◆調査結果1:目撃数の推移

 当播磨地方におけるヒメウラナミジャノメ初見日は2002年シーズンが4月13日、2001年、2000年シーズンとも4月22日であった。例年は4月中頃から出現している。今回の調査開始日である4月21日は、他の場所での初見日から遅れること8日目のスタートになった。ヒメウラナミジャノメの第1化のピークは4月末から5月中頃にかけてである。第1化の発生期間はほぼ一ヶ月である。
 他方、ウラナミジャノメの初見日は2002年シーズンが6月1日、2001年シーズンが6月2日であった。2002年も2001年も初見ポイントはまったく同じであった。明るい草原のなかの非常に狭い一角である。最終目撃日は2002年シーズンが6月23日、2001年シーズンが6月30日であった。ウラナミジャノメにおいても発生期間はヒメウラナミジャノメのそれに同じくちょうど一ヶ月間であり、当生息地においては6月の間だけ発生していることになる。尚、当生息地のウラナミジャノメは第1化の発生のみである。
 ヒメウラナミジャノメの第2化個体初見日は2002年シーズンが6月23日、2001年シーズンが6月30日であった。
 以上から明らかなように両種が混生している当生息地においては環境の棲み分けとういよりは時期的な棲み分けを行なっていると思われる。例外として2002年シーズンでは6月23日に1例、2001年シーズンでは6月10日に1例、両種の混飛を確認した。
 当生息地以外のヒメウラナミジャノメ単独の発生地においては第1化から第2化への推移はダラダラと行なわれるようであり、6月であってもヒメウラナミジャノメを多く見かけることから両種の棲み分けは混生地特有の生態であると思われる。

4月21日 4月29日 5月6日 5月11日 5月18日 5月26日
ヒメウラナミジャノメ 4 20 11 13 6 6
ウラナミジャノメ 0 0 0 0 0 0
6月1日 6月8日 6月16日 6月22日 6月23日 7月6日
ヒメウラナミジャノメ 0 0 0 0 2 13
ウラナミジャノメ 1 8 5 2 3 0


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