◆ミドリシジミ越冬卵調査

はじめに

 里山の代表的なゼフィルスであるミドリシジミ。その生息地が自宅近くに存在することが判り、2002年冬、2回に渡り越冬卵の調査を行った。里山とはいえ、20万人都市内であり、常に新たな住宅地開発、公共施設建設がいつ行われるかもわからない、特に最近では産業廃棄物処理施設建設の危険をはらんでいる地域である。いつまでこの良好な環境が保たれるか判らない微妙な地理的位置にあるため、記録として残す必要性を感じ今回の調査になった。

調査地の概要

 東、南、北の3方向を小高い丘に囲まれ、西側のみが開けている地形である。感覚的には盆地に似た雰囲気をかもし出している。中央部には数軒の民家とその周りの野菜畑、さらには灌漑用ため池、なだらかな斜面を切り開いて棚田と湿地が広がっている。標高は60m、面積0.5ku、周囲の小ピークからはいく筋もの水量豊富な谷川が流れている。地元古老からの聞き取りでは、湿地はかつてすべて水田であったが、行政の減反政策により特に水はけの悪い地所の稲作を放棄したため、親水性樹木のハンノキが一気にその勢力を強めた、とのことであった。ハンノキは現在でもその勢力を拡大しつつあり、幼木はいたるところに見られる。

調査対象

 一定の範囲に生えるハンノキに産み付けられたミドリシジミ卵の調査を行った。具体的には、産卵位置、卵塊の有無・大きさ、総卵数、産卵樹の幹の周長、産卵樹の生える位置、等である。調査ハンノキ総本数は63本、幹の周長は10cm未満の幼木から樹齢数十年で周長65cm以上の大木までである。無作為に選んだのではなくまとまって生えている場所を集中的に調査、カウントした。しかしながら当地に生えるハンノキ総数は非常に多く、ざっとみても1000本以上あるのは確実であり、今回の調査本数は明らかに全体の数%をカバーしたにすぎないことをことわっておく。

調査日

2002年2月2日  9:30〜12:00
2002年2月24日 14:00〜16:00

◆基礎データ

◆調査結果1:産卵樹の生える位置と卵数

◆調査結果2:樹の生える位置の違いによる卵の有無

◆調査結果3:卵塊の大きさと箇所数

◆調査結果4:産卵樹の幹の周長と卵数

◆調査結果5:産卵位置(地上高)と卵数


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