカハチを見るのみ。 更に場所を変える。 次のお目当てヒサマツは律儀にも正午きっかりに姿を見せる。こちらの期待通りの葉先にとまり、翅を広げる。自分のテリトリーに別のオスが侵入すると、激しく追いたて、ときに卍になる。同種のオスだけでなく、ルリシジミやウラクロ、ハエまで対象にしてスクランブルをかける。よくよく見ればハエも同じところでテリを張っているのである。とまる位置や開く翅の角度、見る方向によって翅表の色や輝き方が変化する。180度翅を開き、正面前方45度の角度で見下ろすポジションがベストなのだが、一度もチャンスなし。入れ替わり立ち代り3頭がやってくる。内訳は、新鮮1頭、ボロ1頭、その中間1頭であった。一週間前に導入したニューカメラを含め、3台のカメラで計400カット撮影する。数メートルの近さで、かつ見下ろす位置でじっくり観察できる喜びを噛みしめながら、3時間の撮影に集中する。 テリ張り後ヘロヘロのオオミドリ、ヒサマツのテリ場で開翅するウラクロ♂をみる。〔但馬地方〕 

*ハチ高原のウスイロヒョウモンモドキを許可なく採集することは法律(自然公園法)により禁止されています。採集を目撃、もしくは疑わしい行為を目撃したときは、問答無用で即通報します。

6月28日(曇りのち雨) 梅雨前線の北上が少しでも遅れることを祈って但馬に向う。 午前8時現地着。羽化直後の個体がいないかと、ウラジロガシの森の中を丹念に見て歩くが見つからず。 右前翅の80%を損失したゴマダラチョウを見る。鳥にやられたのだろうか?さすがにこれでは飛べない。 アザミの花で蜜を吸うキアゲハ♂&♀を見る。 ミヤマカラスアゲハは新鮮、活発に飛び回る。 カラスアゲハの飛翔求愛行動を見る。 ブナの樹冠を活発に飛ぶフジミドリを見る。 今日の主目的、テリ張り場にはしごを掛け、撮影の邪魔になりそうな枝を切り払い、ヒサマツの登場を待つ。いつもなら正午の時報を合図に現れるのだが、今日はその時刻になると雨が落ちてくる。 それでも諦めず粘っていると、雨の中、ヒサマツ♂が活発に飛び始める。光量が不足しているためか、こちらで準備したステージにはとまってくれず、はるか彼方の明るい葉先にとまる。開翅すると遠めにも輝いているのが分る。ときどき目の前を猛スピードで通過する。飛翔能力を見れば、キリシマと同じくらいかむしろ上回っているかもしれない。2頭以上、計20回くらい目撃する。ときに、ミズナラやブナの葉の中にもぐりメスを探すような仕草を見せる。ハヤシミドリの探雌行動によく似ている。今日はまともな撮影チャンスは一度もやってこなかったが、興味深い行動を目撃することが出来て、それはそれで満足の一日であった。それにしても今年の但馬ゼフは近年稀にみる「不作」か。〔但馬地方〕 

6月22日(雨のち曇り、夕方は雨) 天気予報通りの一日。 朝起きると雨、久しぶりにゆっくりしたスタート。午前10時自宅発で岡山県境近くの渓谷に向う。 正午過ぎから明るくなり雨が上がる。渓谷沿いはの道は湿度100%、飛ぶチョウは少ない。わずかに、クロアゲハ、オナガアゲハ、カラスアゲハがウツギの花で吸蜜するのを見る。ミドリヒョウモン♂は新鮮。 お目当てのミスジやメスアカミドリは姿を見せず。 午後1時半、急いで東播磨に戻る。 3時過ぎ、空がやや明るくなるとキマルリが飛び出す。1週間前に比べ、翅はスレ、カケている。時々コチャバネセセリが混じるが、計3頭のキマルリがテリを張り、飛び回る。 下草で翅を広げる個体もいるが、残念!尾状突起は4本そろっていなかった。 撮影時間20分、その後雷雨&豪雨となり大急ぎで退散する。〔西播磨地方→東播磨地方〕

6月21日(雨のち曇り、一時晴れ、午後は曇りのち雨:但馬) 目まぐるしく空模様が変わる一日、でも天気予報通り。 朝4時起床で但馬へ向う。 現地着7時半、霧雨のなかガスがかかる。 ヒメキマダラヒカゲは霧雨でも活発に飛び回っている。 8時を回りようやく空が明るくなると、クロヒカゲが活動を始める。 ウラクロ♂が頭上を通過していく。 9時、陽が差し始める。ジョウザンらしきゼフがブナの樹冠に上がるが同定はできない。 ササの葉の周囲を飛ぶのはゴイシ♀。 ブナの高枝をたたくとフジ♂が飛び出すが、アッという間に見失う。 例年ならこの時期、この辺りではゼフわんさかだが、今日はとても少ない。季節のめぐりが遅いのか、不作の年なのか分らないが、とにかく少ない。 雲が低くなるのにあわせて、下界に下りる。 遊歩道のコナラにミズイロオナガを見る。 アザミで吸蜜していたのはウラギンヒョウモン♂。 やや暗い場所ではスジボソヤマキの新鮮個体が多い。オス4頭、メス2頭を見る。狭い場所でこんなに数多く見るのは始めてである。 カラスアゲハ、モンキアゲハが活発に飛び回る。 新鮮なキマダラセセリを見る。どうやら羽化直後らしく、まだまともに飛べない。 雨が強くなり早々に引き上げる。〔但馬地方〕  

6月15日(曇り) 昨日の捻挫の痛みが残るが、この時期そうも言っておられず、朝5時起床で西播磨に向う。6時半着。 樹も草もしっとり夜露に濡れている。 ナラガシワの枝をたたくとゼフが落ちてくる。ウラジロミドリ♂&♀、ヒロオビ♀のとまっている位置を確認し、そっと気温が上がるのを待つ。 7時半、ようやく気温が上がり、ウラジロミドリは♂♀とも翅を開く。やや光量が少ないため、脇を閉め、ブレに注意しながらシャッターを押し続ける。 ヒロオビ♀は翅を開くことなく飛び立つ。 笹原でオオチャバネセセリを見る。 ナラガシワの樹の下草にとまるミズイロオナガを見る。 ヒメジャノメ♀は大きく新鮮。 朝8時、西播磨を撤収、東播磨に戻りヒメヒカゲの調査に向う。成虫の調査は今日で7日目。大体の傾向は掴めたような気がする。 ヒメヒカゲの調査中に、新鮮なミドリシジミ♂の開翅に出遭う。すばらしいページェントに感激! ミズイロオナガの開翅、メスを探すウラギンスジヒョウモン♂の飛翔を見る。 ヒメヒカゲ調査は午後1時終了し、昨日に続きキマルリ撮影に向うが、気温低く、雲厚く、今日は姿を見せず。 ホシミスジ♀を見る。〔西播磨地方・東播磨地方〕 

6月14日(晴れのち高曇り) 朝3時半起床で但馬に向う。途中、道路わきの温度計は14度を示している。ゼフポイント着6時半。 気温は低く、時おりガスがかかり、何も飛び出さない。わずかに遠くウラクロ♂を見るのみ。 午前7時、次第に晴れ間が広がる。 フジ♂の羽化直後の個体を求めて、ブナの樹の下を丹念に探すが見つからない。 延々2時間、一万歩以上を歩く。途中、不覚にも地面のくぼみに足を取られ軽い捻挫をしてしまう。 午前8時半、足元で翅を開く超新鮮♂を発見!と言うか思わず踏みつけてしまいそうな状況で遭遇する。 フジも驚いたらしく、弱弱しく飛び立ち、50cm離れたススキにとまる。 背景がゴチャゴチャし、しかも暗いため、ベストポジションには程遠いがとにかく大急ぎで撮影する。 撮影開始数分後、何とかV字に翅を開いたところを10カット抑える。 全開を期待したが、残念!そのままフラフラ飛び立ち、ブナの梢に消えた。 今日出遭った採集者の聞き取りでは、アイノ、ジョウザン、メスアカなどゼフの姿はまったく無い、とのことであった。 タニウツギの花で蜜を吸うミヤマカラスアゲハ♀を見る。 クロヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲ多い。しかも新鮮。 午後10時、本日の目的達成に付き撤収する。 正午過ぎ、東播磨に戻りヒメヒカゲ生息調査に途中から参加する。 計4箇所を回る。 南向き斜面の生息地はもはや発生の終盤、メスもスレ・ボロばかりとなっている。 午後4時、ヒメヒカゲ調査を終了し、キマルリの撮影に向う。 5時前ようやくテリを張るキマルリを確認。そっと近寄ると尾状突起4本の新鮮なオス個体であった。5分後見失う。 新鮮なナミヒカゲ、ヒメアカタテハ、ホシミスジ、アサマイチモンジを見る。 ノイバラの花で蜜を吸うウラギンスジヒョウモン♀を見る。〔但馬地方・東播磨地方〕 

6月8日(晴れ) 連日、早朝からヒメヒカゲの調査に出る。今日は不心得採集者が現れそうな日曜日。 今日がヒメヒカゲの発生のピーク、一部のメスもスレ始めた。ヒメヒカゲの求愛行動を数多く見る。メスはすべて交尾済みか、一度も成立せず。逃げ回るメスは下草深く落ちてやり過ごすことが多い。 ウラナミジャノメも今が盛期である。 ウラギンスジヒョウモン♂は探雌に忙しく、とまることは少ない。わずかに、ヒメジオン、ネジキで訪花・吸蜜を見る。メスは未発生。 チャバネセセリの交尾を見る。 夏型トラフを見る。 ヒメジャノメ、ナミヒカゲはいずれも新鮮。 汗ばんだ衣類の汁を吸うのはヒオドシ。 ヒメヒカゲの衣類からの吸汁、路上の鳥糞からの吸汁を見る。 樹冠高く飛び回るのはコムラサキ。 ウラギンシジミ、ナミアゲハ、キアゲハ、モンキアゲハ、ツバメシジミ、ベニシジミを見る。〔東播磨地方〕

6月7日(晴れ時々曇り) 今日も朝からヒメヒカゲの生息調査に向う。今日は地元の高校の先生と生徒が参加してくれ頼もしい。班を分け、当班は計20箇所近くを回る。 ウラギンスジヒョウモンのオスを見る。一斉に発生し出したもよう。すべて新鮮。 ウラナミジャノメは数を増している。 チャバネセセリ、コチャバネセセリを見る。 ナミアゲハの第2化個体が活発に飛び回る。 各地でヒオドシチョウを見る。 小ピークでテリを張る、キアゲハ、カラスアゲハ、ツマグロヒョウモンを見る。〔東播磨地方〕  気分転換で午後3時から北播磨に向う。 蝶道を飛ぶウラゴ&アカシジミを見る。 お目当てのウラキンは姿を見せず。 ボロのジャコウアゲハ♂の飛翔を見る。〔北播磨地方〕

【ヒメヒカゲ生息調査の途中経過】 かつて好生息地として有名であった東播磨地方の某2箇所において、ほぼ絶滅が確認された。何度調査しても姿を見せないので、止む無くこの判断に達した。かつて、多数の採集者がネットを持って歩き、その歩いた跡が網の目のように現地に残っているが、当の主役は姿を消してしまった。生息環境はそれほど変わっていないようにみえる。すさまじかったであろう採集圧を感じざるを得ない。かつて当地で“オニ採り”した採集者たちへ、「チョウ愛好家の端くれなら少しは罪の深さを感じろ!」

6月1日(晴れ) 昨日とは打って変わって朝から青空が広がる。 今日も朝からヒメヒカゲの生息調査に向う。今日は山の斜面を中心に歩くが、気温が高く、足場が悪いところばかり歩いたためバテてしまった。 ヒオドシチョウ初見。新鮮な個体。 山頂ではカラスアゲハ♂3頭が集まり追尾飛翔を繰り返す。 薄暗い雑木林の中のイヌザンショウに産卵するカラスアゲハ♀を見る。 ヒメヒカゲ生息地でウラナミジャノメを見る。やや小さな個体で一見、ヒメのようであった。 テング新鮮、羽化したばかりの個体を各地で見る。 ヒメヒカゲ生息地で採集を強行する輩がいるとの情報がメンバーよりもたらされる。かなりの高齢者とのこと。採集自粛を要請する看板を目にして、かつ、我々メンバーが丁寧にお願いしても聞く耳を持たなかったとのことである。当人からすれば、いろいろ言い分があろうが、これが現実である。悲しい。〔東播磨地方〕

5月31日(雨のち曇り) 雨が降る中、10時前からヒメヒカゲ生息調査を行う。訪ねたポイントは約20箇所。思うような結果が得られず不安が募る。 雨があがった午後2時、神戸新聞の取材を受ける。〔東播磨地方〕

5月25日(曇り時々雨、一時晴れ) 昨日の雨が上がり、カラッと晴れるかと思いきや、天気が目まぐるしく変わる不安定な一日。しかも梅雨のように湿度が高い。 本日からヒメヒカゲ生息調査に参加する。ウィークデーに活動可能な他のメンバーは先週からすでに活動している。 時おり降る雨の中、ずぶぬれになりながら各生息地を回る。 すでに成虫が発生している場所は一部に限られている。 計10箇所の生息地を調査する。 調査は午後3時終了。 その後ウラゴマダラの撮影に向う。いつものイボタの森は今が満開。薄日が差し込むなか、ウラゴ♂が活発に飛び回っている。雲が厚くなると活動を停止し、木々の高所にとまる。とまる樹はイボタに固執しない。 高所にとまる個体を、他の飛翔中の個体が発見すると、まとわり付くような飛翔を見せる。探雌飛翔のように思われる。 比較的低い位置にとまる個体を発見!しばらくするとゆっくり翅を開き始める。3カット撮影後、舞い上がった。めったにお目にかかれないチャンスをモノにする。 相互リンクいただいている「神戸市の蝶・お気に入りの蝶」サイトのブロブ「活動日誌」2月9日UP、タイトル「冬季版:ウラゴの関心事」とまったく同じ行動を目撃する。  エノキの樹冠を旋廻飛翔するゴマダラチョウを見る。 これから産卵するつもりなのか?ボロボロのテングを見る。 新鮮なアサマイチモンジを見る。 イボタの花で吸蜜していたのはアオスジアゲハ。〔東播磨地方〕 

これから当東播磨各地ではヒメヒカゲが現れます。「お知らせ」に載せている通り、各地で生息状況の調査を進めています。何卒、採集自粛へのご理解とご協力をお願いします。

5月18日(晴れ)朝食もそこそこに大急ぎで加古川に戻り、朝9時からの「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の恒例行事、ギフチョウ幼虫調査に参加する。チームに別れ各生息地を回るが、例年に比べ見つかる幼虫の数は少ない。3.5人で2時間半、真剣に探して、ようやく100頭である。 このじきに見つかる幼虫の数と翌年の成虫の数は必ずしも一致しないが、少ないとやはり寂しいものである。 畑の水路のミヤコグサに産卵するシルビアシジミ♀を見る。 ギフチョウ幼虫調査は午前中に終了。 午後から一部メンバーを変更し、ヒメヒカゲ調査のための事前打合せを行う。その後、皆で生息地を回る。このじきのヒメヒカゲ生息地は緑の波に飲み込まれているため、遠方から見るとどこが生息地なのか良く判らない。冬期とは大違いである。 「ギョウザ」の巣に潜むミドリシジミ終齢幼虫を見る。 スイカズラの大きな花株の周囲を飛ぶイチモンジチョウを見る。〔東播磨地方〕

5月17日(晴れ) 朝5時起床で但馬に向う。8時現地着、早速、ウスイロヒョウモンモドキ保全のための各種フィールドワークに取りかかる。 高原を爽やかに吹き抜ける風のなか、保全のための看板やトランセクト調査用ポールの設置など、皆で和気藹々と楽しくこなしていく。 休憩時に幼虫を探すが見つからない。 日差しは強いが、気温は10度をわずかに上回る程度か?東向きの谷でもまだ残雪が見られる。 キアゲハが元気に飛び回るがその他のチョウの姿は少ない。 ウスバシロもまだ現れていない。 午後3時作業終了。 ここでトンデモナイことが・・・!車で上がれるスキー場最上部に駐車しておいた私の車の助手席側ドアのガラスが無い!よく見れば車の外、内に粉々に飛び散っていた。 いわゆる車上荒しである。 幸いにもお金など貴重品は身につけていたため無事だったが、ろくでもないものばかりなくなっていた。 車の外からよく見える助手席にバッグなど置いておいた自分の不注意を反省する。それにしても大胆と言うか、荒っぽい手口に閉口する。警察対応などに時間がかかり、メンバーに迷惑を掛けてしまう。 現地に泊まり夜遅くまで打ち合わせる。〔但馬地方〕 

5月11日(午前:曇り、午後:曇り時々晴れ) 午前中は所用をこなし、正午前、天気の回復を願いながら西に向う。 行き先は今月4日、6日に同じ。 日差しの中の「アゲハの谷」にようやくアゲハが戻ってきた。クロ3頭、カラス3頭、オナガ3頭、モンキ1頭、ジャコウ1頭、ウスバシロ1頭、が入れ代わり立ち代りアザミにやってくる。すべての個体が吸蜜目的ではなく、ときに、オナガ♂、カラス♂は明らかにメスを探している飛び方である。これでも例年に比べると少ないが、まあ良しとしよう。 咲き始めたウツギで蜜を吸うアオバセセリを見る。 撮影地を変える。 集落の中を流れる清流でダイミョウセセリを見る。 サワガニの轢死体の汁を吸うコミスジを見る。 ネギボウズに来ていたのは越冬明けのアカタテハ。 太陽が顔を覗かせるとウスバシロが一斉に飛び始めるが、ひとたび陽がかげると一瞬にして姿を消す。 ジャコウ♀の産卵行動を見る。〔西播磨地方〕

5月6日(快晴) 明け方は気温が下がったが、その後はグングン上昇、快晴の一日。 2日前と同じコースをたどる。 明るい栗林では今日もウスバシロが多い。むしろ2日前より数を増している。栗林の外にほとんど出ることは無く、探雌飛翔を繰り返す。ときに着地し、草の中に潜り込み、歩行でメスを探している様子。羽化したばかりで翅を伸ばしている最中のオスに猛アタックするが、同姓と分るとサッと離れる。また、ときに栗の梢に舞い上がるが、何のための行動か解らない。 のどかな景色のなか、吹く風は心地よく、心からリフレッシュする。連続4時間半、この場所に留まり心行くまで撮影する。 標高を下げ「アゲハの谷」に移動する。今日もアゲハは少ない。1時間のうちにやってきたのは、クロ、オナガ、カラスが各一回のみ。 アザミの花で蜜を吸うスジグロシロをよく見れば、どうやらヤマトスジグロか。普通のスジグロと混飛しているようだ。 エノキの小枝に産卵するテングを見る。 合流した友人と共にジャコウの撮影に向う。河原の土手にはウマノスズクサが多いが成虫の姿は無い。ようやく風に向って緩やかに飛ぶメスを見つける。明らかに産卵場所を探している飛び方である。飛翔を狙い50カット以上撮影するが、なんとか見るに耐える写真は数カットのみであった。〔西播磨地方〕

5月4日(晴れ) 今日は暑くなるとの天気予報を聞きながら朝7時半発で西播磨に向う。 9時前、「アゲハの谷」に到着。蜜源のアザミは咲いているものの肝心な被写体が見当たらない。10分後、ようやくクロアゲハが現れるがその後が続かない。まだ時期が早いのか? ツマキチョウ多い。ただしまったくとまらない。 飛翔中のアオバセセリを見る。シャッターチャンスはなし。 場所を変える。 集落の中の栗林にウスバシロが多い。地主の方の了解を得てから入らせていただき、時間をかけて撮影する。 よく見れば林床は幼虫の食草であるジロボウエンゴサクがびっしり生える。そんな中をとまることなく、草に触れるくらい低くゆっくり飛びまわる。明らかに羽化してくるメスを探している行動である。50m*10mの範囲で15頭前後の個体が飛び回っている。視界の向こうでは、田植えの準備が始まっている。数百年続いてきた5月初旬の山村の原風景である。 帰り道、「アゲハの谷」では花粉を頭から被ったジャコウアゲハ♂がアザミで蜜を吸っていた。 正午、東播磨に戻る。神社裏のツツジの植栽で蜜を吸うナガサキアゲハ♂を見る。しかし例年ならこの時期、アゲハ、キアゲハ、カラス、ミヤマカラス、クロ、アオスジの各アゲハが群れているはずなのに、今年はどうしたことか、ポツポツとしかやってこない。 テリを張るコミスジ♂を見る。 ヒメウラナミジャノメの交尾を見る。 湿地のハンノキ林の低木でミドリシジミの幼虫を見る。“ギョウザ”を開けば、もう終令になっていた。〔西播磨、東播磨地方〕

4月27日(晴れ) 加古川市主催の「チョウ観察会」に参加する。野山を散策するには絶好の天気。初参加の小学生やその親御さんにも解るよう、説明のお手伝いをさせていただく。 ギフチョウも複数回、姿を見せる。ヒルトップの占有行動も確認する。 片道2kmの往復路で、本日確認した種は25種。初見はクロアゲハ、サトキマダラヒカゲ、ツマグロヒョウモンなど。 道端の木陰に生えるイヌビワの幼木の新芽にイシガケチョウの卵を見る。 午後3時前、所定の行事は無事終了。 ギフチョウよりも絶滅の恐れがある昆虫少年たち、今日のような機会を捉え、積極的に昆虫・チョウ愛好家の育成にお手伝いしたいものである。 観察会終了後、各地を回る。 池の土手の生息地でボロのシルビアのオスを見る。この発生地はヤマトと混飛していて同定に苦労する。メスは新鮮であった。〔東播磨地方〕 

4月26日(晴れ後曇り) 勝負は午前中!と見極め、朝5時起床で但馬に向う。 いつもギフがテリを張るポイント到着は8時半。薄日が差すが風強く、肌寒い。気温は15度、16度くらいか。 それでも林道にはポツポツととまっている。気温が低いためか占有飛翔の時間は短く、すぐ地面に舞い降りてしまう。大半の個体はややスレながら、目だった破損もなく、この時期にしてはまずまずの鮮度である。最多で4頭が追いかけあうのを見る。吸蜜源は路傍に咲くスミレ。吸蜜時間は極めて短く、2〜3秒程度。これでは撮影できない。今日は飛翔を集中的に撮影する。採集者がいないため、心穏やかに集中して撮影に専念できる。 林道の地面近くをフラフラと弱弱しく飛ぶコツバメを見る。飛翔撮影するには願っても無いチャンス。結果、見事撮影成功。 雲が厚くなり、更に風が強くなった10時半に撤収。その他としてはルリタテハを見るのみ。 ギフ有名ポイント付近は採集者の車だらけ。 高標高地はまだ残雪深い。〔但馬地方〕

4月20日(曇りのち晴れ) 今シーズン初めて但馬に向う。午前8時でも気温は13度しかない。狙うはギフチョウ・カタクリ・木々の芽吹き・青空のセットである。 友人からの情報を元に、ポイントを絞り込み、今日はひたすら待つ覚悟で山に分け入る。 ミヤマカタバミ、エンレイソウ、キケマン、ヤマルリソウ、シャクナゲなど但馬の春の花が競い合うように咲いている。 急坂を登ること1時間、ようやくカタクリの群落に到着。見事に花を付けているが、肌寒い。オマケに雲が厚い。これではギフは飛ばない。 地面にとまり、体を倒し、時々差す薄日で体温を上げようとするスギタニルリを見る。 正午近くになり、ようやく陽光が安定、気温も上昇する。 谷深く、ハイカーが指差す先を見れば、カタクリで蜜を吸うギフ!やっと登場である。木に掴まりながら急斜面をズルズル下り、カメラを構えたとたん飛び立たたれる。道無き急斜面を探し回ったが2度と姿を見せず。3時間以上粘ったのに失敗!止む無く撤収する。また来年である。 ブナの芽吹きが始まり、明るい原生林はすばらしい光景であった。〔但馬地方〕

4月19日(曇り時々晴れ) 雲厚く、やや風も強く、この時期にしては肌寒い一日。 友人たちとヒメカンアオイ自生地を回る。 朝9時半、雲厚く気温が上がらない中で、地面にとまるギフ♂を見る。ややスレながら翅に大きな破損は見当たらない。 雑木林の中のお気に入り撮影ポイントに移動する。雲が切れ陽が差した瞬間、どこからともなくギフ♀が飛来し、ヒメカンアオイの葉を触っていく。数分低く飛んでいいたかと思うと、急にヒメカンアオイの葉の上に着地し、葉の縁に掴まる形で産卵を始める。2〜3分で計5卵を産みつける。 更に数分後、同じ個体が再び産卵、今度は計7卵を産む。 撮影地を変える。 ここでも産卵を見る。産卵に至るパターンはまったく同じ、計7卵を産みつける。 今日のような曇りの条件下で狙い通り、しかも3回も産卵シーンを撮影できたとはラッキーであった。 ルリタテハ、ミヤマセセリを見る。 〔東播磨地方〕

4月13日(晴れ後曇り) 天気予報では午前中が勝負とのこと。 朝8時、友人からの情報をもとに発生ポイントへ向う。9時半現地着、昨日に比べ気温が高い。 早速、ギフ♂3頭が飛び回っている。キアゲハも混じり追尾飛翔に忙しい。どの個体もまだ新鮮。 うち1頭がフラフラ離脱しスミレで吸蜜を始める。尾状突起が中に浮いた絶好のポジション。光量も申し分なし。一瞬、カメラのセッティングを確認したのが運の尽き、シャッターチャンスは数秒しかなく、あえなく失敗。10時半、雲り出すと一斉に姿を消す。 昨日、ツツジでの吸蜜を確認したポイントへ移動。雲が切れず、目撃頭数は少ない。わずかに2度、探雌飛翔を見るのみ。 更に場所を変える。再び晴れ間が広がってくる。ここでは2頭がテリを張る。いずれもオスかと思ったていたが、結果的には1頭メスであった。1頭が飛び立ったところへ別の個体が侵入、もつれ合うと言うか、後から来た個体が体当たりするように2頭とも落下する。一瞬何が起こったか分らなかったが、オスが上から強引に押さえつけ、やがて交尾が成立するのを見て納得。30分後交尾が解けるまでのいろいろなプロセスをじっくり観察、撮影に専念する。撮影枚数は150カットに及ぶ。思い起こせば、メスは交尾するためにオスのテリ張りポイントで待っていたようだ。離れるときにはしっかり交尾嚢が付いているのを確認する。 ヤマツツジで蜜を吸うキアゲハを見る。 ミヤマセセリ、ヒオドシ、ヒメアカ、ルリタテハを見る。〔東播磨地方〕

4月12日(晴れ) 早朝、出張先から大急ぎで帰宅、睡眠時間もないままフィールドに向う。 今日は「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の成虫観察会、でも10時を過ぎても気温は上がらず、ギフは現れない。 11時前ようやく1頭姿を見せる。その後4度目撃、しかし同一個体の可能性もある。明るい雑木林のなかではミヤマセセリが多い。越冬明けのキチョウ、ルリタテハも活発に活動する。 成虫観察会は午前で終了、午後は更に友人と各ポイントを回る。 一箇所目は1頭のみですぐ見失う。 2箇所目は密度濃く発生しているようで次から次と現れる。羽化後まもないと思われる個体も混じる。コバノミツバツツジでの吸蜜シーンを見る。いつもなら10秒ほどで終わってしまうが、今日は数分吸っていた。 3箇所目、4箇所目は採集者を見かけ、高まった気分が一気になえる。当地では一日粘っても数頭しか採れないため、チャンスがあれば全て採ってしまうのうだろう。腹立ち紛れに採集者の車を撮影する。 明るいブッシュでテリを張るコツバメを見る。 ツマキチョウ、ヒメウラナミジャノメ初見。〔東播磨地方〕

4月6日(晴れ) 春らしい暖かい日、絶好のギフ日和。 友人と待ち合わせ、9時前からフィールドに出る。 昨日の目撃地点で待つこと1時間、10時過ぎようやく1頭現れる。今日もメスを探し、低く飛び回る。 追い掛け回し、落葉にとまる短時間のシャッターチャンスに賭ける。 頭数が一向に増えないため場所を変える。 丘の上では昨日のキアゲハがテリを張っていた。戦うナミアゲハの数は増している。 続いて2箇所回るがギフは現れず。 薄暗い廃道の木漏れ日のなかに咲くカタクりを見る。花数は多くないがすばらしい光景。時間をかけて撮影する。ギフを期待するが現れない。 ギフをあきらめ帰り道を数十メートル戻ったところ突然ギフ登場、何とかカタクリの花の方へ行ってくれないかと追い込んでみたものの、逆方向へ遠ざかるばかり。う〜ん、残念!また来年である。 さらに場所を変える。 本日のギフ目撃頭数は3頭、歩数は1万6千歩。 雑木林の遊歩道でトラフシジミを見る。初見。 田んぼのあぜ道ではツバメシジミ、こちらも初見。 ヒメアカタテハ初見。 コチャバネセセリ初見。 ルリタテハ、ミヤマセセリ、テングを見る。〔東播磨地方〕

4月5日(晴れ) 絶好の天気ながら午前中は出勤。 午後1時半、駅に停めておいた車に飛び乗り、帰宅することなくそのままフィールドに向う。 見晴らしの良い丘のピークでテリを張るキアゲハを見る。初見。 しばらくするとナミアゲハも現れる。こちらも初見。 もつれ合うように追いかけあう。 雑木林の中ではミヤマセセリ、ルリシジミが飛び回る。 ヒメカンアオイ自生地で低く長く飛ぶギフを見る。たぶん探雌飛翔なのであろう。咲き始めたコバノミツバツツジやシハイスミレには目もくれず、地表スレスレを飛び、なかなかとまらない。ようやくとまっても、人の気配を感じるとすぐ飛び立ってしまう。近寄れてもせいぜい1mまでといったところか。 計4頭くらいが飛び回っていたようだ。もちろんすべてオス、すべて新鮮である。 午後3時日がかげり始めると一気に姿を消す。 ルリタテハ、ヒオドシを見る。〔東播磨地方〕

3月29日(晴れ時々曇り) ソメイヨシノは咲き始めたがやや寒い一日。 10時からフィールドに出る。午前中はヒメヒカゲ生息可能地の調査に当てる。やや有望と思われる小さな湿地を見つける。 正午から雑木林歩きに切り替える。 ルリタテハ、ヒオドシを見る。なぜか今日はキタテハには遭わず。 東向きの明るい斜面にミヤマセセリを見る。初見、目撃回数は4回。 ギフはまだもう少し先の雰囲気。 午後2時から再びヒメヒカゲ調査に戻る。新たに6箇所マークアップするが、有望なのは1箇所のみ。 畑のあぜ道にベニシジミを見る。初見。 コバノミツバツツジ咲き始める。〔東播磨地方〕 

3月22日(晴れ) 朝から青空が広がる。 8時半からフィールドに出る。今日もヒメヒカゲ生息可能地を探し歩く。 キタテハ、テングは数を増している。 森の小道にルリシジミが多い。地面に落ちた鳥のフンに集まっている。気付くのが遅れ、一斉に飛び立たれてしまったが10分後、舞い戻ってきた。その後はカメラのレンズをどれだけ近づけても無関心となる。 畑のあぜにヤマトシジミ♀を見る。しばらく追いかけていると、カタバミの新芽に産卵を始めた。 雑木林のなかでルリタテハ、キチョウを見る。 明るい畑ではモンシロが多い。 車道わきに小さな湿地を見つける。残念ながら湿地の中は人の踏み跡が網の目のような小道になり広がっている。たぶんここに棲むヒメヒカゲはすさまじい採集圧を受けていることであろう。暗澹たる気分になる。〔東播磨地方〕

3月16日(晴れ) 今日も好天の一日。 午前10時からフィールドを回る。 今日もヒメヒカゲ生息可能地の調査が目的。大から小までまた、アクセスルートが見つからず遠方から場所確認のみを含めて計22箇所のポイントを地図に落とし込む。このうち4箇所は有望か? 山頂でテリを張るヒオドシ2頭を見る。 今日もキタテハ、テングは多い。 運転中にモンキチョウを見る。初見。 ルリシジミ2頭、ムラサキシジミ1頭を見る。 ヒサカキの花の芳香が漂いはじめる。〔東播磨地方〕

3月15日(快晴) 昨日の雨も上がり朝から青空が広がる。午前9時からフィールドに出る。今日もヒメヒカゲ生息可能地を回る。 遠くから見える斜面草地を目指し、ヤブコギしながら行き着く。実際に現地を見ると、明らかに乾燥しすぎだとか、コシダが進入しているとか、面積が小さすぎるとかで、生息は難しそうな場所が多い。 それでも可能性のある数ヵ所を確認する。 気温の上昇とともに、見かけるキタテハ、テングの数が増していく。 キタテハともつれ合うルリタテハを見る。 道なきところを歩く斜面歩きの疲労度は相当なもの。午後1時でギブアップ。 視点を変えて溜池周辺の草地探しに切り替える。 池の土手焼き跡でルリシジミを見る。初見。 ミヤマセセリによく似たガ複数を見るが同定できず。 南向きの畑にモンシロが多い。明らかに発生から数日経過している感じ。 ベニシジミ、モンキは見かけず。 昨日早朝、ツバメ(鳥)を見る。〔東播磨地方〕 

3月9日(晴れ) 昨日より更に気温が上がった一日。 朝9時から友人たちとヒメヒカゲ生息可能地を訪ね歩く。 10箇所以上回るが目ぼしい場所は無し。 午後は単独で調査を継続すが、更に「空振り」ばかりの一日であった。 キタテハを四度、アカタテハを一度目撃する。〔東播磨地方〕

3月8日(晴れ) 早朝から晴れ。最高気温は10度くらいの穏やかな日。 午前中、「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」年次総会に出席する。 午後から恒例のヒメヒカゲの生息可能地を探し歩く。 当地の山は一番高くても標高300mに満たないが、意外に山懐は深く、今日もアップ・ダウンを繰り返しながら延々歩き回る。今日も生息有望地を確認する。 この天気ならテングくらい出てくるかと思ったが姿を見せず。〔東播磨地方〕

3月2日(晴れ) 朝から晴天の一日。午後から雲が広がるとの天気予報を信じて、早めの午前10時からフィールドに出る。 今日も低山を歩く。ウメやモモの花が咲き始め、ミツバチを見かけるようになると本格的な春がもうそこまで来ていることを実感する。 風の当らないヒノキ林の小路でキタテハの日光浴を見る。今年初めての成虫目撃である。最初は敏感で1mまで近寄るのに苦労するが、しつこく追い回していると慣れてきたのか、逃げるの諦めたのか10cmまで接近できるようになる。 ヒメヒカゲが生息していそうなポイントを求めて日頃目星をつけている草地を訪ねる。うち一箇所、それほど規模は大きくないが、これは確実!という草地を見つける。〔東播磨地方〕

2月24日(晴れ一時雪) 昨夜から降り続いた雪は数センチ、温暖な当地では珍しい光景である。 雪が解けた午前11時からフィールドに出る。太陽の下、風がさえぎられた南向きの斜面を歩くと汗が吹き出る。気温は低いが日差しは暖かく、春の気配が感じられる。 登山路から外れた山の斜面に小さな草地を見つけ慎重に岩場を下りる。ヒメヒカゲが生息していそうな草地である。 この場所からの脱出にヤブ漕ぎを強いられ、わずか数10メートルの距離を突破するのに悪戦苦闘する。〔東播磨地方〕

2月23日(晴れ時々曇り、一時雨) 天気が目まぐるしく変わる大荒れの一日。夕方から気温が一気に下がる。 「加古川の里山・ギフチョウ・ネット」の活動の一環、「加古川のチョウを守ろう」シンポジウムを開催させていただく。日頃のギフチョウ保全活動の他、当地に生息するヒメヒカゲ、ウラナミジャノメ、ウラギンスジヒョウモンなど環境省レッドリストにランクインしている種の紹介、全国的にいまや貴重となった湿原・草原環境の希少性、重要性などが演題になった。今シーズン、当地のヒメヒカゲの詳しい生息調査を行うことで意見の一致を見る。採集愛好家の調査域内の採集自粛、節度ある行動を願って止まない。神戸新聞紹介記事は下記の通り〔東播磨地方〕
http://www.kobe-np.co.jp/news/touban/0000849349.shtml

2月11日(晴れ) 久しぶりに朝から天気が良い。運動不足解消を兼ねて、今日も低山を散策する。 雑木林のなかの沢筋にギフチョウ越冬蛹を探すが見つからず。あまり時間をかけなかったが、それでも立て続けに抜け殻2個を確認する。 山中深く、湿地草原を見つける。ヒメヒカゲが生息していそうな雰囲気がある。シーズン中再訪することにしよう。 山を下り、暖かい日差しを浴びながら田んぼ道を歩く。さすがにモンキもモンシロもベニもまだ早いようだ。〔東播磨地方〕

2月10日(晴れ時々曇り一時雨&みぞれ) ここのところ連日寒い日が続く。今日は昨日程でもないがそれでも寒い。 ヒメヒカゲ生息地の冬の状況を撮影するため、各地の草原をまわる。生息地はどこも枯れ草の薄茶色とヒサカキなどの常緑樹の緑のツートンカラー。 幼虫でも探そうかと思ってはみたがミゾレが降り出し、意気消沈、早々に引き上げる。〔東播磨地方〕

1月27日(曇り時々雪) 昨日に続き寒い日。雲が厚くなると雪がチラつく。 今日も低山を歩く。雑木林の中の遊歩道で霜柱を見る。“柱”の高さは約4cm、踏みしめるのがもったいないくらいの立派さである。 尾根筋のハイキングコースに出て、ピークを三つ越える。1時間半歩くだけでも汗が吹き出る。〔東播磨地方〕

1月26日(曇り時々晴れ) 時々陽が差すが寒い一日。 学生研究者の依頼で、一緒にシルビア生息地を回る。 草刈にしろ焼き払いにしろ、手入れされた場所には発生するが、ひとたび手入れされず放置されると姿を消すという理由について、改めてこの時期生息地を回るとなんとなく解るような気がする。 昼食後、ヒメヒカゲが生息しそうな草原、湿地を回る。〔東播磨地方〕

1月19日(晴れ時々曇り:但馬) チョウ関係とは別の目的でハチ高原に向う。 暖かい日差しを浴びて高丸山は白銀に輝いている。 別宮の棚田は雪に埋もれなだらかなスロープを見せている。〔但馬地方〕

1月14日(晴れ時々曇り、一時雨) 昨日に続き寒い一日。 運動不足解消を兼ねて午前10時から河川敷や低山の登山、畑のあぜを歩き回る。 日差しに暖かさを感じるため、もしかしたら何か成虫が飛び出すか、と思ったがさすがに何も姿を見せず。 ナナホシテントウは各地で活発に活動している。〔東播磨地方〕 

1月13日(曇り時々晴れ、一時雨) 冬型の気圧配置で肌寒い。 陽の差している時間帯に飛翔中のヒメアカカテハを見る。たぶん気温は10℃を下回っているはず。〔東播磨地方〕

1月6日(快晴) 昨日以上に暖かい一日。 南向きに傾いている日当たりの良い畑を歩く。期待通りヤマト♂が飛び立つ。年を越して本種の成虫を確認するのは今日が初めてである。緑の葉にはとまらず、必ず地面か地面に落ちている枯葉にとまり翅を開く。たぶん葉の上は冷たいのであろう。 撮影地を変える。日当たりの良い遊歩道のコシダにムラサキ♀を見る。これまた期待通りの登場である。コシダの葉の表面の照り返しが強いため、露出アンダーで撮影する。〔東播磨地方〕

1月5日(晴れ) 昼前からフィールドに出る。ここ最近の楽しみである低山の山歩きに出かける。 風弱く日差しも暖かい絶好のハイキング日和。 南に光り輝く瀬戸内海、北に里山を交えた田園風景を見ながら縦走を楽しむ。 結構暖かいがさすがに見かけるチョウはいない。 歩数13000、3時間半歩くと足が棒になった。〔東播磨地方〕 


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