◆ヒョウモンモドキはイノシシに守られて

 ベニモンカラスと同様、ヒョウモンモドキにもお目にかかったことがありませんでした。ベニモン採りで友人になったI氏にお伺いしたところ、6月12日にたくさん採れた、とのこと。ムム、これは行くしかない。でもポイントは、同じような地形が多いので、説明しても行きつけない、とも。サラリーマンの禁じ手、平日勝手に休暇、で6月16日に広島に大遠征とあいなりました。

 途中、仮眠の予定が、熟睡してしまい、現地到着目標時間から遅れてしまい、なんとか9時に着きました。風はあるが、まずまずの天気です。池の周りか、休耕田の奥とのアドバイス通り、あちこちそれらしいところを探し回りましたが、いるのはウラギンヒョウモンばかり、あるのは先人の足跡ばかり、出るのはため息ばかりです。

 これでもか、これでもかと20箇所以上回りましたが、現れず。昼近くになり、空模様もあやしくなってきて、なんだか一雨来そうな感じです。今日もヌルか!と半ば諦め気分で、これで最後と、ちょっと大きな休耕田の谷を入ってみることにしました。すると、高さ1Mくらいのコンクリート塀でかこまれた、なんだかあやしいものが目に入りました。何だろう、と近づいてみると、突然、「ブオー!」と動物のおたけび、もうびっくりです。おおきなイノシシ2頭が、人が来たものだから、興奮して塀の中を走り回っています。イノシシもおどろいたでしょうが、私もおどろきました。なんでこんなとこに、イノシシが飼われているんじゃ!

 興奮さめやらぬ中、谷の奥にズンズン進んでいきます。と、とある廃屋の前でなにげなく採ったウラギンヒョウモン、でもよく見ると、なんとモドキではありませんか!やったー!小雨交じりのなか、うれしさがじわじわとこみ上げてきました。帰りはドシャ振り、でも、こころは満足感でいっぱいでした。


*現在、当地ではヒョウモンモドキの保護活動が行なわれています。1999年当時、これほど絶滅の危機にあるとは知らず、採集するという愚行をおかしてしまいました。深くお詫びいたします。


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