◆不思議な石

 今回は不思議な石のおはなしです。
 石というよりは砂粒と言ったほうが現実に近いのかもしれません。何がどう不思議なのかと申しますと形が変なのです。これがなんとまったくの正立方体なのです。もっと簡単に言えば、とても小さな、そして完璧なサイコロ形状の石なのです。大きさは最大で一辺の長さ5mm、最小は0.5mm以下、というよりもこれ以上小さいと乱視の私では見分けられません。小さな石は黒く光り、大きくなると土や泥が付くためか茶色に染まっています。コンタクトレンズを落としたときのように、地に顔をつけてよくよく探せばこんな石が見つかるのです。

 なぜ私がこの石の存在を知るに至ったかと申しますと、もうかれこれ4,5年前になりますか、チープな価格で有名な某アウトドア雑誌のすみっこにこの石の記事を見つけたことに始まります。「ふーん・・」と何気なく眺めていたところ、場所の表記が目に入ったとたん驚きました。私の西播磨での活動エリアのど真ん中にあるではありませんか!即行動をモットーにしている私は翌日、ガキ2人を連れて現場に車を走らせたことは言うまでもありません。

 兵庫県佐用郡上月町(こうづきちょう)中山の七願不動というお寺の境内の端っこの木の下にこの石はあります。伝説によりますと、昔、竜がやってきてこの場所で粉々に飛び散った、そのカケラがこの石になった・・云々、といったことがかの雑誌か境内の案内板に記されていたように記憶しています。さしずめこの竜は車のフロントガラスといったところでしょうか。

 車一台がやっと通れる急坂の山道を5分ばかり登ったところにこのお寺はありました。由緒正しくまた歴史を感じさせる立派なお寺ではあったのですが、さてさて問題の石がどこにあるのかさっぱり見当もつきません。やむなく住んでおられる方にお尋ねし案内いただきました。導かれた場所というのが、これまたなんの変哲も無いただの山道の木の下なのです。こんなところに本当にあるん?下を見ても普通の地面です。ガキを前にして「さあ、ここや、さがせー!」と一声号令を発してみたものの、私は探さずしばらくようすをみることにしました。数分ののち、チビガキが「あったー!」、デカガキも「見つけたー!」 なんや、あるやないか、ほな探してみよかー、てなことで私も探し始めました。でも、でも見つかりません。ガキ共は競い合って数を重ねていきます。「お父さん、あった?」、私「ない・・」、うーん!くやしい!!日頃のけがれや邪念のかたまりである私では見つけることはできないのかもしれません。ズボンの膝が汚れるのをいとわなくなった10数分後やっと見つけました。確かに不思議な石が手のひらにあります。まじまじ見つめると、オーラを発しているような、エネルギーを放出しているような不思議な感じが伝わってきます。

 子供をつれての宝探し、しかも無料(ただ)!さあ、休日のたびにどこへ行こうかと悩んでいるお父さん!一度行ってみてください。

 *お寺の修繕費捻出のため、自筆サインの瓦を奉納していただきたいとのことですので、みなさん行かれた際は協力いたしましょう!代金千円也(だったかな?) 


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