◆今後の課題

 2001年シーズン観察においてウラナミジャノメの交尾個体を確認した。夕刻明るい場所でイヌツゲの枝で繋がっていた。訪花・吸蜜についてはヒメウラナミジャノメはノイバラで確認したが、ウラナミジャノメにおいては確認できなかった。
 産卵行動については2002年、2001年シーズンとも確認できなかった。幼虫探索を行なった結果でも、見つかったのはヒメヒカゲのみであった。ウラナミジャノメ、ヒメウラナミジャノメとも食草を明らかにする手がかりさえ得られなかった。これまでの延長線での調査・観察回数および手法では両種とも、その食草を明らかにすることは極めて難しいように感じている。
 今回の調査を行なうにあたり貴重なアドバイスをいただいた近藤伸一氏からも、ウラナミジャノメの兵庫県内における食草の唯一の確認例はメリケンカルカヤである旨教えていただいているが、現時点での私自身の植物への知識不足からこの食草の同定すらできない体たらくである。また近藤氏はウラナミジャノメの成虫目撃地と産卵地(幼虫生息地)が離れているのではないかと予想されており、今後の観察調査のひとつの方向を示すものであると認識している。いずれにしろ来シーズン以降も継続観察予定である。 


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